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第2部
フェーズ8-6
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頻度が増えた。今までは基本的にコンドームがあるベッドでしていたのが、つけなくていいとなればベッド以外のどこでもできてしまうから。くつろぎ中のリビングのソファでも、誘われて一緒に入ったお風呂でも。料理を作ってる最中のキッチンで、帰宅したばかりの涼に立ったまま襲われることもある。最初は私にそんなつもりはなくても、いろいろ触られているうちにすぐに気分が盛り上がってしまうから拒めたためしがない。
一緒に住み始めたばかりの毎日していた頃を思い出す。ただ今はマッサージやキスのような感覚で気軽にすることが多い。手を抜かれると嫌だが、平日ならある程度は仕方がない。時間をかけてちゃんと丁寧にしてくれる日もあるからいい。それは主に休みの前日だ。
胸からお腹、そして下腹部へとキスが降りていく間に、私は言った。
「涼も見ていいよ?」
涼が動きを止めて私を見た。
「何を?」
訊き返されると困ってしまう。でもこれだけ言ってもわからないよね。
「中……」
恥ずかしいから小声になって答えると、理解したらしい涼の口元が緩んだ。ピルを処方してもらったと伝えたときよりも、あからさまにうれしそう。
「いいのか?」
「婦人科の先生には診てもらったから……」
それなのに涼に見せないのは変だな、って。病院での診察前はすごく緊張して怖くて、専門外でもまずは涼に診てもらえばよかったと後悔した。
「男の医者だった?」
「うん。四十歳くらいの」
うわ、複雑そうな顔してる。嫉妬は少なからずしているのかもしれないけど、嫉妬するようなことではないし、しても仕方がないとわかってるからだろう。当然、怒るわけにもいかない。そもそも怒る相手がいない。私も婦人科の先生も悪くない。
「じゃあ、見ようか」
「え?」
涼がベッドから降りて机の引き出しを開けた。そして手にしたのは、例の器械、つまり腟鏡だった。
「なんでもう持ってるの!?」
てっきり「じゃあ用意しておく」の流れになると思った。その間に心の準備をするつもりだった。
「この話したの、だいぶ前だろ。そのうち彩の気が変わるかもと思って、用意しておいた。時間経ちすぎてすっかり忘れてたけど」
引き出しを閉めて涼がベッドに戻ってきた。
「前の彼女に使ったわけじゃないよね?」
「まさか。新品だよ。プライベートで見るのは初めてだし」
ということは仕事ではそれを使って診察をしたことがあるんだ。研修医時代だろうか。
「その前に俺、お前が初めてだし」
私は冷めた目で涼を見た。その信ぴょう性ゼロな謎の初めてだったアピールはなんなの。しかも毎回、思い出したようにつけ足して。
透明なビニール袋から腟鏡が取り出された。アヒルのくちばしのような形をしている。これで中を広げて奥まで見えるようにするんだ。婦人科での内診でも使われたはずだけど、カーテンで仕切られていたから見るのは初めてだ。思っていたよりも大きい。だいたいの医療器具と同様にステンレス製だと思っていた。涼が持っているのは透明なプラスチック製だ。
涼が私の腰の下に枕を入れた。腰が浮き上がり、涼にとって見やすい格好になる。
「本当にいいのか?」
ドキドキはしてるけど、病院のような怖さはない。ただ、すごく恥ずかしい。でも涼ならいい。
「見て……」
涼にはさらけ出してもいい。何をされてもいい。
「彩……それ、かわいすぎ」
パンツをするすると脱がされ、脚を広げられた。見られている様を見るのが恥ずかしくて、私は両手で目隠しをした。何をされているか見えないという点では内診のときと同じだ。
「痛かったら言えよ」
「うん」
ゆっくりと器械が入ってくる。痛みはない。プラスチック製だからそんなに冷たくもない。やがて広げられる感覚がした。無意識に中が反応してしまう。
「めちゃくちゃきれい。やらしい気持ちなんか吹っ飛ぶ」
喋ると涼の吐息がそこにかかる。目隠しをしていても至近距離で見られてるのがわかる。それに、ステンレスではなく透明ということは、隠れる部分がなくて全部丸見えになってるのでは。
「女の、というより人間の神秘だ」
感動されている。涼が前に診た人も造りは一緒でしょうに。
「これは、婦人科の先生の反応が気になるな」
「何言ってるの……。涼と一緒で診療中はそんな気にはならないでしょ。それに見慣れてるんだからなんとも思わないよ」
「って言ったって、十八歳でかわいくてこんなに中もきれいなんだからさ」
中を褒められたことよりも、「かわいい」と言われたことのほうがこそばゆい。
「処女のときにも見ておけばよかった」
「痛いよ」
「処女用の小さいサイズもあるから大丈夫」
なんでも知ってるんだね。
「あそこ舐めたい」
「どこ……」
手を放してちらりと見る。いやらしすぎてやっぱり無理だった。
「一番奥。子宮の入口。でも舌も指も届かないからな。こいつじゃないと」
さっき「やらしい気持ちなんか吹っ飛ぶ」って言ってなかった?
器械が抜かれた。
「もういいの?」
「こっち入れたくなった」
服を脱ぎながら涼が言った。そこはすでに張り詰めていて準備万端になっていた。
「一番奥に届くおもちゃ買っていい? また透明なやつ」
なにそれ。わけのわからないものをまた勝手に買われるのは困る。
「ダメ」
「やっぱり生身のこっちのほうがいいか」
薄笑いを浮かべながら、涼が入ってきた。
終わった後にもう一度器械を挿入された。出された直後、まだ中に残っている自分が放ったものを見て、涼は「この世で一番エロい」と悦んでいた。変態だ。
一緒に住み始めたばかりの毎日していた頃を思い出す。ただ今はマッサージやキスのような感覚で気軽にすることが多い。手を抜かれると嫌だが、平日ならある程度は仕方がない。時間をかけてちゃんと丁寧にしてくれる日もあるからいい。それは主に休みの前日だ。
胸からお腹、そして下腹部へとキスが降りていく間に、私は言った。
「涼も見ていいよ?」
涼が動きを止めて私を見た。
「何を?」
訊き返されると困ってしまう。でもこれだけ言ってもわからないよね。
「中……」
恥ずかしいから小声になって答えると、理解したらしい涼の口元が緩んだ。ピルを処方してもらったと伝えたときよりも、あからさまにうれしそう。
「いいのか?」
「婦人科の先生には診てもらったから……」
それなのに涼に見せないのは変だな、って。病院での診察前はすごく緊張して怖くて、専門外でもまずは涼に診てもらえばよかったと後悔した。
「男の医者だった?」
「うん。四十歳くらいの」
うわ、複雑そうな顔してる。嫉妬は少なからずしているのかもしれないけど、嫉妬するようなことではないし、しても仕方がないとわかってるからだろう。当然、怒るわけにもいかない。そもそも怒る相手がいない。私も婦人科の先生も悪くない。
「じゃあ、見ようか」
「え?」
涼がベッドから降りて机の引き出しを開けた。そして手にしたのは、例の器械、つまり腟鏡だった。
「なんでもう持ってるの!?」
てっきり「じゃあ用意しておく」の流れになると思った。その間に心の準備をするつもりだった。
「この話したの、だいぶ前だろ。そのうち彩の気が変わるかもと思って、用意しておいた。時間経ちすぎてすっかり忘れてたけど」
引き出しを閉めて涼がベッドに戻ってきた。
「前の彼女に使ったわけじゃないよね?」
「まさか。新品だよ。プライベートで見るのは初めてだし」
ということは仕事ではそれを使って診察をしたことがあるんだ。研修医時代だろうか。
「その前に俺、お前が初めてだし」
私は冷めた目で涼を見た。その信ぴょう性ゼロな謎の初めてだったアピールはなんなの。しかも毎回、思い出したようにつけ足して。
透明なビニール袋から腟鏡が取り出された。アヒルのくちばしのような形をしている。これで中を広げて奥まで見えるようにするんだ。婦人科での内診でも使われたはずだけど、カーテンで仕切られていたから見るのは初めてだ。思っていたよりも大きい。だいたいの医療器具と同様にステンレス製だと思っていた。涼が持っているのは透明なプラスチック製だ。
涼が私の腰の下に枕を入れた。腰が浮き上がり、涼にとって見やすい格好になる。
「本当にいいのか?」
ドキドキはしてるけど、病院のような怖さはない。ただ、すごく恥ずかしい。でも涼ならいい。
「見て……」
涼にはさらけ出してもいい。何をされてもいい。
「彩……それ、かわいすぎ」
パンツをするすると脱がされ、脚を広げられた。見られている様を見るのが恥ずかしくて、私は両手で目隠しをした。何をされているか見えないという点では内診のときと同じだ。
「痛かったら言えよ」
「うん」
ゆっくりと器械が入ってくる。痛みはない。プラスチック製だからそんなに冷たくもない。やがて広げられる感覚がした。無意識に中が反応してしまう。
「めちゃくちゃきれい。やらしい気持ちなんか吹っ飛ぶ」
喋ると涼の吐息がそこにかかる。目隠しをしていても至近距離で見られてるのがわかる。それに、ステンレスではなく透明ということは、隠れる部分がなくて全部丸見えになってるのでは。
「女の、というより人間の神秘だ」
感動されている。涼が前に診た人も造りは一緒でしょうに。
「これは、婦人科の先生の反応が気になるな」
「何言ってるの……。涼と一緒で診療中はそんな気にはならないでしょ。それに見慣れてるんだからなんとも思わないよ」
「って言ったって、十八歳でかわいくてこんなに中もきれいなんだからさ」
中を褒められたことよりも、「かわいい」と言われたことのほうがこそばゆい。
「処女のときにも見ておけばよかった」
「痛いよ」
「処女用の小さいサイズもあるから大丈夫」
なんでも知ってるんだね。
「あそこ舐めたい」
「どこ……」
手を放してちらりと見る。いやらしすぎてやっぱり無理だった。
「一番奥。子宮の入口。でも舌も指も届かないからな。こいつじゃないと」
さっき「やらしい気持ちなんか吹っ飛ぶ」って言ってなかった?
器械が抜かれた。
「もういいの?」
「こっち入れたくなった」
服を脱ぎながら涼が言った。そこはすでに張り詰めていて準備万端になっていた。
「一番奥に届くおもちゃ買っていい? また透明なやつ」
なにそれ。わけのわからないものをまた勝手に買われるのは困る。
「ダメ」
「やっぱり生身のこっちのほうがいいか」
薄笑いを浮かべながら、涼が入ってきた。
終わった後にもう一度器械を挿入された。出された直後、まだ中に残っている自分が放ったものを見て、涼は「この世で一番エロい」と悦んでいた。変態だ。
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