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17.オーダーメイド
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無事、緊急クエストを終えエネラルに帰還した私達はバーンズ工房に寄った。現在身に付けている防具やエリカ、チカが買ったセット装備からでも良品だとわかるバーンズ工房産の武具。その店でオーダーメイド品を注文するため渋々だ。今のところ信用のおける武具店がバーンズ工房しかないのでしょうがない。
「こんにちはー」
「その値段では受けられないだべよ…………おう! いつしかのお客さんだべな。今回は何の用だべ?」
バーンズ工房の店員は現在接客中だったようだ。
「実はオーダーメイドをお願いしたいと、思って……寄ったんですが…………メルさん?」
「ん? いつぞやの」
バーンズ工房で接客を受けていたのは以前、忠告をくれた銀髪美少女忍者のメルさんだった。ちょうど武器のメンテナンスだろうか、短刀を店員に渡して値切り交渉してる最中だった。
「メルさんもここを利用してるんですね」
「このバーンズ工房は腕もさることながら良い物が仕入れられる。貴方達も見る目がいい」
「それはどうもです……武器のメンテですか?」
「うん、そう。だけどこの店員がいちゃもんを付ける」
「いちゃもんってそれはないだべー。流石に格安メンテナンスはお断りしているだべよ」
「ちなみに普通メンテナンスって幾らくらいかかるんですか?」
「品物にもよるだべが……この短刀なら二万メタは掛かるだべ」
「ちなみにメルさんは幾らくらいでお願いしようとしてるんですか?」
「一万メタ」
「……」
なんと強欲なんだろうか、この銀髪美少女忍者は。そもそもメンテナンスに二万メタもかかるっていったいどんな代物の武器なんだ。恐らくオーダーメイド品だと思うが二万メタって。
「一万千」
「一万九千だべ」
「一万二千」
「ちょっと待つだべ! このまま行けば一万五千だべな! 流石にそれはお断りなんだべな。一万八千、これ以上はまけられないんだべな。それが嫌なら他を当たるべ」
「ちっ、くそヒキガエルが……一万八千でお願い」
「……わかっただべ。三日後に取りに来るだべ」
メルさん、なんて口が悪い子なんでしょうか。短刀を渡し支払いを済ませるとこちらに向かってきた。
「オーダーメイド品がどうとかって。オーダーメイドするの?」
「えっえぇまぁ、その予定ですけど」
「そう。それじゃまた、近々合うと思うけどその時はよろしく」
「えっ、近々合うって?」
言うだけ言い放って出ていってしまった。近々また会うことになるらしい。いったい何が起きるのやら。っとまずはオーダーメイドを頼まないといけない。
メルさん程ではないにしろ出来れば値切りたいところだが果たして私にできるだろうか。
「それで、オーダーメイドしたいんだったべか?」
「はい…………これでお願いしたいんですが」
クエスト報酬で貰った白大蛇の双牙と鱗を五枚取り出した。真っ白で半透明な大牙が二本。透き通るような見た目はクリスタルでできた牙を連想させる。掌大の鱗も半透明だ。光の角度によっては虹色に反射して装飾品としても申し分ない。
「おおぉ、これほどの品物をオーダーメイドできるなんて職人冥利に尽きますだべ。きっと姉貴も喜ぶだべ」
「姉貴? もしかして姉弟で経営してるんですか?」
「んだ、自分が店員、仕入、発注、受け渡しをしてるだ。姉貴は裏の工房で武具の製作、修理をやってるだべ」
「そうだったんですね」
「んで、この素材でどういったオーダーメイド品を作って欲しいだべか?」
「双剣で!」
「本当にいいべか? こう言っては何だべがこの素材で作るのはオススメしないだべ」
「なんで? 需要がないから?」
「そうだべ。需要がないから万が一、売却することになったとき安値で叩かれるべ。それだったら素材を売った金で別の素材を買ってオーダーメイドした方が得だべ」
店員の言わんとしていることもわかる。需要がない武器をわざわざ高価な素材で作るのは勿体ない。それなら高値で取引したあと、別の素材で作った方がお金もそこまで使わず残った資金で装飾品やら防具やらにつぎ込める、そう言いたいのだろう。
「この素材ってどのくらいで取引されてるんですか?」
「ちょっと待つだべ…………こっちの牙は120万メタ、鱗の方は一枚30万メタだべ」
「それってどうやって分かるんですか? 商人ネットワーク的な何かですか?」
「マーケットを知らないだべか?」
「マーケット?」
バーンズ弟によると、町の北側付近に位置する中央タワー内に取引場という場所が存在するらしい。その取引場で入会費一万メタ払うことでマーケット機能が使えるとのこと。ランクに応じて年会費が高くなるようだが仕入れを生業にする者以外あまり関係ないようだ。
マーケットを解放すると様々な物が取引できるようで、妖精陣営以外の他陣営も参入しているため品揃えは膨大と聞く。マーケットには安い物から高価な物まで日々取引がされているらしく、私がドロップした白大蛇の双牙もそこで売られていると。
「ついでに私達の素材も見てもらえないかしら?」
「はいはい私もぉー!」
「わかっただべ」
今更だが山の主からドロップした素材は三人とも別々だ。私が双牙、エリカが目玉、チカが尻尾だ。それぞれ品をトレーに置いて値段を調べてもらった。
「この目玉が80万メタ、尻尾が百万メタ前後だべ」
「この中じゃユーリの素材が一番いいわね」
「あんまり活躍してないのにごめんね」
「別にいいわよ、嫌味を言いたいわけじゃないんだから」
山の主戦で活躍したのはエリカとチカだ。チカの素材はそこそこの値段だった。エリカの素材もいい値段が付くものだが大体二十万から四十万の開きがある。活躍できなかったことや良い素材をドロップしたことなどを含めたごめんだったのだが、エリカは特に思うところはないようだ。
「それでどうするべか? 買取もできるだべよ」
「買取りって幾らくらいですか?」
「そうだべな、相場が120万メタだが手数料を差し引くとこれくらいだから……100万メタで買い取りだべ」
「手数料って結構取られるんですね」
「手数料は大体一割だべ」
「なるほど……けどやっぱりオーダーメイドしていいですか? もちろん双剣で」
「お客がそう言うんだ私達はそれに従うまでだべ。武器の種類は双剣としてだべ、具体的にどういったのがご所望だべ?」
「この素材で作れる最高のものが欲しい!」
「となるとオーダーメイド費用は…………このくらいだべ」
パチパチと計算機を叩きこちらに金額を見せてきた。その額、十二万六千メタ。余りの高さに驚愕してしまった。ちなみに聞いたのだがメンテナンス料金は一回三万メタ。初回だけ半額で以降は正規料金を頂くと。マジでオーダー品は金が跳ぶ。
「んー現在の所持金が5千メタ。到底足りないけど、鱗を売れば30万メタ。最悪ホムラ石を売れば作れないこともない」
「ホムラ石を持ってるだか!?」
「うん一つ持ってるよ」
「おいらに売ってくれねえだべか!!」
店員がホムラ石に食いついた。それも尋常じゃない食いつきだ。それこそ瞳孔を広げて鼻息荒く見つめてくるように。
「ホムラ石って確か80万メタくらいでしたよね?」
「それがどういうわけか、高騰してるだ。現在の価格は280万メタだべ。恐らくまだまだ高くなるはずだべよ、数ヶ月後には1000万メタもおかしくないだべ」
「そ、そんなに……」
まさか私達がクエストをクリアした影響か? それともホムラが山の主になったからとか……少なからず私達が影響しているなこれは。
「ちなみにホムラ石って何に使うんですか? 武器の素材とか?」
「いんや、炉の温度を上げるのに使うんだ。炉の温度を上げるのに重宝されてたんだがそもそも消耗品だから中々手に入らないんだべ。そしてここに来てホムラ石の熱量が格段に上がったんだ。噂ではホムラ石にまつわる何かをしたと囁かれているが今だ未確認だそうだべ」
あっそれ完全に私達だ。私は二人に目配せするとエリカが頭を振った。分かっているこの事は黙っておこうと、そう言うことだねエリカ。
「あっそれ私モゴモゴ、んーんー!!」
「どうしただべか?」
「いやぁー何でもないですぅ、はい」
「エリカ頼んだ」
「わかった」
チカのことはエリカに任せることにして、オーダー品について細かい注文をすることにした。
「こんにちはー」
「その値段では受けられないだべよ…………おう! いつしかのお客さんだべな。今回は何の用だべ?」
バーンズ工房の店員は現在接客中だったようだ。
「実はオーダーメイドをお願いしたいと、思って……寄ったんですが…………メルさん?」
「ん? いつぞやの」
バーンズ工房で接客を受けていたのは以前、忠告をくれた銀髪美少女忍者のメルさんだった。ちょうど武器のメンテナンスだろうか、短刀を店員に渡して値切り交渉してる最中だった。
「メルさんもここを利用してるんですね」
「このバーンズ工房は腕もさることながら良い物が仕入れられる。貴方達も見る目がいい」
「それはどうもです……武器のメンテですか?」
「うん、そう。だけどこの店員がいちゃもんを付ける」
「いちゃもんってそれはないだべー。流石に格安メンテナンスはお断りしているだべよ」
「ちなみに普通メンテナンスって幾らくらいかかるんですか?」
「品物にもよるだべが……この短刀なら二万メタは掛かるだべ」
「ちなみにメルさんは幾らくらいでお願いしようとしてるんですか?」
「一万メタ」
「……」
なんと強欲なんだろうか、この銀髪美少女忍者は。そもそもメンテナンスに二万メタもかかるっていったいどんな代物の武器なんだ。恐らくオーダーメイド品だと思うが二万メタって。
「一万千」
「一万九千だべ」
「一万二千」
「ちょっと待つだべ! このまま行けば一万五千だべな! 流石にそれはお断りなんだべな。一万八千、これ以上はまけられないんだべな。それが嫌なら他を当たるべ」
「ちっ、くそヒキガエルが……一万八千でお願い」
「……わかっただべ。三日後に取りに来るだべ」
メルさん、なんて口が悪い子なんでしょうか。短刀を渡し支払いを済ませるとこちらに向かってきた。
「オーダーメイド品がどうとかって。オーダーメイドするの?」
「えっえぇまぁ、その予定ですけど」
「そう。それじゃまた、近々合うと思うけどその時はよろしく」
「えっ、近々合うって?」
言うだけ言い放って出ていってしまった。近々また会うことになるらしい。いったい何が起きるのやら。っとまずはオーダーメイドを頼まないといけない。
メルさん程ではないにしろ出来れば値切りたいところだが果たして私にできるだろうか。
「それで、オーダーメイドしたいんだったべか?」
「はい…………これでお願いしたいんですが」
クエスト報酬で貰った白大蛇の双牙と鱗を五枚取り出した。真っ白で半透明な大牙が二本。透き通るような見た目はクリスタルでできた牙を連想させる。掌大の鱗も半透明だ。光の角度によっては虹色に反射して装飾品としても申し分ない。
「おおぉ、これほどの品物をオーダーメイドできるなんて職人冥利に尽きますだべ。きっと姉貴も喜ぶだべ」
「姉貴? もしかして姉弟で経営してるんですか?」
「んだ、自分が店員、仕入、発注、受け渡しをしてるだ。姉貴は裏の工房で武具の製作、修理をやってるだべ」
「そうだったんですね」
「んで、この素材でどういったオーダーメイド品を作って欲しいだべか?」
「双剣で!」
「本当にいいべか? こう言っては何だべがこの素材で作るのはオススメしないだべ」
「なんで? 需要がないから?」
「そうだべ。需要がないから万が一、売却することになったとき安値で叩かれるべ。それだったら素材を売った金で別の素材を買ってオーダーメイドした方が得だべ」
店員の言わんとしていることもわかる。需要がない武器をわざわざ高価な素材で作るのは勿体ない。それなら高値で取引したあと、別の素材で作った方がお金もそこまで使わず残った資金で装飾品やら防具やらにつぎ込める、そう言いたいのだろう。
「この素材ってどのくらいで取引されてるんですか?」
「ちょっと待つだべ…………こっちの牙は120万メタ、鱗の方は一枚30万メタだべ」
「それってどうやって分かるんですか? 商人ネットワーク的な何かですか?」
「マーケットを知らないだべか?」
「マーケット?」
バーンズ弟によると、町の北側付近に位置する中央タワー内に取引場という場所が存在するらしい。その取引場で入会費一万メタ払うことでマーケット機能が使えるとのこと。ランクに応じて年会費が高くなるようだが仕入れを生業にする者以外あまり関係ないようだ。
マーケットを解放すると様々な物が取引できるようで、妖精陣営以外の他陣営も参入しているため品揃えは膨大と聞く。マーケットには安い物から高価な物まで日々取引がされているらしく、私がドロップした白大蛇の双牙もそこで売られていると。
「ついでに私達の素材も見てもらえないかしら?」
「はいはい私もぉー!」
「わかっただべ」
今更だが山の主からドロップした素材は三人とも別々だ。私が双牙、エリカが目玉、チカが尻尾だ。それぞれ品をトレーに置いて値段を調べてもらった。
「この目玉が80万メタ、尻尾が百万メタ前後だべ」
「この中じゃユーリの素材が一番いいわね」
「あんまり活躍してないのにごめんね」
「別にいいわよ、嫌味を言いたいわけじゃないんだから」
山の主戦で活躍したのはエリカとチカだ。チカの素材はそこそこの値段だった。エリカの素材もいい値段が付くものだが大体二十万から四十万の開きがある。活躍できなかったことや良い素材をドロップしたことなどを含めたごめんだったのだが、エリカは特に思うところはないようだ。
「それでどうするべか? 買取もできるだべよ」
「買取りって幾らくらいですか?」
「そうだべな、相場が120万メタだが手数料を差し引くとこれくらいだから……100万メタで買い取りだべ」
「手数料って結構取られるんですね」
「手数料は大体一割だべ」
「なるほど……けどやっぱりオーダーメイドしていいですか? もちろん双剣で」
「お客がそう言うんだ私達はそれに従うまでだべ。武器の種類は双剣としてだべ、具体的にどういったのがご所望だべ?」
「この素材で作れる最高のものが欲しい!」
「となるとオーダーメイド費用は…………このくらいだべ」
パチパチと計算機を叩きこちらに金額を見せてきた。その額、十二万六千メタ。余りの高さに驚愕してしまった。ちなみに聞いたのだがメンテナンス料金は一回三万メタ。初回だけ半額で以降は正規料金を頂くと。マジでオーダー品は金が跳ぶ。
「んー現在の所持金が5千メタ。到底足りないけど、鱗を売れば30万メタ。最悪ホムラ石を売れば作れないこともない」
「ホムラ石を持ってるだか!?」
「うん一つ持ってるよ」
「おいらに売ってくれねえだべか!!」
店員がホムラ石に食いついた。それも尋常じゃない食いつきだ。それこそ瞳孔を広げて鼻息荒く見つめてくるように。
「ホムラ石って確か80万メタくらいでしたよね?」
「それがどういうわけか、高騰してるだ。現在の価格は280万メタだべ。恐らくまだまだ高くなるはずだべよ、数ヶ月後には1000万メタもおかしくないだべ」
「そ、そんなに……」
まさか私達がクエストをクリアした影響か? それともホムラが山の主になったからとか……少なからず私達が影響しているなこれは。
「ちなみにホムラ石って何に使うんですか? 武器の素材とか?」
「いんや、炉の温度を上げるのに使うんだ。炉の温度を上げるのに重宝されてたんだがそもそも消耗品だから中々手に入らないんだべ。そしてここに来てホムラ石の熱量が格段に上がったんだ。噂ではホムラ石にまつわる何かをしたと囁かれているが今だ未確認だそうだべ」
あっそれ完全に私達だ。私は二人に目配せするとエリカが頭を振った。分かっているこの事は黙っておこうと、そう言うことだねエリカ。
「あっそれ私モゴモゴ、んーんー!!」
「どうしただべか?」
「いやぁー何でもないですぅ、はい」
「エリカ頼んだ」
「わかった」
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