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4章 交渉編

45話 冒険者たちお宝で歓喜する

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 モンスター部屋に訪れた冒険者パーティーこと『貪る者』ダウントはそこで大量の魔物を相手にしこれを殲滅することに成功する。
 部屋の中には大量の魔石と銅色に光る宝箱が奥で鎮座している。

『やっと終わったか。怪我人はいるか?』

 ホレスが長剣を腰に差し方を解す仕草をすると他のメンバーへ声を掛けた。

『俺は大丈夫だ。……他も大丈夫そうだな』

 ホレスの問いに答えたのはポールで皆を確認した後返答する。

『ああぁーしんどかったなぁ』

『そうだな。だがこれからこの散らばっている魔石を集めにゃならんそれに……』

『宝箱があるしな』

 弱音を吐くマティスにゴードンが口を開きその後を引き継いだマティスの言葉に、自然と冒険者4人は奥に置かれた宝箱に視線を移した。
 
『よし皆、魔石を拾うぞ』

 ホレスの掛け声と共に各人腰に下げた袋へ魔石を拾い始めた。
 黙々と魔石を拾う冒険者達を見ながら先ほど追加で入れた『ブディの盾』についての説明書きを確認する。

 見た目は丸い楯で説明によると『衝撃軽減』の能力がついていらしい。
 思わず衝撃軽減をタップすると詳細が現れた。

(タップすれば詳しい事が分かるみたいだね。始めて知った)

 詳細には、『防御時の衝撃を緩和する』と書かれていた。
 その他に軽減率もあり小、中、大、極と上にいくにつれて能力が向上するらしく、今回のアイテムには記載がない無印なので少より下ということだそうだ。

 詳細を閉じ再び画面を見ると、丁度魔石を拾い終わり宝箱の前に集まっているところだった。
 皆一様に宝箱の輝きに見とれている様子。

『じゃっ開けるぞ!』

 ホレスが皆を見渡した後、宝箱の蓋を開けようとした時横から声が掛かった。

『ホレス、念のため罠が無いか確認してもいいか?』

『あっああ、確認してくれ』

 宝箱からホレスが横へ移動するとポールが宝箱に近づき鍵穴を弄り始めた。
 数秒後、宝箱から離れるとホレスに向かて声を掛ける。

『どうやらこの宝箱には罠は掛かっていないようだ』

『そうか……なら開けるぞ』

 再びホレスが蓋に手を掛けて持ち上げると中には湾曲した黄色いサーベルと丸いく青銅色の盾が入っていた。
 徐にホレスが湾曲した剣を取り出すと口を開く。

『おい見てみろよ。魔剣の類じゃないがかなりレアな物だぞ!!』

『ちょっ俺にも見せてくれ!』

 ホレスの発言に反応したマティスがサーベルを受け取ると色んな角度から眺めては真剣な面持ちを見せる。
 対して盾を宝箱から取り出したのはポールで盾を叩いて感触を確かめているようで、一通り見終わるとゴードンに渡した。
 それからお互いに剣と盾を交換し全員で確認した後ホレスが口を開いた。

『4階層でこの装備だ、間違いなくこのダンジョンは稼げる。それでこの装備だが……俺が使っていいか?』

 ホレスの手に握られているのは湾曲したサーベル。
 黄色を基調とした色合いのサーベルで湾曲した刀身が美しい一品だ。
 因みにレア度は2ということらしい。
 それでも美しい武器に違いない……多分。

『ホレスならそう言うと思ったよ』

『だな』

『ホレスだしな』

『悪いなみんな』

 照れ顔を見せながら新たに腰へ装備された『黄剣トーチ』。
 お次は手に視線が集まるが皆頷きながら代わりにホレスが代弁する。

『その盾はマティスいきだな』

『そうだな』

『斥候の俺じゃ意味ないしな。活用できるのはマティスくらいだろう』

『俺か? ……わかった』

 皆に勧められたマティスは現在の盾を外し床へ置くと左手に『ブティの盾』を装備した。

『それで今後についてだが、ここに間隔をあけてくる事にするがいいか?』

『そんなもんいいに決まってるだろ』

『ああ、今度は短剣とかドロップしないかな』

『そうだな俺もこのメイスじゃ物足りないしな』

 メンバーの言葉を聞き頷くホレス。

『今後もここに来るとしてだが、レインホーンの奴らの目を盗んでこないといけない。この意味が分かるな?』

 皆真剣な顔をさせて頷き合う。
 ひとしきり皆で話をした後、ホレスが締めの言葉を口にする。

『んじゃ帰るとするか!!』

 口々に言葉を返すと冒険者達は引き返して行った。

「中々の良い評価がもらえたんじゃないかな。それにまた来るとか言ってたけどDP的には今回みたく長時間潜ってくれれば収支的にはプラスなんだよね。次回の働きしだいかな」

 管理画面の残りDPを見ると2万を少し切るぐらい。
 今回の投資で6千DPでDP吸収が6千とちょっとなのでぎりぎりプラス収入だ。
 彼らの滞在時間が延びればもっと収入が増えるのだが冒険者も人間、休憩は必要だ。

(吸収補正が70%掛かって4人って事は…………もういいや考えるのは暇な時にでもしよ)

 考える事を放棄したあたしは[侵入者]タブを見て冒険者達を見送るのだった。
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