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Ⅱ-136 神殿の洞窟2 ※5/8追加しました スミマセン。
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■神殿の洞窟
巨大な亀の甲羅に12.7㎜弾を100発撃ちこんだが、何の反応も無かった。的の揺れ方から見て空洞の甲羅と言う事でもないはずなのだが、微動だにしないところを見ると既に死んでいるのかもしれない。死んでいるとしても安心できるわけでもないのだが・・・。
事前調査が完了したと判断して、足元と亀の甲羅に注意しながら円形の部屋の中に入った。甲羅に近づかないように壁際を左回りで進んで行く。足元は手りゅう弾で削られた岩が転がっているが概ね平らで仕掛けなどは無いように見えた。部屋の半分ぐらい進んだところで、ママさんが落ち着いた声で嫌なことを言った。
「入って来たところが閉まって行くようです」
「えっ!?」
振り返ると置いて来たバイクのライトが段々と狭い線になろうとしていた。
「戻りましょう!」
ママさんとサリナを追い越すように入り口へと駆けだしたが、俺が到達する前にバイクの明かりが完全に消えた。手元のフラッシュライトで手元の明かりは確保しているが部屋全体が急に見通せなくなったので、直ぐに部屋の中に4輪バギーを取り出してライトをつけるために乗り込むとサリナの悲鳴がヘッドホンから聞えた。
「イヤァー!」
「どうした!?」
俺の声と同時に暗い部屋の中でマズルフラッシュが3回光った。ママさんが何かを狙って撃ったようだ。ママさんが向けたライトは上向きで、宙づりになったサリナが見えた。バギーから飛び降りて、サリナの1メートル上を狙ってアサルトライフルのトリガーを短く3回引いた。曳光弾の弾道が暗闇で線となりサリナの上でうごめく何かを捕らえたと同時にサリナが地面に落ちてきた。
「何が居るんだ? サリナ、大丈夫か!?」
「鳥のような何かですね・・・」
「うん、膝をぶつけたけど大丈夫!」
二人とも無事なようで安心したが、天井付近の警戒を怠っていたことに今更気が付いた。足元に意識が向いていたが、何があっても不思議の無い洞窟なのだ。天井と壁にも注意が必要だった。
アサルトライフルのライトで天井付近を照らすと、光の中を通過する羽が一瞬だけ見えた。
-また、蝙蝠だな。
かなり大きいが迷宮で前に見た奴ほどではないと思う。あれは翼長が3メートル以上あった化け物サイズだが、それよりは一回り小さい。いずれにせよ、頭上をパタパタと飛んでいてちびっ娘ぐらいなら持ち上げることが出来るデカさだ。サリナはそんなに軽くは・・・、それは良いとして、蝙蝠には音響弾が効果的だ。
「俺が合図したら、二人とも目を瞑ってくれ!」
「わかった!」
返事を聞きながらスタングレネード(音響閃光弾)を取り出して、ピンを抜いて目を左腕で塞いでから上空へと放り投げた。
-パァッーン!!
マイクを通した炸裂音がヘッドホンから聞こえると同時にアサルトライフルのライトで地面を探すと亀の横でバタバタしているのが・・・2匹いた!短い連射を繰り返すと、ママさんも横からグロックで確実に9㎜弾を撃ちこんでいる。アサルトライフルの銃弾で翼の一部が裂けたように見えたが、容赦せずに胴体に向かって撃ち続けて、マガジン交換をして更に30発を浴びせると2匹とも動かなくなった。
もう一度マガジン交換をして右側からゆっくりと回り込みながら銃口を向けたまま蝙蝠の残骸に近づこうと・・・。
-バサ、サ、サ、サ、サ、サ、サ、サ、サ!
横たわっていたはずの蝙蝠が黒い小さな蝙蝠に分裂して頭上へ飛びあがった。すぐにショットガンを取り出して、頭上方向へ向けて撃ちまくる。12ゲージの銃弾には鳥用のバードショットが200発近く入っていて、おおよその方向に居る蝙蝠に幅広く襲い掛かった。天井付近は暗くてほとんど見えなかったがヘッドライトの明かりで見えるたびにトリガーを引きまくった。
「向こうです!」
ヘッドホンから聞こえたママさんの声でみまわすと、ライトで蝙蝠が逃げようとしている小さな通路を照らし出していた。通路に向かってショットガンを撃ちまくりながら小走りに追いかける。
「あの通路に行くぞ!」
返事は聞こえなかったが、通路の入り口まで行ってから逃げて行く蝙蝠へ向かって弾倉が空になるまでショットガンを撃った。アサルトライフルに持ち替えて後ろを向くと、二人ともしっかりとついて来ていた。何匹もの蝙蝠がパタパタとのたうち回っているのが気になったが、まずは明かりを確保することが重要だった。通路の幅は1メートル程しかなく頭上も俺の身長でぎりぎりぐらいの狭い通路だったので、足元にフラッシュライトを置きながら少しずつ前進していった。
100メートル程進むと通路が右に直角に折れ曲がっている場所に出くわしたので、ジュラルミンの盾に隠れながら曲がり角へ手榴弾を投げた。轟音と爆風が狭い通路の中で吹き付けてきたが、盾とヘッドホンに守られて体も耳も無事だった。曲がり角の手前まで行って、右に向かって同じ手順で手榴弾を投げた。楯に隠れて爆風に備えた・・・が、思ったほどの爆風は吹いて来なかった。という事は、曲がり角の先は広い空間になっているのだろう。そう思って、大きいライトを3本右方向に向けた状態で床に転がして頭だけで先を見たが、すぐに頭を戻して考え込んだ。
「どうしたの?」
「いや、この先も広い部屋みたいなんだけどな・・・」
「何か居るの?」
「ああ、ここにも亀が居る」
「亀!?」
巨大な亀の甲羅に12.7㎜弾を100発撃ちこんだが、何の反応も無かった。的の揺れ方から見て空洞の甲羅と言う事でもないはずなのだが、微動だにしないところを見ると既に死んでいるのかもしれない。死んでいるとしても安心できるわけでもないのだが・・・。
事前調査が完了したと判断して、足元と亀の甲羅に注意しながら円形の部屋の中に入った。甲羅に近づかないように壁際を左回りで進んで行く。足元は手りゅう弾で削られた岩が転がっているが概ね平らで仕掛けなどは無いように見えた。部屋の半分ぐらい進んだところで、ママさんが落ち着いた声で嫌なことを言った。
「入って来たところが閉まって行くようです」
「えっ!?」
振り返ると置いて来たバイクのライトが段々と狭い線になろうとしていた。
「戻りましょう!」
ママさんとサリナを追い越すように入り口へと駆けだしたが、俺が到達する前にバイクの明かりが完全に消えた。手元のフラッシュライトで手元の明かりは確保しているが部屋全体が急に見通せなくなったので、直ぐに部屋の中に4輪バギーを取り出してライトをつけるために乗り込むとサリナの悲鳴がヘッドホンから聞えた。
「イヤァー!」
「どうした!?」
俺の声と同時に暗い部屋の中でマズルフラッシュが3回光った。ママさんが何かを狙って撃ったようだ。ママさんが向けたライトは上向きで、宙づりになったサリナが見えた。バギーから飛び降りて、サリナの1メートル上を狙ってアサルトライフルのトリガーを短く3回引いた。曳光弾の弾道が暗闇で線となりサリナの上でうごめく何かを捕らえたと同時にサリナが地面に落ちてきた。
「何が居るんだ? サリナ、大丈夫か!?」
「鳥のような何かですね・・・」
「うん、膝をぶつけたけど大丈夫!」
二人とも無事なようで安心したが、天井付近の警戒を怠っていたことに今更気が付いた。足元に意識が向いていたが、何があっても不思議の無い洞窟なのだ。天井と壁にも注意が必要だった。
アサルトライフルのライトで天井付近を照らすと、光の中を通過する羽が一瞬だけ見えた。
-また、蝙蝠だな。
かなり大きいが迷宮で前に見た奴ほどではないと思う。あれは翼長が3メートル以上あった化け物サイズだが、それよりは一回り小さい。いずれにせよ、頭上をパタパタと飛んでいてちびっ娘ぐらいなら持ち上げることが出来るデカさだ。サリナはそんなに軽くは・・・、それは良いとして、蝙蝠には音響弾が効果的だ。
「俺が合図したら、二人とも目を瞑ってくれ!」
「わかった!」
返事を聞きながらスタングレネード(音響閃光弾)を取り出して、ピンを抜いて目を左腕で塞いでから上空へと放り投げた。
-パァッーン!!
マイクを通した炸裂音がヘッドホンから聞こえると同時にアサルトライフルのライトで地面を探すと亀の横でバタバタしているのが・・・2匹いた!短い連射を繰り返すと、ママさんも横からグロックで確実に9㎜弾を撃ちこんでいる。アサルトライフルの銃弾で翼の一部が裂けたように見えたが、容赦せずに胴体に向かって撃ち続けて、マガジン交換をして更に30発を浴びせると2匹とも動かなくなった。
もう一度マガジン交換をして右側からゆっくりと回り込みながら銃口を向けたまま蝙蝠の残骸に近づこうと・・・。
-バサ、サ、サ、サ、サ、サ、サ、サ、サ!
横たわっていたはずの蝙蝠が黒い小さな蝙蝠に分裂して頭上へ飛びあがった。すぐにショットガンを取り出して、頭上方向へ向けて撃ちまくる。12ゲージの銃弾には鳥用のバードショットが200発近く入っていて、おおよその方向に居る蝙蝠に幅広く襲い掛かった。天井付近は暗くてほとんど見えなかったがヘッドライトの明かりで見えるたびにトリガーを引きまくった。
「向こうです!」
ヘッドホンから聞こえたママさんの声でみまわすと、ライトで蝙蝠が逃げようとしている小さな通路を照らし出していた。通路に向かってショットガンを撃ちまくりながら小走りに追いかける。
「あの通路に行くぞ!」
返事は聞こえなかったが、通路の入り口まで行ってから逃げて行く蝙蝠へ向かって弾倉が空になるまでショットガンを撃った。アサルトライフルに持ち替えて後ろを向くと、二人ともしっかりとついて来ていた。何匹もの蝙蝠がパタパタとのたうち回っているのが気になったが、まずは明かりを確保することが重要だった。通路の幅は1メートル程しかなく頭上も俺の身長でぎりぎりぐらいの狭い通路だったので、足元にフラッシュライトを置きながら少しずつ前進していった。
100メートル程進むと通路が右に直角に折れ曲がっている場所に出くわしたので、ジュラルミンの盾に隠れながら曲がり角へ手榴弾を投げた。轟音と爆風が狭い通路の中で吹き付けてきたが、盾とヘッドホンに守られて体も耳も無事だった。曲がり角の手前まで行って、右に向かって同じ手順で手榴弾を投げた。楯に隠れて爆風に備えた・・・が、思ったほどの爆風は吹いて来なかった。という事は、曲がり角の先は広い空間になっているのだろう。そう思って、大きいライトを3本右方向に向けた状態で床に転がして頭だけで先を見たが、すぐに頭を戻して考え込んだ。
「どうしたの?」
「いや、この先も広い部屋みたいなんだけどな・・・」
「何か居るの?」
「ああ、ここにも亀が居る」
「亀!?」
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