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4章 交渉編

66話 今度のイベントは一味違うようです

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 コア部屋に戻って[イベント]タブをスラリンに沈み込み眺めること暫し、漸く決心がついたあたしは祈るようにタブをタップした。

――――――――――――――――――――――――
  第4回イベント    ガチャ降臨祭開催
――――――――――――――――――――――――
        ~ルール説明~
  1.常設ガチャでポイントを獲得しよう。
  2.ポイントを使ってイベントガチャを回そう。
  3.条件達成で報酬獲得。
  4.特別チケットを回して特殊報酬獲得。

        ~通常内容~
      99%  〈ランダム〉
        1%  〈レア〉

        ~特殊内容~
     〈暴食〉〈憤怒〉〈傲慢〉
   〈怠惰〉〈強欲〉〈嫉妬〉〈色欲〉
     〈正義〉〈勇気〉〈知識〉
   〈慎重〉〈忠実〉〈貞節〉〈博愛〉

        ~報酬一覧~
   10回   〈妖精種〉  〈精霊種〉
   30回   〈天使種〉  〈魔人種〉
   50回   〈女王種〉  〈レア種〉
   80回   〈竜種〉   〈王種〉
   100回   〈ベヒモス〉 〈リッチ〉

   ~~~振るってご参加ください~~~

  *開催期間は表示開始から3日間です。
  *通常ガチャはランダム排出です。
  *『1回=1000pt』で回すことができます。
  *特殊チケットは一定確率で入手できます。
  *特殊ガチャは全てダンジョンスキルです。
  *獲得報酬はイベント終了後配布されます。
 ――――――――――――――――――――――――

 祈るようにタッチしたあたしは、反射的に目を瞑った瞼を持ち上げ、画面に映された内容を穴が開くほど見つめた。
 今回のイベントは普通とは少々違い常設ガチャを回すことでポイントが貰えるらしく、そのポイントで更にイベント専用のガチャを回すと報酬が手に入ると、そういう内容だった

「なるほどぉーそれでガチャ降臨祭か、ガチャと聞いてやる気が……」

(ガチャです? ガチャガチャ~)

≪ガチャー? もしかしてイベント!?≫

 あたしがイベント画面を見て呟き溜息をつくと、スラリンとタマちゃんが互いに興味を示した。

「まあ、イベントだね……だけどガチャなんだよ!」

≪おおぉーイベント!! スキルある? スキル!!≫

 相変わらずタマちゃんはダンジョンスキルにしか興味はなく、恐らくだが『イベント=ダンジョンスキル』とでも思っているのだろう。
 画面で確認したイベントの詳細をタマちゃんに説明すると大喜びではしゃぎ始め、スラリンは念話でガチャの歌らしきものを歌っている。

(なんでこの子たちはこんなにも元気なの)

 はしゃぐふたりを他所にあたしは早速、常設のガチャを一回1000DPで引く。

【ポーション中を入手しました】

 ポーションを手に入れイベントの画面には500ポイント加算されており、どうやら消費DPの半分がイベントポイントになるという事がわかった。
 それであたしは色々と考えていくうちに、ある致命的な問題を発見してしまった。

(今の持ちDPは16万強しかないということは85回しか引けない!? そうなると100回目の達成報酬が手に入らない……どうしよう)

 現在の総DPは十六万強ですべてガチャに費やした時、得られるイベントポイントは約八万五千ほど。
 イベント専用ガチャを一回挑戦するのに1000ptなので合計八十五回引ける計算だ。
 だがそうなると達成報酬が貰える百回までは残り十五回、DP換算すると三万ほど足りない。

(あと3万DPどっかから調達しないといけないんだけど、今のところ侵入者から吸収するのが一番効率が良いんだけど……こうなったらもう一度呼び戻すしかないわね)

 画面を切り替えダンジョン内を見渡していくが侵入者は見当たらなかった。

(あっ! そう言えば調査隊の人達って外に出てるんだっけ?)

 あたしは急いでVRキューブを起動してダンジョン前の景色に視界が切り替わり、外は暗く丁度洞穴がある右手の方で調査隊のメンバーがテントを張っていた。
 ざっと見た限り十以上はテントが張られ、調査隊の者はここで一夜を明かすようだ。

 テントの張ってある場所へ近づき辺りを見渡すと、目的のお二人を発見し更に近づく。

『やはりあの事についてはまだ話す段階ではないと私は思うが?』

『ロマーリアも思う?』

『それはな、ここで話して何の得になる? ただ悪戯に混乱させるだけだ。それにルネス侯爵も言っていただろう? 事実が確認されても明るみにしてはいけないと』

『それはそうだけどさー』

 なにやら深刻そうな話をしている二人を確認し声を掛けようとしたが、VR起動中を思い出し本体へ戻るとあること気づいた。

「そういやーあたしってここから出られないんだった」

 イベントは既に始まっているが残り三万DPを稼ぐ手段が目の前にあると言うのに、手が出せない状況を何とかしようと頭をフル回転させながら思考していく。
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