愛しの My Buddy --イケメン准教授に知らぬ間に溺愛されてました--

せせらぎバッタ

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 峰岸はしばらく仏頂面だったが。そのうちゲラゲラ笑いだして、「かなわないな、ピンク先輩には」そうしていきなり唇を重ねてきた。

 イヤじゃなかった。嬉しかった。わたしの可愛いわんこが前のようになついている!

「あんたねぇ、わたしのことが本気で好きだったら、明日ピンクのアフロヘアにしてきなさいよ。そしたら信じてあげる」

 峰岸の両手は榛名の腰を強く引き寄せ、キスは深まるばかり。あふれた唾液を飲み込むゴクリという音にドキリとする。

 こいつも男なんだな。ギャップ萌えキター!!

「口の悪いピンク先輩の口は、こうしてふさがないとね。あんまりひどいこというとお仕置きしちゃうよ」
 舌を思いきり吸われた。榛名の口からあんという声が漏れる。

「お仕置きされたいんだね。悪いことしたっていう自覚があるんだね」
 手首をつかまれ、甲にキスされた。そのまま上目遣いで見つめられる。背中からゾクゾクと快感が駆け上がってきた。

「どうしようかなぁ。縛っちゃおうかなぁ。このまま俺の部屋まで連れて帰っちゃおうかなぁ」

 二人で校門をでて、電車に乗り峰岸の部屋に入るまで、榛名のディスリは止まらなかった。それを聞いて楽しそうに笑う峰岸。

「あれ、借りてきた猫みたいに急におとなしくなっちゃったね」
 顔を上に向かせ、キスをしてくる。

 愛情表現に策がない彼のセンスは、ワンルームの部屋にも如実に発揮されていた。ベッドと机と椅子。乱雑に置かれたゲーム。カーテンレールに無造作にかけられた洗濯物。

「はい、今日は俺が服を脱がしてあげるからこっちに来て。次からは俺を感じさせるように自分で脱いでね。ほら、早く来て」

 峰岸はベッドに先に腰かけ、隣りをポンポンと叩く。おずおずと座るとバッと押したおされた。激しく唇を貪りながら、意外に丁寧に服をはぎとっていく。

 ああ、だめ、わんこが狼になったー!

 全裸になった榛名を見下ろしながら、峰岸はさっと服を脱ぐ。すべて脱ぎ終えると小首をかしげ、おもむろにクローゼットを開いた。
 ネクタイを手にする。

「いやぁ、ホ、ホントに縛るの?」
「いったろう。お仕置きするって。口が悪いからホントは口もふさぎたいけど、そうするとエッチな声が聞けないし」

 シュルッと縛られ、
「アイマスクがあるから目隠しもしたいんだけど、エロい顔見たいし、次の機会にとっとくよ」

 乳房をもまれながら、音を立ててきつく乳首を吸われ、目が蕩けそうになってきた。
「いやぁ、だめ、ん、くぅ」
 榛名の懇願も叶わずヴァギナに入れた指が榛名を攻め立てる。

「エッチな顔だなぁ。ああ、もうこんなにビショビショだ。涎をたらしながら、指に吸い付いてくるよ。お仕置きが気に入ったんだね。悪い子だなぁ。乱れに乱れて、なんて淫らなんだ。俺だけが知ってるピンク先輩。ああ、もっと乱れて、淫らになって」

 息も絶え絶えになりながら、「峰岸、童貞じゃなかったの?」
「童貞だよ。見りゃあ、わかるっしょ、このきれいな色。俺の純情捧げますから、いろいろ楽しませてくださいね」

 舌でヴァギナを執拗に愛撫され、胸はまさぐられ、榛名は高まりを抑えられない。

「ああ、もうだめぇ。いやぁ」
「止めて欲しいの?ほんとに止めちゃうよ。いいの?」
 いじわるに言われ、せつなくなる。
「ああん、もっといじめてぇ」
「ホントに先輩はしょうがないな。もっとお仕置きしたかったけど、童貞の俺も我慢の限界っす。先輩、自分で挿れて。イヤラシイ顔で俺を見て」

 固くなったものを手で握り亀頭を女膣にあてがうと、ずんと押し入れられた。衝撃で腰が浮きそうになる。
「エッチだなぁ。腰までふっちゃって、そんなに欲しかったの?エロ過ぎてたまんないよ。俺、初めてだから、痛かったら言って。って、こんなに濡れてるから大丈夫かな」

 腰を動かしながら、峰岸は言葉で榛名を攻め立てる。とぎれとぎれに口をついてでる榛名の悪態に、
「ああ、もっとお仕置きされたいんだ。いけない子だなぁ。知らないよ、どうなっちゃっても。乳首かじっちゃうよ」

 乳首に歯が当てられた。言葉とは裏腹に、榛名の顔をどこまでも甘く見つめ、優しい仕草で肌に触れていく。何もかも意識が遠のきそうな刹那、峰岸がイッタ。

 榛名に詳しく聞かされ、菜穂はおののいた。ホントにそんな世界があるんだ。こんな身近に。

「ふだんディスればディスるほどベッドが激しくなるし、これはもう、プレイの一環なの」

 ゴチです!
「愛なのね」(倒錯した)。

「う~ん、愛かどうかわからないけど、恋しているのは確か。恋って、目の前の相手に夢中だよね。愛って、な~んか曖昧な言葉だし、好きより範囲が狭いけど、対象になるのが広いじゃない。その点、恋は一人!!気持ちを独占!!それに、わたしたちの年齢なら『恋』がしっくりこない?恋こそがピンク!!菜穂も頑張れ!」


 またイチョウの紅葉の季節が巡ってきた。
 菜穂はブルゾンの袖を引っ張り、手のひらをすっぽり入れた。根元で立ち止まり、梢を見上げる。黄色のグラデーションが青空を埋め尽くす。風がそよぐと万華鏡のように葉がキラキラと光った。

 ここで先生と出会って、コースを決めたんだったなぁ。
 我ながら単純だったかなぁ。

 でも専攻したことに悔いはない。自分の性に合ってるし、これからの生き方を決める『自分の在り方』を知ることができた。そういう意味では運命的だったのかも。

 いや、そう思いたいのかな。先生との時間を特別なものにしたいだけなのかな。
 校内ではいつも姿を探してしまう。からかわれてクックと笑われれば胸がはずんでしょうがない。

 恋している。どうしようもないくらい恋している。

 相手にされないのはわかっている。でも、もうすぐ会えなくなると思うと石ころを飲み込んだように胃が重くなる。

 どうしよう。思いだけでも伝えようか。

 -失恋のひとつやふたつ人間の勲章だぞ-

 ええい、あたって砕けろ!だ。言わなきゃ‥‥、言わなきゃ絶対後悔する!
 先生ならきちんと受け止めて優しく振ってくれる、はず。

 とはいえ、そんなチャンスがやってくるのだろうか??
 追い出しコンパも終わっちゃったし、講義も来週で最後。来年の卒論の口頭試問が終われば、そこでぷつッと縁が切れる。
 うっ。泣きたくなる。

 菜穂は大きくため息をつき、校舎に向かって歩き出した。
 そのチャンスがまもなくやってくることを、この時の菜穂はまだ知らない。

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