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序章
自称神様と転生門
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それはいつもと変わり映えのしない日のことだった。
天気は晴れており、いつものように高校に通っていた山田。
毎日の日課のように頻発して起きる
”電柱に頭をぶつける”も起きず。
”通学途中に犬に吠えられる”も起きなかった。
いや、一般人からすれば当たり前のことなのかもしれない。
しかし山田はそれが日常であるが故に違和感を感じていたのだ。
「何かがおかしい」
山田は察したのだ。この溢れる違和感に。
そんな違和感を感じながら学校を目指していると、突然目の前が真っ暗になったのだ。
「病気か?いつものことだ、また目が覚めたら病院のベッドでしたぁってオチだろう」
いつものことだと割り切り、山田は目を開ける努力をしなかった。
それから何時間立ったのだろうか。時間感覚もなくなった頃。
山田は「そろそろ起きるか」と朝起きる感覚で目を開けた。
そこには白髭面のおじいさんが立っていた。
「ようやく目が覚めたか」
おじいさんは杖のようなものをつき、白いバスローブのようなものを羽織っていた。
「爺さん誰だ?」
「わしか?わしは・・君らでいう神様的存在じゃ」
「なんでそんな自称神様が俺と話してんだ?」
「ぐいぐいくる若者じゃのぉ......いやまぁな。君がいた世界にうっかり雷を落としてしもうてのぅ......それが君に当たったんじゃ、それでこちらの不注意で殺してしまったので、別の世界に転生させようと思うのじゃ」
情報量が多い説明により、山田自身が状態を把握しきれていない中、自称神様を名乗るおじいさんが山田をふと殺してしまったから転生させると言ってきた。
「元の世界に戻すことはできないのか?」
「戻すことはできないのぉ......そういう決まりじゃからな」
少し考え得る山田。
このままどうにかして元の世界に戻ったところで、また不幸が続く毎日。
それならばいっそ転生してもらおうと考えたのだ。
「よしわかった、転生を受け入れるよ」
「え?ほんとにいいのか?いくらファンタジーな世界でも、もう少し悩むところだと思うのじゃが......」
「どうせ未練はないし、もし戻れたとしても不幸が毎日続くのなら変わりはないから」
「そうかのぉでは転生門を開くぞ」
自称神様を名乗るおじいさんは、山田の目の前に転生門を出現させた。
それは円形に青白く光る魔法のようなものであった。
「あっちの世界では剣も魔法もある、多種族も混在しておる。ただお主は不幸に見舞われすぎておるので、ステータスの運気を最大まで上げておくからのぉ......来世で会おう」
山田は転生門の力により、光を失ったのであった。
天気は晴れており、いつものように高校に通っていた山田。
毎日の日課のように頻発して起きる
”電柱に頭をぶつける”も起きず。
”通学途中に犬に吠えられる”も起きなかった。
いや、一般人からすれば当たり前のことなのかもしれない。
しかし山田はそれが日常であるが故に違和感を感じていたのだ。
「何かがおかしい」
山田は察したのだ。この溢れる違和感に。
そんな違和感を感じながら学校を目指していると、突然目の前が真っ暗になったのだ。
「病気か?いつものことだ、また目が覚めたら病院のベッドでしたぁってオチだろう」
いつものことだと割り切り、山田は目を開ける努力をしなかった。
それから何時間立ったのだろうか。時間感覚もなくなった頃。
山田は「そろそろ起きるか」と朝起きる感覚で目を開けた。
そこには白髭面のおじいさんが立っていた。
「ようやく目が覚めたか」
おじいさんは杖のようなものをつき、白いバスローブのようなものを羽織っていた。
「爺さん誰だ?」
「わしか?わしは・・君らでいう神様的存在じゃ」
「なんでそんな自称神様が俺と話してんだ?」
「ぐいぐいくる若者じゃのぉ......いやまぁな。君がいた世界にうっかり雷を落としてしもうてのぅ......それが君に当たったんじゃ、それでこちらの不注意で殺してしまったので、別の世界に転生させようと思うのじゃ」
情報量が多い説明により、山田自身が状態を把握しきれていない中、自称神様を名乗るおじいさんが山田をふと殺してしまったから転生させると言ってきた。
「元の世界に戻すことはできないのか?」
「戻すことはできないのぉ......そういう決まりじゃからな」
少し考え得る山田。
このままどうにかして元の世界に戻ったところで、また不幸が続く毎日。
それならばいっそ転生してもらおうと考えたのだ。
「よしわかった、転生を受け入れるよ」
「え?ほんとにいいのか?いくらファンタジーな世界でも、もう少し悩むところだと思うのじゃが......」
「どうせ未練はないし、もし戻れたとしても不幸が毎日続くのなら変わりはないから」
「そうかのぉでは転生門を開くぞ」
自称神様を名乗るおじいさんは、山田の目の前に転生門を出現させた。
それは円形に青白く光る魔法のようなものであった。
「あっちの世界では剣も魔法もある、多種族も混在しておる。ただお主は不幸に見舞われすぎておるので、ステータスの運気を最大まで上げておくからのぉ......来世で会おう」
山田は転生門の力により、光を失ったのであった。
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