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第2部
フェーズ8-10
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今日で私は十九歳になった。今年の誕生日は涼と一緒に過ごせた。去年は会えなかった分、今年は一緒にいられるだけでうれしい。平日だし、無理してくれなくていいのだけど――。
「プレゼントした下着は着ないのか?」
「き、着れないよ。それに、自分の誕生日に着るのもどうかと思って」
「じゃあ、俺の誕生日に期待だな。クリスマスでもいいけど」
せっかく買ってくれたんだから一度くらいは着てあげたいとは思うけど、なかなか勇気が出ない。「特別な日」なら気持ちが盛り上がって、自然と着たくなるものなのだろうか。
「それより今日は、十九歳おめでとう、彩」
「ありがとう」
今日はいつもより少し早く帰ってきてくれて、さらにケーキを買ってきてくれた。去年のようにホールではなくカットケーキが二種類だった。とはいっても涼は一口食べただけであとは私がもらったから、結局はたくさん食べてしまった。
「愛してる以外になんて言ったらいい?」
涼が私を見つめながら言った。
「言葉なんていらないよ」
言葉を求めていた頃もあった。今はもう大丈夫。それくらいいつも気持ちが満たされている。
「これがあればいいか」
涼が繋がっている部分にちらりと目をやった。一回して、まだ結ばれたままだ。
「卑猥!」
ムードを壊すことを言わないで。くすくすと笑ってから、涼が額をくっつけてきた。
「生まれてきてくれてありがとう」
「また泣かせようとしてるでしょ」
涼はベッドの中で私を泣かせるようなことを言うのが好きだ。
「本当にそう思ってる。お前が俺と同じ時代に生まれてきて巡り会えた奇跡と、今こうして生きてる奇跡にも」
最高の言葉だ。さっきの卑猥な言葉が帳消しになるほどに。
「彩が生まれるのがあと二、三年遅かったら、さすがに対象外だっただろうな」
「そこは『何歳離れてても愛してるよ』じゃないの」
「いやお前、十四歳はさすがに……。中学生だろ。その場合は、彩が俺のところにくるのをもっと遅くしてもらわないと」
「その頃には涼は誰かと結婚してるよ」
「どうだろうな」
笑ってごまかしてから、涼が私の胸の先端を舐めた。左胸は舌先で、右胸は指先で転がされている。
「あっ……ぁん」
「はぁ……きっつ」
中に収まったままのものを無意識に締めつけてしまい、涼が吐息を漏らす。
「もう一回しよっか」
「あっ……」
涼がゆらゆらと腰を揺らし始めた。最初から二回目をする気満々で、だから繋がったまま回復待ちをしていたのを私は知っている。
「このまま寝るのもいいけど」
「このまま!?」
入れたままということ? それは、きっと無理だ。眠れる気がしない。
「興奮して眠れない?」
「うん、たぶん」
「俺は常に彩と繋がってたい」
「は……っあん!」
動きが激しくなる。平日なんだから無理しなくていいのに、「誕生日だから悦ばせたい」と最初に言っていた通り、しっかり満足させられた。
終わってもなかなか抜いてくれず、本当にこのまま寝るつもりなのかと焦る。
「あの、抜いて……? またしたくなっちゃうから」
「その言葉だけで俺はまたしたくなっちゃう」
「もう寝ないと……」
「俺はこのまま寝られるよ」
「無理無理!」
しぶしぶ体を離したあと、力尽きたようで涼はすぐに眠っていた。明日も仕事なのに二回なんて絶対に無理したはずだ。明日の朝はギリギリまで寝かせてあげよう。
「プレゼントした下着は着ないのか?」
「き、着れないよ。それに、自分の誕生日に着るのもどうかと思って」
「じゃあ、俺の誕生日に期待だな。クリスマスでもいいけど」
せっかく買ってくれたんだから一度くらいは着てあげたいとは思うけど、なかなか勇気が出ない。「特別な日」なら気持ちが盛り上がって、自然と着たくなるものなのだろうか。
「それより今日は、十九歳おめでとう、彩」
「ありがとう」
今日はいつもより少し早く帰ってきてくれて、さらにケーキを買ってきてくれた。去年のようにホールではなくカットケーキが二種類だった。とはいっても涼は一口食べただけであとは私がもらったから、結局はたくさん食べてしまった。
「愛してる以外になんて言ったらいい?」
涼が私を見つめながら言った。
「言葉なんていらないよ」
言葉を求めていた頃もあった。今はもう大丈夫。それくらいいつも気持ちが満たされている。
「これがあればいいか」
涼が繋がっている部分にちらりと目をやった。一回して、まだ結ばれたままだ。
「卑猥!」
ムードを壊すことを言わないで。くすくすと笑ってから、涼が額をくっつけてきた。
「生まれてきてくれてありがとう」
「また泣かせようとしてるでしょ」
涼はベッドの中で私を泣かせるようなことを言うのが好きだ。
「本当にそう思ってる。お前が俺と同じ時代に生まれてきて巡り会えた奇跡と、今こうして生きてる奇跡にも」
最高の言葉だ。さっきの卑猥な言葉が帳消しになるほどに。
「彩が生まれるのがあと二、三年遅かったら、さすがに対象外だっただろうな」
「そこは『何歳離れてても愛してるよ』じゃないの」
「いやお前、十四歳はさすがに……。中学生だろ。その場合は、彩が俺のところにくるのをもっと遅くしてもらわないと」
「その頃には涼は誰かと結婚してるよ」
「どうだろうな」
笑ってごまかしてから、涼が私の胸の先端を舐めた。左胸は舌先で、右胸は指先で転がされている。
「あっ……ぁん」
「はぁ……きっつ」
中に収まったままのものを無意識に締めつけてしまい、涼が吐息を漏らす。
「もう一回しよっか」
「あっ……」
涼がゆらゆらと腰を揺らし始めた。最初から二回目をする気満々で、だから繋がったまま回復待ちをしていたのを私は知っている。
「このまま寝るのもいいけど」
「このまま!?」
入れたままということ? それは、きっと無理だ。眠れる気がしない。
「興奮して眠れない?」
「うん、たぶん」
「俺は常に彩と繋がってたい」
「は……っあん!」
動きが激しくなる。平日なんだから無理しなくていいのに、「誕生日だから悦ばせたい」と最初に言っていた通り、しっかり満足させられた。
終わってもなかなか抜いてくれず、本当にこのまま寝るつもりなのかと焦る。
「あの、抜いて……? またしたくなっちゃうから」
「その言葉だけで俺はまたしたくなっちゃう」
「もう寝ないと……」
「俺はこのまま寝られるよ」
「無理無理!」
しぶしぶ体を離したあと、力尽きたようで涼はすぐに眠っていた。明日も仕事なのに二回なんて絶対に無理したはずだ。明日の朝はギリギリまで寝かせてあげよう。
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