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別人格が生まれるのは幼児期の何らかの虐待に端を発することが多いといわれる。
両親は不仲でその後失踪。この時期か?
別人格が自分を守るために現れたとしたら。思い出したくないほど嫌な出来事だったら。こうして人並な生活が維持できるのは淳のおかげなのか。
祖父母が亡くなっている今、誰に確認できる?誰かに確認したい気もするが、過去を知るのは怖くもある。淳は自分の欠片を持っている。性的な欲望の具現者でもあるが‥‥。自分を守るためにその人格が現れたとしたら、どのタイミングで‥‥。
性的虐待??
その可能性に思い当たり、殴られたような頭痛をおぼえた。いつものことだ。思い出したくない過去に触れると頭痛がする。
バッグから特注で作った砂時計を取り出し、じっと落ちていく砂を見つめる。荒い息が少しずつ鎮まっていく。やがて車の走行音や小鳥のさえずり、遠くの話し声がざわめきとして戻ってきた。
ペットボトルのお茶をぐいぐい飲んだ。唇についた液体を手の甲でぬぐう。
落ち着いたのもつかの間、先ほどの映像がいきなりフラッシュバックしてきた。後ろめたかったが、震える指が再生ボタンをもう一度押す。無視しろ!という声が残響するだけで目はスマホに釘付けとなる。
自分は今美央に欲情してしまっている。終始恥じらいながら抱かれている遥香が、美央として、淫蕩な笑みを浮かべ激しく淳とまじわっている。
遥香にあれを要求しようとしたら引かれるだろうか。抑えても抑えきれない性欲に折り合いをつけようと、生唾を何度も飲み込んだ。
家に帰って、遥香を後ろから抱きかかえて録画を見せた。こうすれば表情を見られることを避けられるし、不安になった時抱きしめてあげられる。事前に多少の内容は伝え、不快になるかもしれないから、見なくてもいいと選択肢も与えた。
遥香は首を振り、見たいといった。自分がどうなっているのか、気にせずにはいられないのだろう。徹とて同じことだ。自分の身体を自由に操るもうひとりの自分。気にならないわけがない。
再生され、二人のセックス宣言のところで、案の定力が入った。徹は安心させるように優しく抱きしめ、うなじに唇を這わせた。下半身は勃起し遥香の尻にあたってる。動画に意識を集中しているせいか気づいてないようだ。
抱きたくてたまらない。美央のように淫らになる遥香を悦ばせたい。
果たして、抱きたいのはどっちなのだ。
二人のセックスは想像以上に遥香を動揺させたようだが、なんとか頑張って見続けている。最後に抱き合う二人がカメラに大写しになる。
「やあ、どうだった?俺たちの愛が伝わったかな。今度キミたちのも見せてくれよ」
「遥香、マジメだから心配だなぁ。またお掃除始めちゃう?でも、こういうのもありでしょ?」
「マジメな二人だからびっくりしたと思うけど、いいだろう。いい?嫌悪と淫靡は友達。俺たち4人の関係は気持ち悪いかもしれないけど、4人だけの秘密。そう思うと、背徳的で淫靡な感じがしないか」
不敵に笑う二人が挑むようにこちらを見ていた。録画はそこで終わっていた。
「遥香?大丈夫か」
髪を優しく指で梳きながら耳元でささやいた。
「あ、うん。大丈夫」
「お掃除したくなった?」
「ううん、大丈夫。ちょっと疲れたけど。ねえ、横になっていい?」
ベッドに横になり、いたわるように抱き合った。
激しさはない、だが落ち着くぬくもりがここにある。
「そうだ。遥香はちゃんと生理きてる?」
「あっ、うん。生理不順なのもあってピル飲んでるから」
手錠を見た時から、避妊用も兼ねたピルを処方してもらっているとのことだ。
「それなら良かった。でも避妊具はつけるように言おう」
徹の広い胸に手をあてながら思う。本当に淳と同一肉体を所有しているとは思えない。あんな風に、‥‥。そこで遥香は顔が熱くなった。
それをいうなら、自分だって同じだ。あんな激しいセックスをしているなんて。ギリシャ神話に登場するサテュロスのような淳。インフォマニアのように笑う美央。二人は嬉々としてまじわり、時おり見せつける様にこちらを振り向く。
結合した性器が大画面で表示された時は、思わず目をつぶった。一瞬の残像は脳裏にとどまり、何度も何度も浮かび上がってくる。早くコンポストに捨てなければいけない。
嫌悪感でいっぱいのはずなのに、捨てるどころかさっきから頭の中は二人の映像ばかりだ。自分も、何もかも忘れてあのように抱かれたいのか。
徹にホテルで抱かれた時はとてもリラックスしていた。触れられるたびに身体は反応し、この上なく満たされた。イクという感覚も初めて体験した。
身体が濡れてくる。フラッシュバックするたびに反応してしまう。同時に興奮している自分にまた嫌悪感がつのる。
ふいに徹に抱きしめられた。固いものがあたる。徹も同じように反応しているのだろうか。自分に?二人のセックスに?それとも‥‥遥香の意識がそこで途切れた。
「遥香?寝ちゃった?」
「うふふ、起きてるわよ」
違和感をもって顔をのぞきこむと、崩れた感じに微笑む女の顔があった。本当に同一人物とは思えない。
「美央?」
「おっ、さすがにすぐわかった?やっぱり録画しておいてよかったぁ。さあ、わたしとセックスしよう。いっぱい楽しませてあげる」
そういって美央はペニスを握りながら、ディープキスをしてきた。巧みに動く舌にフェラチオをしてもらいたくなる。
「あっ、また大きくなった。舐めてあげるよ」
「淳とだけするんじゃなかったのか?」声が掠れてきた。猛りが他の器官の力を奪っていく。
「えー、わたし、徹ともしたいよぉ。徹もしたくない?天国に連れてってあげるから。遥香に内緒でたまに会おうよ」
美央の頭がさっと下り、期待で涎を垂らしているペニスの先をペロッと舐めた。うめき声が漏れる。
「ビンビンじゃん」
頬ずりし、咥えこむ。払いのけようとするが、舌と指先を使ったテクニックにたちまち腰砕けとなった。理性ではやめろ!といっているのに、欲望がコントロールできない。同じ相手なのに、浮気をしているような気分だ。背徳感が背筋をかけあがり怒張した性器はかつてないほど猛々しくなっている。
流されるまま美央の性技に身をゆだねる。淳を知り尽くしているせいか、徹の感じる部分をピンポイントでついてくる。
「ああ、徹のもいいね。あっモノは同じか」
唇を舌で湿らせ、上目遣いで見上げてくる。汗ではりついた髪をうるさそうにかきあげると、おおいかぶさってきた。徹の手が乳房へと伸びる。
「ああ、乳首を吸って‥‥あ、だめ。もっと強くぅ。ああ、噛んで」
顔面におろされた弾力のある胸をもみしだき、歯をたてた。美央の腰が深く落とされ、喘ぎ声がだんだん大きくなってくる。ヴァギナからあふれる愛液を味わってみたくなった。徹は起き上がり、一度ペニスを抜くと、美央の股間に顔をうずめた。
「ああ、もうすぐイキそうだったのに。お仕置き。いいっていうまで舐めてよ」
クリトリスから膣口に舌を這わせ、後から後からあふれてくる蜜をぞんぶんに音をたてて吸った。美央の身体をしゃぶることしか考えられない。どうすれば悦んでもらえるのか。淳よりも自分の方が上だとわからせたい。
嫉妬なのだろうか。ただの欲望なのだろうか。遥香の控えめな好ましさから考えられない、あけすけで性に貪欲な美央に開放されているのも事実だ。
自分はこんなにセックスが好きだったのだろうか。性体験はあったが、欲望に忠実になることに罪悪感があった。禁欲的であればあるほど、人間の格があがったような気がしていた。性に溺れるのは自堕落な人間。社会の落伍者なんじゃないか。
どうしてそう思うようになったのだろう。考えだすとまた頭痛がしてくる。徹は美央に確認もせずペニスをしとどに濡れた会陰に割りいれた。雑念を振り払い、夢中で腰を振り続ける。反動で揺れる乳房をわしづかみにし、エロティックに乱れる美央の顔を凝視した。
そこに写っているのは淳か、自分か。果てる瞬間、今までに経験したことのない快楽の波が襲ってきた。唇を貪り、思いきり抱きしめた。
両親は不仲でその後失踪。この時期か?
別人格が自分を守るために現れたとしたら。思い出したくないほど嫌な出来事だったら。こうして人並な生活が維持できるのは淳のおかげなのか。
祖父母が亡くなっている今、誰に確認できる?誰かに確認したい気もするが、過去を知るのは怖くもある。淳は自分の欠片を持っている。性的な欲望の具現者でもあるが‥‥。自分を守るためにその人格が現れたとしたら、どのタイミングで‥‥。
性的虐待??
その可能性に思い当たり、殴られたような頭痛をおぼえた。いつものことだ。思い出したくない過去に触れると頭痛がする。
バッグから特注で作った砂時計を取り出し、じっと落ちていく砂を見つめる。荒い息が少しずつ鎮まっていく。やがて車の走行音や小鳥のさえずり、遠くの話し声がざわめきとして戻ってきた。
ペットボトルのお茶をぐいぐい飲んだ。唇についた液体を手の甲でぬぐう。
落ち着いたのもつかの間、先ほどの映像がいきなりフラッシュバックしてきた。後ろめたかったが、震える指が再生ボタンをもう一度押す。無視しろ!という声が残響するだけで目はスマホに釘付けとなる。
自分は今美央に欲情してしまっている。終始恥じらいながら抱かれている遥香が、美央として、淫蕩な笑みを浮かべ激しく淳とまじわっている。
遥香にあれを要求しようとしたら引かれるだろうか。抑えても抑えきれない性欲に折り合いをつけようと、生唾を何度も飲み込んだ。
家に帰って、遥香を後ろから抱きかかえて録画を見せた。こうすれば表情を見られることを避けられるし、不安になった時抱きしめてあげられる。事前に多少の内容は伝え、不快になるかもしれないから、見なくてもいいと選択肢も与えた。
遥香は首を振り、見たいといった。自分がどうなっているのか、気にせずにはいられないのだろう。徹とて同じことだ。自分の身体を自由に操るもうひとりの自分。気にならないわけがない。
再生され、二人のセックス宣言のところで、案の定力が入った。徹は安心させるように優しく抱きしめ、うなじに唇を這わせた。下半身は勃起し遥香の尻にあたってる。動画に意識を集中しているせいか気づいてないようだ。
抱きたくてたまらない。美央のように淫らになる遥香を悦ばせたい。
果たして、抱きたいのはどっちなのだ。
二人のセックスは想像以上に遥香を動揺させたようだが、なんとか頑張って見続けている。最後に抱き合う二人がカメラに大写しになる。
「やあ、どうだった?俺たちの愛が伝わったかな。今度キミたちのも見せてくれよ」
「遥香、マジメだから心配だなぁ。またお掃除始めちゃう?でも、こういうのもありでしょ?」
「マジメな二人だからびっくりしたと思うけど、いいだろう。いい?嫌悪と淫靡は友達。俺たち4人の関係は気持ち悪いかもしれないけど、4人だけの秘密。そう思うと、背徳的で淫靡な感じがしないか」
不敵に笑う二人が挑むようにこちらを見ていた。録画はそこで終わっていた。
「遥香?大丈夫か」
髪を優しく指で梳きながら耳元でささやいた。
「あ、うん。大丈夫」
「お掃除したくなった?」
「ううん、大丈夫。ちょっと疲れたけど。ねえ、横になっていい?」
ベッドに横になり、いたわるように抱き合った。
激しさはない、だが落ち着くぬくもりがここにある。
「そうだ。遥香はちゃんと生理きてる?」
「あっ、うん。生理不順なのもあってピル飲んでるから」
手錠を見た時から、避妊用も兼ねたピルを処方してもらっているとのことだ。
「それなら良かった。でも避妊具はつけるように言おう」
徹の広い胸に手をあてながら思う。本当に淳と同一肉体を所有しているとは思えない。あんな風に、‥‥。そこで遥香は顔が熱くなった。
それをいうなら、自分だって同じだ。あんな激しいセックスをしているなんて。ギリシャ神話に登場するサテュロスのような淳。インフォマニアのように笑う美央。二人は嬉々としてまじわり、時おり見せつける様にこちらを振り向く。
結合した性器が大画面で表示された時は、思わず目をつぶった。一瞬の残像は脳裏にとどまり、何度も何度も浮かび上がってくる。早くコンポストに捨てなければいけない。
嫌悪感でいっぱいのはずなのに、捨てるどころかさっきから頭の中は二人の映像ばかりだ。自分も、何もかも忘れてあのように抱かれたいのか。
徹にホテルで抱かれた時はとてもリラックスしていた。触れられるたびに身体は反応し、この上なく満たされた。イクという感覚も初めて体験した。
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ふいに徹に抱きしめられた。固いものがあたる。徹も同じように反応しているのだろうか。自分に?二人のセックスに?それとも‥‥遥香の意識がそこで途切れた。
「遥香?寝ちゃった?」
「うふふ、起きてるわよ」
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「美央?」
「おっ、さすがにすぐわかった?やっぱり録画しておいてよかったぁ。さあ、わたしとセックスしよう。いっぱい楽しませてあげる」
そういって美央はペニスを握りながら、ディープキスをしてきた。巧みに動く舌にフェラチオをしてもらいたくなる。
「あっ、また大きくなった。舐めてあげるよ」
「淳とだけするんじゃなかったのか?」声が掠れてきた。猛りが他の器官の力を奪っていく。
「えー、わたし、徹ともしたいよぉ。徹もしたくない?天国に連れてってあげるから。遥香に内緒でたまに会おうよ」
美央の頭がさっと下り、期待で涎を垂らしているペニスの先をペロッと舐めた。うめき声が漏れる。
「ビンビンじゃん」
頬ずりし、咥えこむ。払いのけようとするが、舌と指先を使ったテクニックにたちまち腰砕けとなった。理性ではやめろ!といっているのに、欲望がコントロールできない。同じ相手なのに、浮気をしているような気分だ。背徳感が背筋をかけあがり怒張した性器はかつてないほど猛々しくなっている。
流されるまま美央の性技に身をゆだねる。淳を知り尽くしているせいか、徹の感じる部分をピンポイントでついてくる。
「ああ、徹のもいいね。あっモノは同じか」
唇を舌で湿らせ、上目遣いで見上げてくる。汗ではりついた髪をうるさそうにかきあげると、おおいかぶさってきた。徹の手が乳房へと伸びる。
「ああ、乳首を吸って‥‥あ、だめ。もっと強くぅ。ああ、噛んで」
顔面におろされた弾力のある胸をもみしだき、歯をたてた。美央の腰が深く落とされ、喘ぎ声がだんだん大きくなってくる。ヴァギナからあふれる愛液を味わってみたくなった。徹は起き上がり、一度ペニスを抜くと、美央の股間に顔をうずめた。
「ああ、もうすぐイキそうだったのに。お仕置き。いいっていうまで舐めてよ」
クリトリスから膣口に舌を這わせ、後から後からあふれてくる蜜をぞんぶんに音をたてて吸った。美央の身体をしゃぶることしか考えられない。どうすれば悦んでもらえるのか。淳よりも自分の方が上だとわからせたい。
嫉妬なのだろうか。ただの欲望なのだろうか。遥香の控えめな好ましさから考えられない、あけすけで性に貪欲な美央に開放されているのも事実だ。
自分はこんなにセックスが好きだったのだろうか。性体験はあったが、欲望に忠実になることに罪悪感があった。禁欲的であればあるほど、人間の格があがったような気がしていた。性に溺れるのは自堕落な人間。社会の落伍者なんじゃないか。
どうしてそう思うようになったのだろう。考えだすとまた頭痛がしてくる。徹は美央に確認もせずペニスをしとどに濡れた会陰に割りいれた。雑念を振り払い、夢中で腰を振り続ける。反動で揺れる乳房をわしづかみにし、エロティックに乱れる美央の顔を凝視した。
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