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29. 学生会
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ピンクのフレグランス嬢は少し酔いが醒めたようで「また、遊びにくるね~」と言いながら手を振ってフラフラしながら帰って行く。
愚痴をこぼして美味しいお菓子を食べたのはストレス発散になったようだ。酔っぱらったけど。
「あたしが聖女になったらリーナはお付きの人だから、何でも言う事きいてよね~。そうしたら星の王子様がいてもいいなぁ。星の王子さまがあたしに跪づく……、それもありだね。18ぐらいの王子様は結構好みなんだ。そうだ、リーナがパズルを解けばいいんだ。でね、ドラゴンを手に入れてピューンとヒトッ飛び~」
「ドラゴン……」
「リーナの誕生日は七夕だよね。ちゃんと覚えているんだから。そうしたら、7月になったら寝る前に氷、氷って祈ってね。だって、氷がいるんだもん。オッキイ氷じゃないといい杖もらえないし」
「氷……、それより魔王の封印って、どこにあるんですか?」
「ふふっ、ひ・み・つ。どこでしょう~。秘密の話はあ・の・ね・の・ね~」
「秘密……」
「だって、よく覚えてないんだもん。でも、行ったらわ・か・る。うーんと、聖女に成るのが先で魔王は後~なんだけど、頭来たからぁ、魔王、復活させちゃおうかなぁ~。でもぉ、そうしたら忙しくなるから~どうしよう~、なぁかま、集めるの~メンドウ~あ~ははは~、何か気持ちいい~」
ピンクさんの話はあっちに行ったりこっちに行ったり、途中に愚痴や悪口が入ったりしたが、ゲームの中で私がお助けキャラだというのは間違いないようだった。
魔王の封印されている場所は確認しておきたかったけど、わからなかった。どうやって封印を解くのかもわからない。ピンクさんは好き勝手にしゃべるから。
私には誘導尋問なんて無理、と思わされたひと時だった。
でも、ピンクさんが14歳の時に聖女になってからがゲームの始まりで、学園4年生の時に魔王の復活と仲間集めと再封印、そして、卒業の3月に武闘会があるので、そこで誰の手を取るか決めるらしい。
ぶとうかいは舞踏会ではなく武闘会。
その武闘会で優勝すると上の大会に出る事が出来る。
上の大会とは魔法大学校の卒業生代表と騎士学校の代表と一般の人も交えて大武闘会が行われ、そこで優勝すると何でも願いを叶えてもらえる。もちろん、常識的な範囲内だが爵位も希望すれば一代男爵が貰える。
実際には出来レースみたいな感じで騎士学校と魔法大学校の対決みたいになっているし、優勝しても名誉があれば充分ですとか言うそうだ。実際、優勝するのは貴族なのでこれまで特に問題はなかった。
しかし、もし、ピンクさんが魔王討伐の仲間の内、平民の手を取る事にした場合はここで、その選ばれた彼が優勝して爵位を手に入れたうえでピンクさんにみんなの前でプロポーズをする。
しかも、聖女とその仲間という事でアルファント殿下とラクアート様が中心になって伯爵にしてもらえるそうだ。
そして、二人は豊かな領地をもらい、いつまでも幸せに暮らしましたとさ。めでたし、めでたし、ですって。ご都合主義ですね。
と、色々分かった事を私とお兄様は学生会の会議室で防音のバリアーを張った状態でお話している。
凄くイヤだったけど魔王復活の事を考えると、アルファント殿下と直ぐに連絡がつく学生会に入っていたほうがいいんじゃないかと思ったのだ。
私とお兄様だけだと、お兄様はすぐ「殲滅しよう」と言い出すし、私も最近は心の中で「殲滅しちゃおうかな」なんてワードが浮かんでくるようになってしまったから、ストッパーになる人が必要な気がする。
アルファント殿下もだけど侍従の人が頼りになりそうな気がするし彼は私の好みなのだ。でも、決して、侍従の人とお近づきになりたいと思ったからではない。
殿下は凄く喜んで迎え入れてくれた。
小さく「食べ放題」と呟いていたような気もしたけど。
1年生で女の子なのに学生会に入るなんてお姉さまたちの風当たりが怖かったけど、タウンハウスのお姉さまたちを始め1年生も他の学年の皆さまも視線が暖かかった。
エーアリア様いわく、ラクアート様から蔑ろにされている婚約者という事で私、皆さまから同情されているのですって。
それもどうかと思うけど。
「ラクアートが何か言ってくるかと思ったけど、あいつ、学生会の仕事は結構大変だからしたくないみたいで、リーナが代わりに仕事をするからよろしくって言ってきた。あのピンクもあたしの代わりと思ってこき使って、だってさ」
「何様だ。あのピンク頭」
「ほんと、信じられないよな~」
「ゲームが始まったらアルファント殿下のツンツンした態度が段々崩れて、構って欲しそうに寄ってくるそうですよ」
「うわー、見たくないです」
「止めてくれ!」
アルファント殿下と侍従の人が二人して凄くイヤな顔をした。
だので、沢山作り置きしておいたお酒のケーキを出してあげたら、気分が治ったらしい。美味しそうに食べていた。
ゲームの前なのに、ラクアート様はすっかり攻略されているし、後は「ガーヤとかリンドン」とピンクさんが呼び捨てにしている侯爵家のガーヤ・ジートリス様と魔法庁長官の子息リンドン・マジーク様はピンクさんが来ると嬉しそうにするそうだ。
ただ、仕事を投げ出したりはしないから、完全にデレてるというわけではないみたい。
でも、ピンクさん、聖女にはなれないと思うんだけど、その場合、この乙女ゲームはどうなってしまうのだろう。
まさか、ゲームが始まらないのに、魔王だけが復活とかしないよね。
愚痴をこぼして美味しいお菓子を食べたのはストレス発散になったようだ。酔っぱらったけど。
「あたしが聖女になったらリーナはお付きの人だから、何でも言う事きいてよね~。そうしたら星の王子様がいてもいいなぁ。星の王子さまがあたしに跪づく……、それもありだね。18ぐらいの王子様は結構好みなんだ。そうだ、リーナがパズルを解けばいいんだ。でね、ドラゴンを手に入れてピューンとヒトッ飛び~」
「ドラゴン……」
「リーナの誕生日は七夕だよね。ちゃんと覚えているんだから。そうしたら、7月になったら寝る前に氷、氷って祈ってね。だって、氷がいるんだもん。オッキイ氷じゃないといい杖もらえないし」
「氷……、それより魔王の封印って、どこにあるんですか?」
「ふふっ、ひ・み・つ。どこでしょう~。秘密の話はあ・の・ね・の・ね~」
「秘密……」
「だって、よく覚えてないんだもん。でも、行ったらわ・か・る。うーんと、聖女に成るのが先で魔王は後~なんだけど、頭来たからぁ、魔王、復活させちゃおうかなぁ~。でもぉ、そうしたら忙しくなるから~どうしよう~、なぁかま、集めるの~メンドウ~あ~ははは~、何か気持ちいい~」
ピンクさんの話はあっちに行ったりこっちに行ったり、途中に愚痴や悪口が入ったりしたが、ゲームの中で私がお助けキャラだというのは間違いないようだった。
魔王の封印されている場所は確認しておきたかったけど、わからなかった。どうやって封印を解くのかもわからない。ピンクさんは好き勝手にしゃべるから。
私には誘導尋問なんて無理、と思わされたひと時だった。
でも、ピンクさんが14歳の時に聖女になってからがゲームの始まりで、学園4年生の時に魔王の復活と仲間集めと再封印、そして、卒業の3月に武闘会があるので、そこで誰の手を取るか決めるらしい。
ぶとうかいは舞踏会ではなく武闘会。
その武闘会で優勝すると上の大会に出る事が出来る。
上の大会とは魔法大学校の卒業生代表と騎士学校の代表と一般の人も交えて大武闘会が行われ、そこで優勝すると何でも願いを叶えてもらえる。もちろん、常識的な範囲内だが爵位も希望すれば一代男爵が貰える。
実際には出来レースみたいな感じで騎士学校と魔法大学校の対決みたいになっているし、優勝しても名誉があれば充分ですとか言うそうだ。実際、優勝するのは貴族なのでこれまで特に問題はなかった。
しかし、もし、ピンクさんが魔王討伐の仲間の内、平民の手を取る事にした場合はここで、その選ばれた彼が優勝して爵位を手に入れたうえでピンクさんにみんなの前でプロポーズをする。
しかも、聖女とその仲間という事でアルファント殿下とラクアート様が中心になって伯爵にしてもらえるそうだ。
そして、二人は豊かな領地をもらい、いつまでも幸せに暮らしましたとさ。めでたし、めでたし、ですって。ご都合主義ですね。
と、色々分かった事を私とお兄様は学生会の会議室で防音のバリアーを張った状態でお話している。
凄くイヤだったけど魔王復活の事を考えると、アルファント殿下と直ぐに連絡がつく学生会に入っていたほうがいいんじゃないかと思ったのだ。
私とお兄様だけだと、お兄様はすぐ「殲滅しよう」と言い出すし、私も最近は心の中で「殲滅しちゃおうかな」なんてワードが浮かんでくるようになってしまったから、ストッパーになる人が必要な気がする。
アルファント殿下もだけど侍従の人が頼りになりそうな気がするし彼は私の好みなのだ。でも、決して、侍従の人とお近づきになりたいと思ったからではない。
殿下は凄く喜んで迎え入れてくれた。
小さく「食べ放題」と呟いていたような気もしたけど。
1年生で女の子なのに学生会に入るなんてお姉さまたちの風当たりが怖かったけど、タウンハウスのお姉さまたちを始め1年生も他の学年の皆さまも視線が暖かかった。
エーアリア様いわく、ラクアート様から蔑ろにされている婚約者という事で私、皆さまから同情されているのですって。
それもどうかと思うけど。
「ラクアートが何か言ってくるかと思ったけど、あいつ、学生会の仕事は結構大変だからしたくないみたいで、リーナが代わりに仕事をするからよろしくって言ってきた。あのピンクもあたしの代わりと思ってこき使って、だってさ」
「何様だ。あのピンク頭」
「ほんと、信じられないよな~」
「ゲームが始まったらアルファント殿下のツンツンした態度が段々崩れて、構って欲しそうに寄ってくるそうですよ」
「うわー、見たくないです」
「止めてくれ!」
アルファント殿下と侍従の人が二人して凄くイヤな顔をした。
だので、沢山作り置きしておいたお酒のケーキを出してあげたら、気分が治ったらしい。美味しそうに食べていた。
ゲームの前なのに、ラクアート様はすっかり攻略されているし、後は「ガーヤとかリンドン」とピンクさんが呼び捨てにしている侯爵家のガーヤ・ジートリス様と魔法庁長官の子息リンドン・マジーク様はピンクさんが来ると嬉しそうにするそうだ。
ただ、仕事を投げ出したりはしないから、完全にデレてるというわけではないみたい。
でも、ピンクさん、聖女にはなれないと思うんだけど、その場合、この乙女ゲームはどうなってしまうのだろう。
まさか、ゲームが始まらないのに、魔王だけが復活とかしないよね。
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