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Ⅱ-112 魔法練習2
しおりを挟む■洞窟の中
洞窟のリンネの太ももの上でゆっくり休んだサリナは翌日の朝から魔法練習を兼ねてリンネに頼まれたお風呂を作ることになった。サリナの魔法練習でリンネも全身が砂まみれになったから汚れを落としたかったのだが、せっかくなら何か課題を与えた方が良いと思ったようだ。
「お風呂? どうすれば良いの?」
「そりゃあ、アンタの魔法でまずはバーンと地面に穴を開けるんだよ。その後も魔法で水を入れて、魔法の炎を使えばお湯になるんじゃないかい?」
「そっか! 穴、水、火の順番ね!穴・・・、どのぐらいかな・・・」
サリナはブツブツ言いながら洞窟の片隅に歩いて行き、ロッドを足元の地面に向けようとした。
「もう少し離れた方が良いんじゃないかい?それだと自分に石が飛んでくるだろ?」
「うん・・、でも上から撃たないと深い穴にならないから・・・」
「あんた、サトルから教わっただろ? 前の勇者はロッドの先じゃなくても出したいところから風の魔法を出せたって」
「うん・・・、でも上手くいかなかったんだよね。ロッド以外からだと弱い風しか出ないの」
「そうかい、だけど練習あるのみだよ。そうすれば、強い魔法士になってサトルも大人の女として認めてくれるんじゃないかい?」
「わかった! 頑張る!」
サリナはリンネの言葉に煽られてやる気を漲らせてロッドを地面ではなく少し離れた天井に向けた。
-風の神ウィン様、差し示す場所から強い風を地面に叩きつけてください!
頭の中でイメージと祈りを重ねて意識を集中させると大声で叫んだ。
「じぇっと!」
ゴォっという音ともにサリナのロッドが示した場所から地面に向けて強い風が吹いた・・・が、硬い地面を割れるほどの強さではなく、転がっている岩が四方に飛んで行く程度だった。
「やっぱり、ダメだ―!」
「そんなに直ぐに上手くいかないだろ。何回も練習して、強さの加減を覚えるんだよ。大人に成るってのはそういうことだからね」
「うーん・・・判った、頑張る!」
サリナはハードルの高い注文をこなすために、何度も同じような魔法を繰り返して徐々に風の強さを強くしていった。だが、風の力が強くなると地面に当たった風が横に飛んできて、サリナ自身が立てないほどの強さになってくる。
「リンネ・・・、何だかう上手くできないよ・・・」
「風を強く吹かせるだけじゃなくて、昨日みたいに狭い範囲に風を出さなきゃダメなんじゃないかい?」
「そっか! 狭い範囲ね! うん、やってみる!」
素直なちびっ娘は目を瞑って風の神に祈りを捧げた。
-ウィン様、細い風です。細いのをお願いします。ロッドの太さぐらいで!
-それと、強さは全力・・・の半分で!
目を開くとロッドを天井に向けて叫びながら振り下ろした。
「じぇっと!」
-バッッシーーン!
サリナの掛け声とほぼ同時に地面から激しい衝撃が伝わり、周囲に岩がはじけ飛んで、サリナの顔をかすめるように後ろの壁に飛んで行った。神はいつもサリナに優しいのだ。
「ウワァっ!」
驚いたサリナは思わずのけぞって尻もちをついた。
「大丈夫かい?」
「うん、大丈夫。ちょっとびっくりしただけ・・・」
「そうかい。だけど、だいぶ上手くいったんじゃないかい?」
「そうかなぁ?」
リンネはサリナの手を引いて起こしてやり、二人で岩がはじけ飛んだ場所を見に行った。
「あんた! 凄いじゃないか! こんなに狭い範囲にちゃんと風魔法が・・・、それにかなり深いところまで・・・、でも、ちょっと深すぎるんじゃないかい?」
「ん?」
サリナが風魔法で地面に穿った穴は直径30cmぐらいだったが、深さは奥に光が届かないほどの深さのようだった。
「こんなに深いと溺れちまうね、だけどもう少し広げて行けば横が崩れて埋まるかもしれないね。もう少しだけ弱くして穴を広げるようにやってごらんよ。だけど、本当に大したもんだよ。あんたは凄いよ」
「そうかな? サリナは凄いかな!じゃあ、もう少し大きくするね♪」
褒められてご機嫌のちびっ娘は何度も地面に魔法を叩きつけて、穴の大きさを拡大していった。横で見ているリンネはお世辞でなく本当にすごいと思っていた。こんなに早く風の強さと範囲をコントロールできるとは思っていなかったが、この調子なら横穴を開けることもできるようになるだろう。
「どうかな? もう、入れるぐらいの広さになったよ」
「本当だね。あたしが入って下の岩を片付けるよ。足場が悪いと危ないからね」
サリナが作った穴は直径2メートルぐらいになっていて、二人で入るにも十分な大きさだったが、底の部分に尖った岩が積み重なっていたので、水を入れる前にできるだけ湯船の底を平らにしておいた。
「よし、じゃあ。今度は水を入れてごらん」
「うん、『うぉーたー!』」
水の量は自在に操れるようで、サリナの左手から迸った水が深さ50㎝ぐらいの風呂をすぐに満たした。
「次は火ね。水の上を焼けばいいのかな?」
「いや、それだと上の方だけ熱くなるだろ? 穴の周りに転がってる大きい石を焼いておくれ」
「石を?どうして? そんなの焼いても水は温かくならないよ?」
「ふん。焼いた石を水の中に入れるのさ。そうすれば熱した石が水を温めるからね」
「ふーん、そうなんだ。わかった!」
サリナは地面から抉り出された大きい石に向けて炎をロッドから放った。
「ふぁいあ」
火炎放射器のようにロッドから炎が伸びていき、地面に転がる岩を焼き始めた。リンネは石の表面が赤くなってきた頃合いでサリナに次の石を焼かせてから、焼けた石をブーツの底で蹴って風呂の中に落とし込んだ。
-ジュゥッ!
高熱の岩が水に入るときに水蒸気を巻き起こしながら沈んでいく。同じ要領で10個ほどの石を蹴り込むと、お湯は良い感じの温度になってきた。
「ちょっとぬるいけど良いんじゃないかい?」
「本当!? じゃあ、入ろうよ!」
サリナはそう言いながら地面に来ているものを脱ぎ捨てて、あっという間に生まれたままの姿になった。
「入るときは底にある熱い石に気を付けなよ。それにしても・・・」
「何? どうかした?」
リンネは何か言いたげに、サリナの体を見ていた。
「いや、胸だけは立派な大人の女だねぇ」
「胸だけ!?」
「ふふッ、中身もすぐに大人に成れるよ。たった1日でこれだけ成長したんだからね」
「本当!やったー!」
サリナは嬉しそうに笑って、苦労して作った湯船の中に飛び込んだ。
「熱い! 下に熱いのがある!」
「だから、そう言ったじゃないか・・・」
苦笑いしながらリンネも服を脱ぎ、サリナが作った大地の風呂に体を沈めた。湯の温度は底の方から温まっていて思った以上に快適だった。サリナは頭まで潜って全身の砂を落とそうとしている。
「ぷはーッ! 気持ちいいね、リンネ!」
「ああ、良いねぇ。あんた達と一緒だと、風呂とかシャワーとかに毎日入らないと落ち着かなくなってくるからねぇ。ところで、疲れてないかい?昨日、今日とずっと魔法を使いっぱなしだろ?」
「うん、疲れは・・・大丈夫・・・」
「他に何かあるのかい?」
「お腹がすいた!」
サリナはちょこをたくさん持っていたが、満腹になるような量ではないし、ここに何日いるか分からない以上、一度に食べることもできなかった。
「そうだろうねぇ、あたしは誰かが食事を持ってくると思ったんだけどね・・・。まあ、1日や二日食べなくても死なないから、もう少し先なのかもしれないけどね」
「うん、大丈夫。昔はもっと食べられないときもあったし・・・、今までが贅沢だったの」
サリナの言う通りだろう。サトルと一緒にいると、あまりにもこの世界の“普通の生活”とはかけ離れてしまう。リンネがサトルと行動を共にしているのも、“普通でない生活”に興味があっての事だ。もちろん、サトル自身の事も気に入っているが、何よりも見たことが無いものが次々に出て来るのは、死人に囲まれて何百年も一人で暮らしてきたリンネにとっても夢のような世界だったのだ。
-だけど、この生活も永遠って訳じゃないんだよね・・・。
死人であるリンネはいつか必ず来るサトル達との別れを想像しながら、何度もお湯に潜っているサリナを温かい目で眺めていた。
-死なないってのも不自由なもんさ。
洞窟のリンネの太ももの上でゆっくり休んだサリナは翌日の朝から魔法練習を兼ねてリンネに頼まれたお風呂を作ることになった。サリナの魔法練習でリンネも全身が砂まみれになったから汚れを落としたかったのだが、せっかくなら何か課題を与えた方が良いと思ったようだ。
「お風呂? どうすれば良いの?」
「そりゃあ、アンタの魔法でまずはバーンと地面に穴を開けるんだよ。その後も魔法で水を入れて、魔法の炎を使えばお湯になるんじゃないかい?」
「そっか! 穴、水、火の順番ね!穴・・・、どのぐらいかな・・・」
サリナはブツブツ言いながら洞窟の片隅に歩いて行き、ロッドを足元の地面に向けようとした。
「もう少し離れた方が良いんじゃないかい?それだと自分に石が飛んでくるだろ?」
「うん・・、でも上から撃たないと深い穴にならないから・・・」
「あんた、サトルから教わっただろ? 前の勇者はロッドの先じゃなくても出したいところから風の魔法を出せたって」
「うん・・・、でも上手くいかなかったんだよね。ロッド以外からだと弱い風しか出ないの」
「そうかい、だけど練習あるのみだよ。そうすれば、強い魔法士になってサトルも大人の女として認めてくれるんじゃないかい?」
「わかった! 頑張る!」
サリナはリンネの言葉に煽られてやる気を漲らせてロッドを地面ではなく少し離れた天井に向けた。
-風の神ウィン様、差し示す場所から強い風を地面に叩きつけてください!
頭の中でイメージと祈りを重ねて意識を集中させると大声で叫んだ。
「じぇっと!」
ゴォっという音ともにサリナのロッドが示した場所から地面に向けて強い風が吹いた・・・が、硬い地面を割れるほどの強さではなく、転がっている岩が四方に飛んで行く程度だった。
「やっぱり、ダメだ―!」
「そんなに直ぐに上手くいかないだろ。何回も練習して、強さの加減を覚えるんだよ。大人に成るってのはそういうことだからね」
「うーん・・・判った、頑張る!」
サリナはハードルの高い注文をこなすために、何度も同じような魔法を繰り返して徐々に風の強さを強くしていった。だが、風の力が強くなると地面に当たった風が横に飛んできて、サリナ自身が立てないほどの強さになってくる。
「リンネ・・・、何だかう上手くできないよ・・・」
「風を強く吹かせるだけじゃなくて、昨日みたいに狭い範囲に風を出さなきゃダメなんじゃないかい?」
「そっか! 狭い範囲ね! うん、やってみる!」
素直なちびっ娘は目を瞑って風の神に祈りを捧げた。
-ウィン様、細い風です。細いのをお願いします。ロッドの太さぐらいで!
-それと、強さは全力・・・の半分で!
目を開くとロッドを天井に向けて叫びながら振り下ろした。
「じぇっと!」
-バッッシーーン!
サリナの掛け声とほぼ同時に地面から激しい衝撃が伝わり、周囲に岩がはじけ飛んで、サリナの顔をかすめるように後ろの壁に飛んで行った。神はいつもサリナに優しいのだ。
「ウワァっ!」
驚いたサリナは思わずのけぞって尻もちをついた。
「大丈夫かい?」
「うん、大丈夫。ちょっとびっくりしただけ・・・」
「そうかい。だけど、だいぶ上手くいったんじゃないかい?」
「そうかなぁ?」
リンネはサリナの手を引いて起こしてやり、二人で岩がはじけ飛んだ場所を見に行った。
「あんた! 凄いじゃないか! こんなに狭い範囲にちゃんと風魔法が・・・、それにかなり深いところまで・・・、でも、ちょっと深すぎるんじゃないかい?」
「ん?」
サリナが風魔法で地面に穿った穴は直径30cmぐらいだったが、深さは奥に光が届かないほどの深さのようだった。
「こんなに深いと溺れちまうね、だけどもう少し広げて行けば横が崩れて埋まるかもしれないね。もう少しだけ弱くして穴を広げるようにやってごらんよ。だけど、本当に大したもんだよ。あんたは凄いよ」
「そうかな? サリナは凄いかな!じゃあ、もう少し大きくするね♪」
褒められてご機嫌のちびっ娘は何度も地面に魔法を叩きつけて、穴の大きさを拡大していった。横で見ているリンネはお世辞でなく本当にすごいと思っていた。こんなに早く風の強さと範囲をコントロールできるとは思っていなかったが、この調子なら横穴を開けることもできるようになるだろう。
「どうかな? もう、入れるぐらいの広さになったよ」
「本当だね。あたしが入って下の岩を片付けるよ。足場が悪いと危ないからね」
サリナが作った穴は直径2メートルぐらいになっていて、二人で入るにも十分な大きさだったが、底の部分に尖った岩が積み重なっていたので、水を入れる前にできるだけ湯船の底を平らにしておいた。
「よし、じゃあ。今度は水を入れてごらん」
「うん、『うぉーたー!』」
水の量は自在に操れるようで、サリナの左手から迸った水が深さ50㎝ぐらいの風呂をすぐに満たした。
「次は火ね。水の上を焼けばいいのかな?」
「いや、それだと上の方だけ熱くなるだろ? 穴の周りに転がってる大きい石を焼いておくれ」
「石を?どうして? そんなの焼いても水は温かくならないよ?」
「ふん。焼いた石を水の中に入れるのさ。そうすれば熱した石が水を温めるからね」
「ふーん、そうなんだ。わかった!」
サリナは地面から抉り出された大きい石に向けて炎をロッドから放った。
「ふぁいあ」
火炎放射器のようにロッドから炎が伸びていき、地面に転がる岩を焼き始めた。リンネは石の表面が赤くなってきた頃合いでサリナに次の石を焼かせてから、焼けた石をブーツの底で蹴って風呂の中に落とし込んだ。
-ジュゥッ!
高熱の岩が水に入るときに水蒸気を巻き起こしながら沈んでいく。同じ要領で10個ほどの石を蹴り込むと、お湯は良い感じの温度になってきた。
「ちょっとぬるいけど良いんじゃないかい?」
「本当!? じゃあ、入ろうよ!」
サリナはそう言いながら地面に来ているものを脱ぎ捨てて、あっという間に生まれたままの姿になった。
「入るときは底にある熱い石に気を付けなよ。それにしても・・・」
「何? どうかした?」
リンネは何か言いたげに、サリナの体を見ていた。
「いや、胸だけは立派な大人の女だねぇ」
「胸だけ!?」
「ふふッ、中身もすぐに大人に成れるよ。たった1日でこれだけ成長したんだからね」
「本当!やったー!」
サリナは嬉しそうに笑って、苦労して作った湯船の中に飛び込んだ。
「熱い! 下に熱いのがある!」
「だから、そう言ったじゃないか・・・」
苦笑いしながらリンネも服を脱ぎ、サリナが作った大地の風呂に体を沈めた。湯の温度は底の方から温まっていて思った以上に快適だった。サリナは頭まで潜って全身の砂を落とそうとしている。
「ぷはーッ! 気持ちいいね、リンネ!」
「ああ、良いねぇ。あんた達と一緒だと、風呂とかシャワーとかに毎日入らないと落ち着かなくなってくるからねぇ。ところで、疲れてないかい?昨日、今日とずっと魔法を使いっぱなしだろ?」
「うん、疲れは・・・大丈夫・・・」
「他に何かあるのかい?」
「お腹がすいた!」
サリナはちょこをたくさん持っていたが、満腹になるような量ではないし、ここに何日いるか分からない以上、一度に食べることもできなかった。
「そうだろうねぇ、あたしは誰かが食事を持ってくると思ったんだけどね・・・。まあ、1日や二日食べなくても死なないから、もう少し先なのかもしれないけどね」
「うん、大丈夫。昔はもっと食べられないときもあったし・・・、今までが贅沢だったの」
サリナの言う通りだろう。サトルと一緒にいると、あまりにもこの世界の“普通の生活”とはかけ離れてしまう。リンネがサトルと行動を共にしているのも、“普通でない生活”に興味があっての事だ。もちろん、サトル自身の事も気に入っているが、何よりも見たことが無いものが次々に出て来るのは、死人に囲まれて何百年も一人で暮らしてきたリンネにとっても夢のような世界だったのだ。
-だけど、この生活も永遠って訳じゃないんだよね・・・。
死人であるリンネはいつか必ず来るサトル達との別れを想像しながら、何度もお湯に潜っているサリナを温かい目で眺めていた。
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