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4章 交渉編
97話 侯爵様をお出迎えしよう
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ベヒモスへお願いして侯爵様へのお迎え役に向かわせることにして、現在はベヒモスが巡回用の通路を作っている最中だ。
広域フィールドなどは問題ないがそれでも巡回用の通りがあった方が効率的だろう。
予定では階層に巡回用通路を作ろうとレイアウトを考えていたが、それだとダンジョン内を堂々と闊歩することになり冒険者に見られたときに騒ぎが起こると予想される。
なので基礎となるダンジョンとは別に隣接する形で既存のフロアから拡張の延長線でフロアを設けることにした。
マップでは大本の階層に脇からくっ付く形で表示されており、五階層ごとに横穴を通している画面が見える。
この通路はベヒモスが居る場所と繋がっているので、巡回中の時は宝物庫が自動的に鍵が掛かる仕組みにして、今後仮に中へ侵入して来た場合に迎撃用の何かを配置する予定だ。
ベヒモス専用通路は各通路と繋がってはいるが、大きな洞穴上の入り口に認識阻害のついた『ミラージュレプス』と呼ばれる魔導アイテムを設置している。
この魔道具は、設置した場所に認識阻害の魔法を発生させることができるアイテムで、設定することで色々と認識を変えることができる便利なアイテムだ。
設定次第では一定範囲内の環境を誤認させたり、消失したように見せかけることもでき、今回は入口を単なる岩壁と誤認する設定にして、入口が最も目立つ階層に設置した。
「これでカモフラージュできたと思うんだけど……絶対、この認識阻害を見破る魔法とかってありそうだよね。まあ、その時は仕方ないか」
取り敢えずは専用の通路が出来たので一端小休止を取りつつ、この事をベヒモスへ話すべく念話をする。
(もしもーし、聞こえますかぁー?)
(ああ、聞こえるぞ!)
ベヒモスへ今までのあらましと大役の説明を細かくしていく。
もちろん、その中には先ほど完成したばかりの通路や仕掛けなどの話も含まれ、階層を巡回する際はこの通路を使い入口に魔道具があるので気よ付けるように――と言い含めておく事も忘れない。
(それで俺は今からそのお偉いさんを迎えに行けばいいんだな?)
(うん、お願いね! それとあっち側から攻撃してこない限り戦闘したらダメだからね?)
(そんなこたぁ言われなくてもわかってる!! それよりもう行ってもいいんだな? それと道順を教えてくれ)
ベヒモスが興奮気味に言い、道順に関しては此方から指示を出しながら教える旨を伝えた。
早々立ち上がると宝物庫の扉を両手で豪快に開け放ち進んで行き、宝物庫を出た先は、先ほど作った通路と繋がっている。
通路は複雑にはせずシンプルな構造になっているのでベヒモスも分かり易いと思うが、今回は指示を出しながらという約束なので侯爵達がいる階層へ向け進んで行く。
侯爵達は現在十二階層で休憩を取りながら各人の武器の調整や手入れを行っている者が確認できる。
マップを見つつベヒモスを誘導して行き、ものの数分で二十階層手前まで来た。
通常の階層と違い殆ど真っ直ぐな通路を進んでいるだけなので、このペースなら数分後には接触できるだろう。
それと接触してからは現在の通路を通って、対談部屋がある場所まで案内する手筈になっている。
(そのこの通りを抜けたら次は左に曲がって!)
(……ここを進んで左だな)
デコボコした洞窟の通路を確認しながら進むと、目的地の少し前に繋がる場所への曲がり角が見え、のっしのっしと巨体を動かし左へと曲がる。
その通りを暫く進むと薄暗い洞窟の先から光が漏れ始め、次第に光が強くなっていく。
十五階層への隠し通路の入口へ辿り着いたベヒモスは呟く。
(ここは広くて清々しい場所だな! 俺が今まで見てきた中で一番いい場所だ!)
そう言うベヒモスは独りでに歩き出し草原地帯を暫し堪能した後、目的地の十二階層へ向かった。
現在ベヒモスは十三階層まで来ており、広い歩幅のお陰で早く到着しそうだ。
寧ろ階層間の階段を色々と調整するのに時間を使ったかもしれない。
人が通れる程しかない階段を一度撤去して幅と高さを大きめに取り、段差のある階段へ作り直したりと手間取ったが、もう目の前まで迫っている。
十二階層への階段も先ほどと同様にして素早く作り直した。
ベヒモスが振動をたてながら上って行くと十二階層へ到着した。
だが目の前には侯爵達を含む複数の冒険者が陣形を整え、戦闘態勢に入っている光景が見えた。
(おい! こいつらだろ? そのお偉いさんとか言う奴は!)
(うん、そうだけど……絶対攻撃しないでよ?)
(わかってるっつーの! まったく俺を何だと思ってんだか……それでこれから俺はどうすればいい?)
目の前にはベヒモスを警戒する冒険者が見え、それと同時に焦りや恐怖をひしひしを感じ取ることが出来た。
どうやらベヒモスを怖がっているらしいがこの分だと長引きそうだと思い、どうやったら上手くことが運ぶか考えていく。
広域フィールドなどは問題ないがそれでも巡回用の通りがあった方が効率的だろう。
予定では階層に巡回用通路を作ろうとレイアウトを考えていたが、それだとダンジョン内を堂々と闊歩することになり冒険者に見られたときに騒ぎが起こると予想される。
なので基礎となるダンジョンとは別に隣接する形で既存のフロアから拡張の延長線でフロアを設けることにした。
マップでは大本の階層に脇からくっ付く形で表示されており、五階層ごとに横穴を通している画面が見える。
この通路はベヒモスが居る場所と繋がっているので、巡回中の時は宝物庫が自動的に鍵が掛かる仕組みにして、今後仮に中へ侵入して来た場合に迎撃用の何かを配置する予定だ。
ベヒモス専用通路は各通路と繋がってはいるが、大きな洞穴上の入り口に認識阻害のついた『ミラージュレプス』と呼ばれる魔導アイテムを設置している。
この魔道具は、設置した場所に認識阻害の魔法を発生させることができるアイテムで、設定することで色々と認識を変えることができる便利なアイテムだ。
設定次第では一定範囲内の環境を誤認させたり、消失したように見せかけることもでき、今回は入口を単なる岩壁と誤認する設定にして、入口が最も目立つ階層に設置した。
「これでカモフラージュできたと思うんだけど……絶対、この認識阻害を見破る魔法とかってありそうだよね。まあ、その時は仕方ないか」
取り敢えずは専用の通路が出来たので一端小休止を取りつつ、この事をベヒモスへ話すべく念話をする。
(もしもーし、聞こえますかぁー?)
(ああ、聞こえるぞ!)
ベヒモスへ今までのあらましと大役の説明を細かくしていく。
もちろん、その中には先ほど完成したばかりの通路や仕掛けなどの話も含まれ、階層を巡回する際はこの通路を使い入口に魔道具があるので気よ付けるように――と言い含めておく事も忘れない。
(それで俺は今からそのお偉いさんを迎えに行けばいいんだな?)
(うん、お願いね! それとあっち側から攻撃してこない限り戦闘したらダメだからね?)
(そんなこたぁ言われなくてもわかってる!! それよりもう行ってもいいんだな? それと道順を教えてくれ)
ベヒモスが興奮気味に言い、道順に関しては此方から指示を出しながら教える旨を伝えた。
早々立ち上がると宝物庫の扉を両手で豪快に開け放ち進んで行き、宝物庫を出た先は、先ほど作った通路と繋がっている。
通路は複雑にはせずシンプルな構造になっているのでベヒモスも分かり易いと思うが、今回は指示を出しながらという約束なので侯爵達がいる階層へ向け進んで行く。
侯爵達は現在十二階層で休憩を取りながら各人の武器の調整や手入れを行っている者が確認できる。
マップを見つつベヒモスを誘導して行き、ものの数分で二十階層手前まで来た。
通常の階層と違い殆ど真っ直ぐな通路を進んでいるだけなので、このペースなら数分後には接触できるだろう。
それと接触してからは現在の通路を通って、対談部屋がある場所まで案内する手筈になっている。
(そのこの通りを抜けたら次は左に曲がって!)
(……ここを進んで左だな)
デコボコした洞窟の通路を確認しながら進むと、目的地の少し前に繋がる場所への曲がり角が見え、のっしのっしと巨体を動かし左へと曲がる。
その通りを暫く進むと薄暗い洞窟の先から光が漏れ始め、次第に光が強くなっていく。
十五階層への隠し通路の入口へ辿り着いたベヒモスは呟く。
(ここは広くて清々しい場所だな! 俺が今まで見てきた中で一番いい場所だ!)
そう言うベヒモスは独りでに歩き出し草原地帯を暫し堪能した後、目的地の十二階層へ向かった。
現在ベヒモスは十三階層まで来ており、広い歩幅のお陰で早く到着しそうだ。
寧ろ階層間の階段を色々と調整するのに時間を使ったかもしれない。
人が通れる程しかない階段を一度撤去して幅と高さを大きめに取り、段差のある階段へ作り直したりと手間取ったが、もう目の前まで迫っている。
十二階層への階段も先ほどと同様にして素早く作り直した。
ベヒモスが振動をたてながら上って行くと十二階層へ到着した。
だが目の前には侯爵達を含む複数の冒険者が陣形を整え、戦闘態勢に入っている光景が見えた。
(おい! こいつらだろ? そのお偉いさんとか言う奴は!)
(うん、そうだけど……絶対攻撃しないでよ?)
(わかってるっつーの! まったく俺を何だと思ってんだか……それでこれから俺はどうすればいい?)
目の前にはベヒモスを警戒する冒険者が見え、それと同時に焦りや恐怖をひしひしを感じ取ることが出来た。
どうやらベヒモスを怖がっているらしいがこの分だと長引きそうだと思い、どうやったら上手くことが運ぶか考えていく。
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