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4章 交渉編
64話 将軍様と仲良くなりました
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「へぇーじゃあふたりは各領地の将軍なんだね」
ミリアの話を聞いたあたしは軽く相づちをうち、紅茶を一口飲みティーカップをテーブルに置いた。
「将軍っといっても軍務事にしか口を挟めないんだよねぇ」
「将軍とは本来、領地の治安維持と戦時の統括を主目的で担っている役職だからな」
ミリアが紅茶を飲みながら言うと、その隣で口を挟んだロマーリアは腕を組みながら考える仕草をする。
あたしはというと、こっそり管理画面を操作してDP吸収量について確認していた。
現在の総DPは十六万、調査隊が来てから四十万近く稼いでおり、地味に嬉しいというよりはちょっと驚いていたりする。
まさかこれほど稼げるとは思っていなかったあたしだが、普通の冒険者より遥かに強い人が四人もいれば納得だ。
(これならもう少し話をして、ちょっとでも長くいてもらった方があたし的には美味しいのだけど)
画面からふたりへ視線を移すと丁度ロマーリアと目があった。
その双眼からは金色の瞳が此方を見据えており、容姿と相まって吸い込まれるように見つめてしまった。
「質問いいだろうか?」
「えっああうん、どうぞ」
「先ほどから何をしているのだ? 私には右手で何かをしているように見えるのだが」
今のあたしはスラリンに寄り掛かりながら、右手で管理画面を操作してダンジョン内のDP吸収量を詳しく見てる状況で、どうやらあたしの行動がロマーリアには疑問に思ったようだ。
「ああぁちょっと詳しくは言えないかな」
「そうか……こうして会話をしていると普通の人間に見えるな。レイはダンジョンマスターになる以前の記憶はないのか?」
「記憶かぁ~なくはないけどあんまり覚えていないかな」
彼方の記憶をバッチリ引き継いでダンジョンマスターになったあたしはロマーリアの問い掛けに一瞬考えるが、ここは曖昧に返答して逆にこっちから質問した。
「じゃあちょっと話は変わるんだけど、ロマーリアさんっていくつなの?」
「私か? う~む、何故そんなことを聞く?」
「いや、二人とも綺麗だからちょっと気になってさ!」
「私はねぇ18歳だよ!」
「えっ! 18なの? あたしと同じだ!」
ロマーリアへ質問したはずが、隣で聞いていたミリアが先に答えた。
ミリアは十八歳らしくあたしと同級という事がわかり、続いてロマーリアを見ると困った表情を見せながら考え込んでいた。
どうやらロマーリア的にはこの問いかけは考え込むほどの質問だったらしく、あたしは少々後悔してしまった。
「ああ、別に興味本位で聞いただけだから答えたくなかったらいいんだけど」
「それは騎士としていかんだろう、私の歳は…………24だ」
「それ程離れてはいないんだ! というか24歳でこれってちょっとずるいかも」
鎧を纏っていて少し分かりずらいが、細い身体つきで出るところは出ており羨ましい体型だ。
それに二人からは仄かに甘い匂いもする。
「わっ私はこれでも太っている方なのだ!」
「はぁああ!? 貴方ねいつも訓練して唯でさえ引き締まった体をしているのにまだ痩せたいと? 私に喧嘩売ってるわけ?」
ロマーリアの物言いにすかさずミリアが唸るように反応した。
「ふむふむ、ならあたしがちょっと調べてあげよっか?」
「しっ調べるとは何をするのだ?」
「何って触って確かめるのよ」
「あっそれいいね!!」
「おい! 二人ともふざけた事を言うな!」
あたしの提案にミリアは賛同しロマーリアは頭を振りながら否定する仕草をした。
(ロマーリアさん24歳でこんな身体つきで可愛い仕草をするとか、ちょっとヤバいかも)
普段騎士然として堂々としているロマーリアだが、今の姿からは考えられないような可愛さが滲み出ている。
そんなロマーリアを見ているとつい悪戯をしたくなったあたしはソファーから立ち上がると、対面へと向かって歩く。
「なっ! 立ち上がって何をするきだ!! こっちへ来るな!!」
「ふふロマーリアさんの体を少し触らせてもらうだけだよ」
「くっダンジョンマスターがこんな奴だったとは……迂闊だっあっ!」
ソファーから逃げ出そうとしたロマーリアを脇で見ていたミリアが抱き着き抑え込むと、ニヤニヤした表情でこちらをみた。
その表情からは『私が押さえておくから後は任せた』とでもいいたげだ。
あたしは、そんな二人で抱き合っているロマーリアの方へ近づくと、まず手始めに首元へ抱き着いてみる事にした。
「やっやめろぉ離せぇぇ!」
腰回りはミリアがホールドしていたので首元へ軽く抱き着くと、ふわっとしたいい匂いが鼻につき、次第に力を入れギュッと抱きしめるとスラリンとはまた違った感触に何とも言えないぬくもりを感じた。
するとどういう訳か急に涙が出てきて視界がぼやけ、ついには鳴き声を上げてしまっていた。
あたしが急に泣き出した事に戸惑った声を上げたロマーリアとミリアは慌て始めた。
それから数分間、ロマーリアへ抱き着く形で泣いてしまったあたしは少々恥ずかしかったが、同時に何とも言えぬ胸のモヤモヤが取れた気がした。
ミリアの話を聞いたあたしは軽く相づちをうち、紅茶を一口飲みティーカップをテーブルに置いた。
「将軍っといっても軍務事にしか口を挟めないんだよねぇ」
「将軍とは本来、領地の治安維持と戦時の統括を主目的で担っている役職だからな」
ミリアが紅茶を飲みながら言うと、その隣で口を挟んだロマーリアは腕を組みながら考える仕草をする。
あたしはというと、こっそり管理画面を操作してDP吸収量について確認していた。
現在の総DPは十六万、調査隊が来てから四十万近く稼いでおり、地味に嬉しいというよりはちょっと驚いていたりする。
まさかこれほど稼げるとは思っていなかったあたしだが、普通の冒険者より遥かに強い人が四人もいれば納得だ。
(これならもう少し話をして、ちょっとでも長くいてもらった方があたし的には美味しいのだけど)
画面からふたりへ視線を移すと丁度ロマーリアと目があった。
その双眼からは金色の瞳が此方を見据えており、容姿と相まって吸い込まれるように見つめてしまった。
「質問いいだろうか?」
「えっああうん、どうぞ」
「先ほどから何をしているのだ? 私には右手で何かをしているように見えるのだが」
今のあたしはスラリンに寄り掛かりながら、右手で管理画面を操作してダンジョン内のDP吸収量を詳しく見てる状況で、どうやらあたしの行動がロマーリアには疑問に思ったようだ。
「ああぁちょっと詳しくは言えないかな」
「そうか……こうして会話をしていると普通の人間に見えるな。レイはダンジョンマスターになる以前の記憶はないのか?」
「記憶かぁ~なくはないけどあんまり覚えていないかな」
彼方の記憶をバッチリ引き継いでダンジョンマスターになったあたしはロマーリアの問い掛けに一瞬考えるが、ここは曖昧に返答して逆にこっちから質問した。
「じゃあちょっと話は変わるんだけど、ロマーリアさんっていくつなの?」
「私か? う~む、何故そんなことを聞く?」
「いや、二人とも綺麗だからちょっと気になってさ!」
「私はねぇ18歳だよ!」
「えっ! 18なの? あたしと同じだ!」
ロマーリアへ質問したはずが、隣で聞いていたミリアが先に答えた。
ミリアは十八歳らしくあたしと同級という事がわかり、続いてロマーリアを見ると困った表情を見せながら考え込んでいた。
どうやらロマーリア的にはこの問いかけは考え込むほどの質問だったらしく、あたしは少々後悔してしまった。
「ああ、別に興味本位で聞いただけだから答えたくなかったらいいんだけど」
「それは騎士としていかんだろう、私の歳は…………24だ」
「それ程離れてはいないんだ! というか24歳でこれってちょっとずるいかも」
鎧を纏っていて少し分かりずらいが、細い身体つきで出るところは出ており羨ましい体型だ。
それに二人からは仄かに甘い匂いもする。
「わっ私はこれでも太っている方なのだ!」
「はぁああ!? 貴方ねいつも訓練して唯でさえ引き締まった体をしているのにまだ痩せたいと? 私に喧嘩売ってるわけ?」
ロマーリアの物言いにすかさずミリアが唸るように反応した。
「ふむふむ、ならあたしがちょっと調べてあげよっか?」
「しっ調べるとは何をするのだ?」
「何って触って確かめるのよ」
「あっそれいいね!!」
「おい! 二人ともふざけた事を言うな!」
あたしの提案にミリアは賛同しロマーリアは頭を振りながら否定する仕草をした。
(ロマーリアさん24歳でこんな身体つきで可愛い仕草をするとか、ちょっとヤバいかも)
普段騎士然として堂々としているロマーリアだが、今の姿からは考えられないような可愛さが滲み出ている。
そんなロマーリアを見ているとつい悪戯をしたくなったあたしはソファーから立ち上がると、対面へと向かって歩く。
「なっ! 立ち上がって何をするきだ!! こっちへ来るな!!」
「ふふロマーリアさんの体を少し触らせてもらうだけだよ」
「くっダンジョンマスターがこんな奴だったとは……迂闊だっあっ!」
ソファーから逃げ出そうとしたロマーリアを脇で見ていたミリアが抱き着き抑え込むと、ニヤニヤした表情でこちらをみた。
その表情からは『私が押さえておくから後は任せた』とでもいいたげだ。
あたしは、そんな二人で抱き合っているロマーリアの方へ近づくと、まず手始めに首元へ抱き着いてみる事にした。
「やっやめろぉ離せぇぇ!」
腰回りはミリアがホールドしていたので首元へ軽く抱き着くと、ふわっとしたいい匂いが鼻につき、次第に力を入れギュッと抱きしめるとスラリンとはまた違った感触に何とも言えないぬくもりを感じた。
するとどういう訳か急に涙が出てきて視界がぼやけ、ついには鳴き声を上げてしまっていた。
あたしが急に泣き出した事に戸惑った声を上げたロマーリアとミリアは慌て始めた。
それから数分間、ロマーリアへ抱き着く形で泣いてしまったあたしは少々恥ずかしかったが、同時に何とも言えぬ胸のモヤモヤが取れた気がした。
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