59 / 128
4章 交渉編
57話 将軍同士は仲が悪いようです
しおりを挟む
馬車から降りてそうそう言い争いを始めた二人。
一人はブロンド色の髪を腰まで伸ばした女性で、端正な顔立ちからは凛々しさを感じさせる。
背はあたしより高くほっそりとした体を包むのは白を基調に青いラインが入った鎧。
よく手入れが行き届いた鎧からは木漏れ日に照らされ輝きを放ち、細い体をギュッと引き締めている為か胸元がとても窮屈そうに見える。
腰には鞘に納められた複雑な彫刻が施されたロングソードを下げていた。
それに対してもう一人は、銀色の髪を短く顎のラインで切り揃えた短髪で間から愛らしいクリッとした瞳が印象的な可憐さを感じさせる人だ。
身長はそこまで高くはなく小柄で全体的に細いく、革のブーツを履いきその上からは長く青いローブを着込む。
ローブには緑と白の花が刺繍され髪色と調和し、腰に二振りのショートソードを携えていた。
(何かまた厄介なのが来たような気がする)
二人からは独特のオーラと呼べる何かを感じられ、周囲の調査隊も黙り込みながら様子を窺っている。
『レグスさん、私が聞かされているのはミリア将軍だけかと思ったのですがロマーリア将軍まで同伴なんですね』
『そりゃー俺も同意見だ』
それからロマーリアとミリアはじゃれ合うように言い争いを数分続けた後、レグスとアレンの方へ近づいていく。
『お主が調査隊のリーダーか?』
『ああ、レグスと言う。よろしく頼む』
ロマーリアの問い掛けに自己紹介を含め返答すると右手を突き出したレグス。
突き出さられた右手を握りながら挨拶をした。
『うむ、ロマーリアだ。こちらこそよろしく頼む』
『あっ知ってると思うけど私ミリア、よろしくね』
挨拶を交わしていたロマーリアの脇からひょこっと顔を出したミリアは片手を上げ挨拶をする。
『ふっお主の話など聞いておらん』
『貴方には言った覚えはないのだけど、これだからガサツな人は困るわぁ~』
『ちっ! お主と話をしていたら先に進まん……それで先にダンジョンへ潜ったのだろ? 中の様子はどうだった?』
またも言い争いになりそうな雰囲気だったが、ロマーリアが話を進めるべくミリアを無視することに決めたようだ。
ロマーリアの問い掛けにレグスは、調査済みのダンジョン階層数と魔物の種類や系統などを詳しく説明していく。
ボス部屋の事、手に入れたお宝なども話の中にあった。
『ほう、20階層からは砂漠地帯だと? それもかなりの規模の砂漠か』
『ああ、20階層はかなり大規模な砂漠地帯と考えられる。今の装備じゃ先に進めないと思って引き返してきたところだ』
『なるほどな、なら私達も確認がてら潜ってみるか』
『そうね、こんな近くにダンジョンがあるとは思わなかったけど、ダンジョンに潜るのは早い方がいいわね。それにどの道、目的の為には確認しないといけないからね』
レグスの説明を聞いた後、将軍二人は早々ダンジョンへ潜ることを決める。
具体的に話をつめる際、少々罵声も飛び交ったりしたが、最終的には将軍二人とレグスとアレンの四人パーティーで再度探索することになった。
後発隊のメンバーは、先発隊と合流しダンジョン周辺の調査や引き続き内部の様子などを細かく調べるらしい。
(となるとあの四人を中心にこのダンジョンを探索するということか……)
一階層から順に進んで行く四人。
レグスとアレンだけでもすごかったのに、ロマーリアとミリアが加わった事により更に探索速度が上がる。
『このダンジョンはこんな感じになってるのかぁールステンの所も確か洞窟から始まってたっけ』
『そうなのか? 私は迷宮都市には行ったことがないから分からんが、こっちにあるダンジョンもこんな感じだったな』
階層を歩きながら意見を交わす将軍二人の後をついていく形でレグスとアレンが呟く。
『なぁー俺達っていらなかったんじゃないか?』
『そうですね、この様子だとそう思いますよね』
目の前では会話をしながら風の刃で魔物を切り飛ばすロマーリアと、氷の槍で突き差すミリアの姿が映る。
(確かにあたしも思ったよ。それにしてもこの二人凄いね!)
ダンジョン探索開始の時にチラッと詳細を確認したが、大よそ嫉妬することしか書かれていなかった。
武器に関してはアレンとレグスに比べれば低いが、それでも二人ともレア度八や九の装備をしていた。
それと恐ろしい事にDP吸収率が余りに良すぎてウハウハだ。
(私にとっては神様みたいな人達よね。1時間足らずで24000DPって凄すぎるわ!)
現在、六階層を進行中でここまで一度も武器は抜いておらず魔法のみで対処している。
「はぁ、またとんでもない人達が来たわねぇー」
≪確かにレイのいう事もわかるよ! ちょっと僕心配になってきちゃった≫
どうやらタマちゃんも同じ意見らしく共に会話を交わす。
「これだけ稼がして貰ってるんだしお宝プレゼントしちゃおっかなー」
≪いいねいいね! 何かプレゼントしたらいいことあるかも!≫
管理画面の[お宝]を眺めていたると突然それは画面に表示された。
【ダンジョンレベルが4へ上がりました。ステータスptが2付与されます。レベル上昇に伴い『念話』の機能が解禁されました】
どうやらそういう事らしい。
画面にはレベル上昇の通知が静かに表示されていた。
一人はブロンド色の髪を腰まで伸ばした女性で、端正な顔立ちからは凛々しさを感じさせる。
背はあたしより高くほっそりとした体を包むのは白を基調に青いラインが入った鎧。
よく手入れが行き届いた鎧からは木漏れ日に照らされ輝きを放ち、細い体をギュッと引き締めている為か胸元がとても窮屈そうに見える。
腰には鞘に納められた複雑な彫刻が施されたロングソードを下げていた。
それに対してもう一人は、銀色の髪を短く顎のラインで切り揃えた短髪で間から愛らしいクリッとした瞳が印象的な可憐さを感じさせる人だ。
身長はそこまで高くはなく小柄で全体的に細いく、革のブーツを履いきその上からは長く青いローブを着込む。
ローブには緑と白の花が刺繍され髪色と調和し、腰に二振りのショートソードを携えていた。
(何かまた厄介なのが来たような気がする)
二人からは独特のオーラと呼べる何かを感じられ、周囲の調査隊も黙り込みながら様子を窺っている。
『レグスさん、私が聞かされているのはミリア将軍だけかと思ったのですがロマーリア将軍まで同伴なんですね』
『そりゃー俺も同意見だ』
それからロマーリアとミリアはじゃれ合うように言い争いを数分続けた後、レグスとアレンの方へ近づいていく。
『お主が調査隊のリーダーか?』
『ああ、レグスと言う。よろしく頼む』
ロマーリアの問い掛けに自己紹介を含め返答すると右手を突き出したレグス。
突き出さられた右手を握りながら挨拶をした。
『うむ、ロマーリアだ。こちらこそよろしく頼む』
『あっ知ってると思うけど私ミリア、よろしくね』
挨拶を交わしていたロマーリアの脇からひょこっと顔を出したミリアは片手を上げ挨拶をする。
『ふっお主の話など聞いておらん』
『貴方には言った覚えはないのだけど、これだからガサツな人は困るわぁ~』
『ちっ! お主と話をしていたら先に進まん……それで先にダンジョンへ潜ったのだろ? 中の様子はどうだった?』
またも言い争いになりそうな雰囲気だったが、ロマーリアが話を進めるべくミリアを無視することに決めたようだ。
ロマーリアの問い掛けにレグスは、調査済みのダンジョン階層数と魔物の種類や系統などを詳しく説明していく。
ボス部屋の事、手に入れたお宝なども話の中にあった。
『ほう、20階層からは砂漠地帯だと? それもかなりの規模の砂漠か』
『ああ、20階層はかなり大規模な砂漠地帯と考えられる。今の装備じゃ先に進めないと思って引き返してきたところだ』
『なるほどな、なら私達も確認がてら潜ってみるか』
『そうね、こんな近くにダンジョンがあるとは思わなかったけど、ダンジョンに潜るのは早い方がいいわね。それにどの道、目的の為には確認しないといけないからね』
レグスの説明を聞いた後、将軍二人は早々ダンジョンへ潜ることを決める。
具体的に話をつめる際、少々罵声も飛び交ったりしたが、最終的には将軍二人とレグスとアレンの四人パーティーで再度探索することになった。
後発隊のメンバーは、先発隊と合流しダンジョン周辺の調査や引き続き内部の様子などを細かく調べるらしい。
(となるとあの四人を中心にこのダンジョンを探索するということか……)
一階層から順に進んで行く四人。
レグスとアレンだけでもすごかったのに、ロマーリアとミリアが加わった事により更に探索速度が上がる。
『このダンジョンはこんな感じになってるのかぁールステンの所も確か洞窟から始まってたっけ』
『そうなのか? 私は迷宮都市には行ったことがないから分からんが、こっちにあるダンジョンもこんな感じだったな』
階層を歩きながら意見を交わす将軍二人の後をついていく形でレグスとアレンが呟く。
『なぁー俺達っていらなかったんじゃないか?』
『そうですね、この様子だとそう思いますよね』
目の前では会話をしながら風の刃で魔物を切り飛ばすロマーリアと、氷の槍で突き差すミリアの姿が映る。
(確かにあたしも思ったよ。それにしてもこの二人凄いね!)
ダンジョン探索開始の時にチラッと詳細を確認したが、大よそ嫉妬することしか書かれていなかった。
武器に関してはアレンとレグスに比べれば低いが、それでも二人ともレア度八や九の装備をしていた。
それと恐ろしい事にDP吸収率が余りに良すぎてウハウハだ。
(私にとっては神様みたいな人達よね。1時間足らずで24000DPって凄すぎるわ!)
現在、六階層を進行中でここまで一度も武器は抜いておらず魔法のみで対処している。
「はぁ、またとんでもない人達が来たわねぇー」
≪確かにレイのいう事もわかるよ! ちょっと僕心配になってきちゃった≫
どうやらタマちゃんも同じ意見らしく共に会話を交わす。
「これだけ稼がして貰ってるんだしお宝プレゼントしちゃおっかなー」
≪いいねいいね! 何かプレゼントしたらいいことあるかも!≫
管理画面の[お宝]を眺めていたると突然それは画面に表示された。
【ダンジョンレベルが4へ上がりました。ステータスptが2付与されます。レベル上昇に伴い『念話』の機能が解禁されました】
どうやらそういう事らしい。
画面にはレベル上昇の通知が静かに表示されていた。
0
お気に入りに追加
706
あなたにおすすめの小説
半神の守護者
ぴっさま
ファンタジー
ロッドは何の力も無い少年だったが、異世界の創造神の血縁者だった。
超能力を手に入れたロッドは前世のペット、忠実な従者をお供に世界の守護者として邪神に立ち向かう。
〜概要〜
臨時パーティーにオークの群れの中に取り残されたロッドは、不思議な生き物に助けられこの世界の神と出会う。
実は神の遠い血縁者でこの世界の守護を頼まれたロッドは承諾し、通常では得られない超能力を得る。
そして魂の絆で結ばれたユニークモンスターのペット、従者のホムンクルスの少女を供にした旅が始まる。
■注記
本作品のメインはファンタジー世界においての超能力の行使になります。
他サイトにも投稿中
ガチャで破滅した男は異世界でもガチャをやめられないようです
一色孝太郎
ファンタジー
前世でとあるソシャゲのガチャに全ツッパして人生が終わった記憶を持つ 13 歳の少年ディーノは、今世でもハズレギフト『ガチャ』を授かる。ガチャなんかもう引くもんか! そう決意するも結局はガチャの誘惑には勝てず……。
これはガチャの妖精と共に運を天に任せて成り上がりを目指す男の物語である。
※作中のガチャは実際のガチャ同様の確率テーブルを作り、一発勝負でランダムに抽選をさせています。そのため、ガチャの結果によって物語の未来は変化します
※本作品は他サイト様でも同時掲載しております
※2020/12/26 タイトルを変更しました(旧題:ガチャに人生全ツッパ)
※2020/12/26 あらすじをシンプルにしました
私はただ、憧れのテントでゴロゴロしたいだけ。
もりのたぬき
ファンタジー
ある日、樹は残業続きでヘロヘロになりながら人通りの少ない真夜中の大通りを歩いていると、足元が突然光だし訳も分からないうちに真っ白な空間にへたりこんでいた。
「ここは何処…」
「ここは世界と世界の狭間じゃよ」
樹のつぶやきに答えた声の方を振り向くと、そこには真っ白な髭をたくわえた老人と、やけにお色気ムンムンの女性が居た。
なんだか知らないけど、異世界に召喚されてしまったらしい主人公、山野 樹(やまの いつき)
とりあえず安全な所に引きこもって、憧れのテントでゴロゴロしたい。ただそれだけの為に、異世界で生活を始める。
どんな物語になるか、作者もわかりません。
※小説家になろうにも投稿しています。
向こうの方がストーリーが先行していますので早く読みたい方はそちらをどうぞ。
現代にモンスターが湧きましたが、予めレベル上げしていたので無双しますね。
えぬおー
ファンタジー
なんの取り柄もないおっさんが偶然拾ったネックレスのおかげで無双しちゃう
平 信之は、会社内で「MOBゆき」と陰口を言われるくらい取り柄もない窓際社員。人生はなんて面白くないのだろうと嘆いて帰路に着いている中、信之は異常な輝きを放つネックレスを拾う。そのネックレスは、経験値の間に行くことが出来る特殊なネックレスだった。
経験値の間に行けるようになった信之はどんどんレベルを上げ、無双し、知名度を上げていく。
もう、MOBゆきとは呼ばせないっ!!
呪われ姫の絶唱
朝露ココア
ファンタジー
――呪われ姫には近づくな。
伯爵令嬢のエレオノーラは、他人を恐怖させてしまう呪いを持っている。
『呪われ姫』と呼ばれて恐れられる彼女は、屋敷の離れでひっそりと人目につかないように暮らしていた。
ある日、エレオノーラのもとに一人の客人が訪れる。
なぜか呪いが効かない公爵令息と出会い、エレオノーラは呪いを抑える方法を発見。
そして彼に導かれ、屋敷の外へ飛び出す。
自らの呪いを解明するため、エレオノーラは貴族が通う学園へと入学するのだった。
【12/29にて公開終了】愛するつもりなぞないんでしょうから
真朱
恋愛
この国の姫は公爵令息と婚約していたが、隣国との和睦のため、一転して隣国の王子の許へ嫁ぐことになった。余計ないざこざを防ぐべく、姫の元婚約者の公爵令息は王命でさくっと婚姻させられることになり、その相手として白羽の矢が立ったのは辺境伯家の二女・ディアナだった。「可憐な姫の後が、脳筋な辺境伯んとこの娘って、公爵令息かわいそうに…。これはあれでしょ?『お前を愛するつもりはない!』ってやつでしょ?」
期待も遠慮も捨ててる新妻ディアナと、好青年の仮面をひっ剥がされていく旦那様ラキルスの、『明日はどっちだ』な夫婦のお話。
※なんちゃって異世界です。なんでもあり、ご都合主義をご容赦ください。
※新婚夫婦のお話ですが色っぽさゼロです。Rは物騒な方です。
※ざまあのお話ではありません。軽い読み物とご理解いただけると幸いです。
※コミカライズにより12/29にて公開を終了させていただきます。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる