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5章 開拓編
115話 大都市ぺルナイン
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タマちゃんの呆れた発言を軽く受け流した後、村を散策しがてら見て回った。
遠目にだが冒険者ギルドの中の様子を窺ったり、武具店や日常品を販売している店も見学した感じとても豊富な種類の物を扱っていた。
ダンジョンが発見されてからそれ程時間は経っていないのに、物資が充実しているという事はそれ程までに重要だと領主は考えているのだろう。
武具の質もそこそこ悪くはないとクロエも言っていたし、何より村に活気を感じられる。
村をあちこち寄り道をして目的地であるぺルナイン行の馬車停留所に到着した。
数台の馬車が停留しており、数人の乗客と思しき者達が出発するのを待っている。
一台の馬車に近づいて話をして見ることにした。
「ちょっと聞きたいんだけど、馬車っていつ頃出発する予定か分かります?」
レイが話し掛けた男は馬車の御者なのか厚手の皮手袋を装着していた。
その男が後ろを振り向き返答をする。
「馬車ならもうじき出発するよ。嬢ちゃん達も乗るかい?」
「一応聞くけどぺルナイン行だよね?」
「ああ、ぺルナイン行だよ」
「なら三人分お願いできる?」
「わかった。一人銀貨二枚と銅貨五枚だから三人で銀貨七枚と銅貨五枚だ。それと銀貨一枚追加で道中の飯がついてくるがどうする?」
「その飯って硬いパンとか干し肉とかでしょ? それならこっちで準備してるから追加はなしで」
話を聞く限り追加の銀貨一枚でてくる物は日持ちのする硬いパンと干し肉と予想通り、道中の事も考えて予め購入しておいた。
懐から袋を取り出して三人分の乗り賃だけを支払った。
お金に関しては狡いがDPと直接交換できるので旅の資金については考える必要はない。
そこそこ換金してはいるが、もし足りないようであれば交換すればいい。
ここで少々面倒くさい話をすると、DPを使った物品の交換はダンジョン内のみでしか適応されないということだ。
念の為、ダンジョン外でDP交換ができなかった場合を想定してあれこれ準備をしてきているが、その予想が早くも当たってしまう形になった。
「もうじき出発するから停留所近くに居てくれよ」
「うん」
乗り賃を受け取った御者はこれから出発する馬車の点検を始めた。
それから待つこと十数分。
御者から出発の合図であるベルをが鳴らされると待機していた乗客達がそれに合わせて動き、レイ達三人も馬車に乗り込んだ。
ダンジョン村を出発してから早や二日が経った。
道中、ゴブリンやらコボルト、リザードマンなどと出くわしたが、護衛で雇われている冒険者が難なく討伐していた。
その冒険者にしても護衛をする代わりに乗り賃を交渉していたのを覚えている。
今のところ村から出ている馬車の行先はぺルナインしかない為、こうして護衛の話は結構あったりする。
まだまだ発展途上のダンジョン村なだけに、ぺルナインにしかない物などを調達する時は馬車を利用する。
乗客もレイ達を含め七人と多く、その需要の高さが窺えるだろう。
御者の話では三拍四日という日程らしく、日用品を買った店では少なくとも四泊はすると言われた。
馬が特別早いとかはなさそうなのでその辺、雑貨屋さんに上手く乗せられたのだろう。
そんな事を考える暇があるほど道中は穏やかに進んで行く。
四日目の朝、堅いパンと干し肉を食べているとタマちゃんが不満そうな顔をしていた。
何となく言いたい事はわかっているが、これは今のところどうしようもないので我慢してもらう。
レイも我慢して味わうこともせずさっさと飲み込み朝食を済ませた。
そして太陽が昇りもうじき昼食の時間に差し掛かる頃、漸くぺルナインの外壁が見え始めた。
「やっとぺルナインが見えてきたかー。VRキューブの時は一瞬だったけど、こうして馬車で移動すると結構掛かるもんなんだねぇ」
そう呟いている間にも外壁が近づいている。
数分後には門の前で並ぶ列の最後尾に馬車を止め、終点であることを乗客に告げた。
レイ達も馬車から降り列に並ぶ。
「そう言えば身分証は無くてもこの門を通れるんだよね?」
「ん? その辺は情報を仕入れているから大丈夫! その代り通行料を払えば問題はないよ。普通は身分証が有れば通行料を払わなくて済むらしいんだけどね」
暫くして順番が回って来たが、一人銀貨一枚を三人分支払うことでぺルナインへ入ることができた。
その際、色々と質疑応答を繰り返し問題なしと判断されるまで少々時間が掛かったが。
大都市と言われる事だけはあると素直に思った。
まず人の量が圧倒的に多い。
人口がどの位か詳細は分からないが、見渡す限り、人、人、人。
これだけの人を一度に見たのは久しぶりなレイ。
いつもは魔物や人の形をした異種族なだけにとても新鮮なようだ。
「取り敢えずここに居ると通行の邪魔になるから移動した方がいいんじゃない? この後は宿屋を見つけて身分証発行の流れだよね?」
入口で頬けていたレイに後ろからついて来たクロエがそう提案した。
ダンジョンで皆に相談した時、身分証を手に入れるまでは穏便に、その後はダンジョン運営に有力な情報収集を主にしていくという事になった。
ぺルナインに到着したら早々宿屋を取って仮拠点とし、身分証発行後にこの都市で情報収集を行っていく予定だ。
「うん、その予定だよ。一先ず宿屋探しからだね」
取り敢えずは宿屋を目指してぺルナインを散策することにした。
遠目にだが冒険者ギルドの中の様子を窺ったり、武具店や日常品を販売している店も見学した感じとても豊富な種類の物を扱っていた。
ダンジョンが発見されてからそれ程時間は経っていないのに、物資が充実しているという事はそれ程までに重要だと領主は考えているのだろう。
武具の質もそこそこ悪くはないとクロエも言っていたし、何より村に活気を感じられる。
村をあちこち寄り道をして目的地であるぺルナイン行の馬車停留所に到着した。
数台の馬車が停留しており、数人の乗客と思しき者達が出発するのを待っている。
一台の馬車に近づいて話をして見ることにした。
「ちょっと聞きたいんだけど、馬車っていつ頃出発する予定か分かります?」
レイが話し掛けた男は馬車の御者なのか厚手の皮手袋を装着していた。
その男が後ろを振り向き返答をする。
「馬車ならもうじき出発するよ。嬢ちゃん達も乗るかい?」
「一応聞くけどぺルナイン行だよね?」
「ああ、ぺルナイン行だよ」
「なら三人分お願いできる?」
「わかった。一人銀貨二枚と銅貨五枚だから三人で銀貨七枚と銅貨五枚だ。それと銀貨一枚追加で道中の飯がついてくるがどうする?」
「その飯って硬いパンとか干し肉とかでしょ? それならこっちで準備してるから追加はなしで」
話を聞く限り追加の銀貨一枚でてくる物は日持ちのする硬いパンと干し肉と予想通り、道中の事も考えて予め購入しておいた。
懐から袋を取り出して三人分の乗り賃だけを支払った。
お金に関しては狡いがDPと直接交換できるので旅の資金については考える必要はない。
そこそこ換金してはいるが、もし足りないようであれば交換すればいい。
ここで少々面倒くさい話をすると、DPを使った物品の交換はダンジョン内のみでしか適応されないということだ。
念の為、ダンジョン外でDP交換ができなかった場合を想定してあれこれ準備をしてきているが、その予想が早くも当たってしまう形になった。
「もうじき出発するから停留所近くに居てくれよ」
「うん」
乗り賃を受け取った御者はこれから出発する馬車の点検を始めた。
それから待つこと十数分。
御者から出発の合図であるベルをが鳴らされると待機していた乗客達がそれに合わせて動き、レイ達三人も馬車に乗り込んだ。
ダンジョン村を出発してから早や二日が経った。
道中、ゴブリンやらコボルト、リザードマンなどと出くわしたが、護衛で雇われている冒険者が難なく討伐していた。
その冒険者にしても護衛をする代わりに乗り賃を交渉していたのを覚えている。
今のところ村から出ている馬車の行先はぺルナインしかない為、こうして護衛の話は結構あったりする。
まだまだ発展途上のダンジョン村なだけに、ぺルナインにしかない物などを調達する時は馬車を利用する。
乗客もレイ達を含め七人と多く、その需要の高さが窺えるだろう。
御者の話では三拍四日という日程らしく、日用品を買った店では少なくとも四泊はすると言われた。
馬が特別早いとかはなさそうなのでその辺、雑貨屋さんに上手く乗せられたのだろう。
そんな事を考える暇があるほど道中は穏やかに進んで行く。
四日目の朝、堅いパンと干し肉を食べているとタマちゃんが不満そうな顔をしていた。
何となく言いたい事はわかっているが、これは今のところどうしようもないので我慢してもらう。
レイも我慢して味わうこともせずさっさと飲み込み朝食を済ませた。
そして太陽が昇りもうじき昼食の時間に差し掛かる頃、漸くぺルナインの外壁が見え始めた。
「やっとぺルナインが見えてきたかー。VRキューブの時は一瞬だったけど、こうして馬車で移動すると結構掛かるもんなんだねぇ」
そう呟いている間にも外壁が近づいている。
数分後には門の前で並ぶ列の最後尾に馬車を止め、終点であることを乗客に告げた。
レイ達も馬車から降り列に並ぶ。
「そう言えば身分証は無くてもこの門を通れるんだよね?」
「ん? その辺は情報を仕入れているから大丈夫! その代り通行料を払えば問題はないよ。普通は身分証が有れば通行料を払わなくて済むらしいんだけどね」
暫くして順番が回って来たが、一人銀貨一枚を三人分支払うことでぺルナインへ入ることができた。
その際、色々と質疑応答を繰り返し問題なしと判断されるまで少々時間が掛かったが。
大都市と言われる事だけはあると素直に思った。
まず人の量が圧倒的に多い。
人口がどの位か詳細は分からないが、見渡す限り、人、人、人。
これだけの人を一度に見たのは久しぶりなレイ。
いつもは魔物や人の形をした異種族なだけにとても新鮮なようだ。
「取り敢えずここに居ると通行の邪魔になるから移動した方がいいんじゃない? この後は宿屋を見つけて身分証発行の流れだよね?」
入口で頬けていたレイに後ろからついて来たクロエがそう提案した。
ダンジョンで皆に相談した時、身分証を手に入れるまでは穏便に、その後はダンジョン運営に有力な情報収集を主にしていくという事になった。
ぺルナインに到着したら早々宿屋を取って仮拠点とし、身分証発行後にこの都市で情報収集を行っていく予定だ。
「うん、その予定だよ。一先ず宿屋探しからだね」
取り敢えずは宿屋を目指してぺルナインを散策することにした。
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