オレ様傲慢王子は最強! ~王位継承権は低いが、精霊神が与えし最強の瞳を駆使して女を漁る~

ぽてさら

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第1章

ex-2 『二輪の麗華は仲睦まじく』

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 太陽が東と西の真ん中に傾く前の時間。
 騎士団寮のある部屋では、二人の少女が身体を向き合わせていた。水色の綺麗な長髪を揺らしながら一人が立ち上がるとバンッ、と手でテーブルに叩く音が部屋中に響き渡る。


「―――ドロシー、一緒に私と街へ行ってぶらぶらしましょう!!」
「……………は?」


 片や満面の笑みで、片や困惑した表情を携えながら本をめくる手を止めた。
 間を空けず鳥の翼を模した絹糸のような銀髪をした少女、ドロシーは首を傾げながら言葉を紡ぐ。


「いや、『久しぶりに今日は部屋でゆっくりしましょう』って言ってきたのはメルトじゃない。急にどうしたのよ? 何か買い忘れ?」
「うーん、そういう訳ではないんですけどね。ほら、『思い立ったが吉日』っていうじゃないですか」
「いや知らないし。なによそれ?」
「なんでも”何かをしようと決意したら、そう思った日を吉日として行動するのが良い”という言葉らしいです。ローランド様の御友人が言ってました」
「へー、ローランド様にお友達なんていたのね。意外」


 人差し指をたてながら得意げに説明するメルトへ初耳、といった具合にドロシーは目を見開いて驚く。
 そのままメルトは凛とした笑みを浮かべてはきはきと言葉を続けた。


「それはともかく、さぁ私と一緒に行きましょう!」
「えー、最近忙しかったし疲れたからゆっくりしてたいんだけど……」
「えー、そんなこと言っちゃうんですかぁ? というかー、ドロシーを助け出す為に私頑張ったんですけどねー。一つくらい言うこと聞いてくれたって宜しいかと思うんですけどー」
「な、なんていう露骨ろこつ強要きょうよう………ッ!」
「駄目、ですか………?」
「うっ………はぁ、わかったわよ」


 急に表情を一変させて不安げな顔にさせるメルト。
 そんな彼女の様子を見て、出掛ける支度を行なう為にドロシーはそっと本を閉じる。

 彼女が立ち上がり背を向ける中、メルトは泣き落とし(?)が成功した事にニヤリと唇の端を上げた。







 騎士団寮の責任者である寮母に外出届を提出すると、メルトとドロシーの二人は『王国都市オータル』の街並みを並んで歩いていた。

 現在の二人の服装は騎士団の制服姿ではなく私服。

 メルトは真っ白なブラウスに藍色のホットパンツ、膝程まである光沢のある黒いブーツを履いており、非常にカジュアルな格好をしている。加えて胸元の紐状のリボンや腰に巻かれている黒いベルトが彼女の魅力を十分に引き出していた。

 一方のドロシーは淡い赤色のブラウスにミニ丈黒のフレアスカート、ショートブーツを履いている。カジュアルな服装のメルトと違い、ドロシーの服装に感じるのは貴族特有の刺激と華麗さだった。


「ねぇメルト、前から思ってたけどなんだかすごく視線を感じる気がしない? なんだか嫌なカンジ……」
「ふふふっ、気にしないで行きましょう。私たちの生まれ持った美貌でみなさんの視線を釘づけにしてしまうのは仕方のない事です。慣れですよ、慣れ」


 メルトはそう簡単に何気ない調子で話すが、訊いた本人はどうも面映おもばゆい。

 ドロシーは自覚していないが、二人は立っているだけでまるで華と錯覚してしまう程の気品さが溢れているのだ。歩いているだけで街中の視線を浴びてしまうのは仕方がないと言える。
 比率的に主に男性からの視線が多いが。


「それで、最初はどこに行くのよ?」
「はい、得物の手入れをしなくてはいけないのでまずは武器屋に行きたいと思います。そこでいくつか砥石を見繕いたいですね」
「……そっか、メルトは剣を扱うからメンテしなくちゃよね。あれ、今日は持ってきてないのね?」
「えぇ、今日は休日ですので護身用のナイフしか持って来てません。『破魔の剣』はあの戦闘の際に刃こぼれしてしまいましたし―――えぇ、心配せずとも何があってもこれで十分に対処出来ます」
「剣技でいえばメルトは私の師匠だから、そこは信頼してるんだけどさ……」


 ドロシーは渇いた笑みを浮かべながらその旨を伝える。
 そのまま武器屋へと足を進めていると、ふとドロシーはある事を思い出したようにメルトへと語りかけた。


「あ、剣で思い出した! そういえば部屋のクローゼットに入ってるのチラッと見えたんだけど、ローリング公爵家の紋章が刺繍されてる黒い袋に入っていた剣っぽいのは使わないの?」
「絶対に使いません」
「………!」


 間髪なく堅い口調、表情で返答したメルト。その様子を見たドロシーは、彼女のその一面を見て軽く驚く。
 メルトにしては珍しく気まずそうにすると、慎重に言葉を選ぶように紡ぐ。


「………あの剣は、私がローリング家に居た頃から使用していた愛剣ですが、同時にあの男から与えられた忌むべき象徴。だから、家から追放された・・・・・ときから一度も抜いていませんし、これからも使うつもりは無いです。えぇ、絶対に」
「そ、うだったのね……確かに、私もその話を訊いた時は驚いたもの」


 元々、幼い頃に僅かだがメルトと貴族主催のパーティで交流があったドロシーは、その話を訊いたときのなんとも言えない感情を思い出しながら呟いた。

 ローリング公爵家は代々剣術や攻撃魔術が優れていた人材を輩出していた王国貴族。しかしメルトは剣術の才能はあったものの魔法は水属性の初級魔法しか使えなかった。
 ローリング家当主、つまりメルトの父親は厳格で公平無私な性格のせいもあり『魔法』と『剣術』の内、片方が未熟な者は二度と敷居しきいまたぐことを許さないと、それに該当していたメルトを追放した。

 ドロシーがかつて訊いたのはそこまで。

 その後紆余曲折あってメルトはローランドと出会い、そして今に至るのだが。


「まぁ私と違い、優秀な妹もいるので私がいなくなったとしても関係はありませんし、興味もありませんよ」
「………………」
「―――さ、暗いお話はここまでですっ! 早く行きましょう!」
「ち、ちょっ……はやいわよメルト~~っ!!」


 メルトは気を取り直したように表情を元の凛とした笑みに戻すと、ドロシーの手を掴んで武器屋へと向けて走り出した。

 ドロシーはメルトが握る手に力が込められていることに気付いていたが、敢えて聞かなかった。



 そうして武器屋に着いた二人。メルトは荒砥石、中砥石、仕上砥石の三種類を購入、ドロシーも先日の件で用心した方が良いと考えを改め直したのか、使い捨てのナイフを数本見繕った。
 その後露店で売っている雑貨を見て楽しんだり、気に入ったアクセサリーやブレスレットなどがあれば購入したりしたメルトとドロシー。

 買い物を終えた頃には、もう既にお昼の時間帯に差し掛かる頃。メルトの提案でお腹を満たす為、二人はカフェへと向かうと女性店員から『王国都市オータル』の大通りを一望出来るテラス席へと案内された。
 多くの人々が見えてしまう位置なのだが、ドロシーはその事に構う事なく丸テーブルに突っ伏す。


「はぁ~~、つーかーれーた~~! でも楽しかったわー!!」
「露店を見て回るときなんて、装飾品に終始目を輝かせてはしゃいでましたもんねぇ」
「なっ、その言い方だとまるで私が子供みたいじゃない!? メルトだってクマのぬいぐるみを持って目をハートマークにしていた癖に!」
「あ、あれは……そう、あの子たちの為にお迎えしようと考えていたんです。私は全然そんな事はありませんが、日々キャシーとルーナが寂しがっていたように見えたので」


 因みにキャシーとルーナとは、メルトのベッドの側に置いてあるイヌとウサギのぬいぐるみである。
 ドロシーとメルトは意地を張るように互いに睨み合っていたが、いまさら彼女らは自分の趣味や趣向を誤魔化そうとしても無駄だと判断。

 二人は視線をそっとそらしながら呟いた。


「痛み分けという事にしましょう………」
「そうね……」


 気を取り直すようにして、注文する為に彼女らはメニュー表を眺める。様々な人々が行き交う立地に店を構えているだけあって、そこにはカフェならではの豊富な種類の料理名が並んでいた。軽く周りを見渡すと男性よりも女性の方が多い。昼過ぎという事もあり、次第に来店する客で埋まっている。人気の店なのだろう。

 再度メニューに目を落としながらドロシーは紡ぐ。

「メルトはどれにするのよ?」
「うーん……どれも魅力的で悩ましいのですが、私は”生チョコ&クリーム増し増しパンケーキパイ”が良いですね。ドロシーはその髪型らしく”スパイシーチキン”ですか?」
「鳥繋がりで選ぶのホントやめなさいよっ! えーっと、私は”フルーツ盛生クリームパフェ”がいいわっ!」
「無難ですねぇ……つまらないです」
「ただ注文するのに個性の主張って必要!?」


 やんややんやしながらも二人は店員を呼ぶと、飲み物含めて注文を行なう。しばらくすると注文した品が運ばれてきた。
 やはり人気カフェという事もあって、目の前に置かれたスイーツの見映えは素晴らしい。二人はその鼻孔を擽る甘い香りと期待に笑みを溢す。


「うわぁ……! すごくおいしそう……!」
「はい、思わず手を付けるのを戸惑ってしまう程です……!」
「「……いただきます!」」


 互いに顔を見合わせて頷く。うっとりとした表情になりながらも、その甘くも魅力的な誘惑に彼女らは抗えない。

 ドロシーはカットされたブドウと生クリーム、アイスをスプーンに乗せて。
 メルトはチョコソースが入ったお洒落な小鉢をパンケーキに傾けると、とろりとした液体が美しくいろどる。

 柔らかくフォークをパンケーキパイの表面に差し込むと、いとも簡単に侵入。さくりとした軽快な音に心を躍らせながら、彼女らは各々手に持ったそれを口に運んだ。
 咀嚼した瞬間、彼女たちの眦が下がる。


「選んで正解でした。サクサクした食感にふわふわのパンケーキが良く合います。とても美味しいです」
「えぇ、このパフェに乗ってるフルーツもどれも甘くて新鮮! クリームもくどくないわ!」


 頬張りながらしばらく舌鼓したづつみを打っていると、ふとメルトが思いついたようにある事を訊いてきた。


「そういえばドロシー、ローランド様とはどこまでいったんですか?」
「ッぶはっ! こほっ、こほっ!!」
「………なるほど、察しました」


 甘々のアイスコーヒーをストローで飲んでいたドロシーは、思いがけぬ質問に盛大に噴き出す。それを見たメルトは嘆息すると渋々と言葉を紡いだ。


「まぁ貴方が素直にローランド様に抱えられていた時点で、ゼッタイ・・・・に二人の間に何かあったと思いましたけどねー」
「……ッ、にゃ、にゃんでそんにゃ簡単に分かって……!」
「おや、顔を真っ赤にして腕の中で借りてきた猫のようにしていたら……ねぇ? まぁ私の時もそんな感じでしたし」
「………メ、メルトもあんな凄いキ……キ…ッ! ……したのっ?」
「―――へぇ、凄かったんですかぁ。それはさぞかし鮮明に記憶に残ったことでしょうね?」


 元々ローランドとの行為を察していたメルトだが、彼女の言いどもる様子を見て自らの綺麗な唇を指でぐにぐにと押さえる。
 当のドロシーはまるであの出来事を想起させるような仕草にさらに顔を真っ赤に紅潮させると、それを誤魔化すようにパフェをいそいそと食べた。


「ふふっ、ほらドロシー。口元にクリームが付いちゃってますよ。ジッとしてて下さい」
「うにゅ……っ、あ、ありがと……」
「いえいえ、そしてぺろりん」
「ふぁ……っ! ちょ、ひ、人前で何してんのよっ!?」


 突然のメルトの行動に驚きの声をあげるドロシー。

 ドロシーの唇に付いたクリームを指で拭った彼女がそのまま自身の口へと運んだからだ。メルトは依然と微笑みを浮かべているが、謎の恥ずかしさを感じたドロシーは急いで周りを見渡す。

 二人の容姿は傍から見ても完全な美少女。当たり前のことだが来店した初めの頃からちらほらと注目されており、「イチャイチャしてる……」「可愛い…」「尊い…っ」という声が男女問わず聞こえていた。中には鼻血を出して撃沈している紳士や淑女もいる。


「はぁ、本当は隙あらば貴方にキスしたい程なんですからね? 妥協してる分ありがたく思って下さい」
「はぁ?」
「だってローランド様とキスしたんですよね? つまりドロシーにキスを行なえば間接的にローランド様にキスしたと同じことです」
「んなぁ………っ!」


 ドロシーはメルトの口から飛び出た思わず言葉に詰まる。確かに長い付き合いの中でローランドへ非常に激しい恋慕&想いを抱いているのは知っていたが、まさか言葉だけではなく行動でそれを表してくるとは思わなかったからだ。しかも同性であるドロシーに対して。

 そして、彼女らの声は騒がしくなかったが、可能な限り聞き耳を立てていた周りは少しだけざわついていた。
 「キスしたいって言ったよね、言ったよね!?」「確かに唇でなくとも口元のクリームを舐めたらそれは間接的にキスした事に……ッ!」「我が尊さは既に臨界点に達してるッ」などとこそこそと女性同士ではしゃいだり、昇天している者もいる。

 恥ずかしさに耐えきれなかったドロシーはなんとか声を絞り出す。



「……っ、は、はやく食べてここでるわよっ!」
「ふふふっ、はい、わかりました」


 メルトは満足げに頷くと再びスイーツを食べ進めた。途中でドロシーの食べてるパフェを欲しがったメルトが渋々ドロシーにあーんして貰ったりさせたりしたが、その光景を見た客がさらに彼女らを尊い存在として眩しそうに見ていたのは言うまでもない。






 時間は夜。休日を楽しんだ二人は、その後騎士団寮の自室に戻り並んでソファの柔らかい感触に包まれていた。既にシャワーを浴びており温かい飲み物を飲みながら談笑していたのだが、ふとドロシーが隣を見るとメルトがすうすうと寝息を立てている。

 ドロシーは思わず笑みを溢す。


(メルトには気を使わせちゃったわね……。今日はメルトなりに私を思ってくれてのお出掛けだったんだろうし)


 メルトのドロシーへの気遣いに気が付いたのはシャワーを浴びている時。彼女が急に街へ行こうと言い出したのは、最近色々あった私の為だったのではないかと思い至ったからであった。

 談笑中にタイミングを逃し本日のお礼を言いそびれたドロシー。起きている時は恥ずかしさが先行してしまい面と向かって素直に言い出せなかったが、この状態ならであるならばと彼女はほっとする。

 ドロシーは寝ているメルトのあどけない表情を見つつ、親愛の情を込めて言葉を紡いだ。


「ありがとう、メルト」


 そう言って柔らかい眼差しでメルトを見つめるとドロシーは毛布を持って来る。そうして暖かな感触に一緒に包まれながら、二人揃ってソファで眠りについた。

 その睦まじい二人の様子を、ベッドの側に置いてあったぬいぐるみたちは優しく見守っていた。



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