愛しの My Buddy --イケメン准教授に知らぬ間に溺愛されてました--

せせらぎバッタ

文字の大きさ
上 下
17 / 31

13

しおりを挟む
 抱き寄せられたままタクシーに乗り込んだ。車内ではずっと口をふさがれている。ホテルの部屋に入るまでどちらも口を開かなかった。

 服をむかれるたびに素肌を指と舌が転がっていく。全身をキスの雨で降らすというのは本当のようだ。指がヴァギナを捉えた時、柏木が口を開いた。

「ああ、すごい濡れてるな。もう、俺のがすぐ入っちゃうよ」

 菜穂は言葉を返すこともせず、ただ己れの押し寄せる快楽にまどろんでいた。
「ああ、あ、もう、」

 膣の中に入った指がGスポットを突いてきた。唇は優しくクリトリスをついばむ。ドロッとした蜜があふれてきた。それを指の腹で太腿にこすりつけながら、柏木が愛液をすすりあげた。
 ああ、なんでこんなことしているんだろう。でも抗えない。尽きることなく欲望がはいあがってくる。

「ああ、もう挿れるね。たまらない」

 ぐいと脚を広げられ、柏木が腰を落としてきた。膣内がキューンと喜びを伝えてきた。

「ああ、すごい。すごい、締まる。引きちぎられそうだ。若い子の身体に溺れるヤツの気持ちがわかるな」

 柏木の声が遠くに聞こえる。何か言ってるようだが、頭に入らない。
 お互いに果てた時、菜穂はシーツを胸の前まで引き上げた。興奮は徐々に落ち着き、素の菜穂が戻ってきた。満足そうに微笑む柏木と目があった。

「手放したくないなぁ。彼と別れて俺とつきあいなよ」

 菜穂は天井を見たまま考える。雄太を裏切ってしまった。今さながら後悔がこみあげる。次に会った時、どんな顔をすればいいのだろう。「弱かったから」そんな言い訳が通用するのだろうか。そもそも、バレないかぎり、自分から言うことはないだろうけど。

「柏木さん、イケオジだから、モテるでしょう」
「あれ、菜穂ちゃんとつきあいたいって言っているのに、予防線かな」
「純粋に訊きたいからです。女性に不自由してなさそうなのに、会ったばかりの小娘とつきあいたいなんて、若い身体が目的なんですか」

 柏木は菜穂の肩を優しくなでながら「若いだけじゃないよ。そうだな。菜穂ちゃんは身体を取引に使わないと思ったからかな」

「取引?」

「広告代理店の時からそうだったんだけど、華のある業界って女性に人気があるんだよね。結婚願望のある子やスポンサーさがし、就職や芸能界への口利きとか。いろんな動機で集まってくる。
 昔ならいざ知らず、今や女性の身体は菓子折りレベル。セックスしたからといって、もうそれで仕事の便宜をはかってもらえる時代じゃないんだよな。女性はまだまだセックスしてあげれば男を操れると思ってる子多いけど。

 そういう子がいっぱいいたら、結局本人の資質と努力だろう。もっとも、華やかとは言え古い業界だから、まだそういう慣習はかなり残っているけどね。
 街を歩けば愛い子いっぱいいるじゃないか。もう「可愛い」は特権階級じゃないんだよ。容姿を問わないアスリート、政治家、学者さえも美しい。整形でいくらでも美人になれて、人気がでる時代だ」

「わたしは取引しないと、」

「そう、セックスに邪心がないというのか、純粋に人と人のつながりの延長で身体を合わせられると思ったんだ。俺、菜穂ちゃんとのこと遊びじゃないから」

 うなじに唇をおしつけながら乳首をいじる。
「ああ、キスマークつけたいなぁ。俺の女だっていうしるし、いっぱいつけたい」
「だめです。わたしには彼氏がいるんですから」

 そう、彼氏がいるのに他の男とこんなことしている。軽いな、わたし。やだ、やだ。

「妬けちゃうなあ、俺がやり捨てられるなんて」
「いっぱい遊んだ人のセリフですね。もう、この遊び人」
「菜穂ちゃあん、俺、本気だから。大事にするから。女の子とする時は遊びと思ったことない。たとえ1回こっきりでもね」
「そういうのを遊び人って言うんです!最初は遊びで声かけたんですか。遊びと本気のちがいって何なんですか」

 菜穂はだんだん腹がたってくる。男って奴は!

「そうだな。最初はおっぱいの大きい子だなと思って、触りたいなぁと。セックスする時どんな顔でイクんだろうとか」
「いやらしい。最初からそんな目で見てたんですか」
「男なら誰だってそうさ。性的魅力を感じたらスイッチが入っちゃう。女の人はちがうのかなぁ」

 乳房は直接的なセックスアピールのパーツである。形状が服の上からでもわかってしまうから、男女ともに関心がいってしまうのは否めない。


 菜穂は第二次性徴を早く迎え、胸が同級生より早く大きくなった。どんどん大きくなる胸に泣きそうになったこともある。あえてサイズの小さいスポーツブラをつけごまかそうとしたが、動くとズレてしまうから、結局フィットしたものにならざるを得なかった。

「君島ってさあ、胸でかいよな」

 誰かが自分のことを噂している。
 高校一年の衣替えの季節。学校にもずいぶん慣れてきた頃だ。あちこちでグループ分けもできてきていた。

 放課後、日誌を書き終え、教室のドアをガラッとあけた瞬間だった。どうしていいかわからず思わず後ずさったが、耳は必至で音を拾おうとしていた。
 こっそりのぞくと、廊下で男子学生が数人立ち話をしていた。

「えー、でも垂れてるぞぉ。俺は巨乳はパスだな」
「大きければしょうがないんじゃないか」
「おっぱいでかい女はあれが好きっていうけど、ホントかな。そんなふうには見えないけど」
「まだ開発されてないんだろう。俺、声かけよっかな。顔も好みだし」
「あとさ、巨乳って頭悪いっていうじゃないか。セックス抜群で俺のいうなりになるなんて、最高じゃね」

 菜穂は悔しさで真っ赤になる。胸が大きいだけで、何でこんなこと言われなきゃならないんだろう。わたしのせいじゃないのに。
 体育の時間が苦痛だった。どんどん猫背になる。姿勢も悪くなる。がり勉と言われようが勉強は必死で取り組んだ。

 おっぱい大きい女はバカ!そんなこと言わせない。
 そのかいあって、学年末の模擬試験で9番に入った時は、嬉し涙が頬を伝った。

 高2になると新卒の養護の先生が赴任してきた。風変わりなあまり先生っぽくない女性だった。
 朝から調子が悪かったが、案の定、5限は何とか凌いだが、6限になるともうダメだった。明らかに顔が青白くなり、先生が保健室に行くよう勧めてきた。

「保健委員は誰だったか。連れてってやれ」
「はーい、俺です」
 上野という男子が手を挙げた。

 ヒヤッとした。以前「おっぱいが大きい女はあれが好き」といってた男子だ。確か女子の保健委員もいたはずだ。

「あの、一人で大丈夫です」
 立ち上がろうとして立ち眩みに襲われた。脂汗も浮いてくる。

「上野じゃなくて、女子は、女子の方がいいかな」

 年配の男性の先生が心配そうに席までやってくる。
 保健委員の女子は本日病欠ということがわかると「上野、支えて連れてってやれ。それと君島さんの隣りの女子も付き添ってやれ。

 二人に付き添われ、菜穂はベッドに横たわった。ちょうど養護の先生が不在だったので、付き添い女子を先に帰らせ、上野が事情説明に残った。
 菜穂の唇はからからだ。

「大丈夫?」

 心配そうにのぞき込んだ顔だが、ひっぱたいてやりたい。気力も体力もないので横を向く。返事なんかしてやらない。

「あのさ、こんな時にいうのもなんだけど、俺、嫌われてる?」

 菜穂は狸寝入りをした。意識ももうろうとするし、具合悪いのに話しかけないでよ。
 ベッドのきしむ音がしてあせった。何が起ころうとしている?
 人の動く気配がし、髪が触れられたことに気づいた。狸寝入りを決めた手前、動くに動けない。寝返りを打った方がいいんだろうか。早く先生、戻ってくれないかな。

「もう寝ちゃったのか」

 消え入りそうなせつなげな声に、菜穂はビクッとする。いけない、いけない寝息、寝息。
 そしてそのまま本当に寝入ってしまった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~

ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。 2021/3/10 しおりを挟んでくださっている皆様へ。 こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。 しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗) 楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。 申しわけありません。 新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。 修正していないのと、若かりし頃の作品のため、 甘めに見てくださいm(__)m

腹黒上司が実は激甘だった件について。

あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。 彼はヤバいです。 サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。 まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。 本当に厳しいんだから。 ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。 マジで? 意味不明なんだけど。 めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。 素直に甘えたいとさえ思った。 だけど、私はその想いに応えられないよ。 どうしたらいいかわからない…。 ********** この作品は、他のサイトにも掲載しています。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

警察官は今日も宴会ではっちゃける

饕餮
恋愛
居酒屋に勤める私に降りかかった災難。普段はとても真面目なのに、酔うと変態になる警察官に絡まれることだった。 そんな彼に告白されて――。 居酒屋の店員と捜査一課の警察官の、とある日常を切り取った恋になるかも知れない(?)お話。 ★下品な言葉が出てきます。苦手な方はご注意ください。 ★この物語はフィクションです。実在の団体及び登場人物とは一切関係ありません。

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます

沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

処理中です...