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Ⅱ‐62 口に合うのは?
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■火の国の南海岸
昼食は海鮮バーベキューとなった。主に貝とミーシャが採ってきた魚を野菜等と焼いている。ミーシャがモリで担いでいた大きな獲物も。担いでいたのは・・・
「ミーシャ・・・、それはあまり美味しくないんじゃないか?」
「そ、そうなのか!? 大きくて蛇のようだから焼けば美味しいのではないのか?良い獲物だと思ったのだがな・・・」
―蛇のようだから美味しい?
「えっ? ミーシャって蛇を食べたことがあるの?」
「もちろんあるぞ、皮を剥いで血を抜いてから焼けば美味しくなる・・・。サトルは食べたことが無いのか?」
「ああ、無いな」
「そうか、うん、お前はもっと美味しいものをいっぱい持っているからな。そうかもしれん。だが、森の民は普段から食べているぞ」
「そ、そうか・・・、まあ俺が食わず嫌いなのかもしれないな。それで、その魚は俺の国では“うつぼ”っていう魚なんだけど、食べられなくはないがあんまり好まれる魚ではないな」
「そうかぁ・・・、蛇よりも強そうで太いから美味いと思ったのだがな・・・」
―強そうで太いから美味い・・・か。
「まあ、もっと美味しい魚はほかにあるし、袋の中の魚は美味しそうじゃないか…それはイシダイだな。それは高級魚だよ」
「高級魚?この縞々のやつか? うん、見た目が変わっているからな、とりあえず確保したのだ」
俺の祖父は釣りが好きでイシダイの魚拓が家に飾ってあったが、祖父曰く餌にウニ等を使うから魚を買った方が安いかもしれないと。だが、買っても高い魚らしい。
「それは刺身にしたいけどな、俺は魚がさばけないしな・・・」
「魚の身を骨から外すのか?なら、私がやるぞ?お前だけにさせるつもりはない」
「ミーシャは魚をさばけるの?」
「ああ、自分で捕ったものはすべて自分で料理できる。魚は殆どそのまま焼くが骨を外してから焼いたり、煮たりすることもたまにあるからな」
「そうか! じゃあ、骨と身を分けるところまでやってくれよ。先にシャワーを浴びてからで良いからさ」
「うん、わかった。で・・・、こいつはどうする?」
「・・・」
ミーシャがシャワーを浴びている間にネットで調べると、うつぼは意外と好評価のようだったので、塩焼きにチャレンジすることにした。まずはぬめりを塩でとって、下準備だけしておく。ミーシャのウツボはデカかった、全長150㎝ぐらいはあるから確かに太くて強そうなのは間違いない。
シャワーから戻ったミーシャに見とれて、思わず水着エプロンをお願いしようかと思ったが・・・、我慢した。
ミーシャは俺が渡した出刃包丁で骨に沿って器用に身を切り離した。たくさんある骨の部分をできるだけ取り外して塩焼きに丁度良いサイズに切って、塩を振ってから焼き担当のサリナ達に渡す。
包丁のコツを掴んだミーシャはイシダイもすぐに3枚におろしてくれた。後半は俺が引き継いでイシダイの切り身から皮をひいて、刺身包丁で切っていくとそれなりに刺身っぽくなった。大葉や大根を和風皿にのせて並べるとなんとなく見た目は本格的になるから不思議だ。
―うん、ミーシャと初めて二人で料理した、これぞ海水浴キャンプの良さだな。
俺は共同作業の結果に満足しながら、網焼きはサリナとエルに任せて、刺身にしたアワビとイシダイをわさびと醤油で先にいただくことにした。刺身は久しぶりに食べる。ストレージからも出せるし、たまに一人で寿司も食べるが獲れたての魚介類を砂浜で食べると味は格別だ。イシダイもアワビも歯ごたえとい口の中で広がる旨味といい、最高に美味かった。生魚はあまり好きじゃないかもと思って、他の人には積極的には進めなかったが、俺が食うものはすべて美味いもの信じているサリナは、お預けを食らった犬のように俺を見ながら網焼きを続けている。
「生魚だけど、サリナも食べてみる?」
「うん、食べる!いつ、食べさせてくれるのかと思ってた!」
「生ではあまり食べないんだろ?」
「うん、魚は焼くものでしょ?」
「まあ、焼く、煮る、揚げるって色々だけどな。生魚ならではのうまさがあるんだ。少しだけ、このわさびって言う緑色のをつけてから醤油に浸して食ってみろよ」
「うん!・・・ふーん。うん、美味しいね!でも、やっぱり焼いた貝のほうが好き!」
「そうか、好きな方を食べれば良いよ」
「じゃあ、サリナ。それはこっちに全部寄こしなさい。美味しいに決まってるんですからねぇ。あのアワビってのもすごいかったのよー」
「サトル、お母さんの話し方がなんだか変じゃないかな?」
「ああ、あれはな、俺の世界では酔っ払いっていうんだよ」
「よっぱらい?」
少し目つきと口調が怪しくなってきたママさんたちは既に数えきれないほどの缶ビールを開けている。サリナと俺の会話を聞いて、新しいつまみを発見したと思ったのだろう。
「ああ、そうだ。アワビは凄かったな。酒がうまくなるんだよ。俺にもそっちを食わせてくれ」
ショーイは酔っぱらうほどではなかったが、新しいつまみを求める姿勢はママさんと変わらなかった。二人はフォークでイシダイを突き刺して醤油につけて口に運んだ。
「あら! これは初めての感じ! 良いわぁ・・・、美味しい・・・、これもビールに合いますねぇ」
「おお! 良いな! この緑のも良いぜ、これだけ食べても・・・クゥ―ッ! 涙が出る!何だこれ!?」
「それはわさびだよ。辛味があるから程々にしないとな」
「そ、そうか! わかったよ。フー、まあビールで口直しすれば解決だ」
大人チームは酒を中心に世の中が回っている感じになっている。ハンスとリンネは静かだが、二人とも飲む量は同じぐらい飲んでいる感じだ。俺は刺身を奪われたので、網焼きに戻ってサザエっぽい奴を醤油でつぼ焼きにし始めた。横ではサリナとエルはウツボの塩焼きを完成させて、ミーシャの皿へと乗せた。ミーシャは躊躇せずに口へ運び・・・。
「サトル! 美味いではないか! やはり、太くて強そうな蛇みたいなやつは美味いぞ!蛇よりもずっと美味い!お前も食べてみろ」
基準が蛇っていうのがドン引きですが、愛しのミーシャ様のお勧めだから断るはずもない。
「そうか、じゃあ、俺にも一つくれよ」
「うん、はい、どーぞ。サリナも食べてみよっと」
箸でつまんで少し冷ましてから口に運んだウツボは意外なことに美味かった。たんぱくな味だが、皮の部分を残しているので噛むとうまみが広がる。
「確かに意外と美味いな」
「うん、美味しいね。でも、サリナは貝のバター焼きのほうが好き。その次がさっきの生魚で、これはその次かな」
「そ、そうか。私はこれも十分美味しいと思うのだがな」
「じゃあ、ミーシャも貝のバター焼きをどうぞ!」
サリナがミーシャの皿にカットしたアワビのバター焼きを置いてやると、ミーシャはすぐに口に入れて目を見張った。
「美味い! これは美味いな! たしかに、うつぼは・・・、うん。私もこれをもっと食べたいな」
「でしょ! じゃあ、もっと焼くね」
サリナは切っておいてあるアワビを鉄板の上に並べてワインをかけて蓋をした。始めてやる調理法のはずだが、あっという間に手馴れていく。俺はサザエのつぼ焼きが良い感じでグツグツしてきたので、一つとって皿の上で冷ましておく。例のごとく、サリナが見つめていたので、焼けてきたのから順番にとって皿の上に並べる。サリナは相変わらず俺の手元を見つめている・・・。
「安心しろ、お前たちのもあるから。熱いからもう少し冷ましてからだな」
「やったー! 独り占めするのかと思った」
「するわけないだろ! お前たちが採ってきた貝もたくさんあるんだからな」
「へへっ! そうだよね、サリナ達も頑張ったもんね」
そう、確かに頑張った。アワビもサザエもまだまだバケツの中に入っている。晩飯もこれを使って何か作った方が良いな。冷めたサザエに串を刺して身を引っ張り出して口に運んだが・・・、美味い! アワビも美味いが、これも最高に美味いな・・・、だが肝の苦みは子供にはどうかな・・・。
「もういいぞ、みんな一つずつ食べてみろよ。この串で刺して引っ張り出すようにして食べるんだ。緑色の肝は苦みが少しあるから無理して食べなくても良いぞ」
「わーい! 新しい貝だ! エル、アナ、熱いからね気を付けてね」
「うん、わかった!」
少女たちは各自の方法でサザエを引っ張り出して口にいれた、全員が肝ごと頬張っている。
「!」
「な、なんか、硬いのがある!」
「ああ、それは蓋だから食べずに出せよ」
「苦ーい!」
「そうか、この苦みと塩味が絶妙だがな・・・」
「うん! バター焼きの次に美味しい!」
「アナはもっと甘いのが良いなぁ・・」
アナは肝の苦みがダメだったようだ。それ以外は全員気に入ったようだ。
「サリナ、味見が終わったなら早く私のところにも持ってきてチョーだい!」
「はーい・・・、ねえ、サトル、お母さん大丈夫かな?」
ママさんはチェアでくつろぎながら次のつまみを督促している。
「ああ、大丈夫だろ。あれは、もうすぐ寝るぞ」
「まだ、お昼だよ?」
「ああ、酔っぱらうと昼夜関係ないんだよ」
そう、勇者の一族でも酔っ払いは同じだろう。飲んで騒いで・・・、最後は寝るはずだ。まずは4人にウツボの塩焼きを片付けてもらうことにしよう。そろそろ、味の違いも判らなくなってるはずだからな。
昼食は海鮮バーベキューとなった。主に貝とミーシャが採ってきた魚を野菜等と焼いている。ミーシャがモリで担いでいた大きな獲物も。担いでいたのは・・・
「ミーシャ・・・、それはあまり美味しくないんじゃないか?」
「そ、そうなのか!? 大きくて蛇のようだから焼けば美味しいのではないのか?良い獲物だと思ったのだがな・・・」
―蛇のようだから美味しい?
「えっ? ミーシャって蛇を食べたことがあるの?」
「もちろんあるぞ、皮を剥いで血を抜いてから焼けば美味しくなる・・・。サトルは食べたことが無いのか?」
「ああ、無いな」
「そうか、うん、お前はもっと美味しいものをいっぱい持っているからな。そうかもしれん。だが、森の民は普段から食べているぞ」
「そ、そうか・・・、まあ俺が食わず嫌いなのかもしれないな。それで、その魚は俺の国では“うつぼ”っていう魚なんだけど、食べられなくはないがあんまり好まれる魚ではないな」
「そうかぁ・・・、蛇よりも強そうで太いから美味いと思ったのだがな・・・」
―強そうで太いから美味い・・・か。
「まあ、もっと美味しい魚はほかにあるし、袋の中の魚は美味しそうじゃないか…それはイシダイだな。それは高級魚だよ」
「高級魚?この縞々のやつか? うん、見た目が変わっているからな、とりあえず確保したのだ」
俺の祖父は釣りが好きでイシダイの魚拓が家に飾ってあったが、祖父曰く餌にウニ等を使うから魚を買った方が安いかもしれないと。だが、買っても高い魚らしい。
「それは刺身にしたいけどな、俺は魚がさばけないしな・・・」
「魚の身を骨から外すのか?なら、私がやるぞ?お前だけにさせるつもりはない」
「ミーシャは魚をさばけるの?」
「ああ、自分で捕ったものはすべて自分で料理できる。魚は殆どそのまま焼くが骨を外してから焼いたり、煮たりすることもたまにあるからな」
「そうか! じゃあ、骨と身を分けるところまでやってくれよ。先にシャワーを浴びてからで良いからさ」
「うん、わかった。で・・・、こいつはどうする?」
「・・・」
ミーシャがシャワーを浴びている間にネットで調べると、うつぼは意外と好評価のようだったので、塩焼きにチャレンジすることにした。まずはぬめりを塩でとって、下準備だけしておく。ミーシャのウツボはデカかった、全長150㎝ぐらいはあるから確かに太くて強そうなのは間違いない。
シャワーから戻ったミーシャに見とれて、思わず水着エプロンをお願いしようかと思ったが・・・、我慢した。
ミーシャは俺が渡した出刃包丁で骨に沿って器用に身を切り離した。たくさんある骨の部分をできるだけ取り外して塩焼きに丁度良いサイズに切って、塩を振ってから焼き担当のサリナ達に渡す。
包丁のコツを掴んだミーシャはイシダイもすぐに3枚におろしてくれた。後半は俺が引き継いでイシダイの切り身から皮をひいて、刺身包丁で切っていくとそれなりに刺身っぽくなった。大葉や大根を和風皿にのせて並べるとなんとなく見た目は本格的になるから不思議だ。
―うん、ミーシャと初めて二人で料理した、これぞ海水浴キャンプの良さだな。
俺は共同作業の結果に満足しながら、網焼きはサリナとエルに任せて、刺身にしたアワビとイシダイをわさびと醤油で先にいただくことにした。刺身は久しぶりに食べる。ストレージからも出せるし、たまに一人で寿司も食べるが獲れたての魚介類を砂浜で食べると味は格別だ。イシダイもアワビも歯ごたえとい口の中で広がる旨味といい、最高に美味かった。生魚はあまり好きじゃないかもと思って、他の人には積極的には進めなかったが、俺が食うものはすべて美味いもの信じているサリナは、お預けを食らった犬のように俺を見ながら網焼きを続けている。
「生魚だけど、サリナも食べてみる?」
「うん、食べる!いつ、食べさせてくれるのかと思ってた!」
「生ではあまり食べないんだろ?」
「うん、魚は焼くものでしょ?」
「まあ、焼く、煮る、揚げるって色々だけどな。生魚ならではのうまさがあるんだ。少しだけ、このわさびって言う緑色のをつけてから醤油に浸して食ってみろよ」
「うん!・・・ふーん。うん、美味しいね!でも、やっぱり焼いた貝のほうが好き!」
「そうか、好きな方を食べれば良いよ」
「じゃあ、サリナ。それはこっちに全部寄こしなさい。美味しいに決まってるんですからねぇ。あのアワビってのもすごいかったのよー」
「サトル、お母さんの話し方がなんだか変じゃないかな?」
「ああ、あれはな、俺の世界では酔っ払いっていうんだよ」
「よっぱらい?」
少し目つきと口調が怪しくなってきたママさんたちは既に数えきれないほどの缶ビールを開けている。サリナと俺の会話を聞いて、新しいつまみを発見したと思ったのだろう。
「ああ、そうだ。アワビは凄かったな。酒がうまくなるんだよ。俺にもそっちを食わせてくれ」
ショーイは酔っぱらうほどではなかったが、新しいつまみを求める姿勢はママさんと変わらなかった。二人はフォークでイシダイを突き刺して醤油につけて口に運んだ。
「あら! これは初めての感じ! 良いわぁ・・・、美味しい・・・、これもビールに合いますねぇ」
「おお! 良いな! この緑のも良いぜ、これだけ食べても・・・クゥ―ッ! 涙が出る!何だこれ!?」
「それはわさびだよ。辛味があるから程々にしないとな」
「そ、そうか! わかったよ。フー、まあビールで口直しすれば解決だ」
大人チームは酒を中心に世の中が回っている感じになっている。ハンスとリンネは静かだが、二人とも飲む量は同じぐらい飲んでいる感じだ。俺は刺身を奪われたので、網焼きに戻ってサザエっぽい奴を醤油でつぼ焼きにし始めた。横ではサリナとエルはウツボの塩焼きを完成させて、ミーシャの皿へと乗せた。ミーシャは躊躇せずに口へ運び・・・。
「サトル! 美味いではないか! やはり、太くて強そうな蛇みたいなやつは美味いぞ!蛇よりもずっと美味い!お前も食べてみろ」
基準が蛇っていうのがドン引きですが、愛しのミーシャ様のお勧めだから断るはずもない。
「そうか、じゃあ、俺にも一つくれよ」
「うん、はい、どーぞ。サリナも食べてみよっと」
箸でつまんで少し冷ましてから口に運んだウツボは意外なことに美味かった。たんぱくな味だが、皮の部分を残しているので噛むとうまみが広がる。
「確かに意外と美味いな」
「うん、美味しいね。でも、サリナは貝のバター焼きのほうが好き。その次がさっきの生魚で、これはその次かな」
「そ、そうか。私はこれも十分美味しいと思うのだがな」
「じゃあ、ミーシャも貝のバター焼きをどうぞ!」
サリナがミーシャの皿にカットしたアワビのバター焼きを置いてやると、ミーシャはすぐに口に入れて目を見張った。
「美味い! これは美味いな! たしかに、うつぼは・・・、うん。私もこれをもっと食べたいな」
「でしょ! じゃあ、もっと焼くね」
サリナは切っておいてあるアワビを鉄板の上に並べてワインをかけて蓋をした。始めてやる調理法のはずだが、あっという間に手馴れていく。俺はサザエのつぼ焼きが良い感じでグツグツしてきたので、一つとって皿の上で冷ましておく。例のごとく、サリナが見つめていたので、焼けてきたのから順番にとって皿の上に並べる。サリナは相変わらず俺の手元を見つめている・・・。
「安心しろ、お前たちのもあるから。熱いからもう少し冷ましてからだな」
「やったー! 独り占めするのかと思った」
「するわけないだろ! お前たちが採ってきた貝もたくさんあるんだからな」
「へへっ! そうだよね、サリナ達も頑張ったもんね」
そう、確かに頑張った。アワビもサザエもまだまだバケツの中に入っている。晩飯もこれを使って何か作った方が良いな。冷めたサザエに串を刺して身を引っ張り出して口に運んだが・・・、美味い! アワビも美味いが、これも最高に美味いな・・・、だが肝の苦みは子供にはどうかな・・・。
「もういいぞ、みんな一つずつ食べてみろよ。この串で刺して引っ張り出すようにして食べるんだ。緑色の肝は苦みが少しあるから無理して食べなくても良いぞ」
「わーい! 新しい貝だ! エル、アナ、熱いからね気を付けてね」
「うん、わかった!」
少女たちは各自の方法でサザエを引っ張り出して口にいれた、全員が肝ごと頬張っている。
「!」
「な、なんか、硬いのがある!」
「ああ、それは蓋だから食べずに出せよ」
「苦ーい!」
「そうか、この苦みと塩味が絶妙だがな・・・」
「うん! バター焼きの次に美味しい!」
「アナはもっと甘いのが良いなぁ・・」
アナは肝の苦みがダメだったようだ。それ以外は全員気に入ったようだ。
「サリナ、味見が終わったなら早く私のところにも持ってきてチョーだい!」
「はーい・・・、ねえ、サトル、お母さん大丈夫かな?」
ママさんはチェアでくつろぎながら次のつまみを督促している。
「ああ、大丈夫だろ。あれは、もうすぐ寝るぞ」
「まだ、お昼だよ?」
「ああ、酔っぱらうと昼夜関係ないんだよ」
そう、勇者の一族でも酔っ払いは同じだろう。飲んで騒いで・・・、最後は寝るはずだ。まずは4人にウツボの塩焼きを片付けてもらうことにしよう。そろそろ、味の違いも判らなくなってるはずだからな。
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