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4章 交渉編
75話 あたし、鑑定士になる
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「まずはミリアちゃんの方だけど、名前は双剣マルサスと言って注文通り速度関係の能力が付いてるよ。それと重量軽減に疲労軽減、おまけに固有スキルが二つあるね」
「そっそんなに詳しく!! それに今持ってる武器より性能いいかも……」
「わっ私の方も頼む!」
武器の詳細を大まかに説明していく、二人は驚いた表情をする。
鑑定という能力にはそこまで詳しく見えないらしく、レア度が高くなるにつれて鑑定できる範囲も限られてくるそうだ。
お次はロマーリアへ渡した武器を説明していく。
「それでロマーリアさんに渡した剣だけど、名前は大影剣ホルストラ。実際にもったから分かると思うけど、重量極軽減という能力が大剣を軽くしている要因だね。それ以外には隠密系の能力が中心で、認識阻害から始まり潜伏時気配無効や速度極上昇、奇襲時攻撃極上昇、隠密の極み、それと固有スキルが一つあるね。さっきもちょっと言ったけど、相対時攻撃極減少って能力が付いてるから騎士向けの剣とは言いずらいかもね」
武器の説明に真剣な表情をするロマーリアに対して、目を輝かして此方を見るミリア。
その眼差しからは『期待』の二文字が見える気がした。
説明後、案の定と言うべきかミリアが口にする内容は大よそ見当がついていた内容だった。
「ついでにさ私の、この武器も見てもらってもいい?」
そう言って突き出してきたのは、ミリアが装備している二振りのショートソードと呼ばれる武器だ。
苦笑いをしながらショートソードを受け取り、管理画面へ仕舞うと[アイテム]タブから武器欄へ切り替えて確認を行う。
欄の後半にそれらしき武器を見つけ詳細を開くと、先ほど仕舞った剣があった。
名前は『氷浪グラード』と『風浪サード』といいこの剣二本でセットらしく、能力は『装備時全耐性中up』『受流し成功率極up』『凍結付与』『重量軽減』『水魔法強化』『風魔法強化』『雪嵐の陣』『氷風乱舞』。
(この武器も結構な代物だなぁ、固有が二つに耐性系と確率系に魔法強化と付与ねぇ~)
武器の詳細を確認した後、剣の持ち主に視線を向けるとそこには、目を輝かせているミリアの姿が目に入る。
「どうだった?」
「武器の名前はわかってるの?」
「グラードとサードでしょ?」
「なら能力はどの辺を言った方がいい?」
「全部で!」
どの辺までを聞きたいか質問をすると、全部知りたいと返してきた。
小さく溜息をつき武器の能力について一から説明していく。
「それで能力だけど、まず全耐性上昇に受流し成功率極上昇、凍結付与に重量軽減、水風魔法強化と固有能力と思われる雪嵐の陣、氷風乱舞って言うのが付いているみたい」
「あっそれでか!!」
「ん? なにが?」
「いや、いつも疑問に思ってたんだけどさ、吹雪を撒き散らすのと剣を乱舞する時スムーズに動けると思ってね。なるほど、固有能力だったとは……」
ミリアの反応を見る限り、この固有能力については鑑定結果になかったらしい。
それでも鑑定によって固有以外の能力は分かっており、鑑定士もかなりランクが高いようだ。
この際だからロマーリアの武器も詳細を見てあげようと思い、あたしはミリアへ武器を返して声を掛けた。
「この際、ロマーリアさんのも見てあげよっか?」
「うむ、頼む!」
普段のロマーリアの事は分からないが、それでもこの時ばかりは嬉しそうな感じが見てとれた。
ソファーへ斜めに立てかけてある彫刻の施されたロングソードを持ち上げると、テーブルへ静かに置く。
ロングソードを仕舞い詳細を見ていく。
(どれどれ……ふむふむ、名前は魔剣クアドリカで能力はっと、移動上昇に治癒と斬撃上昇、自動修復に攻撃極上昇と固有が三つと)
固有は三つありそれぞれ『錬気』『沈静』『魔刀活力』だ。
「名前は分かっていると思うけど一応言うね、魔剣クアドリカという名前で能力は移動速度上昇、治癒、斬撃上昇、自動修復、装備時攻撃極上昇と固有能力が錬気、沈静、魔刀活力というのがあるね」
「固有が錬気に沈静、魔刀活力……なるほど」
どうやらロマーリアもこの固有能力に身に覚えがあるようで、顎に手をあて何やら考えている。
(それにしても二人ともいい武器もってるねぇー、ロマーリアさんのがレア度8でミリアちゃんのがレア度9とか、流石将軍様だわ)
将軍様の武器に感心したあたしは画面の時刻を確認すると、丁度二人が起床してからに時間が経っていることに気づいた。
二人はお互いの固有能力について意見を交わしていた。
「話をしているとこ悪いんだけど、時間って大丈夫? 二人が起きてから二時間経ってるけど」
「二刻もか!?」
「えっ! 本当に!?」
今日一番の驚きを見せた二人は共に顔を見て、次にあたしを見た。
「私達そろそろ帰らないといけない!! もしかして調査隊の人達が外で待ってるかも」
「そうだな、すまないが入口までお願いできないか?」
「あ、もう帰るのね了解。入口まで送るよ」
「すまないな、何から何まで」
「いいよいいよ、ほらそこに並んで!」
ロマーリアがすまなそうに言うが、そんな事を他所に二人を促すように並ばせた。
二人を転移陣で入口へ設定すると、魔法陣が足元に現れた。
「じゃ、またね!」
「うむ、色々我がままを言ってすまなかったな」
「またねレイ!」
魔法陣が光を放ち二人を入口へ転移させ、役目を終えた魔法陣は光の粒子になった。
(やっぱり、話し相手がいるっていいね)
あたしは再びソファーへ座り、紅茶をすすった。
「そっそんなに詳しく!! それに今持ってる武器より性能いいかも……」
「わっ私の方も頼む!」
武器の詳細を大まかに説明していく、二人は驚いた表情をする。
鑑定という能力にはそこまで詳しく見えないらしく、レア度が高くなるにつれて鑑定できる範囲も限られてくるそうだ。
お次はロマーリアへ渡した武器を説明していく。
「それでロマーリアさんに渡した剣だけど、名前は大影剣ホルストラ。実際にもったから分かると思うけど、重量極軽減という能力が大剣を軽くしている要因だね。それ以外には隠密系の能力が中心で、認識阻害から始まり潜伏時気配無効や速度極上昇、奇襲時攻撃極上昇、隠密の極み、それと固有スキルが一つあるね。さっきもちょっと言ったけど、相対時攻撃極減少って能力が付いてるから騎士向けの剣とは言いずらいかもね」
武器の説明に真剣な表情をするロマーリアに対して、目を輝かして此方を見るミリア。
その眼差しからは『期待』の二文字が見える気がした。
説明後、案の定と言うべきかミリアが口にする内容は大よそ見当がついていた内容だった。
「ついでにさ私の、この武器も見てもらってもいい?」
そう言って突き出してきたのは、ミリアが装備している二振りのショートソードと呼ばれる武器だ。
苦笑いをしながらショートソードを受け取り、管理画面へ仕舞うと[アイテム]タブから武器欄へ切り替えて確認を行う。
欄の後半にそれらしき武器を見つけ詳細を開くと、先ほど仕舞った剣があった。
名前は『氷浪グラード』と『風浪サード』といいこの剣二本でセットらしく、能力は『装備時全耐性中up』『受流し成功率極up』『凍結付与』『重量軽減』『水魔法強化』『風魔法強化』『雪嵐の陣』『氷風乱舞』。
(この武器も結構な代物だなぁ、固有が二つに耐性系と確率系に魔法強化と付与ねぇ~)
武器の詳細を確認した後、剣の持ち主に視線を向けるとそこには、目を輝かせているミリアの姿が目に入る。
「どうだった?」
「武器の名前はわかってるの?」
「グラードとサードでしょ?」
「なら能力はどの辺を言った方がいい?」
「全部で!」
どの辺までを聞きたいか質問をすると、全部知りたいと返してきた。
小さく溜息をつき武器の能力について一から説明していく。
「それで能力だけど、まず全耐性上昇に受流し成功率極上昇、凍結付与に重量軽減、水風魔法強化と固有能力と思われる雪嵐の陣、氷風乱舞って言うのが付いているみたい」
「あっそれでか!!」
「ん? なにが?」
「いや、いつも疑問に思ってたんだけどさ、吹雪を撒き散らすのと剣を乱舞する時スムーズに動けると思ってね。なるほど、固有能力だったとは……」
ミリアの反応を見る限り、この固有能力については鑑定結果になかったらしい。
それでも鑑定によって固有以外の能力は分かっており、鑑定士もかなりランクが高いようだ。
この際だからロマーリアの武器も詳細を見てあげようと思い、あたしはミリアへ武器を返して声を掛けた。
「この際、ロマーリアさんのも見てあげよっか?」
「うむ、頼む!」
普段のロマーリアの事は分からないが、それでもこの時ばかりは嬉しそうな感じが見てとれた。
ソファーへ斜めに立てかけてある彫刻の施されたロングソードを持ち上げると、テーブルへ静かに置く。
ロングソードを仕舞い詳細を見ていく。
(どれどれ……ふむふむ、名前は魔剣クアドリカで能力はっと、移動上昇に治癒と斬撃上昇、自動修復に攻撃極上昇と固有が三つと)
固有は三つありそれぞれ『錬気』『沈静』『魔刀活力』だ。
「名前は分かっていると思うけど一応言うね、魔剣クアドリカという名前で能力は移動速度上昇、治癒、斬撃上昇、自動修復、装備時攻撃極上昇と固有能力が錬気、沈静、魔刀活力というのがあるね」
「固有が錬気に沈静、魔刀活力……なるほど」
どうやらロマーリアもこの固有能力に身に覚えがあるようで、顎に手をあて何やら考えている。
(それにしても二人ともいい武器もってるねぇー、ロマーリアさんのがレア度8でミリアちゃんのがレア度9とか、流石将軍様だわ)
将軍様の武器に感心したあたしは画面の時刻を確認すると、丁度二人が起床してからに時間が経っていることに気づいた。
二人はお互いの固有能力について意見を交わしていた。
「話をしているとこ悪いんだけど、時間って大丈夫? 二人が起きてから二時間経ってるけど」
「二刻もか!?」
「えっ! 本当に!?」
今日一番の驚きを見せた二人は共に顔を見て、次にあたしを見た。
「私達そろそろ帰らないといけない!! もしかして調査隊の人達が外で待ってるかも」
「そうだな、すまないが入口までお願いできないか?」
「あ、もう帰るのね了解。入口まで送るよ」
「すまないな、何から何まで」
「いいよいいよ、ほらそこに並んで!」
ロマーリアがすまなそうに言うが、そんな事を他所に二人を促すように並ばせた。
二人を転移陣で入口へ設定すると、魔法陣が足元に現れた。
「じゃ、またね!」
「うむ、色々我がままを言ってすまなかったな」
「またねレイ!」
魔法陣が光を放ち二人を入口へ転移させ、役目を終えた魔法陣は光の粒子になった。
(やっぱり、話し相手がいるっていいね)
あたしは再びソファーへ座り、紅茶をすすった。
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