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Ⅰ-62 第2迷宮 後編
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■第2迷宮内部 5階
迷宮の5階で野営をすることに決めた俺は、3階と4階に置きっぱなしのはしごを一旦回収した。
何かが上ってくるのを防ぐためだ。あわせて5階の外に面した開口部と下から上ってくる階段に幅1メートル程の鉄板をタブレットで検索して蓋にしておく。
外からの光が殆ど入らなくなったが、12畳ぐらいの部屋の中にはカンテラを8個ほど並べたので明るさに問題は無かった。
今日は昼飯も食っていないから、安全が確保できたところでかなり早い夕食をとることにした。
テーブル、椅子、食器類を取り出す。
肉ばかりで野菜不足だと思ったので、最初に野菜とソーセージのポトフを出した。
「熱いから気をつけて食べろよ。残さず食べたら違う肉も出してやるから」
すっかり保護者気分で食事を与えている気がする。
「熱い! でも、芋がホクホクして美味しいよ!」
「うむ、サトルの食事にしては味が薄いが、これも美味いな」
二人とも気にいったようだ。塩コショウとブイヨンが効いていて決して薄味ではないが、焼肉ばかり食わせていると薄味に感じるのかもしれない。
肉は、鶏肉のから揚げと豚肉のしょうが焼きを大量の千切りキャベツと一緒に出してやった。
ご飯と一緒に二人ともがつがつ食っている。
ほとんどが見たことの無い料理のはずなのに、本当に短期間で馴染めるものだと感心する。
しかし、俺自身もこの生活に馴染みつつある。最初に来た時に考えていた生活とはだいぶ違っているが、決して嫌ではない。むしろ、こいつらと居るのが楽しくなっている。現世では恋人はおろか友達もほとんど居なかった自分が、二人の美少女と食事をして塔の上で寝泊りしているというのは、銃で撃ちまくるよりも画期的なことなのかもしれない。
そう思うと、出来るだけ美味い物を食わせてやりたくなって来た。
「食後にはこの前と違うアイスクリームを出してやるから楽しみにして置けよ」
「やったー! サトル大好き!!」
「そうなのか! それは嬉しいぞ。感謝する」
もっとも、この旅をいつまで続けられるかは全然判らないのだが・・・
食後には抹茶、チョコミント、ストロベリーのアイスクリームを一つずつ出してやった。
もちろん二人とも全部食べた。ミーシャは心配ないが、サリナは少し体重管理が必要な気がする。今のところはポッチャリ程度だが、これ以上食わせると良くないのかもしれない。
「じゃあ、デザートも食い終わったし、そろそろお楽しみの宝箱を開けてみるか!?」
「うん!」
「そうだな、そうしよう」
ミーシャはテーブルの上に木箱を置いて俺の顔を見た。
「ミーシャが見つけてきたんだから、開けてよ」
「うむ。では・・・」
木箱のサイズは、いままでロッドが入っていたものと同じサイズだった。
ミーシャが両手で木箱の蓋になっている板を持ち上げると、中にはいつもの汚れた布が見える。
蓋を横において布をめくると・・・、ロッドが出て来た!
壁に置いてあるだけの木箱だったがハズレでは無かったようだ、だがミーシャが探している神の拳では無いのだろう。それが何かは判っていないのだが・・・
「何のロッドかな? ハンスがいないと判らないな」
「ああ、だが今までのロッドと違って石は一つしか付いていない」
「サリナ、持っている二つのロッドをテーブルに置いて見せてよ」
「うん!」
俺はミーシャが渡してくれたロッドをウェットティッシュで拭いて、サリナが置いた『炎のロッド』『水のロッド』の横に並べて置いてみた。
長さも太さも殆ど同じだが、ミーシャが言う通り今日見つけたロッドは先端に金具で固定されている石が一つしか付いていない。その代わり石は大きく、綺麗に透き通る黄金色をしていた。
「サリナもミーシャも何の石か判らないよね?」
二人とも首を横に振っている。
少なくとも、既に持っている火、水、風では無いのだから光か土だろう。
色的には光っぽい気がする。
それに、風の石がついていないなら飛ばす必要の無い魔法のはずだ。
だとしたら・・・
「サリナ、このロッドは治療魔法のロッドじゃないかな?すぐには使わないけど、お前が持っておけよ、誰か怪我したらそのロッドで治してくれ」
「治療魔法の? うーん、よくわかんないけど、やってみる! でも、あんまりケガはしないで欲しいの!」
「もちろん無駄にケガをするつもりは無いけどな。ミーシャもそれで良い?これは神の拳では無いよね?」
「ああ、構わない。これは神の拳とは違うはずだ」
「神の拳ってどんな物なのか、想像がついているの?」
「おそらく武器のはずだ、それも強大な破壊力を持つ武器だろう」
「剣とか?槍とか?」
「それはわからない、ハンスが持っていったものは炎の刀だから違うのは確実だ。炎の槍も別の物だ。その二つ以外の武器のはずなのだ」
武器・・・、拳と言うぐらいだからグローブなのか?
それとも比喩表現で大きなハンマー・・・トールハンマー的な!?
結局、見つけるまでは判らないだろう。
迷宮は判明している範囲で後二つある。一つは緑の堅鱗団の縄張りに、そして最後の一つは未開地になる。
次で見つからなければ未開地に行くかどうかの判断が必要だ。
それに、ハンスとサリナの魔法具探しはこれで十分なのか?
既にロッド3本と炎の刀が見つかった。
ゼロスタートで此処まで来たのだから出来すぎだと思うが・・・
§
ストレージでシャワーを浴びながら、今日の戦いを振り返って、結局は経験が足りないことを痛感していた。
どれだけ強力な武器を持っていても、相手より先に見つけなければ銃器のアドバンテージを活かせない。森の中ではミーシャがいなければ、苦戦どころか死んでいたかもしれないだろう。荒野なら見通しが利くから、銃の射程をフルに活かせたが、地形が変わればそれにあわせた戦いかたを考えないと、17歳の寿命はこの世界でも17歳で終るのかもしれない。
そう考えるとこれからもミーシャと一緒にいるのが有利だ。経験もあるし、弓の技量も驚異的だ。俺が狩りをするにしても優秀なガイドになるだろうし、風も見えると言っていたから長距離狙撃の観測手としても役に立ってくれるはずだ。
神の拳が見つかれば、向こうには俺に用が無いのかもしれないが、その後も何とか連れていきたい気がする。もちろん個人的な趣味も入っているけど・・・
そういえば、ミーシャは狼を探していると言っていたから、それを一緒に探せば良いのかもしれない。
金が必要でも、俺と一緒にいれば効率が良いから、嫌とは言わないんじゃないか!?
そうなると・・・、ひょっとして二人旅ができるじゃないか!?
サリナはハンスにお返ししてと・・・、妄想が膨らみすぎた。
しかし、サリナの火炎ロッドも一気に焼き払えるのは強みだという事が良くわかった。
散弾銃よりも効率的かもしれない。水のロッドは使いこなしていないが、水と風でも何かできるのだと思う。魔法は馬鹿に出来ないことが良くわかってきた。
だとすると、下の階にあった木の板がどうしても気になる。あれにも意味があるはずなのだが、何を求めているのだろう?
この塔も人が作ったものだ、第一迷宮だけは造りが違ったが、どの迷宮も間違いなく人の手が掛かっている。
作ったのが先の勇者だとしたら、あそこに板を置いた理由は・・・?
気になって仕方が無い、今日は寝つきが悪いかもしれない。
迷宮の5階で野営をすることに決めた俺は、3階と4階に置きっぱなしのはしごを一旦回収した。
何かが上ってくるのを防ぐためだ。あわせて5階の外に面した開口部と下から上ってくる階段に幅1メートル程の鉄板をタブレットで検索して蓋にしておく。
外からの光が殆ど入らなくなったが、12畳ぐらいの部屋の中にはカンテラを8個ほど並べたので明るさに問題は無かった。
今日は昼飯も食っていないから、安全が確保できたところでかなり早い夕食をとることにした。
テーブル、椅子、食器類を取り出す。
肉ばかりで野菜不足だと思ったので、最初に野菜とソーセージのポトフを出した。
「熱いから気をつけて食べろよ。残さず食べたら違う肉も出してやるから」
すっかり保護者気分で食事を与えている気がする。
「熱い! でも、芋がホクホクして美味しいよ!」
「うむ、サトルの食事にしては味が薄いが、これも美味いな」
二人とも気にいったようだ。塩コショウとブイヨンが効いていて決して薄味ではないが、焼肉ばかり食わせていると薄味に感じるのかもしれない。
肉は、鶏肉のから揚げと豚肉のしょうが焼きを大量の千切りキャベツと一緒に出してやった。
ご飯と一緒に二人ともがつがつ食っている。
ほとんどが見たことの無い料理のはずなのに、本当に短期間で馴染めるものだと感心する。
しかし、俺自身もこの生活に馴染みつつある。最初に来た時に考えていた生活とはだいぶ違っているが、決して嫌ではない。むしろ、こいつらと居るのが楽しくなっている。現世では恋人はおろか友達もほとんど居なかった自分が、二人の美少女と食事をして塔の上で寝泊りしているというのは、銃で撃ちまくるよりも画期的なことなのかもしれない。
そう思うと、出来るだけ美味い物を食わせてやりたくなって来た。
「食後にはこの前と違うアイスクリームを出してやるから楽しみにして置けよ」
「やったー! サトル大好き!!」
「そうなのか! それは嬉しいぞ。感謝する」
もっとも、この旅をいつまで続けられるかは全然判らないのだが・・・
食後には抹茶、チョコミント、ストロベリーのアイスクリームを一つずつ出してやった。
もちろん二人とも全部食べた。ミーシャは心配ないが、サリナは少し体重管理が必要な気がする。今のところはポッチャリ程度だが、これ以上食わせると良くないのかもしれない。
「じゃあ、デザートも食い終わったし、そろそろお楽しみの宝箱を開けてみるか!?」
「うん!」
「そうだな、そうしよう」
ミーシャはテーブルの上に木箱を置いて俺の顔を見た。
「ミーシャが見つけてきたんだから、開けてよ」
「うむ。では・・・」
木箱のサイズは、いままでロッドが入っていたものと同じサイズだった。
ミーシャが両手で木箱の蓋になっている板を持ち上げると、中にはいつもの汚れた布が見える。
蓋を横において布をめくると・・・、ロッドが出て来た!
壁に置いてあるだけの木箱だったがハズレでは無かったようだ、だがミーシャが探している神の拳では無いのだろう。それが何かは判っていないのだが・・・
「何のロッドかな? ハンスがいないと判らないな」
「ああ、だが今までのロッドと違って石は一つしか付いていない」
「サリナ、持っている二つのロッドをテーブルに置いて見せてよ」
「うん!」
俺はミーシャが渡してくれたロッドをウェットティッシュで拭いて、サリナが置いた『炎のロッド』『水のロッド』の横に並べて置いてみた。
長さも太さも殆ど同じだが、ミーシャが言う通り今日見つけたロッドは先端に金具で固定されている石が一つしか付いていない。その代わり石は大きく、綺麗に透き通る黄金色をしていた。
「サリナもミーシャも何の石か判らないよね?」
二人とも首を横に振っている。
少なくとも、既に持っている火、水、風では無いのだから光か土だろう。
色的には光っぽい気がする。
それに、風の石がついていないなら飛ばす必要の無い魔法のはずだ。
だとしたら・・・
「サリナ、このロッドは治療魔法のロッドじゃないかな?すぐには使わないけど、お前が持っておけよ、誰か怪我したらそのロッドで治してくれ」
「治療魔法の? うーん、よくわかんないけど、やってみる! でも、あんまりケガはしないで欲しいの!」
「もちろん無駄にケガをするつもりは無いけどな。ミーシャもそれで良い?これは神の拳では無いよね?」
「ああ、構わない。これは神の拳とは違うはずだ」
「神の拳ってどんな物なのか、想像がついているの?」
「おそらく武器のはずだ、それも強大な破壊力を持つ武器だろう」
「剣とか?槍とか?」
「それはわからない、ハンスが持っていったものは炎の刀だから違うのは確実だ。炎の槍も別の物だ。その二つ以外の武器のはずなのだ」
武器・・・、拳と言うぐらいだからグローブなのか?
それとも比喩表現で大きなハンマー・・・トールハンマー的な!?
結局、見つけるまでは判らないだろう。
迷宮は判明している範囲で後二つある。一つは緑の堅鱗団の縄張りに、そして最後の一つは未開地になる。
次で見つからなければ未開地に行くかどうかの判断が必要だ。
それに、ハンスとサリナの魔法具探しはこれで十分なのか?
既にロッド3本と炎の刀が見つかった。
ゼロスタートで此処まで来たのだから出来すぎだと思うが・・・
§
ストレージでシャワーを浴びながら、今日の戦いを振り返って、結局は経験が足りないことを痛感していた。
どれだけ強力な武器を持っていても、相手より先に見つけなければ銃器のアドバンテージを活かせない。森の中ではミーシャがいなければ、苦戦どころか死んでいたかもしれないだろう。荒野なら見通しが利くから、銃の射程をフルに活かせたが、地形が変わればそれにあわせた戦いかたを考えないと、17歳の寿命はこの世界でも17歳で終るのかもしれない。
そう考えるとこれからもミーシャと一緒にいるのが有利だ。経験もあるし、弓の技量も驚異的だ。俺が狩りをするにしても優秀なガイドになるだろうし、風も見えると言っていたから長距離狙撃の観測手としても役に立ってくれるはずだ。
神の拳が見つかれば、向こうには俺に用が無いのかもしれないが、その後も何とか連れていきたい気がする。もちろん個人的な趣味も入っているけど・・・
そういえば、ミーシャは狼を探していると言っていたから、それを一緒に探せば良いのかもしれない。
金が必要でも、俺と一緒にいれば効率が良いから、嫌とは言わないんじゃないか!?
そうなると・・・、ひょっとして二人旅ができるじゃないか!?
サリナはハンスにお返ししてと・・・、妄想が膨らみすぎた。
しかし、サリナの火炎ロッドも一気に焼き払えるのは強みだという事が良くわかった。
散弾銃よりも効率的かもしれない。水のロッドは使いこなしていないが、水と風でも何かできるのだと思う。魔法は馬鹿に出来ないことが良くわかってきた。
だとすると、下の階にあった木の板がどうしても気になる。あれにも意味があるはずなのだが、何を求めているのだろう?
この塔も人が作ったものだ、第一迷宮だけは造りが違ったが、どの迷宮も間違いなく人の手が掛かっている。
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