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1章 準備編

6話 ダンジョンを増築します

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 イベントが終了して大分DPに余裕が出てきた。
 現在の所持DPは74612pt。
 これだけ溜まれば階層を弄ってみるのもいいだろう。

(そのついでに報酬でゲットした上級ポーションと魔剣を宝箱に設置して見るのも面白いかもしれない)

 今このダンジョンは三階層になっており最下層にコアがある状態だ。
 一階層、二階層にはそれぞれ生成した魔物が待機している。

(まずは増築からだね……取り敢えず10階層は欲しいとこ)

 [階層]タブへ移動し増築ボタンを押すと、次の階層を増やすのに必要なDPは1000ptだ。

(だが、今のあたしに1000DPなど痛くも痒くもない!)

 ボタンを押し承認されると階層が増え、次の階層は要求DPは1500ptだ。
 増築する度に要求ptが高くなるようだ。

 最終的に10階層分拡張し、その時点で34600pt消費した。

(一気に貧乏になった気がする……)

 現在の所持DPは増築費用を引き残り40012pt。
 この残りポイントで今後やり繰りしないといけない。

 画面には10階層分の立体マップが表示されており、待機している魔物も階層ごとに詳しく種族と個体数が載っている。

「ああぁー増築したはいいけどこの後なにしよぉ~」

≪そうだねぇー取り敢えず10階層まで増やしたなら今度は内装を弄ってみたら?≫

「その手があったか!!」

 [階層]タブには増築、拡大、内装、気候、など細かく分けられその内、内装をタップすると各階層のデザインや通路、質感に罠など更に細かい設定ができるようだ。

「これは楽しくなってきた!」

 もたれていた祭壇から身を起こしまずは一階層から内装を着手し始める。

「一階層はやっぱり初心者用お試し部屋の要素を大きくだして……っとその前に魔物移動させないと」

 一階層の魔物に避難するよう管理メニューで指示を出し移動させるとマップを見て魔物をがいないことを確認すると始めに通路を作成していく。
 クリエイトモードで内装をあれこれ弄って作成した後、確定ボタンを押すとDP2080pt消費の確認画面が表示されタップして承認した。

「これで一階層はいいとして、次は二階層か」

 初心者用ということで通路を多くし迷路っぽくし、所々に隠蔽された空間がありそこから魔物が湧く仕掛けだ。

 二階層、三階層も延長で入り組んだ通路になっており、三階層から罠を設置。
 それと宝箱を三つずつ設定し中にはショボい短剣を入れた。

 四階層は拡大を使い一部屋を大きくしたものを六つ作り1フロアへくっ付けて森林地帯にした。
 ここには宝箱を所々配置してあり、それもかなり分かりにくく嫌らしい場所に隠した。

(くっくっくっ、こんなとこに宝箱があるとは思わないだろう)

 入り組んだ林の中や木の根元、終いには木の上に設置されている。
 因みに中身についてはDPで安く買った、鉄製の短剣や剣他武器系が適当に入れてある。

 ここまで二階層3300pt、三階層3600pt、四階層14830ptを使い残りDP16202pt。

「大分DP減ったなぁー5階層どうしよっか? ねぇータマちゃん、5階層以降も内装した方がいいかなぁ?」

≪ん? ……四階層まで内装は終わったみたいだね。残りDPどのくらい? ……16000ptかぁ~≫

 タマちゃんに現在の残りDPを教える。

≪残りポイントを考えるとこの辺でいいかもね。内装もだけど肝心の魔物とかも配置しないといけないし≫

「そうなんだよ! そこなんだよ! 魔物のことを考えるとねぇ……この辺でいっか」

 五階層のクリエイトモードを中断し、四階層を調整していく。

 一部屋ずつ拡大してあるため六つの部屋をくっ付けるとかなり広い。
 広さは縦5㎞横10㎞で四角い形で三階層からの入り口を二ヶ所、五階層への出口も二ヶ所設けた。
 
「後はここに森林に居そうな魔物を配置すれば完成っと」

(次は1から3階層までの調整をして終わりかなぁ)

 一階層は特に調整する事もなく、魔物出現ポイントの隠蔽を少々複雑にしたくらいだ。

 二階層も同じ調整をした後、一つだけ大部屋を設けモンスター部屋を作る。

 三階層は四階へ繋ぎの出口を二つと大部屋を三つ。
 罠は各種飛び出し系と落とし穴、反転床を設置。

 この反転床はお安い上に地味にうざいトラップだから結構気に入っている。
 踏んだら逆方向へ反転するシンプルな罠だ。
 フロアに幾つか設置し、精神的にダメージを与えていく作戦だ。
 それと反転床だけじゃなくもう一つ面白い罠を一ヶ所設置してある。
 それは装備外しの床といい、その罠を踏むと装備している物を強制的に外すトラップだ。

(このトラップは地味にお気に入りなんだよなぁー。面倒くさい罠の中では今の所右に出る者はいないはず)

 この階層で罠を追加しお陰でDPを3800ptも使ってしまった。
 因みにこの罠たちは一度発動しても時間と共に再設置されるお利口な子らだ。

(さてこれで4階層までは一通り内装は終わったからタマちゃんの意見を貰うとしますか)

「たまちゃーん、4階層までの内装終わったけどちょっと見てよ」

≪うん。見てみる!≫

 ダンジョンコアには全階層で起きている事や侵入者の有無などが分かるらしい。

≪ふむふむ、結構凝ったねぇーDP大丈夫? これだけのモノを作ってあるから魔物だけが心配だよ≫

「DPならまだ1万2千とちょっと残ってるから大丈夫! それよりどう? 結構な力作が出来たと思うんだけど」

≪うぅーん、いいと思うよ。特にこの罠の場所が絶妙な位置にあるから皆引っかかるね。それと4階層の宝箱の位置はちょっと難しいんじゃないかな? これからまだまだ階層は増える訳だし、ここで渋るのはどうかと思ったりはするけど。それ以外はとても良くできてると思う≫

 罠の場所には特に気を遣い、あからさまにあるのは面白くないので一息ついた後など、油断しそうな場所に設置してある。

(宝箱はちょっと渋過ぎだかねぇー。確かに木箱程度が分かりにくい所に置いてあっても何の意味もないか)

 タマちゃんに指摘された箇所の宝箱を比較的見つけ易い場所に再配置し魔物たむろゾーンに各一つずつ、入口を出た所の脇にも設置した。

「さて内装はこんなもんでしょ! お次は魔物を増やして配置しましょうか」

≪やっと魔物の出番かぁーここまで長かった気がするよ≫

 タマちゃんのぼやきを聞きながら[魔物]のタブへ切り替える。
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