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2章 侵入者編
22話 スラリンの日常
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私は軟体系の魔物でスライム種です。
始めて目覚めた時は、そこそこ広い部屋の中で虹色が辺りを照らし幻想的な雰囲気でした。
目の前には、祭壇と思われる台に大きな虹色の玉が浮かんでおりその前に、紫の服を着た少女が立っていました。
私は本能でこの方が主であると思いました。
その方からは、独特なオーラが出ており何だかとても安心します。
私は召喚されたらしく、下には消えかけの魔法陣があります。
その後、ご主人様に呼ばれ這いずりながら祭壇前に行くといきなり私にもたれてきました。
これが私の仕事だとはその時は思いもしませんでした。
それからは、ご主人様の下で枕代わりに体を支えます。
それと私には、枕以外にご主人様の護衛の役目もあるそうです。
(ご主人様を私が守らなくちゃ!!)
ご主人様の支えとして日々仕事をしていると、とても嬉しいことがありました。
それはご主人様がダンジョンに新たな魔物を召喚している時でした。
「まあね、でも4階層は広さの割には魔物の数が少ない気がするんだよ。だからDPに余裕がある時にでもちょくちょく足していこうかと思ってるんだけど」
「そう思うよねぇースラリン」
「それはこの子の名前だよ! スラリン可愛いでしょ!! あたしとしてはかなり頑張った……」
ご主人様が私に名前をくれたました。
そのお陰でしょうか、体から力が溢れてきます。
それとご主人様はいつも誰かと話しているようですが、私には聞こえません。
私には一つ悩みがあります。
それはご主人様とお話しできない事です。
ご主人様の言葉はわかるのですが私自身言葉を発することができないので、体の表面を波打たせるぐらいでしか意思表現ができないのがとても悔しいです。
その頃からあれこれ触手を使い意思疎通できるよう努力しましたが、今だ努力が実ることはありません。
暫く経った日、ご主人様がダンジョンの中を探索するようなので連れて行ってもらおうと這いずってご主人様にアピールしました。
足に纏わりつきアピールに成功すると一緒にダンジョンを探索しました。
その際、嬉しさ余って飛び跳ねてしまいご主人様に注意を受けてしまったことは内緒です。
転移で移動した後、ご主人様が始めてお願いをしてきました。
「ねぇスラリンにちょっとお願いがあるんだけど、あたしを乗せて移動とかってできたりする?」
ご主人様のお願いに私は必要とされている喜びを感じました。
自然と体も激しく波打ちます。
ご主人様を乗せダンジョンを走り抜け様々な魔物と会いました。
ダンジョン内を探索し終えると虹色に光る玉がある場所に帰ってきました。
それから暫く経ちここのダンジョンに侵入者が入って来たとご主人様が驚きます。
侵入者の防衛に私も加わることになりました。
私の出番がきてご主人様と四階層へ向かいます。
そこで侵入者に対してご主人様の合図で飛び出すと侵入者は走って逃げて行きました。
(私が居る限りご主人様には一歩たりとも近づけさせません!!)
転移でご主人様の下へ戻ると再びご主人様の枕になります。
突然ご主人様が声を上げて起き上がると『いべんと』というのが始まったそうです。
その『いべんと』でも嬉しい事に私の出番がありました。
白い線から先にある丸い的へ細長い針を投げる仕事です。
特に的にある小さい点に当てる事が私の最大の仕事のようです。
黒いテーブルから針を取り出し的を狙います。
赤、青、黄の的の点には命中させることができました。
ですがその次に現れた白色と黒色の的には中々当てられませんでした。
偶然、白色の点に当てる事ができご主人様が喜んでいました。
それからご主人様に喜んでもらおうと奮闘しますが中々当たってはくれません。
時間ぎりぎりで白の点に当てる事が出来ましたがご主人様は気づいていないようでちょっぴり残念でした。
どうやらご主人様は『いべんと』で貰った報酬で召喚をするそうです。
魔法陣からは丸い球体に緑色の物体が周りをまわる謎の魔物が出て来ました。
ご主人様の話ではレベルメンターというらしいです。
更に二回目は、黒い服を着たヴァンパイアが出て来ました。
そのヴァンパイアは、此方をチラリと向くと視線を戻しました。
あのヴァンパイアは私の事を一瞬ですが見ました。
(どうやらこのポジションを狙っていると見えます……絶対渡しません!!)
その後、ご主人様の枕をして過ごしているとまたもや驚いた様子で叫ぶご主人様。
前回より深刻なお顔をしているので私も緊張してきました。
ダンジョンに侵入して来たのは、ギルドマスターというものでご主人様と同じマスターがついているので相当大変な状況になっているのだとわかりました。
ダンジョンを進んで行くギルドマスターをヴァンパイアが別の部屋に転移させたようです。
それからヴァンパイアがこの部屋に戻て来るとご主人様と侵入者の対談が調ったと言いました。
(あのヴァンパイアはご主人様を危険に晒そうとしている。そんなこと私が許しません!!)
次第に怒りがふつふつと沸いてきました。
怒りをぶつけるようヴァンパイアに殺気を向けてしまいました。
私の殺気を感じたヴァンパイアの顔がみるみる青くなっていきました。
(ふん! ご主人様を危険に晒そうとしている罰よ)
ご主人様が対話を決断すると私も一緒に行くことになりました。
(何かあった時は、私がご主人様を守らなきゃ!! このヴァンパイアは信用できない!!)
ギルドマスターという者との対話はつつがなく終わりました。
どうやらご主人様も相当お疲れのご様子。
(ご主人様お疲れ様でした)
心の中で労いの言葉をかけました。
それから私はご主人様の枕をする日常へ戻ります。
始めて目覚めた時は、そこそこ広い部屋の中で虹色が辺りを照らし幻想的な雰囲気でした。
目の前には、祭壇と思われる台に大きな虹色の玉が浮かんでおりその前に、紫の服を着た少女が立っていました。
私は本能でこの方が主であると思いました。
その方からは、独特なオーラが出ており何だかとても安心します。
私は召喚されたらしく、下には消えかけの魔法陣があります。
その後、ご主人様に呼ばれ這いずりながら祭壇前に行くといきなり私にもたれてきました。
これが私の仕事だとはその時は思いもしませんでした。
それからは、ご主人様の下で枕代わりに体を支えます。
それと私には、枕以外にご主人様の護衛の役目もあるそうです。
(ご主人様を私が守らなくちゃ!!)
ご主人様の支えとして日々仕事をしていると、とても嬉しいことがありました。
それはご主人様がダンジョンに新たな魔物を召喚している時でした。
「まあね、でも4階層は広さの割には魔物の数が少ない気がするんだよ。だからDPに余裕がある時にでもちょくちょく足していこうかと思ってるんだけど」
「そう思うよねぇースラリン」
「それはこの子の名前だよ! スラリン可愛いでしょ!! あたしとしてはかなり頑張った……」
ご主人様が私に名前をくれたました。
そのお陰でしょうか、体から力が溢れてきます。
それとご主人様はいつも誰かと話しているようですが、私には聞こえません。
私には一つ悩みがあります。
それはご主人様とお話しできない事です。
ご主人様の言葉はわかるのですが私自身言葉を発することができないので、体の表面を波打たせるぐらいでしか意思表現ができないのがとても悔しいです。
その頃からあれこれ触手を使い意思疎通できるよう努力しましたが、今だ努力が実ることはありません。
暫く経った日、ご主人様がダンジョンの中を探索するようなので連れて行ってもらおうと這いずってご主人様にアピールしました。
足に纏わりつきアピールに成功すると一緒にダンジョンを探索しました。
その際、嬉しさ余って飛び跳ねてしまいご主人様に注意を受けてしまったことは内緒です。
転移で移動した後、ご主人様が始めてお願いをしてきました。
「ねぇスラリンにちょっとお願いがあるんだけど、あたしを乗せて移動とかってできたりする?」
ご主人様のお願いに私は必要とされている喜びを感じました。
自然と体も激しく波打ちます。
ご主人様を乗せダンジョンを走り抜け様々な魔物と会いました。
ダンジョン内を探索し終えると虹色に光る玉がある場所に帰ってきました。
それから暫く経ちここのダンジョンに侵入者が入って来たとご主人様が驚きます。
侵入者の防衛に私も加わることになりました。
私の出番がきてご主人様と四階層へ向かいます。
そこで侵入者に対してご主人様の合図で飛び出すと侵入者は走って逃げて行きました。
(私が居る限りご主人様には一歩たりとも近づけさせません!!)
転移でご主人様の下へ戻ると再びご主人様の枕になります。
突然ご主人様が声を上げて起き上がると『いべんと』というのが始まったそうです。
その『いべんと』でも嬉しい事に私の出番がありました。
白い線から先にある丸い的へ細長い針を投げる仕事です。
特に的にある小さい点に当てる事が私の最大の仕事のようです。
黒いテーブルから針を取り出し的を狙います。
赤、青、黄の的の点には命中させることができました。
ですがその次に現れた白色と黒色の的には中々当てられませんでした。
偶然、白色の点に当てる事ができご主人様が喜んでいました。
それからご主人様に喜んでもらおうと奮闘しますが中々当たってはくれません。
時間ぎりぎりで白の点に当てる事が出来ましたがご主人様は気づいていないようでちょっぴり残念でした。
どうやらご主人様は『いべんと』で貰った報酬で召喚をするそうです。
魔法陣からは丸い球体に緑色の物体が周りをまわる謎の魔物が出て来ました。
ご主人様の話ではレベルメンターというらしいです。
更に二回目は、黒い服を着たヴァンパイアが出て来ました。
そのヴァンパイアは、此方をチラリと向くと視線を戻しました。
あのヴァンパイアは私の事を一瞬ですが見ました。
(どうやらこのポジションを狙っていると見えます……絶対渡しません!!)
その後、ご主人様の枕をして過ごしているとまたもや驚いた様子で叫ぶご主人様。
前回より深刻なお顔をしているので私も緊張してきました。
ダンジョンに侵入して来たのは、ギルドマスターというものでご主人様と同じマスターがついているので相当大変な状況になっているのだとわかりました。
ダンジョンを進んで行くギルドマスターをヴァンパイアが別の部屋に転移させたようです。
それからヴァンパイアがこの部屋に戻て来るとご主人様と侵入者の対談が調ったと言いました。
(あのヴァンパイアはご主人様を危険に晒そうとしている。そんなこと私が許しません!!)
次第に怒りがふつふつと沸いてきました。
怒りをぶつけるようヴァンパイアに殺気を向けてしまいました。
私の殺気を感じたヴァンパイアの顔がみるみる青くなっていきました。
(ふん! ご主人様を危険に晒そうとしている罰よ)
ご主人様が対話を決断すると私も一緒に行くことになりました。
(何かあった時は、私がご主人様を守らなきゃ!! このヴァンパイアは信用できない!!)
ギルドマスターという者との対話はつつがなく終わりました。
どうやらご主人様も相当お疲れのご様子。
(ご主人様お疲れ様でした)
心の中で労いの言葉をかけました。
それから私はご主人様の枕をする日常へ戻ります。
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