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4章 交渉編
83話 緊急事態が発生しました
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王種のチケットから出てきたのは魔王様でその出で立ちは堂々たるものだった。
いきなり切り掛かっては来たがそこは信頼できるスラリンが何とか抑えてくれた。
そんなこんなでお次のベヒモスを召喚しようと考えていた時、タマちゃんの焦った声が聞こえた。
≪レイィィィィーーーー、大変だよ!! 何か真っ黒いのがダンジョンに侵入して来る!!≫
今までにない程のタマちゃんの叫び声を聞き、取り敢えず事情を聴くために何があったのか質問する。
「ちょっと、いきなり叫ぶのは止めてよ!! びっくりするからさぁ……それで何が侵入して来るって?」
≪それが、魔導ラインを伸ばしてたらそのラインを伝って変なのが来てるの!!≫
「通りでタマちゃんの反応がないと思ったら、そんな事してたのね?」
今回のイベントで一番反応していたタマちゃんが召喚の際に会話に加わって来なかったことが気にはなっていた。
わざわざ此方から話し掛けるのも面倒だったので召喚が終わってからと思っていたが、その前にトラブルを呼び込んで来たらしい。
(流石タマちゃん、面倒事を自ら呼び込んでくるとは恐れ入るよ)
タマちゃんの行動に対して呆れ半分、尊敬半分と思いつつ妄想していると侵入者の通知が来た。
「あらぁー本当に侵入者きたよ!」
≪だからさっきから言ってるじゃん!!≫
「なんか偉そうね、今回の原因は100%タマちゃんの所為じゃん」
≪そっそうだけどぉ~レイはダンジョンマスターだよね? このくらいちょちょいと何とかしてくれるって思ってる!! それに新しい仲間もできたみたいだしさ!≫
確かにイベント報酬で貰ったチケットで召喚してはいるがそれとこれは話が全く違う。
そもそも何故、魔導ラインを伸ばしているのか追求しなくてはならないだろう。
「まあ、自分のことでもあるから何とかするけど、そもそも何で魔導ラインを伸ばしてるの? 魔力を吸収してダンジョンの成長を促す事はわかるんだけど、今の段階でそこまでする必要があるの?」
核心を突くような質問になってしまったが今後再び起きないようにするには必要だと割り切った。
≪それは…………侵入者を倒してくれたら教えるよ≫
沈黙の後、先延ばしをする言い方をしたタマちゃん。
「はぁ、わかったよ。なら侵入者を何とかしたら教えてよね?」
≪うん、わかったよ。侵入者よろしくね!≫
(タマちゃんにのせられた感があるが、まずは侵入者の情報収集から始めようかな)
という事で侵入者タブへ画面を切り替えるが、そこには通信不良みたく途切れ途切れな画面が表示されていた。
「ん? 画面が途切れ途切れで見にくいなぁ今までこんな事なかったんだけど……」
「少しいいか? さっきからお主は誰と話しているんだ? 独り言にしては声が大きいが……」
見にくい画面を何とかしようとあちこち弄っていると脇からエスタが話し掛けてきた。
それ以外の者も興味あり気な視線を此方へ向けている。
タマちゃんとの会話は他の者には聞こえないので独り言にしては声が大きいく疑問に思ったのだろう。
「ああ、皆には聞こえないかもしれないけど、ダンジョンコアと話をしてるんだよ」
「ほう、コアと話ができるのか? 私も話をしてみたいものだが、無理そうだな」
「そうだね、それについて暇な時にでも話すとしてだ……、今このダンジョンに何だかわからないのが侵入して来たらしいんだけど、誰か偵察しに行ってくれないよね?」
「侵入とは人間か? ダンジョンなら普通、人間がわらわらと出入りをするとか聞くがそれとは違うのか?」
エスタが腕を組みながら自身の記憶にある情報と照らし合わせて質問をしてくる。
「それが普通の侵入者じゃないみたいんなんだよ。実際に見たわけじゃなから詳しくはわからないけど、そういう能力を持っているって思ってよ」
「ふむ、そうかなら我が見て来よう」
「おおぉー、流石魔王様! 頼れる仲間がいてよかったよ。もし何かあった時、念話で連絡取ってよ。それと階層間の転移は全員できるようにしとくから!」
管理画面で四人、階層間の転移がで来るように素早く設定を済ませた。
「なら早速行ってくるか、階層はどの辺だ?」
階層に関しては十四階と分かっているのでエスタに伝えると早々転移していった。
「魔王様が偵察に行ったようだから、私はここで待機かな」
「そうですね、何かあった時にすぐ対応できるように準備だけはしておいた方がいいかもしれませんね」
隅の方では、クロエとリューエルがお互いに意見を交わし待機するようだ。
隣のクリティカは何やら考え事をしている様子。
あたしはというとスラリンから起き上がった状態で、見にくい画面を何とかしようと奮闘している最中だ。
魔王様が転移してから数分後に念話が入った。
(おい、聞こえたなら返事をしてくれ)
(ん? 魔王様? こちらレイ、念話は正常に作用してるよ。そっちの様子はどう?)
(その件だが、どうやら侵蝕者に侵入されているようだぞ!)
(侵蝕者? 何それ?)
(何というか、見た目は黒っぽい魔物なんだが狭間に居る生物で時折、色んな世界軸に現れては破壊していく厄介な生物だ。正直、生物と言っていいのか迷うところではあるがな)
ダンジョンに侵入して来たのは『侵蝕者』というらしく、その生物について詳しく聞いていくことにした。
いきなり切り掛かっては来たがそこは信頼できるスラリンが何とか抑えてくれた。
そんなこんなでお次のベヒモスを召喚しようと考えていた時、タマちゃんの焦った声が聞こえた。
≪レイィィィィーーーー、大変だよ!! 何か真っ黒いのがダンジョンに侵入して来る!!≫
今までにない程のタマちゃんの叫び声を聞き、取り敢えず事情を聴くために何があったのか質問する。
「ちょっと、いきなり叫ぶのは止めてよ!! びっくりするからさぁ……それで何が侵入して来るって?」
≪それが、魔導ラインを伸ばしてたらそのラインを伝って変なのが来てるの!!≫
「通りでタマちゃんの反応がないと思ったら、そんな事してたのね?」
今回のイベントで一番反応していたタマちゃんが召喚の際に会話に加わって来なかったことが気にはなっていた。
わざわざ此方から話し掛けるのも面倒だったので召喚が終わってからと思っていたが、その前にトラブルを呼び込んで来たらしい。
(流石タマちゃん、面倒事を自ら呼び込んでくるとは恐れ入るよ)
タマちゃんの行動に対して呆れ半分、尊敬半分と思いつつ妄想していると侵入者の通知が来た。
「あらぁー本当に侵入者きたよ!」
≪だからさっきから言ってるじゃん!!≫
「なんか偉そうね、今回の原因は100%タマちゃんの所為じゃん」
≪そっそうだけどぉ~レイはダンジョンマスターだよね? このくらいちょちょいと何とかしてくれるって思ってる!! それに新しい仲間もできたみたいだしさ!≫
確かにイベント報酬で貰ったチケットで召喚してはいるがそれとこれは話が全く違う。
そもそも何故、魔導ラインを伸ばしているのか追求しなくてはならないだろう。
「まあ、自分のことでもあるから何とかするけど、そもそも何で魔導ラインを伸ばしてるの? 魔力を吸収してダンジョンの成長を促す事はわかるんだけど、今の段階でそこまでする必要があるの?」
核心を突くような質問になってしまったが今後再び起きないようにするには必要だと割り切った。
≪それは…………侵入者を倒してくれたら教えるよ≫
沈黙の後、先延ばしをする言い方をしたタマちゃん。
「はぁ、わかったよ。なら侵入者を何とかしたら教えてよね?」
≪うん、わかったよ。侵入者よろしくね!≫
(タマちゃんにのせられた感があるが、まずは侵入者の情報収集から始めようかな)
という事で侵入者タブへ画面を切り替えるが、そこには通信不良みたく途切れ途切れな画面が表示されていた。
「ん? 画面が途切れ途切れで見にくいなぁ今までこんな事なかったんだけど……」
「少しいいか? さっきからお主は誰と話しているんだ? 独り言にしては声が大きいが……」
見にくい画面を何とかしようとあちこち弄っていると脇からエスタが話し掛けてきた。
それ以外の者も興味あり気な視線を此方へ向けている。
タマちゃんとの会話は他の者には聞こえないので独り言にしては声が大きいく疑問に思ったのだろう。
「ああ、皆には聞こえないかもしれないけど、ダンジョンコアと話をしてるんだよ」
「ほう、コアと話ができるのか? 私も話をしてみたいものだが、無理そうだな」
「そうだね、それについて暇な時にでも話すとしてだ……、今このダンジョンに何だかわからないのが侵入して来たらしいんだけど、誰か偵察しに行ってくれないよね?」
「侵入とは人間か? ダンジョンなら普通、人間がわらわらと出入りをするとか聞くがそれとは違うのか?」
エスタが腕を組みながら自身の記憶にある情報と照らし合わせて質問をしてくる。
「それが普通の侵入者じゃないみたいんなんだよ。実際に見たわけじゃなから詳しくはわからないけど、そういう能力を持っているって思ってよ」
「ふむ、そうかなら我が見て来よう」
「おおぉー、流石魔王様! 頼れる仲間がいてよかったよ。もし何かあった時、念話で連絡取ってよ。それと階層間の転移は全員できるようにしとくから!」
管理画面で四人、階層間の転移がで来るように素早く設定を済ませた。
「なら早速行ってくるか、階層はどの辺だ?」
階層に関しては十四階と分かっているのでエスタに伝えると早々転移していった。
「魔王様が偵察に行ったようだから、私はここで待機かな」
「そうですね、何かあった時にすぐ対応できるように準備だけはしておいた方がいいかもしれませんね」
隅の方では、クロエとリューエルがお互いに意見を交わし待機するようだ。
隣のクリティカは何やら考え事をしている様子。
あたしはというとスラリンから起き上がった状態で、見にくい画面を何とかしようと奮闘している最中だ。
魔王様が転移してから数分後に念話が入った。
(おい、聞こえたなら返事をしてくれ)
(ん? 魔王様? こちらレイ、念話は正常に作用してるよ。そっちの様子はどう?)
(その件だが、どうやら侵蝕者に侵入されているようだぞ!)
(侵蝕者? 何それ?)
(何というか、見た目は黒っぽい魔物なんだが狭間に居る生物で時折、色んな世界軸に現れては破壊していく厄介な生物だ。正直、生物と言っていいのか迷うところではあるがな)
ダンジョンに侵入して来たのは『侵蝕者』というらしく、その生物について詳しく聞いていくことにした。
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