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4章 交渉編
43話 冒険者が迷い込みました
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ガチャで当たった魔物の卵を使い金剛アントと妃眼のヴァジリスクを召喚すると早々25階層へ転移させた。
残り7万DPを慎重に使いながらヴァジリスクが住みやすいよう洞窟や巨石やらをポンポン配置する。
洞窟は大きいものと中くらいのものを二つずつ設置したお陰で最終的には手持ちのDPが2万を切った。
(これでヴァジリスクちゃんは大丈夫でしょ。それと魔物って何か食べるのかな?)
ふと疑問に思ったが気にしないように頭を振る。
暫く管理画面を覗いていると侵入者の通知が入った。
「また侵入者か……どれどれ」
≪侵入者ぁ~? あっ本当だ確かに侵入してる≫
あたしの呟くような言葉が響くとすかさずタマちゃんが反応した。
画面を[侵入者]タブへ切り替えるとそこには四人組の男達が確認できた。
それと暇がある時に説明欄をちょくちょく見ているのだが、どうやらこのダンジョンレベルが上がると色々と機能が追加されるらしい。
レベル2の時は特に追加されなかったが、レベル3は一つ追加された機能がある。
それはというとこれだ。
『マジかよ、こんな所にダンジョンがあるなんてな』
『レインホーンの奴らがこそこそしていると思ったらまさかダンジョンを独り占めとはな』
『全くだぜ、こんな近場にダンジョンがあるなんてよ。最高の狩場じゃねーか』
『これでお宝の一つや二つ見つければ一攫千金も夢じゃないぜ!!』
『うっし、そうと決まれば早速探索するぞおめぇら』
『おう』
『よっしゃぁあ!!』
『いくぜぇーお宝まっとけよ!!』
という感じに侵入者の会話を盗み聞きできるというわけだ。
実に素晴らしい。
これから侵入者が入って来る度に聞き放題だ。
「さてこの冒険者達はっと……なるほどなるほど。冒険者ランクは全員D級で『貪る者』っていうパーティー名らしい」
見るからに弱そうな冒険者が侵入してきたようだ。
それぞれホレス、マティム、ポール、ゴードンという冒険者でホレスとマティムが長剣に盾をポールが短剣、ゴードンがメイスを装備していた。
只今一階層を探索中でここはゴブリンやスケルトンなどの優しい魔物で構成されている。
勿論、初心者のことを考え配慮して作られているので余程の事がない限りそうそうやられたりしないだろう。
(まぁ何事にも例外ってやつはあるんだけどね)
画面には冒険者『貪る者』が複数のゴブリンを倒して大はしゃぎしているところだった。
『おりゃぁぁああああ!! くたばれゴブリンがあああ』
『これで終わりだな』
『つーかホレスよ、もうちっと静かに倒せんのか?』
『んだよ。文句でもあんのか? これが俺のいつも通りなんだよ』
正直、見ているこっちも迷惑なんですけどね。
暫く探索すると二階層への階段をポールが見つけた。
『おーい! こっちに階段があるぞぉー』
『おお、流石ポールだな』
『よっし一階層には特にお宝なんてなかったから次に期待だな』
皆口々にお宝お宝言って二階層へ下りて行く『貪る者』である。
「仕方ない、お宝を出してあげますか」
画面を操作して二階層で『貪る者』が通りそうな通路へ一体アサシンゴブリンを召喚させ影に忍ばす。
このアサシンゴブリンを倒したら宝箱が出現するように設定して中には安物のナイフを入れておいた。
因みに今回だけ特別に出現確率を100%にしてある。
通路を進みゴブリンを長剣で切り倒しながら進むと例のアサシンゴブリンが潜んでいる場所へやって来た。
アサシンゴブリンは見た目こそ同じだが通常ゴブリンの持つ棍棒が長い短剣になっており、俊敏性と隠密性が優れた魔物だ。
その分、持久力が劣るが些細な問題だろう。
角で待ち伏せしているアサシンゴブリンに逸早く気づいたのは同じく斥候役であろうポールだった。
『おいちょっとまて!! あそこの角に何かいる気がする』
『ホントか?』
『ああ、ちょっと行ってみるから援護を頼む』
『わかった』
ポールが忍び足で角まで進むと勢いよく飛び出し角を曲がった。
『…………おわっ! この野郎!!』
ポールとアサシンゴブリンが数回切り結ぶとあっさりとポールが首を突き差した。
首に短剣が刺さったアサシンゴブリンは砂のように崩れるとそこには木製の木箱と魔石が一つ落ちていた。
『大丈夫か?』
『おう! まさかアサシンゴブリンが出て来るとは予想外だったが案外弱かったな。それに宝箱も手に入れたし』
『マジか!?』
『マジだ! ほれ』
ポールの右手には小さい木箱と魔石が握られている。
他のメンバーもポールに称賛を送ると早々お宝を確認すべく集まってきた。
皆の前で箱を開けるとそこにはごく普通のナイフが入っておりポールが掴むと色んな角度から眺めている。
「まあその短剣は安物だから幾ら色んな角度から見たって変わらないんだけどねぇ~」
あたしはニヤニヤした顔で再び画面を覗き込む。
『うーん、ただのナイフだな』
『そうだな』
『まあ気にするな。というか2階層で早々良いアイテムがドロップするわけないだろ期待し過ぎだ』
『だなまだ2階層だしこれからだよな』
『そうそう、よし次行くぞ!!』
『おうよ』
(次があるかどうかはあたしの気分次第なんだけどねぇ)
口元がニヤケ過ぎて少々頬が痛くなったのは気のせいではないだろう。
残り7万DPを慎重に使いながらヴァジリスクが住みやすいよう洞窟や巨石やらをポンポン配置する。
洞窟は大きいものと中くらいのものを二つずつ設置したお陰で最終的には手持ちのDPが2万を切った。
(これでヴァジリスクちゃんは大丈夫でしょ。それと魔物って何か食べるのかな?)
ふと疑問に思ったが気にしないように頭を振る。
暫く管理画面を覗いていると侵入者の通知が入った。
「また侵入者か……どれどれ」
≪侵入者ぁ~? あっ本当だ確かに侵入してる≫
あたしの呟くような言葉が響くとすかさずタマちゃんが反応した。
画面を[侵入者]タブへ切り替えるとそこには四人組の男達が確認できた。
それと暇がある時に説明欄をちょくちょく見ているのだが、どうやらこのダンジョンレベルが上がると色々と機能が追加されるらしい。
レベル2の時は特に追加されなかったが、レベル3は一つ追加された機能がある。
それはというとこれだ。
『マジかよ、こんな所にダンジョンがあるなんてな』
『レインホーンの奴らがこそこそしていると思ったらまさかダンジョンを独り占めとはな』
『全くだぜ、こんな近場にダンジョンがあるなんてよ。最高の狩場じゃねーか』
『これでお宝の一つや二つ見つければ一攫千金も夢じゃないぜ!!』
『うっし、そうと決まれば早速探索するぞおめぇら』
『おう』
『よっしゃぁあ!!』
『いくぜぇーお宝まっとけよ!!』
という感じに侵入者の会話を盗み聞きできるというわけだ。
実に素晴らしい。
これから侵入者が入って来る度に聞き放題だ。
「さてこの冒険者達はっと……なるほどなるほど。冒険者ランクは全員D級で『貪る者』っていうパーティー名らしい」
見るからに弱そうな冒険者が侵入してきたようだ。
それぞれホレス、マティム、ポール、ゴードンという冒険者でホレスとマティムが長剣に盾をポールが短剣、ゴードンがメイスを装備していた。
只今一階層を探索中でここはゴブリンやスケルトンなどの優しい魔物で構成されている。
勿論、初心者のことを考え配慮して作られているので余程の事がない限りそうそうやられたりしないだろう。
(まぁ何事にも例外ってやつはあるんだけどね)
画面には冒険者『貪る者』が複数のゴブリンを倒して大はしゃぎしているところだった。
『おりゃぁぁああああ!! くたばれゴブリンがあああ』
『これで終わりだな』
『つーかホレスよ、もうちっと静かに倒せんのか?』
『んだよ。文句でもあんのか? これが俺のいつも通りなんだよ』
正直、見ているこっちも迷惑なんですけどね。
暫く探索すると二階層への階段をポールが見つけた。
『おーい! こっちに階段があるぞぉー』
『おお、流石ポールだな』
『よっし一階層には特にお宝なんてなかったから次に期待だな』
皆口々にお宝お宝言って二階層へ下りて行く『貪る者』である。
「仕方ない、お宝を出してあげますか」
画面を操作して二階層で『貪る者』が通りそうな通路へ一体アサシンゴブリンを召喚させ影に忍ばす。
このアサシンゴブリンを倒したら宝箱が出現するように設定して中には安物のナイフを入れておいた。
因みに今回だけ特別に出現確率を100%にしてある。
通路を進みゴブリンを長剣で切り倒しながら進むと例のアサシンゴブリンが潜んでいる場所へやって来た。
アサシンゴブリンは見た目こそ同じだが通常ゴブリンの持つ棍棒が長い短剣になっており、俊敏性と隠密性が優れた魔物だ。
その分、持久力が劣るが些細な問題だろう。
角で待ち伏せしているアサシンゴブリンに逸早く気づいたのは同じく斥候役であろうポールだった。
『おいちょっとまて!! あそこの角に何かいる気がする』
『ホントか?』
『ああ、ちょっと行ってみるから援護を頼む』
『わかった』
ポールが忍び足で角まで進むと勢いよく飛び出し角を曲がった。
『…………おわっ! この野郎!!』
ポールとアサシンゴブリンが数回切り結ぶとあっさりとポールが首を突き差した。
首に短剣が刺さったアサシンゴブリンは砂のように崩れるとそこには木製の木箱と魔石が一つ落ちていた。
『大丈夫か?』
『おう! まさかアサシンゴブリンが出て来るとは予想外だったが案外弱かったな。それに宝箱も手に入れたし』
『マジか!?』
『マジだ! ほれ』
ポールの右手には小さい木箱と魔石が握られている。
他のメンバーもポールに称賛を送ると早々お宝を確認すべく集まってきた。
皆の前で箱を開けるとそこにはごく普通のナイフが入っておりポールが掴むと色んな角度から眺めている。
「まあその短剣は安物だから幾ら色んな角度から見たって変わらないんだけどねぇ~」
あたしはニヤニヤした顔で再び画面を覗き込む。
『うーん、ただのナイフだな』
『そうだな』
『まあ気にするな。というか2階層で早々良いアイテムがドロップするわけないだろ期待し過ぎだ』
『だなまだ2階層だしこれからだよな』
『そうそう、よし次行くぞ!!』
『おうよ』
(次があるかどうかはあたしの気分次第なんだけどねぇ)
口元がニヤケ過ぎて少々頬が痛くなったのは気のせいではないだろう。
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