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4章 交渉編
84話 侵蝕スル者は強いです
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(それで、その侵蝕者を倒すにはどうすればいいの?)
取り敢えず、その侵蝕者を何とかする為にエスタへ解決策を問いかけた。
エスタは侵蝕者について詳しいそうなので、今回みたいなことも経験済みと判断して知恵を借りることにした。
(そうだなぁ、完全消滅は難しいが光か神聖魔法のどちらかで弱体化することができる。他には火の魔法が有効だと聞いたことがあるが、詳しくはわからんな)
エスタ情報で侵蝕者を弱体化することができる魔法が光と神聖というこがわかった。
それ以外に火魔法が若干だが有効らしく、光と火の二系統で攻めれば何とか動きを抑えることができるが、それでも消滅させるには難しいとのこと。
消滅が難しい理由をエスタに聞くと狭間の生物だからと返ってきた。
(狭間とは本来、直接交わることがない世界だ。だが極稀に世界軸を越えて出現することがある。私はこれを軸越えと呼んでいるが、その軸を越え現れる者のことを侵蝕者、或いはバグと言われている)
世界軸を越えてくる者のことを侵蝕者やバグと呼ぶらしい。
その世界軸というのがどういったものなのか今一理解できないが、エスタの言葉に攻略の糸口がないか耳を傾ける。
(軸越えの中でも特に世界へ影響を与えるのが侵蝕者、軸を越えてくるだけで特に影響がないのがバグだ。運が悪いことに今回は前者の方だな。対処方法は先ほど説明した通りだ、消滅を考えるなら高位の魔法が必要になる。生半可な攻撃は反って刺激をするだけだと思っておくといい。消滅させるにはそれこそこのダンジョンが吹き飛ぶくらいの魔法が必要だろう)
生半可な攻撃は反って刺激をして憤怒するとのことなので、現在最も魔法に自信があり尚且つ光か神聖魔法が得意な者と言えば……。
「リューエルちゃん、行ってみようか?」
「えっ!」
急に話を振られ戸惑うリューエルを他所に話を進めていく。
(エスタちゃん、その侵蝕者には精霊魔法とかって効いたりしないかな?)
(ちゃん? まあいいか……精霊魔法だったな、そうだなぁ足止めぐらいにはなるんじゃないか?)
という事でクリティカも出撃が決定した。
「取り敢えずは、念話で聞いていたと思うけど、リューエルちゃんとクリティカさんは侵蝕者の足止めと弱体化要員で現地に向かってもらうね。クロエちゃんは待機で! もしかすると出番があるかもだけど」
早々二人には侵蝕者とやらの対処をお願いするとして残ったクロエには待機を命じた。
それとやっとここまで辿り着き仲間も増えてきた段階で失うのは精神的に辛いので、『命を大事に!!』を追加しておく。
「あ! それと危なくなったら撤退していいからね。自分の身を優先で頑張れる範囲でお願い!」
「わかりました。話によると神聖魔法が有効とのことなので、ここはひとつ私に任せて下さい!!」
「精霊魔法は効きにくいらしいけど、足止め程度でいいなら任せてちょうだいな」
二人とも意気込みよく返事をして現地へ転移して行った。
人手が足りないようならクロエも向かわせようと思っているが、果たして幻惑系の魔法が効くかどうか疑問だ。
(エスタちゃん、そっちにリューエルちゃんとクリティカさんが向かったけど、どうかな?)
(…………うむ、少々立て込んでいるので後で念話をする! はっあ!!)
念話越しにあちらの状況が垣間見えた気がしたが、自分に出来ることをしようと思い再び侵入者タブをみるとクリアに映る十四層だ。
「おっ! やっと直ったか……えっ!」
画面には侵入者と思われる赤黒い形容し難い怪物が映っており、手前からリューエルとクリティカが魔法を放っている。
リューエルの手元には背丈を優に超える巨大な魔法陣が展開され、脇にはクリティカが地面いっぱいに鋭い氷が突き出し足止めをしているのが確認できる。
(これは不味いわね。よし! クロエちゃんも向かわそう!)
「ごめんクロエちゃん、早々だけど出番が来たみたい。あっちの様子を見る限り、足止めに余裕がないみたいだから加勢をしてあげて!」
クリティカが氷の壁や岩の壁を張り、周囲に漂う精霊らしき玉から魔法が放たれている。
それでも易々と突破されるが、後方からエスタの支援と思われる獄炎の波が生まれ、侵入者を押しやるという流れが出来ていた。
「了解です。早速行ってみます」
「お願いね! こっちでも何とかできないか模索してみるから」
クロエも十四層へ転移して早々、幻惑魔法を行使して戦闘に参加する。
「さて、この怪物の詳細はっと……ええぇーなにこれ!! 全く分からないんですけど」
侵蝕者の詳細を開くとよく分からない文字と数字の羅列が無数に並んでいた。
詳細欄には『#12DK52mb‐KTRF‐』や『###(i;=[44]<7)300047‐KTRF‐』など様々な文字と数字が組み合わさって使われていた。
「多分だけど、このシャープの後に続くのが個体識別だと思うんだよね。最後に必ず『KTRF』ってついてるし」
現状、詳細欄から読み取れる情報は殆どない。
暫く眺めてみるが全く分からなかった。
「これが世界の壁というやつなのか」
≪世界の壁? 何それ、世界に壁なんてあるの?≫
先ほどのエスタの説明を思い出し自然と呟いてしまい、タマちゃんが反応した。
「まあね、それより何かいい対処方法とかって知らないよね?」
≪う~ん、僕にはちょっとわからないなぁ≫
もしかしてタマちゃんが何か知っているかもと、淡い期待を抱きながら質問したが結果は知らないという。
(さて真面目に考えないとヤバいよねこれ)
画面には四人がそれぞれ交代で奮闘している姿が映っていた。
取り敢えず、その侵蝕者を何とかする為にエスタへ解決策を問いかけた。
エスタは侵蝕者について詳しいそうなので、今回みたいなことも経験済みと判断して知恵を借りることにした。
(そうだなぁ、完全消滅は難しいが光か神聖魔法のどちらかで弱体化することができる。他には火の魔法が有効だと聞いたことがあるが、詳しくはわからんな)
エスタ情報で侵蝕者を弱体化することができる魔法が光と神聖というこがわかった。
それ以外に火魔法が若干だが有効らしく、光と火の二系統で攻めれば何とか動きを抑えることができるが、それでも消滅させるには難しいとのこと。
消滅が難しい理由をエスタに聞くと狭間の生物だからと返ってきた。
(狭間とは本来、直接交わることがない世界だ。だが極稀に世界軸を越えて出現することがある。私はこれを軸越えと呼んでいるが、その軸を越え現れる者のことを侵蝕者、或いはバグと言われている)
世界軸を越えてくる者のことを侵蝕者やバグと呼ぶらしい。
その世界軸というのがどういったものなのか今一理解できないが、エスタの言葉に攻略の糸口がないか耳を傾ける。
(軸越えの中でも特に世界へ影響を与えるのが侵蝕者、軸を越えてくるだけで特に影響がないのがバグだ。運が悪いことに今回は前者の方だな。対処方法は先ほど説明した通りだ、消滅を考えるなら高位の魔法が必要になる。生半可な攻撃は反って刺激をするだけだと思っておくといい。消滅させるにはそれこそこのダンジョンが吹き飛ぶくらいの魔法が必要だろう)
生半可な攻撃は反って刺激をして憤怒するとのことなので、現在最も魔法に自信があり尚且つ光か神聖魔法が得意な者と言えば……。
「リューエルちゃん、行ってみようか?」
「えっ!」
急に話を振られ戸惑うリューエルを他所に話を進めていく。
(エスタちゃん、その侵蝕者には精霊魔法とかって効いたりしないかな?)
(ちゃん? まあいいか……精霊魔法だったな、そうだなぁ足止めぐらいにはなるんじゃないか?)
という事でクリティカも出撃が決定した。
「取り敢えずは、念話で聞いていたと思うけど、リューエルちゃんとクリティカさんは侵蝕者の足止めと弱体化要員で現地に向かってもらうね。クロエちゃんは待機で! もしかすると出番があるかもだけど」
早々二人には侵蝕者とやらの対処をお願いするとして残ったクロエには待機を命じた。
それとやっとここまで辿り着き仲間も増えてきた段階で失うのは精神的に辛いので、『命を大事に!!』を追加しておく。
「あ! それと危なくなったら撤退していいからね。自分の身を優先で頑張れる範囲でお願い!」
「わかりました。話によると神聖魔法が有効とのことなので、ここはひとつ私に任せて下さい!!」
「精霊魔法は効きにくいらしいけど、足止め程度でいいなら任せてちょうだいな」
二人とも意気込みよく返事をして現地へ転移して行った。
人手が足りないようならクロエも向かわせようと思っているが、果たして幻惑系の魔法が効くかどうか疑問だ。
(エスタちゃん、そっちにリューエルちゃんとクリティカさんが向かったけど、どうかな?)
(…………うむ、少々立て込んでいるので後で念話をする! はっあ!!)
念話越しにあちらの状況が垣間見えた気がしたが、自分に出来ることをしようと思い再び侵入者タブをみるとクリアに映る十四層だ。
「おっ! やっと直ったか……えっ!」
画面には侵入者と思われる赤黒い形容し難い怪物が映っており、手前からリューエルとクリティカが魔法を放っている。
リューエルの手元には背丈を優に超える巨大な魔法陣が展開され、脇にはクリティカが地面いっぱいに鋭い氷が突き出し足止めをしているのが確認できる。
(これは不味いわね。よし! クロエちゃんも向かわそう!)
「ごめんクロエちゃん、早々だけど出番が来たみたい。あっちの様子を見る限り、足止めに余裕がないみたいだから加勢をしてあげて!」
クリティカが氷の壁や岩の壁を張り、周囲に漂う精霊らしき玉から魔法が放たれている。
それでも易々と突破されるが、後方からエスタの支援と思われる獄炎の波が生まれ、侵入者を押しやるという流れが出来ていた。
「了解です。早速行ってみます」
「お願いね! こっちでも何とかできないか模索してみるから」
クロエも十四層へ転移して早々、幻惑魔法を行使して戦闘に参加する。
「さて、この怪物の詳細はっと……ええぇーなにこれ!! 全く分からないんですけど」
侵蝕者の詳細を開くとよく分からない文字と数字の羅列が無数に並んでいた。
詳細欄には『#12DK52mb‐KTRF‐』や『###(i;=[44]<7)300047‐KTRF‐』など様々な文字と数字が組み合わさって使われていた。
「多分だけど、このシャープの後に続くのが個体識別だと思うんだよね。最後に必ず『KTRF』ってついてるし」
現状、詳細欄から読み取れる情報は殆どない。
暫く眺めてみるが全く分からなかった。
「これが世界の壁というやつなのか」
≪世界の壁? 何それ、世界に壁なんてあるの?≫
先ほどのエスタの説明を思い出し自然と呟いてしまい、タマちゃんが反応した。
「まあね、それより何かいい対処方法とかって知らないよね?」
≪う~ん、僕にはちょっとわからないなぁ≫
もしかしてタマちゃんが何か知っているかもと、淡い期待を抱きながら質問したが結果は知らないという。
(さて真面目に考えないとヤバいよねこれ)
画面には四人がそれぞれ交代で奮闘している姿が映っていた。
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