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5章 開拓編
120話 資源
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クリティカが管理する階層で依頼の薬草を手に入れ途中まで他愛ない話をした後、コア部屋に帰還した。
ここ最近留守にしていたので気になってタブを開きダンジョンの状態を確認することにした。
取り分け変化はなさそうで一安心……とはいかなかった。
理由は、現在の総ダンジョンポイントである。
ここ数日でDP回収が効率的になったのか、出発前より桁が一つ増えていた。
「おぉーめっちゃDP増えてるじゃん! やっぱり得意そうな二人に任せて正解だったか。ちょっと話を聞こうかな」
思いの外DPが増えていたのでどういった手腕でここまで増やせたのか念話で聞くとしよう。
何か抜け道みたいなものを発見している可能性もあるし。
という訳で……。
『もしもし、リューエルちゃんはおるかな?』
『はい! こちらリューエル』
『ちょっとダンジョンについて聞きたいんだけど』
『それは丁度良かったです。此方もお耳に入れておいた方が良い案件がございますので』
『案件?』
どうやらリューエルも話があるようでこれは好都合だ。
念話で話すのもいいが転移が使えるのだし、直接本人から聞いた方が記憶に残るだろう。
忙しくなかったら一旦最下層へおいでと念話で伝えた瞬間、即座に転移して来た。
余りの速さに少々驚いたが気にせず質問する。
「あたしが居ない間、何か変わった事なかった? 何でもいいから気になった点でもいいし」
「そうですね……、DP回収効率を良くする為に、セーフティーエリアを複数設けました。お陰でそのフロアで寝泊まりする冒険者が増え、回収効率が上がったと思われます」
「なるほど、セーフティーエリアね。それでこんなにDPが増えたのか。人間牧場とはまた違った構想だけど方向性は同じだね」
「人間牧場?」
「そう、人間牧場。今回リューエルが設置したセーフゾーンは、あくまでも冒険者が休息をとる一時的なものでしょ? 人間牧場っていうのはそれを恒久的にした感じになるんだけど……そうだね、例えばダンジョン内に人の住む場所を作る……とか、ね」
レイの例え話に真剣な面持ちで考え始めた。
自由に作り替えていいとは言え今のところ、このダンジョンに人の住処を作る予定はないので一応釘を差しておく。
「一応言っておくけど、人間牧場はやらないからね」
「そうなんですか? 効率は良さそうですけど」
「それはそうでしょうね。人が住むんだもん。DPだけを考えるならいいアイデア何だろうけど、後々動きにくくなりそうだからなぁ」
とても曖昧な理由だが作る予定はないのでリューエルには忠告しておく。
それから留守の間、変わった事が無かったか訊ねる。
すると以前、資源供給目的で配置したアイアンゴーレムが発見されたという。
リューエルからも話があると言っていたがこのアイアンゴーレムについて意見を聞きたかったようだ。
「アイアンゴーレムが発見されまして、こぞって冒険者がアイアンゴーレム目当てにダンジョンへ来るようになったんです。始めは狩られても数体補充しておけば良かったのですが次第に冒険者の数が増えまして」
「どう対処していいか分からなくなったと?」
「はい」
どうやらDPが跳ね上がったのはセーフティーエリアを設けた以外にもこのアイアンゴーレムが関係していそうだ。
詳しく聞いた感じ、このまま冒険者の数に任せてアイアンゴーレムを大量に出していいものかと思案しているようだ。
アイアンゴーレムに需要があることは、村が建築され始めた時に分かっていた。
なのでアイアンゴーレムが必要ならば増やせばいいと提案したが……。
「その……冒険者の数が余りのも多いので調査したところ、この村以外の場所からも鉱物目当てに冒険者が複数訪れて居るようなんです」
「この村以外っていうと、今わたしが居るペルナインとか?」
「はい、他の場所からも居るでしょうけど、主に大都市からの冒険者がここ最近、増加傾向にあります。ですので余りこれ以上アイアンゴーレムを出現させるのはどうなのかと思いまして」
大都市からの冒険者の流入が激しいらしい。
それもそのはず、このダンジョンの近くにある都市は他に記憶にない。
あっても規模の小さい街だろうが今はまだ地形を把握していないので、もしかしたら大きな街や都市があるのかもしれない。
だが今回はぺルナインからの冒険者が多いとのこと。
「なら次の策と行きますかね。あ、取り敢えずアイアンゴーレムは今のままでいいからね」
鉄の需要が高まり村も早く発展しそうな予感に内心ほくそ笑むレイであった。
ここ最近留守にしていたので気になってタブを開きダンジョンの状態を確認することにした。
取り分け変化はなさそうで一安心……とはいかなかった。
理由は、現在の総ダンジョンポイントである。
ここ数日でDP回収が効率的になったのか、出発前より桁が一つ増えていた。
「おぉーめっちゃDP増えてるじゃん! やっぱり得意そうな二人に任せて正解だったか。ちょっと話を聞こうかな」
思いの外DPが増えていたのでどういった手腕でここまで増やせたのか念話で聞くとしよう。
何か抜け道みたいなものを発見している可能性もあるし。
という訳で……。
『もしもし、リューエルちゃんはおるかな?』
『はい! こちらリューエル』
『ちょっとダンジョンについて聞きたいんだけど』
『それは丁度良かったです。此方もお耳に入れておいた方が良い案件がございますので』
『案件?』
どうやらリューエルも話があるようでこれは好都合だ。
念話で話すのもいいが転移が使えるのだし、直接本人から聞いた方が記憶に残るだろう。
忙しくなかったら一旦最下層へおいでと念話で伝えた瞬間、即座に転移して来た。
余りの速さに少々驚いたが気にせず質問する。
「あたしが居ない間、何か変わった事なかった? 何でもいいから気になった点でもいいし」
「そうですね……、DP回収効率を良くする為に、セーフティーエリアを複数設けました。お陰でそのフロアで寝泊まりする冒険者が増え、回収効率が上がったと思われます」
「なるほど、セーフティーエリアね。それでこんなにDPが増えたのか。人間牧場とはまた違った構想だけど方向性は同じだね」
「人間牧場?」
「そう、人間牧場。今回リューエルが設置したセーフゾーンは、あくまでも冒険者が休息をとる一時的なものでしょ? 人間牧場っていうのはそれを恒久的にした感じになるんだけど……そうだね、例えばダンジョン内に人の住む場所を作る……とか、ね」
レイの例え話に真剣な面持ちで考え始めた。
自由に作り替えていいとは言え今のところ、このダンジョンに人の住処を作る予定はないので一応釘を差しておく。
「一応言っておくけど、人間牧場はやらないからね」
「そうなんですか? 効率は良さそうですけど」
「それはそうでしょうね。人が住むんだもん。DPだけを考えるならいいアイデア何だろうけど、後々動きにくくなりそうだからなぁ」
とても曖昧な理由だが作る予定はないのでリューエルには忠告しておく。
それから留守の間、変わった事が無かったか訊ねる。
すると以前、資源供給目的で配置したアイアンゴーレムが発見されたという。
リューエルからも話があると言っていたがこのアイアンゴーレムについて意見を聞きたかったようだ。
「アイアンゴーレムが発見されまして、こぞって冒険者がアイアンゴーレム目当てにダンジョンへ来るようになったんです。始めは狩られても数体補充しておけば良かったのですが次第に冒険者の数が増えまして」
「どう対処していいか分からなくなったと?」
「はい」
どうやらDPが跳ね上がったのはセーフティーエリアを設けた以外にもこのアイアンゴーレムが関係していそうだ。
詳しく聞いた感じ、このまま冒険者の数に任せてアイアンゴーレムを大量に出していいものかと思案しているようだ。
アイアンゴーレムに需要があることは、村が建築され始めた時に分かっていた。
なのでアイアンゴーレムが必要ならば増やせばいいと提案したが……。
「その……冒険者の数が余りのも多いので調査したところ、この村以外の場所からも鉱物目当てに冒険者が複数訪れて居るようなんです」
「この村以外っていうと、今わたしが居るペルナインとか?」
「はい、他の場所からも居るでしょうけど、主に大都市からの冒険者がここ最近、増加傾向にあります。ですので余りこれ以上アイアンゴーレムを出現させるのはどうなのかと思いまして」
大都市からの冒険者の流入が激しいらしい。
それもそのはず、このダンジョンの近くにある都市は他に記憶にない。
あっても規模の小さい街だろうが今はまだ地形を把握していないので、もしかしたら大きな街や都市があるのかもしれない。
だが今回はぺルナインからの冒険者が多いとのこと。
「なら次の策と行きますかね。あ、取り敢えずアイアンゴーレムは今のままでいいからね」
鉄の需要が高まり村も早く発展しそうな予感に内心ほくそ笑むレイであった。
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