愛しの My Buddy --イケメン准教授に知らぬ間に溺愛されてました--

せせらぎバッタ

文字の大きさ
上 下
31 / 31

エピローグ(2)最終話!!

しおりを挟む
「吸って欲しい?」
「うん、思いきり吸って」
「いい娘だ」

 屹立してきた乳首を吸いながら、ゆっくりとベッドに押し倒す。全体を舐めまわした舌は脇の下までカバーする。
 身もだえする菜穂を押さえつけ、脇から鎖骨、首筋へと這わせてていく。最後に唇をとらえ、思いきり舌を吸った。

「俺の服も脱がしてくれるか?上は俺がやるから、ジーンズをね」

 菜穂がおずおずとベルトに手を伸ばす。ジーンズをはぎ取り、あとはボクサーパンツだ。勃起したペニスを優しくなで、腰に手を回し引き下ろした。菜穂が確認するようにこちらを向く。

 頷くと湿った感触が亀頭に伝わってきた。陰茎をすっぽり飲み込まれうめき声が漏れる。優しく時には激しくリズミカルに伸の快楽を上らせていく。

 恥ずかしいのか、視線を合わせない菜穂の伏せた睫毛に堪えきれず、菜穂の顔を両手ですくい上げた。ペニスは猛り狂っている。

「ああ、上手だね。俺も舐めたい」

 膝立ちで進み菜穂の身体にまたがる。シックスナインの体勢を取ると菜穂の性器が丸見えになった。花びらがテラテラと濡れ、時おりヒクヒクうねる性器は別の生き物のようだ。真っ赤に熟した膣口に舌を差し入れると菜穂のくぐもった声が聞こえた。

「この体勢だと菜穂の鳴く声がよく聞こえないな」

 伸は向きを変え、M字に開脚させた菜穂のヴァギナを存分に味わい、声を堪能した。じれったそうに腰を揺らし、顔をゆがませる菜穂の頃合いを見計らい、ペニスで貫いた。反り返った背中を落ち着かせるが、突き上げるたびに何度も腰が逃げそうになる。

 坐位に変え、抱きかかえる。キスをしながらクリトリスとバストを同時に攻める。汗ばんだ肌はより強固に密着し、皮膚さえも快楽を貪る。

 菜穂の眉間にシワがよる。性器がヒクヒクと悶え、射精したくてたまらなくなった。と、苦しそうな表情をしたかと思うとペニスがギューッと絞られた。到達する波を共有したくなり、両手で腰を固定し、ガンガンに突いた。

 ハア、ハアという荒い息遣いを残し、部屋は静寂に包まれる。BGMに流していたショパンのノクターンは終わり、エアコンのダクトの音だけが耳に響いた。

 胸にうずくまる菜穂が顔をあげ、微笑んだ。頬は上気し、乱れた髪からはリンスの香りが漂う。

「キス」
 伸が口をとがらすと菜穂が身を乗り出してきた。そのまま掴まえ横抱きにする。

「いまさらだけど、このまま俺と関係を続けてもいいのか?」
「とりあえず今は一緒にいたいから、それでいい」
 伸は嬉しくて菜穂の髪をクチャクチャにする。
「俺は変わりものだ」
「知ってる」
「しかも理屈っぽい」
「知ってる」
「愛してるなんて、口が裂けても言わない」
「う~ん、それは、言って欲しいかな」
 伸の頬を撫でながら、菜穂が小首を傾げる。
「じゃあ、1回だけ。後にも先にも言わないから」
 だが、いざ口を開こうとすると、照れくさくて何も言えなくなった。思わず天を仰ぐ。
「今度でいいか?」
「う~ん、じゃあ、何回か練習してみよっか」
 菜穂がクスクス笑う。「やめとく、セン、あ、伸が言いたくなった時に、1回だけ言ってくれれば。ちゃんと聞こえるようにね」

 甘い時間が流れる。菜穂は思う。これって、恋人同士と何がちがうんだろう。

「伸はポリアモリーなんだよね」
「まあ、というわけでもないんだが。俺はデミセクシュアルだから、ステディがいる時に他の女を抱いたことはない。ただ、同じ異性とだけずっとセックスする自信はないかな」
「はっきり言うなぁ」
「もともと日本の原始時代では男女が気ままに結婚する「共同婚」だったわけで、何も男性だけがあちこちで種付けをしたがるわけじゃない。女性だって同じということだ。
 一夫一妻制の始まりも諸説あるが、秩序の乱れを国家の衰退に結び付けた結果だな。カオスだとどうしていいかわからない。オス同士の闘争や、性病の蔓延など。逆に言えばそれらをクリアすればどうってことないのかもしれない。要するに国家としては、お金をかけずに人口が減らなくて、経済が潤えばいいわけだ」 

「いつか、伸に大事な誰かが現れるのね」
 菜穂が憂鬱そうにいう。

「まあ、そういうことになるとも、ならないともはっきりしたことは言えない。これはべつに免責のためだけにいってるんじゃない。みんな愛を誓いあってたわりには、簡単に心変わりするじゃないか。菜穂だって俺以外の男に抱かれたくなる時もあるだろう。そいつは、俺にはない何かで菜穂を満たしてくれるんだろう。そういうもんだ。
 言っておくが、抱かれてもいいけど、報告しなくていいから」

 雄太と柏木の間で揺れていた自分。愛と性欲と罪悪感で苦しかった時間。

「ふふ、うん、わかった」
「やけに素直だな。もう誰か気になる男がいるのか。妬けちゃうなぁ」
「そんなでも、やっぱり妬けるんだ」
「そりゃ、妬けるさ。誰にも見せたくないし。他の男にも触らせたくない。
 まあ、俺がこんなことを言うのは、菜穂との関係をできるだけ長く続けたいからなんだ」

 ずっとそばにいて欲しい。どんな形でもかかわっていきたい。他に誰かを好きになることで離れないで欲しい。縛れば縛るほど心は離れていく。なら何ができる?
 だから‥‥。

「縛りあうのは簡単だ。だが、そうすることでお互いの気持ちは変化し、消滅していく運命。最初はいいけど、1年もたてば後悔するよ。恋愛における幸せホルモンは時間が経つと分泌されなくなるから、閉じられた代わり映えのない景色にどれだけ耐えられるかだ。継続させることの方が難しいんだ。ひとつの方法として、俺は縛りたくもないし、縛られたくもない。縛るのはセックスの時だけでいいし」

 いたずらっぽく笑う伸に菜穂はパンチをくらわせる。
「縛る係りはわたし!」

 おっと、と伸が身構える。
「菜穂、これが俺流の愛し方だ。人によって愛の在り方はちがうだろう。お互いがどうすればかけがえのない相手になれるか、どうすればそのままでいられるか、菜穂と極めたいんだよな。ずっと時間を共有したいから。大事な人だから」

 夢中で抱き寄せ耳を齧る。ヒャンという声に血流がまた下半身に流れ始める。唇を奪い、性器を指で探る。

「ああ、ん。もう」菜穂は顔をそむけ、自由になった口を開ける。「伸とわたしの関係って、何になるの?パートナー?相方?」

 よくぞ聞いてくれましたと顔をほころばせ、伸は立ち上がるとクローゼットから小箱を取り出した。

「クリスマスプレゼント&卒業祝いだ。開けてみてくれ。気に入るといいんだが」
 ちょっと恥ずかしそうに手渡された小箱のリボンをほどき、蓋を開けてみた。

「えっ、キレイ!こんなにいいものくれるの?」
 一粒ダイヤのピアスがライトを受けキラキラ輝いている。

「リングもいいかとは思ったが、束縛感があるし、第一サイズもわからない。どう?」
「嬉しい!大事にする!わたし、今日のこと一生忘れない!」

 菜穂は目を充血させ、ためつすがめつ眺めている。
 あれ、その前に何か大事なことを質問していたような気がするんだけど。

 伸をチロリと見る。「あれ、何の話してたっけ」
「俺たちの関係だよ」伸は苦笑し、菜穂を抱き上げた。
「『|Buddyルビだ」
「バディ?相棒という意味?」
「ああ、それぞれの世界があり、助け合い信頼しあい、でも過度に干渉しあわない。わかりやすくいうと、ペットと飼い主みたいな関係かな。ちがうのは主従関係がないということだ。対等だ。どちらもペットであり飼い主でもある。菜穂は愛しの『My Buddy』。どうだ。嫌か?そんな関係?」

「う~ん、なんか、いいかも。ホームズとワトスンね」
 うん、ダイヤモンドの威力かもしれないけど。いいかな。

「だろう」

 自分の言葉に得意になっている伸を見て、ああ、これが愛おしい、ということなのかな。雄太も柏木も大事なモノを残してくれたんだ。
 過ぎた日々はモノクロームになってしまったはずなのに、その刹那、鮮やかに彼らの顔がよみがえり、一陣の風のように通り過ぎていった。

 菜穂は天然色の伸を見つめる。いつかモノクロームに変るかもしれない。カラフルな原色に目を奪われるかもしれない。先のことはわからない。

 わたしはわたしのストーリーを紡いでいくだけ。Buddyであるかぎり、何があっても隣りにはいつも伸がいる。
 My Buddy!こちらこそよろしく!

「そうそう、例の友達に『愛してる』と伝えといてくれないか」
 菜穂は目を白黒させる「えっ、それって」

 顔はいうに及ばず、耳から首筋まで真っ赤になった。伸は頬を柔らかくなでながらクックと笑う。
「真っ赤だぞ」

 悔しそうに顔をゆがませた菜穂だが、プッと吹き出し、「それ、練習だから」

 抱き上げた菜穂を膝に抱き、いつまでも、いつまでも愛し合った。聖夜はまだ始まったばかり。


 完

 ※最後までお読みくださりありがとうございますm(__)m

 こういう関係があってもいいかなと思い書きました。
 居心地のいい男女関係の選択肢はいろいろあるかなぁと思いまして。(^^;

しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~

ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。 2021/3/10 しおりを挟んでくださっている皆様へ。 こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。 しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗) 楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。 申しわけありません。 新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。 修正していないのと、若かりし頃の作品のため、 甘めに見てくださいm(__)m

【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件

三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。 ※アルファポリスのみの公開です。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

腹黒上司が実は激甘だった件について。

あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。 彼はヤバいです。 サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。 まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。 本当に厳しいんだから。 ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。 マジで? 意味不明なんだけど。 めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。 素直に甘えたいとさえ思った。 だけど、私はその想いに応えられないよ。 どうしたらいいかわからない…。 ********** この作品は、他のサイトにも掲載しています。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

処理中です...