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Ⅱ‐87 王国会議3
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■水の国王都 セントレア 大教会
いつの間にか13歳のお姫様を預かることになってしまった俺。
「では、先ほどの話の通り、炎の国も奴隷制の廃止や獣人とエルフを人として扱うと言う事で良いですよね? それに、念のためですが他の国もそれで良いですよね?人を売ったり買ったりしないということで」
「はい、炎の国として法を変えることをお約束します」
「水の国に異存はない」
「我が国もだ」
「風の国も同じです」
よし、これで俺が考える最低限の人権問題は解決の方向に向かった。
「ありがとうございます。では、もう一つ私からお願いがあります。主に炎の国の女王になんですけど」
「勇者様からのお願い・・・、何でしょうか?」
「はい、炎の国の南に獣人たちがもともと暮らしていた場所があります。今はほとんど獣人も住んでいないのですが、あそこを自治領にしてもらえませんか?」
「自治領? それはどんなものですか?」
「最低限の税を国に納めること以外はすべて獣人たちに自分で決めさせてほしいのです。村づくりや森の開拓等です」
「税を納めてもらえば特に問題ありません。ですが、勇者様が言ったように、あそこは南の僻地でほとんど獣人も残っていないと聞いています。ですから、最近ではあそこに行くものもいないのでしょう。そのような場所をどうされるおつもりですか?」
「今のままだとそうですが、あそこは塩がたくさん獲れる場所だと聞いていますので、塩づくりから始めたいと思います」
「始める・・・、勇者様も一緒にやるおつもりなのですね」
「そうです、できた塩はしばらくの間は私が運びます。軌道に乗れば運ぶ方法は別途考えます」
物が動き出せば人も集まるだろうし、道なども徐々に整備していくつもりだった。
「わかりましたが、一つ条件があります」
「何でしょう?」
「できた塩はすべて炎の国を通じて販売してください。これは税を計算するために必要です」
「ええ、良いですよ。塩の販売は炎の国ですることにしましょう。ですけど、販売先と値段はこちらで決めさせていただきます。炎の国では塩を保管する場所と数量を数える人を手配してもらえますか?必要な費用はお支払いします」
「判りました。詳しい話は我が国へお越しになった時に内務大臣がさせていただきます。ですが・・・、どうしてそこまで獣人たちを可愛がるのですか?」
「可愛がる? そんなつもりもないですけど、虐げられていた種族が暮らしやすくなると良いなと思っているだけです。暮らしが豊かになれば私が関与することも無くなるはずです」
女王イージスだけでなく、4か国の王は全員不思議そうな表情で俺を見ている。
「それが勇者様のお考えなら、私に異論はありません。お願いと言うのはそれだけですか?」
「もう一つあります。この会議は定期的に・・・少なくとも年に1回は開いてもらえますか?私が参加する必要はありませんが、王様たちはやはり顔を合わせて話をした方が良いのでは?そうすれば、無駄に争うことも無いでしょう」
「ふむ、我が国に異存はありませんが、皆さまはいかがですかな?」
水の国の王の問いかけに他の3か国の王も同意のしるしに頷いた。
「では、年に1回はこの会議を開催させていただきましょう。無論、勇者様にも参加いただくと言うことで」
「わかりました」
俺としてはこの世界の王様だけで話し合えば良いと思っていたが、言い出した本人が参加を拒むことは出来そうになかった。俺はこのドリーミアの“国”はおかしいと思っていた。もちろん、地球と比べてと言う意味だが、どうも各国のコミュニケーションが取れていないし、“国”と言っている割には法や政治で国の管理が出来ているようにも思えない。一方で、農作物は豊かで飢える国民はどこにもない。恵まれた幸せな世界だと思えるのだが・・・。
―どうすればみんなが幸せと思える世界が作れるのか?
■セントレア イースタン屋敷
「何それ! メアリーって何? どうして!?」
イースタンの屋敷に戻って王国会議の内容をみんなに伝えるとサリナが大声で吠え始めた。まあ、想定の範囲内なのだが・・・。
「あら、サリナ。そんなに怒ったって仕方ないのですよ。勇者様はみんなのものですからね」
「み、みんなのもの!? お母さん! それはどういう意味? フゥー!」
サリナは怒った猫のような声を噴き出して、体を震わせながら不満を表している。イースタンの応接間でゆっくりとお茶を飲んでいるママさんは自分の娘の怒りを煽るような言葉を重ねる。
「そのままの意味ですよ。勇者はこの世界すべてのために存在するのです。決して誰か一人のために存在するのではありませんよ」
「それはそうだけど・・・、じゃあ、そのメアリーだけ特別にする必要もないよね!?こ、婚約とか結婚とかしなくて良いじゃない!」
―サリナにしては正しい切り返しだな。
「その通りですが、すべては勇者様が決めることです。勇者様は誰のものでもありませんが、勇者様が誰かを選ぶことはある・・・、そういうことなのですよ」
「じゃぁ! サトルがその、そのメアリーを選んだの!?」
「サリナ落ち着けよ、俺は誰も選んでないよ。あの場はそう言わないとまた戦争になるかもしれなかったからな。とりあえず預かっただけだ。今のところ俺は誰とも結婚するつもりは無いから」
「で、でも、一緒に暮らすんでしょ!?」
「セントレアにいるときはそうなるかもな、でも部屋はたくさんあるからお前たちも一緒に来るんだろ?」
「えっ!? サリナも一緒?」
「嫌なら別でも・・・」
「サリナも一緒に行く! エルとアナも一緒に!」
「わかったからデカい声を出すな。じゃあ、そういうことでな。メアリーさんとも仲良くしてやれよ。お前より少し年下だからな」
「・・・」
サリナからは無言で嫌だという返事が返ってきた。
「何だ、仕方が無いな。エル、アナ、お前たちはサリナみたいに意地悪せずに、仲良くしてやってくれるよな?」
「うん、仲良くするよ。でもサリナお姉ちゃんは意地悪じゃないよ」
エルはサリナの顔色を伺いながらも俺の頼みを聞いてくれそうだった。当のサリナはむくれた顔のまま床を睨んでいる。
「それで、獣人の村へはいつ行くつもりなのだ?」
「火の国へは10日後に行くんだけど、それまでに一度行っておきたい。明日にはここを出るつもりだ」
「そうか、みんなで行くのか?」
「いや、今回は転移ポイントを作りに行くだけだから、行ったらすぐに戻ってくるんだ。だから、全員で行く必要は無い」
「じゃあ、サリナの母さんと二人で行くのか?」
「いや、今回はリカルドとハンス、それにリンネも一緒に行ってもらうつもり。向こうでやって欲しいことがあるんだよ。ミーシャはサリナ達の面倒をみてやってくれ。それに、メアリーさんもね」
「あ、ああ。承知した。任せておけ」
俺の頼みを聞いて心なしか顔が厳しくなった気がしたが、ミーシャに任せておけば大丈夫だろう。横で聞いているサリナは拳を握りしめていたが、俯いたまま何も言わなかった。連れて行けと言わないのは珍しいのだが、我慢? いや、へそを曲げていると言う感じだな。新しい屋敷でお姫様と仲良く成ればいいが・・・。
いつの間にか13歳のお姫様を預かることになってしまった俺。
「では、先ほどの話の通り、炎の国も奴隷制の廃止や獣人とエルフを人として扱うと言う事で良いですよね? それに、念のためですが他の国もそれで良いですよね?人を売ったり買ったりしないということで」
「はい、炎の国として法を変えることをお約束します」
「水の国に異存はない」
「我が国もだ」
「風の国も同じです」
よし、これで俺が考える最低限の人権問題は解決の方向に向かった。
「ありがとうございます。では、もう一つ私からお願いがあります。主に炎の国の女王になんですけど」
「勇者様からのお願い・・・、何でしょうか?」
「はい、炎の国の南に獣人たちがもともと暮らしていた場所があります。今はほとんど獣人も住んでいないのですが、あそこを自治領にしてもらえませんか?」
「自治領? それはどんなものですか?」
「最低限の税を国に納めること以外はすべて獣人たちに自分で決めさせてほしいのです。村づくりや森の開拓等です」
「税を納めてもらえば特に問題ありません。ですが、勇者様が言ったように、あそこは南の僻地でほとんど獣人も残っていないと聞いています。ですから、最近ではあそこに行くものもいないのでしょう。そのような場所をどうされるおつもりですか?」
「今のままだとそうですが、あそこは塩がたくさん獲れる場所だと聞いていますので、塩づくりから始めたいと思います」
「始める・・・、勇者様も一緒にやるおつもりなのですね」
「そうです、できた塩はしばらくの間は私が運びます。軌道に乗れば運ぶ方法は別途考えます」
物が動き出せば人も集まるだろうし、道なども徐々に整備していくつもりだった。
「わかりましたが、一つ条件があります」
「何でしょう?」
「できた塩はすべて炎の国を通じて販売してください。これは税を計算するために必要です」
「ええ、良いですよ。塩の販売は炎の国ですることにしましょう。ですけど、販売先と値段はこちらで決めさせていただきます。炎の国では塩を保管する場所と数量を数える人を手配してもらえますか?必要な費用はお支払いします」
「判りました。詳しい話は我が国へお越しになった時に内務大臣がさせていただきます。ですが・・・、どうしてそこまで獣人たちを可愛がるのですか?」
「可愛がる? そんなつもりもないですけど、虐げられていた種族が暮らしやすくなると良いなと思っているだけです。暮らしが豊かになれば私が関与することも無くなるはずです」
女王イージスだけでなく、4か国の王は全員不思議そうな表情で俺を見ている。
「それが勇者様のお考えなら、私に異論はありません。お願いと言うのはそれだけですか?」
「もう一つあります。この会議は定期的に・・・少なくとも年に1回は開いてもらえますか?私が参加する必要はありませんが、王様たちはやはり顔を合わせて話をした方が良いのでは?そうすれば、無駄に争うことも無いでしょう」
「ふむ、我が国に異存はありませんが、皆さまはいかがですかな?」
水の国の王の問いかけに他の3か国の王も同意のしるしに頷いた。
「では、年に1回はこの会議を開催させていただきましょう。無論、勇者様にも参加いただくと言うことで」
「わかりました」
俺としてはこの世界の王様だけで話し合えば良いと思っていたが、言い出した本人が参加を拒むことは出来そうになかった。俺はこのドリーミアの“国”はおかしいと思っていた。もちろん、地球と比べてと言う意味だが、どうも各国のコミュニケーションが取れていないし、“国”と言っている割には法や政治で国の管理が出来ているようにも思えない。一方で、農作物は豊かで飢える国民はどこにもない。恵まれた幸せな世界だと思えるのだが・・・。
―どうすればみんなが幸せと思える世界が作れるのか?
■セントレア イースタン屋敷
「何それ! メアリーって何? どうして!?」
イースタンの屋敷に戻って王国会議の内容をみんなに伝えるとサリナが大声で吠え始めた。まあ、想定の範囲内なのだが・・・。
「あら、サリナ。そんなに怒ったって仕方ないのですよ。勇者様はみんなのものですからね」
「み、みんなのもの!? お母さん! それはどういう意味? フゥー!」
サリナは怒った猫のような声を噴き出して、体を震わせながら不満を表している。イースタンの応接間でゆっくりとお茶を飲んでいるママさんは自分の娘の怒りを煽るような言葉を重ねる。
「そのままの意味ですよ。勇者はこの世界すべてのために存在するのです。決して誰か一人のために存在するのではありませんよ」
「それはそうだけど・・・、じゃあ、そのメアリーだけ特別にする必要もないよね!?こ、婚約とか結婚とかしなくて良いじゃない!」
―サリナにしては正しい切り返しだな。
「その通りですが、すべては勇者様が決めることです。勇者様は誰のものでもありませんが、勇者様が誰かを選ぶことはある・・・、そういうことなのですよ」
「じゃぁ! サトルがその、そのメアリーを選んだの!?」
「サリナ落ち着けよ、俺は誰も選んでないよ。あの場はそう言わないとまた戦争になるかもしれなかったからな。とりあえず預かっただけだ。今のところ俺は誰とも結婚するつもりは無いから」
「で、でも、一緒に暮らすんでしょ!?」
「セントレアにいるときはそうなるかもな、でも部屋はたくさんあるからお前たちも一緒に来るんだろ?」
「えっ!? サリナも一緒?」
「嫌なら別でも・・・」
「サリナも一緒に行く! エルとアナも一緒に!」
「わかったからデカい声を出すな。じゃあ、そういうことでな。メアリーさんとも仲良くしてやれよ。お前より少し年下だからな」
「・・・」
サリナからは無言で嫌だという返事が返ってきた。
「何だ、仕方が無いな。エル、アナ、お前たちはサリナみたいに意地悪せずに、仲良くしてやってくれるよな?」
「うん、仲良くするよ。でもサリナお姉ちゃんは意地悪じゃないよ」
エルはサリナの顔色を伺いながらも俺の頼みを聞いてくれそうだった。当のサリナはむくれた顔のまま床を睨んでいる。
「それで、獣人の村へはいつ行くつもりなのだ?」
「火の国へは10日後に行くんだけど、それまでに一度行っておきたい。明日にはここを出るつもりだ」
「そうか、みんなで行くのか?」
「いや、今回は転移ポイントを作りに行くだけだから、行ったらすぐに戻ってくるんだ。だから、全員で行く必要は無い」
「じゃあ、サリナの母さんと二人で行くのか?」
「いや、今回はリカルドとハンス、それにリンネも一緒に行ってもらうつもり。向こうでやって欲しいことがあるんだよ。ミーシャはサリナ達の面倒をみてやってくれ。それに、メアリーさんもね」
「あ、ああ。承知した。任せておけ」
俺の頼みを聞いて心なしか顔が厳しくなった気がしたが、ミーシャに任せておけば大丈夫だろう。横で聞いているサリナは拳を握りしめていたが、俯いたまま何も言わなかった。連れて行けと言わないのは珍しいのだが、我慢? いや、へそを曲げていると言う感じだな。新しい屋敷でお姫様と仲良く成ればいいが・・・。
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