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1章 準備編
10話 ダンジョンお披露目式
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「それでダンジョン開通って具体的にはどうするの?」
最終確認を入念に行いやっとここまできた。
≪具体的にって言われてもレイのする事は基本ないからね≫
どうやらあたしの出番は此処までらしい。
「あっそうなの? てっきり何かするのかと思ってた」
道理で管理メニューや説明欄を見てもそちら方面について書かれていないと思った。
(あたしの仕事は此処までってことか)
≪マスターは基本、ダンジョン運営をするのが仕事だから開通や拡大はこっちの仕事だね≫
(ん? 拡大ってなんの拡大? ダンジョン?)
「開通は分かったけどその拡大ってなに?」
≪拡大って言うのはダンジョンを大きくする意味での拡大ね。今は下に直接大きくなってるけど、開通してからは横にも大きくすることができるんだよ≫
(ほほぉー下に横に大きくなれるなら上にも大きくなれるかな? 具体的に塔型とかちょっとロマンがある)
タマちゃんの説明は続く。
≪横にって言ってもダンジョン自体の幅がそのまま大きくなるんじゃなくて、魔導ラインっていうのが張り巡らされるんだ≫
(魔導ラインとは始めて聞く言葉だねぇ。ラインとかマジそそるじゃないですか!)
≪因みに説明すると魔導ラインは、周辺の魔力を吸収してダンジョンに取り込む為のものを言うからね≫
(簡単にいうと、周辺の魔力を吸って成長するということかな。ここで成長補正とか出てきそう)
≪この魔力でダンジョン自体や魔物の成長に繋がる大事なラインなんだ! 成長補正はここにも補正されたりするね≫
(ほら来た!)
「なるほど、それであたしは何もしなくてもいい訳ね?」
≪うん。開通に関しては1階層に地上とつなげる入口を作るだけだから簡単だよ。それよりは繋がってからのことを考えた方がいいかもね≫
気候を設定した時、周辺には村とか街とかが建っている様子は見られなかった。
(それどころか周辺には人の気配すらなかったし、開通しても誰も来ないってパターンありそう)
「それじゃー開通式行ってみましょうか!!」
すると、タマちゃんが爆弾発言をしてきた。
≪えっ! もう開通しちゃったよ?≫
「おいぃぃーー!? なにやってんの!? まだオープンセレモニーやってないじゃん!! 早くもどして!!」
≪うっうん戻すよ≫
(どうやら戻るらしい……油断するとすぐこれだ!)
「うむ、では開通式を執り行います。と言っても特にする事もないんだよね。じゃお願いしまーす!!」
≪ええぇ~なら別に戻さなくてよかったんじゃないかなぁ≫
ごねるタマちゃんを説得する。
「こういうのはね、気持ちが大切なんだよ! これから始めますって時こそ身を引き締めるのには必要な行事なんです。お分かり頂けましたかな?」
≪……そんなだらけた姿のレイに言われても説得力ないよ≫
スライムことスラリンの上に沈み込むようにして寝っ転がり管理画面を覗く。
「あたしはやる事ないみたいだしいいんだよ」
≪こういう時だけなんかズルいよねー≫
それからタマちゃんと適当に話した後、本題に入る。
「んじゃよろしく」
≪……わかったそれじゃ……≫
「あっちょっと待って!」
≪うぅー今度は何?≫
「折角開通式する訳じゃん? ならそれっぽい演出してよ」
≪えぇー……しょうがないなぁ~では≫
タマちゃんがまばゆい光を放ち始めた。
「おおぉーなんかそれっぽい!」
≪それっぽいってなにさぁー≫
少々不機嫌な様子だが虹色の光が辺り一面を照らし、なんとも言えぬ幻想的な雰囲気を醸し出す。
暫く発光した後、通常の光量に戻った。
「終わり?」
≪うん≫
(開通のかの字もないよね、ただ光っただけだし)
「まあぁ開通はしたとしてこれからどうしよっかなぁーそう言えば周辺に生物らしものは見かけなかったけど何も入って来ないとかないよね?」
≪…………≫
「ちょっ! なんか反応してよ!!」
スラリンから体を起こし祭壇をドンドンと叩く。
≪ああーもう台叩かないでって何度も言ってるのになんで叩くかなぁー絶対わざとでしょ?≫
「タマちゃんが反応してくれなかったから悪いんだよ。あたしは悪くない」
再びスラリンへ体を預けて沈み込む。
試しに管理画面の[侵入者]のタブを押すが特に変わったことはない。
≪気軽に待つしかないいんじゃないかなぁーあっライン引かないと……ちょっと忙しくなるから話掛けないでね≫
タマちゃんが黙り込むと辺りに静寂が生まれる。
(絶対逃げたね)
それから管理メニューを覗くがやる事もなくスラリンと戯れる。
スラリンはなかなか感触よくプルプルしていて体の密着具合がとても素晴らしい。
(流石100万DPは伊達じゃないわね)
頬刷りをしたり抓ったりするが次第に暇を持て余す。
(ヤバい……暇だ)
眠くなることもお腹が減ることもなく時間だけが過ぎていく。
(ちょっと各階層を見て回ろうかな。今のコア部屋は最下層だから直接四階層に向かうとするか)
[階層]タブを押しまず四階層へ移動することにした。
勿論ダンジョンマスターは階層間の移動は転移で一瞬だ。
体を起こし立ち上がると凄まじい気だるさが襲ってくる。
(うげ、久々に立ったから凄いだるい。と言うかスラリンが快適過ぎるから、今後の活動に影響が出てきそうでちょっと怖い)
「ちょっとダンジョン内を見回ってくるからねぇー」
≪…………≫
一応タマちゃんに声を掛けるが反応がない。
返事がないが四階層の画面を開いた状態で転移しようとしが、足元にスラリンが纏わりついてきた。
「なに? スラリンも一緒に行きたいの?」
あたしが問いかけるとスラリンの表面が勢いよく波打つ。
(どんだけ一緒に行きたいのよ。タマちゃんとは大違い)
ちょっとビックリするくらいの反応するスラリン。
「よしよし、一緒に行きたいのねぇ。じゃ一緒にダンジョン回ろっか?」
再びスラリンへ問いかけると今度は飛び跳ねだした。
「わかったから近くで飛び跳ねるのはなしで」
すると勢いよく波打っていた表面が緩やかになる。
(スラリンは分かり易い性格だなぁーそこが可愛いんだけどね)
画面をタップしスラリンと共に四階層へ転移した。
最終確認を入念に行いやっとここまできた。
≪具体的にって言われてもレイのする事は基本ないからね≫
どうやらあたしの出番は此処までらしい。
「あっそうなの? てっきり何かするのかと思ってた」
道理で管理メニューや説明欄を見てもそちら方面について書かれていないと思った。
(あたしの仕事は此処までってことか)
≪マスターは基本、ダンジョン運営をするのが仕事だから開通や拡大はこっちの仕事だね≫
(ん? 拡大ってなんの拡大? ダンジョン?)
「開通は分かったけどその拡大ってなに?」
≪拡大って言うのはダンジョンを大きくする意味での拡大ね。今は下に直接大きくなってるけど、開通してからは横にも大きくすることができるんだよ≫
(ほほぉー下に横に大きくなれるなら上にも大きくなれるかな? 具体的に塔型とかちょっとロマンがある)
タマちゃんの説明は続く。
≪横にって言ってもダンジョン自体の幅がそのまま大きくなるんじゃなくて、魔導ラインっていうのが張り巡らされるんだ≫
(魔導ラインとは始めて聞く言葉だねぇ。ラインとかマジそそるじゃないですか!)
≪因みに説明すると魔導ラインは、周辺の魔力を吸収してダンジョンに取り込む為のものを言うからね≫
(簡単にいうと、周辺の魔力を吸って成長するということかな。ここで成長補正とか出てきそう)
≪この魔力でダンジョン自体や魔物の成長に繋がる大事なラインなんだ! 成長補正はここにも補正されたりするね≫
(ほら来た!)
「なるほど、それであたしは何もしなくてもいい訳ね?」
≪うん。開通に関しては1階層に地上とつなげる入口を作るだけだから簡単だよ。それよりは繋がってからのことを考えた方がいいかもね≫
気候を設定した時、周辺には村とか街とかが建っている様子は見られなかった。
(それどころか周辺には人の気配すらなかったし、開通しても誰も来ないってパターンありそう)
「それじゃー開通式行ってみましょうか!!」
すると、タマちゃんが爆弾発言をしてきた。
≪えっ! もう開通しちゃったよ?≫
「おいぃぃーー!? なにやってんの!? まだオープンセレモニーやってないじゃん!! 早くもどして!!」
≪うっうん戻すよ≫
(どうやら戻るらしい……油断するとすぐこれだ!)
「うむ、では開通式を執り行います。と言っても特にする事もないんだよね。じゃお願いしまーす!!」
≪ええぇ~なら別に戻さなくてよかったんじゃないかなぁ≫
ごねるタマちゃんを説得する。
「こういうのはね、気持ちが大切なんだよ! これから始めますって時こそ身を引き締めるのには必要な行事なんです。お分かり頂けましたかな?」
≪……そんなだらけた姿のレイに言われても説得力ないよ≫
スライムことスラリンの上に沈み込むようにして寝っ転がり管理画面を覗く。
「あたしはやる事ないみたいだしいいんだよ」
≪こういう時だけなんかズルいよねー≫
それからタマちゃんと適当に話した後、本題に入る。
「んじゃよろしく」
≪……わかったそれじゃ……≫
「あっちょっと待って!」
≪うぅー今度は何?≫
「折角開通式する訳じゃん? ならそれっぽい演出してよ」
≪えぇー……しょうがないなぁ~では≫
タマちゃんがまばゆい光を放ち始めた。
「おおぉーなんかそれっぽい!」
≪それっぽいってなにさぁー≫
少々不機嫌な様子だが虹色の光が辺り一面を照らし、なんとも言えぬ幻想的な雰囲気を醸し出す。
暫く発光した後、通常の光量に戻った。
「終わり?」
≪うん≫
(開通のかの字もないよね、ただ光っただけだし)
「まあぁ開通はしたとしてこれからどうしよっかなぁーそう言えば周辺に生物らしものは見かけなかったけど何も入って来ないとかないよね?」
≪…………≫
「ちょっ! なんか反応してよ!!」
スラリンから体を起こし祭壇をドンドンと叩く。
≪ああーもう台叩かないでって何度も言ってるのになんで叩くかなぁー絶対わざとでしょ?≫
「タマちゃんが反応してくれなかったから悪いんだよ。あたしは悪くない」
再びスラリンへ体を預けて沈み込む。
試しに管理画面の[侵入者]のタブを押すが特に変わったことはない。
≪気軽に待つしかないいんじゃないかなぁーあっライン引かないと……ちょっと忙しくなるから話掛けないでね≫
タマちゃんが黙り込むと辺りに静寂が生まれる。
(絶対逃げたね)
それから管理メニューを覗くがやる事もなくスラリンと戯れる。
スラリンはなかなか感触よくプルプルしていて体の密着具合がとても素晴らしい。
(流石100万DPは伊達じゃないわね)
頬刷りをしたり抓ったりするが次第に暇を持て余す。
(ヤバい……暇だ)
眠くなることもお腹が減ることもなく時間だけが過ぎていく。
(ちょっと各階層を見て回ろうかな。今のコア部屋は最下層だから直接四階層に向かうとするか)
[階層]タブを押しまず四階層へ移動することにした。
勿論ダンジョンマスターは階層間の移動は転移で一瞬だ。
体を起こし立ち上がると凄まじい気だるさが襲ってくる。
(うげ、久々に立ったから凄いだるい。と言うかスラリンが快適過ぎるから、今後の活動に影響が出てきそうでちょっと怖い)
「ちょっとダンジョン内を見回ってくるからねぇー」
≪…………≫
一応タマちゃんに声を掛けるが反応がない。
返事がないが四階層の画面を開いた状態で転移しようとしが、足元にスラリンが纏わりついてきた。
「なに? スラリンも一緒に行きたいの?」
あたしが問いかけるとスラリンの表面が勢いよく波打つ。
(どんだけ一緒に行きたいのよ。タマちゃんとは大違い)
ちょっとビックリするくらいの反応するスラリン。
「よしよし、一緒に行きたいのねぇ。じゃ一緒にダンジョン回ろっか?」
再びスラリンへ問いかけると今度は飛び跳ねだした。
「わかったから近くで飛び跳ねるのはなしで」
すると勢いよく波打っていた表面が緩やかになる。
(スラリンは分かり易い性格だなぁーそこが可愛いんだけどね)
画面をタップしスラリンと共に四階層へ転移した。
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