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Ⅰ-82 サトルの邪心ちゃん
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■バーンの宿屋
何でもいう事を聞くなどと言われると、むしろ頼み難くなった・・・。そう、俺は前回頓挫したコスプレ妄想が実現できないかと考えていた。何か弱みに付け込んだような気もするのだが・・・、いや違う、こいつらは恩返しをしたいはずだ。鶴でも恩返しをするのだから、ハーフエルフが恩返しをしても良いはずだ。むしろ、ただ飯ばかり食って気を使っているこの二人の気持ちを受け取ってやることこそが・・・、などと自分の中で自分を無理やり納得させてみた。
「お、俺も国を離れてから結構日にちが経つからさ、自分の国の人に会いたいと言うか、見てみたいと言うか・・・、良かったら二人に俺の国の、で、伝統的な服を着てもらえないかなぁと思ってさ」
「・・・」
返事をせずに二人で顔を見合わせた、やっぱり下心が見え透いていたか?それとも、伝統的なと言う嘘っぱちが伝わったのか?
「そんなことで良いのか?」
「サリナはサトルの国の服を着てみたいよ!?」
-ヨッシャー!!
表情を変えずに心の中でガッツポーズをした。ビクビクしながら言ってみたが素直なこいつらには俺の邪心は判らなかったようだ。だったらまずは・・・
「ミーシャはこれを着てみてよ、サリナはこっちの服。衝立を出すからその向こうで着替えて、出来たら教えて。俺が呼んでから衝立の向こうから出てきてね」
俺は妄想シリーズの2着をストレージの衣裳部屋に掛けてあったハンガーごと渡して、幅2メートルほどのパーテーションを入り口の広い空間に出してやった。・・・が、二人は着替えようとしない。渡された服をみて黙り込んでしまった。
- やっぱり、嫌なのだろうか? 無理強いはしたくないし、あきらめるか・・・?
「サトル、これはどのように着れば良いのだ?この固いものはどうするのだ?」
-なるほど! ハンガーごと着ようとしてた訳ですか! ムチャなことを!
俺はハンガーから外した服をサリナとミーシャの体に当ててやりながら、一つずつの着る順番、履き方、付け方等を説明してやった。二人は首を傾げならもパーテーションの向こうで着替え始めた・・・、待つこと12分50秒、ようやくミーシャ様から声が掛かった!
「出来たと思うのだが、出て行っても良いか?」
俺はスマホをカメラモードにして構えてから、上ずった声を出した。
「い、いいよ、出てきてよ!」
俺の目の前には、紺色のミニスカメイド服に白フリルと白エプロン、頭にカチューシャを載せたハーフエルフが登場した・・・、感動のあまり言葉を失ったが、写真を何枚も撮らせてもらう。やはりミーシャは美しい、真っ白な肌が紺色で更に引き立って、細面の小さな顔に切れ長の緑の目、揺れるブロンド・・・全てが最高です!
「お前の国の伝統的な服は変わっているのだな。やたらと無駄に生地がついているし、頭のこれは何のためにあるのだ?何の役目も果たしていないような気がするぞ・・・」
いえいえ、俺の中では完璧に役立っています。だが俺の妄想はまだまだ続いている。
「ミーシャ、ハンドガンをもって壁に向かって構えてよ」
「別に構わないが、この服だと狙い難い気がするぞ」
「いや、撃たなくていいから、いつもどおりに構えるだけで・・・、そんな感じ・・・良いねぇ!ちょっとだけ上を狙って、右足を前に半歩出してみようか・・・良いねぇ!」
俺は夢中になって写真を撮った。ハーフエルフ+メイド服+グロック17=世界最強!!間違いないだろう、あくまでも俺の中ではだけど。
「サトル、サリナも出来たからそっちに行ってもいいかな?」
もう少しミーシャに違う銃を持たせてみたかったが、待たせるのも可哀そうだから、一応見てやることにしよう。俺の中ではハーフエルフ>>>>>ちびっ娘だから許してくれ。
「ああ、出て来いよ」
出て来たちびっ娘は・・・、魔女コスプレが良く似合っていた。はっきり言ってかなり可愛いい。頭に鍔の大きい三角帽をのせて、黒レースのワンピースになっている膝上のコスチュームで恥ずかしそうにパーテーションから飛び出してきている。網タイツと肘まである黒い手袋もちゃんと着けていた。見えている手足は細くは無いがちょうどいい感じだろう、胸の辺りはレースになっていて・・・、そこは子供じゃないと主張していた。首のチョーカーで首筋も引き締まって見える。顔自体は童顔だが、目が大きくて丸い頬っぺたも可愛く見える。だが、足元に目をやったときに重大なミスに気がついた。二人とも靴を替えていなかった。ミーシャもサリナもサンダルを履いたままだ。
「サリナ、ミーシャ、チョット待っていろ。その服に合う靴を出してやるからな」
超高速で検索して、できるだけヒールの高くないものをそれぞれ渡してやる。
「「変な形」」
二人は声をそろえて同じ感想を述べたが、それでも俺の希望する靴に履き替えてくれる・・・。
よし、上から下までできあがった! ハーフエルフのメイドとリアル魔女っ娘だ!
「サリナ、お前はロッドを右手にもって、壁のほうに向けてくれよ。間違っても魔法を使うなよ!ミーシャは片膝をベッドについて、銃を窓のほうに・・・そうそう、良いねぇ・・・、次は・・・」
俺は妄想をどんどん現実にしていきながら、一人撮影会を続けた・・・。
何でもいう事を聞くなどと言われると、むしろ頼み難くなった・・・。そう、俺は前回頓挫したコスプレ妄想が実現できないかと考えていた。何か弱みに付け込んだような気もするのだが・・・、いや違う、こいつらは恩返しをしたいはずだ。鶴でも恩返しをするのだから、ハーフエルフが恩返しをしても良いはずだ。むしろ、ただ飯ばかり食って気を使っているこの二人の気持ちを受け取ってやることこそが・・・、などと自分の中で自分を無理やり納得させてみた。
「お、俺も国を離れてから結構日にちが経つからさ、自分の国の人に会いたいと言うか、見てみたいと言うか・・・、良かったら二人に俺の国の、で、伝統的な服を着てもらえないかなぁと思ってさ」
「・・・」
返事をせずに二人で顔を見合わせた、やっぱり下心が見え透いていたか?それとも、伝統的なと言う嘘っぱちが伝わったのか?
「そんなことで良いのか?」
「サリナはサトルの国の服を着てみたいよ!?」
-ヨッシャー!!
表情を変えずに心の中でガッツポーズをした。ビクビクしながら言ってみたが素直なこいつらには俺の邪心は判らなかったようだ。だったらまずは・・・
「ミーシャはこれを着てみてよ、サリナはこっちの服。衝立を出すからその向こうで着替えて、出来たら教えて。俺が呼んでから衝立の向こうから出てきてね」
俺は妄想シリーズの2着をストレージの衣裳部屋に掛けてあったハンガーごと渡して、幅2メートルほどのパーテーションを入り口の広い空間に出してやった。・・・が、二人は着替えようとしない。渡された服をみて黙り込んでしまった。
- やっぱり、嫌なのだろうか? 無理強いはしたくないし、あきらめるか・・・?
「サトル、これはどのように着れば良いのだ?この固いものはどうするのだ?」
-なるほど! ハンガーごと着ようとしてた訳ですか! ムチャなことを!
俺はハンガーから外した服をサリナとミーシャの体に当ててやりながら、一つずつの着る順番、履き方、付け方等を説明してやった。二人は首を傾げならもパーテーションの向こうで着替え始めた・・・、待つこと12分50秒、ようやくミーシャ様から声が掛かった!
「出来たと思うのだが、出て行っても良いか?」
俺はスマホをカメラモードにして構えてから、上ずった声を出した。
「い、いいよ、出てきてよ!」
俺の目の前には、紺色のミニスカメイド服に白フリルと白エプロン、頭にカチューシャを載せたハーフエルフが登場した・・・、感動のあまり言葉を失ったが、写真を何枚も撮らせてもらう。やはりミーシャは美しい、真っ白な肌が紺色で更に引き立って、細面の小さな顔に切れ長の緑の目、揺れるブロンド・・・全てが最高です!
「お前の国の伝統的な服は変わっているのだな。やたらと無駄に生地がついているし、頭のこれは何のためにあるのだ?何の役目も果たしていないような気がするぞ・・・」
いえいえ、俺の中では完璧に役立っています。だが俺の妄想はまだまだ続いている。
「ミーシャ、ハンドガンをもって壁に向かって構えてよ」
「別に構わないが、この服だと狙い難い気がするぞ」
「いや、撃たなくていいから、いつもどおりに構えるだけで・・・、そんな感じ・・・良いねぇ!ちょっとだけ上を狙って、右足を前に半歩出してみようか・・・良いねぇ!」
俺は夢中になって写真を撮った。ハーフエルフ+メイド服+グロック17=世界最強!!間違いないだろう、あくまでも俺の中ではだけど。
「サトル、サリナも出来たからそっちに行ってもいいかな?」
もう少しミーシャに違う銃を持たせてみたかったが、待たせるのも可哀そうだから、一応見てやることにしよう。俺の中ではハーフエルフ>>>>>ちびっ娘だから許してくれ。
「ああ、出て来いよ」
出て来たちびっ娘は・・・、魔女コスプレが良く似合っていた。はっきり言ってかなり可愛いい。頭に鍔の大きい三角帽をのせて、黒レースのワンピースになっている膝上のコスチュームで恥ずかしそうにパーテーションから飛び出してきている。網タイツと肘まである黒い手袋もちゃんと着けていた。見えている手足は細くは無いがちょうどいい感じだろう、胸の辺りはレースになっていて・・・、そこは子供じゃないと主張していた。首のチョーカーで首筋も引き締まって見える。顔自体は童顔だが、目が大きくて丸い頬っぺたも可愛く見える。だが、足元に目をやったときに重大なミスに気がついた。二人とも靴を替えていなかった。ミーシャもサリナもサンダルを履いたままだ。
「サリナ、ミーシャ、チョット待っていろ。その服に合う靴を出してやるからな」
超高速で検索して、できるだけヒールの高くないものをそれぞれ渡してやる。
「「変な形」」
二人は声をそろえて同じ感想を述べたが、それでも俺の希望する靴に履き替えてくれる・・・。
よし、上から下までできあがった! ハーフエルフのメイドとリアル魔女っ娘だ!
「サリナ、お前はロッドを右手にもって、壁のほうに向けてくれよ。間違っても魔法を使うなよ!ミーシャは片膝をベッドについて、銃を窓のほうに・・・そうそう、良いねぇ・・・、次は・・・」
俺は妄想をどんどん現実にしていきながら、一人撮影会を続けた・・・。
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