124 / 343
Ⅰ-124 狭い部屋
しおりを挟む
■風の国へ向かう街道
イースタンの屋敷でハンスが風の国へ向かい、サリナ達が追いかけて行ったことを聞いて、俺はあきれ果てていた。
ハンスは使命感が強いのは良いが自分の事を判っていない。あいつはドンクサイのだから、どうせすぐに黒い死人達に見つかるだろう。サリナが、追いかけて行った理由はわからないが、ハンスが心配だったのかもしれない。それなら最初から一緒に行けば・・・、それはハンスが許さないのか・・・。あいつは俺とサリナを一緒に行かせたがっていたからな。
イースタンから話を聞いたミーシャはすぐに追いかけると言い出した。俺は・・・、いつものように車を走らせることにした。いい加減嫌になっているものの、やはり見捨てられないのだ。ミーシャと約束していたこともあるが、ちびっ娘の事も気になっている。あいつはこの世界で最初の友達だ、見捨てることなんてできるはずがない。リンネと一緒だと言うが、あいつも200年ぐらいは引きこもりで一般常識があるとも思えない。公共交通機関がないこの世界で女だけの二人旅とは思い切ったものだ。
それでも、風の国までは馬車で5日か6日、俺のバギーなら5時間で着くと計算している。街道をいつもより早い速度で荷馬車を追い抜いているから、夕方までには着くはずだ。後はあいつらがそれまで大人しく・・・、いかん、これはフラグだな。
■ゲイルの交易商 グインの店
副司教のポールは風の国で手広く商売をしているグインと言う男を紹介してくれた。ハンスは教会から30分ほど歩いて目当ての店を見つけることが出来た。小さい店構えだったが奥には大きな倉庫があって、店の裏側から馬車が出入りしているようだ。
「副司教の紹介状を持つ獣人ってのは珍しいね」
小柄で白髪交じりのグインは、紹介状を見せるとカウンター奥にある打ち合わせテーブルへハンスを連れて行った。
「ポール副司教には昔からお世話になっております」
「そうかい、力を貸してくれって書いてあるけど、何をして欲しいんだい?」
「私は大きな狼を探しているのです。何年か前に北の森で捕らえられて、この国に連れて来られたと聞きました」
「・・・」
向かいで笑顔を見せていた、グインの表情がハンスの話を聞いて急に険しくなった。
「なにか、ご存じなんですね!?」
「いや、何も知らない。悪いが俺では力にはなれないな。ポール副司教によろしく言ってくれ、これは・・・、返しとくよ」
グインは紹介状の裏に机の上に置いてあったペンで走り書きをしてハンスに返した。ハンスの目を見て何も聞くなと合図している。
「わかりました、お邪魔してすみませんでした」
「ああ、他に仕入れたいものがあるなら、又寄ってくれよ。元気でな」
ハンスは店を出て、歩きながら紹介状の裏を見た。そこには-ラインの領主-、それだけが書いてあった。
ライン領はこの国の東側の大きな領地で、そこの領主マイヤーは前国王の弟、現国王の叔父にあたる人物だったはずだ。この国での評判は良くないと聞いているが・・・。もう少し情報を集める必要があるな。だが、まずは組合へ行くことにしよう。少し早いが昨日の二人がもう来ているかもしれない。
■下町の倉庫街
お兄ちゃんの知り合いの親切な人は、サリナを大きな扉がある建物に連れて行ってくれた。宿からは10分ぐらいしか歩いていないと思う。
「ここに、ハンスが居るの?」
「ああ、居るはずだよ。ひょっとすると出かけているかもしれないけど、すぐ戻って来るから中で待って居よう」
「うん、わかった」
大きな扉の横にあった通用口から中に入ると、窓が少なくて暗いじめじめした居心地の悪い場所だった。親切なオジサンは荷物が置いてある場所の右側にあった扉の中に私を連れて行くと、奥に座っている体の大きな人に何か耳打ちしていた。
「そうか! よくやった!」
体の大きな人は何か喜んでいるようだ。その人は笑顔でサリナに話しかけてきた。
「ハンスさんは今出かけているからな、ここで待っていてくれよ。すぐに戻って来ると思うからな。それで、後の二人は一緒じゃないのか?」
- 後の二人? 誰の事だろう?
「二人って、誰の事ですか?」
「あー、ハーフエルフともう一人が一緒なんだろ?」
「あ、ミーシャとサトルですか?」
「そうそう、そうだった。ミーシャさんとサトルさんね。今は何処にいるんだい?」
「二人は森の国へ行ってます。お兄・・、ハンスは言ってませんでしたか?」
「いや、はっきりしたことは聞いてない。あんた達が来たら、ここで待ってもらうようにって、そう言ってたよ」
「そっか、ありがとうございます。ハンスはいつ頃戻ってきますか?」
「そうだな、早いとは思うけど、夜になるかもしれないな」
-夜かぁ、それなら先にリンネの所に行かないと。
「じゃあ、私は後でもう一度来ます」
「いや、あんたは外に出ると危ないから出さないでくれって言われているんだよ」
「でも、用事があるから・・・」
「おい、こいつを奥の部屋に連れていって、外から鍵を掛けとけ!」
大きな体の人が突然怖い口調になると、後ろに居た親切なオジサンが両脇から手を入れてサリナを羽交い絞めにした。
「エッ!どうしたの!? 何!?」
「こっちの部屋で待っててくれよ、暴れるなよ怪我するぞ」
親切だったオジサンはサリナを後ろから抱え上げて連れて行った。奥の部屋は石造りの壁で狭くて・・・、窓が無かった。
「いや、ここはダメ!待つなら外で待つからここはイヤー!」
「うるせえな、静かにしておけよ」
突き飛ばされて尻もちをついたサリナの目の前で扉が閉められて、部屋の中が真っ暗になった。
「ダメ――――!!」
怖い、暗い、狭いところに一人だ・・・、また、閉じ込められた・・・どうしよう!?
「お願いします、開けてください!」
「お願いー!!」
大きな声で叫んでも返事が無い・・・。落ち着かなきゃ、一人でも頑張れるはず・・・、まずは明かりだ。サトルは洞窟でいつも明るくしていたもん。
「ふぁいあ!」
うん、これで大丈夫。部屋は狭くて木箱がいくつか積んであるだけだ。
扉は・・・
-ゴン、ゴン、
硬いのか、たぶん鉄なんだ。壁も石を積みあげた部屋だ。
どうしようかなぁ、あの人たちはお兄ちゃんの知り合いじゃなかったのかな。
うーん、やっぱりリンネが待ってるからここから出ないと。
扉は鉄だけど頑張ればなんとかなるはず、狭いところは絶対に嫌!
だけど、鉄だから加減は無しで、神様にたくさんお願いしないといけないかも。
ロッドは水のロッドでやってみよう。
-風の神ウィン様、私のすべての力でこの扉を吹き飛ばす風を与えてください。
「じぇっとぉーー!!」
§
サトルとミーシャはイースト商会に向かう途中で、
リンネはイースト商会の前で、
ハンスは下町に向かう途中で、
・・・下町の方から響き渡ってくる轟音を聞いた。
イースタンの屋敷でハンスが風の国へ向かい、サリナ達が追いかけて行ったことを聞いて、俺はあきれ果てていた。
ハンスは使命感が強いのは良いが自分の事を判っていない。あいつはドンクサイのだから、どうせすぐに黒い死人達に見つかるだろう。サリナが、追いかけて行った理由はわからないが、ハンスが心配だったのかもしれない。それなら最初から一緒に行けば・・・、それはハンスが許さないのか・・・。あいつは俺とサリナを一緒に行かせたがっていたからな。
イースタンから話を聞いたミーシャはすぐに追いかけると言い出した。俺は・・・、いつものように車を走らせることにした。いい加減嫌になっているものの、やはり見捨てられないのだ。ミーシャと約束していたこともあるが、ちびっ娘の事も気になっている。あいつはこの世界で最初の友達だ、見捨てることなんてできるはずがない。リンネと一緒だと言うが、あいつも200年ぐらいは引きこもりで一般常識があるとも思えない。公共交通機関がないこの世界で女だけの二人旅とは思い切ったものだ。
それでも、風の国までは馬車で5日か6日、俺のバギーなら5時間で着くと計算している。街道をいつもより早い速度で荷馬車を追い抜いているから、夕方までには着くはずだ。後はあいつらがそれまで大人しく・・・、いかん、これはフラグだな。
■ゲイルの交易商 グインの店
副司教のポールは風の国で手広く商売をしているグインと言う男を紹介してくれた。ハンスは教会から30分ほど歩いて目当ての店を見つけることが出来た。小さい店構えだったが奥には大きな倉庫があって、店の裏側から馬車が出入りしているようだ。
「副司教の紹介状を持つ獣人ってのは珍しいね」
小柄で白髪交じりのグインは、紹介状を見せるとカウンター奥にある打ち合わせテーブルへハンスを連れて行った。
「ポール副司教には昔からお世話になっております」
「そうかい、力を貸してくれって書いてあるけど、何をして欲しいんだい?」
「私は大きな狼を探しているのです。何年か前に北の森で捕らえられて、この国に連れて来られたと聞きました」
「・・・」
向かいで笑顔を見せていた、グインの表情がハンスの話を聞いて急に険しくなった。
「なにか、ご存じなんですね!?」
「いや、何も知らない。悪いが俺では力にはなれないな。ポール副司教によろしく言ってくれ、これは・・・、返しとくよ」
グインは紹介状の裏に机の上に置いてあったペンで走り書きをしてハンスに返した。ハンスの目を見て何も聞くなと合図している。
「わかりました、お邪魔してすみませんでした」
「ああ、他に仕入れたいものがあるなら、又寄ってくれよ。元気でな」
ハンスは店を出て、歩きながら紹介状の裏を見た。そこには-ラインの領主-、それだけが書いてあった。
ライン領はこの国の東側の大きな領地で、そこの領主マイヤーは前国王の弟、現国王の叔父にあたる人物だったはずだ。この国での評判は良くないと聞いているが・・・。もう少し情報を集める必要があるな。だが、まずは組合へ行くことにしよう。少し早いが昨日の二人がもう来ているかもしれない。
■下町の倉庫街
お兄ちゃんの知り合いの親切な人は、サリナを大きな扉がある建物に連れて行ってくれた。宿からは10分ぐらいしか歩いていないと思う。
「ここに、ハンスが居るの?」
「ああ、居るはずだよ。ひょっとすると出かけているかもしれないけど、すぐ戻って来るから中で待って居よう」
「うん、わかった」
大きな扉の横にあった通用口から中に入ると、窓が少なくて暗いじめじめした居心地の悪い場所だった。親切なオジサンは荷物が置いてある場所の右側にあった扉の中に私を連れて行くと、奥に座っている体の大きな人に何か耳打ちしていた。
「そうか! よくやった!」
体の大きな人は何か喜んでいるようだ。その人は笑顔でサリナに話しかけてきた。
「ハンスさんは今出かけているからな、ここで待っていてくれよ。すぐに戻って来ると思うからな。それで、後の二人は一緒じゃないのか?」
- 後の二人? 誰の事だろう?
「二人って、誰の事ですか?」
「あー、ハーフエルフともう一人が一緒なんだろ?」
「あ、ミーシャとサトルですか?」
「そうそう、そうだった。ミーシャさんとサトルさんね。今は何処にいるんだい?」
「二人は森の国へ行ってます。お兄・・、ハンスは言ってませんでしたか?」
「いや、はっきりしたことは聞いてない。あんた達が来たら、ここで待ってもらうようにって、そう言ってたよ」
「そっか、ありがとうございます。ハンスはいつ頃戻ってきますか?」
「そうだな、早いとは思うけど、夜になるかもしれないな」
-夜かぁ、それなら先にリンネの所に行かないと。
「じゃあ、私は後でもう一度来ます」
「いや、あんたは外に出ると危ないから出さないでくれって言われているんだよ」
「でも、用事があるから・・・」
「おい、こいつを奥の部屋に連れていって、外から鍵を掛けとけ!」
大きな体の人が突然怖い口調になると、後ろに居た親切なオジサンが両脇から手を入れてサリナを羽交い絞めにした。
「エッ!どうしたの!? 何!?」
「こっちの部屋で待っててくれよ、暴れるなよ怪我するぞ」
親切だったオジサンはサリナを後ろから抱え上げて連れて行った。奥の部屋は石造りの壁で狭くて・・・、窓が無かった。
「いや、ここはダメ!待つなら外で待つからここはイヤー!」
「うるせえな、静かにしておけよ」
突き飛ばされて尻もちをついたサリナの目の前で扉が閉められて、部屋の中が真っ暗になった。
「ダメ――――!!」
怖い、暗い、狭いところに一人だ・・・、また、閉じ込められた・・・どうしよう!?
「お願いします、開けてください!」
「お願いー!!」
大きな声で叫んでも返事が無い・・・。落ち着かなきゃ、一人でも頑張れるはず・・・、まずは明かりだ。サトルは洞窟でいつも明るくしていたもん。
「ふぁいあ!」
うん、これで大丈夫。部屋は狭くて木箱がいくつか積んであるだけだ。
扉は・・・
-ゴン、ゴン、
硬いのか、たぶん鉄なんだ。壁も石を積みあげた部屋だ。
どうしようかなぁ、あの人たちはお兄ちゃんの知り合いじゃなかったのかな。
うーん、やっぱりリンネが待ってるからここから出ないと。
扉は鉄だけど頑張ればなんとかなるはず、狭いところは絶対に嫌!
だけど、鉄だから加減は無しで、神様にたくさんお願いしないといけないかも。
ロッドは水のロッドでやってみよう。
-風の神ウィン様、私のすべての力でこの扉を吹き飛ばす風を与えてください。
「じぇっとぉーー!!」
§
サトルとミーシャはイースト商会に向かう途中で、
リンネはイースト商会の前で、
ハンスは下町に向かう途中で、
・・・下町の方から響き渡ってくる轟音を聞いた。
0
お気に入りに追加
909
あなたにおすすめの小説
おおぅ、神よ……ここからってマジですか?
夢限
ファンタジー
俺こと高良雄星は39歳の一見すると普通の日本人だったが、実際は違った。
人見知りやトラウマなどが原因で、友人も恋人もいない、孤独だった。
そんな俺は、突如病に倒れ死亡。
次に気が付いたときそこには神様がいた。
どうやら、異世界転生ができるらしい。
よーし、今度こそまっとうに生きてやるぞー。
……なんて、思っていた時が、ありました。
なんで、奴隷スタートなんだよ。
最底辺過ぎる。
そんな俺の新たな人生が始まったわけだが、問題があった。
それは、新たな俺には名前がない。
そこで、知っている人に聞きに行ったり、復讐したり。
それから、旅に出て生涯の友と出会い、恩を返したりと。
まぁ、いろいろやってみようと思う。
これは、そんな俺の新たな人生の物語だ。
集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」
とあるオタが勇者召喚に巻き込まれた件~イレギュラーバグチートスキルで異世界漫遊~
剣伎 竜星
ファンタジー
仕事の修羅場を乗り越えて、徹夜明けもなんのその、年2回ある有○の戦場を駆けた夏。長期休暇を取得し、自宅に引きこもって戦利品を堪能すべく、帰宅の途上で食材を購入して後はただ帰るだけだった。しかし、学生4人組とすれ違ったと思ったら、俺はスマホの電波が届かない中世ヨーロッパと思しき建築物の複雑な幾何学模様の上にいた。学生4人組とともに。やってきた召喚者と思しき王女様達の魔族侵略の話を聞いて、俺は察した。これあかん系異世界勇者召喚だと。しかも、どうやら肝心の勇者は学生4人組みの方で俺は巻き込まれた一般人らしい。【鑑定】や【空間収納】といった鉄板スキルを保有して、とんでもないバグと思えるチートスキルいるが、違うらしい。そして、安定の「元の世界に帰る方法」は不明→絶望的な難易度。勇者系の称号がないとわかると王女達は掌返しをして俺を奴隷扱いするのは必至。1人を除いて学生共も俺を馬鹿にしだしたので俺は迷惑料を(強制的に)もらって早々に国を脱出し、この異世界をチートスキルを駆使して漫遊することにした。※10話前後までスタート地点の王城での話になります。
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
転生王子の異世界無双
海凪
ファンタジー
幼い頃から病弱だった俺、柊 悠馬は、ある日神様のミスで死んでしまう。
特別に転生させてもらえることになったんだけど、神様に全部お任せしたら……
魔族とエルフのハーフっていう超ハイスペック王子、エミルとして生まれていた!
それに神様の祝福が凄すぎて俺、強すぎじゃない?どうやら世界に危機が訪れるらしいけど、チートを駆使して俺が救ってみせる!
悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~
こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。
それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。
かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。
果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!?
※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。
異世界ゲームへモブ転生! 俺の中身が、育てあげた主人公の初期設定だった件!
東導 号
ファンタジー
雑魚モブキャラだって負けない! 俺は絶対!前世より1億倍!幸せになる!
俺、ケン・アキヤマ25歳は、某・ダークサイド企業に勤める貧乏リーマン。
絶対的支配者のようにふるまう超ワンマン社長、コバンザメのような超ごますり部長に、
あごでこきつかわれながら、いつか幸せになりたいと夢見ていた。
社長と部長は、100倍くらい盛りに盛った昔の自分自慢語りをさく裂させ、
1日働きづめで疲れ切った俺に対して、意味のない精神論に終始していた。
そして、ふたり揃って、具体的な施策も提示せず、最後には
「全社員、足で稼げ! 知恵を絞り、営業数字を上げろ!」
と言うばかり。
社員達の先頭を切って戦いへ挑む、重い責任を背負う役職者のはずなのに、
完全に口先だけ、自分の部屋へ閉じこもり『外部の評論家』と化していた。
そんな状況で、社長、部長とも「業務成績、V字回復だ!」
「営業売上の前年比プラス150%目標だ!」とか抜かすから、
何をか言わんや……
そんな過酷な状況に生きる俺は、転職活動をしながら、
超シビアでリアルな地獄の現実から逃避しようと、
ヴァーチャル世界へ癒しを求めていた。
中でも最近は、世界で最高峰とうたわれる恋愛ファンタジーアクションRPG、
『ステディ・リインカネーション』に、はまっていた。
日々の激務の疲れから、ある日、俺は寝落ちし、
……『寝落ち』から目が覚め、気が付いたら、何と何と!!
16歳の、ど平民少年ロイク・アルシェとなり、
中世西洋風の異世界へ転生していた……
その異世界こそが、熱中していたアクションRPG、
『ステディ・リインカネーション』の世界だった。
もう元の世界には戻れそうもない。
覚悟を決めた俺は、数多のラノベ、アニメ、ゲームで積み重ねたおたく知識。
そして『ステディ・リインカネーション』をやり込んだプレイ経験、攻略知識を使って、
絶対! 前世より1億倍! 幸せになる!
と固く決意。
素晴らしきゲーム世界で、新生活を始めたのである。
カクヨム様でも連載中です!
異世界転生!俺はここで生きていく
おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。
同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。
今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。
だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。
意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった!
魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。
俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。
それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ!
小説家になろうでも投稿しています。
メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。
宜しくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる