82 / 136
第2部
フェーズ7.9-12
しおりを挟む
ハーブティーを淹れたマグカップを二つ、テーブルに置いた。結婚祝いで麗子さんがくれたスペシャルなハーブティーだ。コーヒーよりもハーブティーのほうがリラックスできて私は好きだ。カフェインが入っていないからぐっすりと眠れる。
飲みかけのカップをテーブルに置いて、涼が立ち上がった。寝室へ入ってすぐに戻ってきた彼の手には長財布があった。財布の中から紙幣を数枚取り出すと、私に差し出した。
「明日の診察代」
診察代は私のお小遣いから出すつもりでいる。それも涼からもらったお金ではあるんだけど。
「え? 出してくれるの?」
「うん。診察代は別」
「ありがとう――」
受け取った私はぎょっとした。千円札と思いきや、すべて一万円札だったからだ。
「多すぎじゃない? いつも数千円だよ?」
明日はいよいよ最後の外来だ。最後だからといって特別に大きな検査をする予定はない。どう考えても多い。
「予備で多めに。それと、明日は実費だから」
「なんで!?」
言われて驚愕する。実費ということは、健康保険適用での三割負担ではなく、十割つまり全額を支払うということだ。当然、私のお小遣いでは足りない。
涼が再びソファに腰を下ろした。
「お前、俺の扶養じゃん? で、俺の診察受けるじゃん? それだと保険が使えないんだよ」
初耳だった。結婚したせいなの? 全然知らなかった。
「そうだったんだ。ごめんね、余計な出費かかっちゃって」
「謝ることじゃないよ」
「結婚する前に教えてくれたらよかったのに」
自分でも調べればよかった。そしたらこんな大金がかかることはなかった。
「結婚するの遅らせるって言い出すと思って。せっかく彩が『すぐにでも籍入れたい』って言ってくれたのにさ」
あのときか。卒業式の翌日、入籍日はいつにしようかと話し合ったときに、涼は何か言おうとしてた。このことだったんだ。
「延ばしたとしても、一カ月くらいしか変わらないけど」
「俺もお前と早く籍入れたかったから」
そんなうれしいことを言われたら、きゅんとして何も言えなくなってしまう。
「気にするな。たいした額じゃないよ」
涼はあっけらかんとしている。
「たいしたことなくないよ。数千円で済むところを、万札の出番なんだから」
「数万でお前と早く一緒になれたなら安いもんだ」
きゅんが止まらない。涼が甘えるように抱きついてきた。
「節約するからね」
お金のことは大事だ。ちゃんと考えなきゃいけないのに、涼はまったく気にする素振りもなく、服の上から私の胸を揉み始めた。私はちょっと呆れて、ため息をついて言った。
「あれを使う枚数も少し節約しようか。けっこう高いし」
一度、涼にいくらくらいするものなのか訊いたことがある。思っていた以上に高額だった。たぶん最新の最薄タイプだからだ。そんなものを一日に三枚も四枚も惜しげもなく使うんだもの。
「彩ちゃん、それだけは勘弁して」
ようやく涼の顔に焦りの色が表れた。
「私、もう涼の診察は受けられないの?」
「基本的にはそう」
「じゃあ、何かあったら澄先生に診てもらうとか?」
「いや、あの病院がアウト」
「そんな……」
「大丈夫だって。なんとかなるよ」
今後何か病気になったとしても、涼には診てもらえない。誰よりも安心できて一番信頼してる医者なのに、もう診てもらえない。
「彩? 俺の診察を受けるために離婚するとか言うなよ?」
愕然としたままの私に彼が冗談っぽく言った。離婚なんて考えるはずないけど、ショックで答えられずにいたから涼はひやりとしたかもしれない。
診察代の件は仕方ないとして、今日で白衣姿の涼も見納めなんだ。大好きなのに、きっともう見ることはできない。残念だな。最後に診察室で彼の写真を撮らせてもらいたいくらいだ。診察中でシャッター音なんて鳴らしたら、裏から看護師さんが飛んできて「先生はアイドルじゃないんですよ!」と怒られそう。想像するとおかしい。涼はアイドルというより、私にとっては白衣を着た王子様かな。
診察室に呼ばれた。涼はいつものようにモニターと睨めっこをしている。最後だから私の検査結果をそれはそれは念入りにチェックしてる。この横顔も大好きだから、目に焼きつけておこう。
「問題なし。よくがんばったな」
安心と寂しさが入り混じる。いや、ここはしっかり喜ぶべきだ。これで通院は終わり、涼と私は医者と患者ではなくなる。
「これまでもそうだったとは思うけど、もう普通に過ごしていいから。何も心配する必要はないし、通院に合わせて予定を調整する必要もない。次に先生に会えるのいつだろうって指折り数えることもない」
「指折り数えてません」
家で毎日顔を合わせてるんだから、それこそ必要ない。
「そういえば結婚したんだ? おめでとう。偶然だな、俺と名字一緒なんて」
「アリガトウゴザイマス」
白々しい。
「旦那さんによろしく」
その旦那さんが何か言ってる。
旦那さんへの報告はいいとして、母にはあとで今日の結果を伝えよう。涼とこうなってなかったら、今日は母と一緒に診察を受けたかもしれない。一緒に主治医の話を聞いて、今まで診てもらったお礼を伝えるために。
「今までありがとうございました、神河先生」
お辞儀をすると、涼は穏やかに微笑んだ。
初めて会ったのもこの診察室だった。不安でいっぱいの中、この人の診察を受けた。緊張していた私に対して、優しい言葉と眼差しで安心させてくれた。あれから一年と半年近く経つ。今ではこの人が私の夫だ。運命の相手に出会ったとき、「ビビビッときた」「電流が走ったよう」と表現されることがあるけれど、涼と初対面したときの私はそれどころではなかったからわからない。その代わり、私はこの人と出会うために病気になったのかもしれないと思うときがある。そんなことを言ったら怒られてしまうかな。
「神河先生に診てもらえてよかったです」
「そう言ってもらえるとうれしいよ」
もしも思いが通じてなかったら、私は今日をどんな気持ちで迎えたんだろう。悲しんでいただろうか。それとも今ごろはもう吹っ切れて、新たな恋でもしていただろうか。
「何かあったとしても俺はそばにいるんだから、安心してていい」
「はい」
そうだよね。これから涼に病院では診察してもらえないというだけで、体調に異変があれば家ですぐに相談できるし、なんでも聞ける。その点はやはり心強い。
少しの間、見つめ合う。ところで、今日は涼との距離が近いな。彼はいつも患者との距離が物理的に近い。心理的な距離を縮めるためだったり、患者の話をよく聞くためだったり、理由があってわざと椅子を近づけて置いてるように思う。今日はまた一段と近い気がする。私の前に耳の不自由な患者の診察でもしたのだろうか。こんなに近いとすぐにキスできてしまいそう。こんなところでするわけないけど。
「!!」
するわけないと思った矢先に、された。一瞬だけ、チュって。看護師さんが急にきて見られたらどうするの! と、怒りたいけど怒れない。
「気をつけて帰って。お大事に」
最後だし、まあいいか。さようなら、白衣の王子様。
会計を終え、帰る前に院内に併設されているカフェに寄った。飲みものをテイクアウトしていこう。昼前で混雑している。私のように午前中の診察を終えた患者だろう。病院スタッフの姿も見られる。お腹も空いてきたし、食べものも何か買っていこうかな。メニューの立て看板を見ようとして、その横の張り紙に書かれた内容が先に目に入った。
『スタッフ募集中! 一日短時間でもOK。お気軽にお声がけください』
これだ、と瞬間的に思った。
飲みかけのカップをテーブルに置いて、涼が立ち上がった。寝室へ入ってすぐに戻ってきた彼の手には長財布があった。財布の中から紙幣を数枚取り出すと、私に差し出した。
「明日の診察代」
診察代は私のお小遣いから出すつもりでいる。それも涼からもらったお金ではあるんだけど。
「え? 出してくれるの?」
「うん。診察代は別」
「ありがとう――」
受け取った私はぎょっとした。千円札と思いきや、すべて一万円札だったからだ。
「多すぎじゃない? いつも数千円だよ?」
明日はいよいよ最後の外来だ。最後だからといって特別に大きな検査をする予定はない。どう考えても多い。
「予備で多めに。それと、明日は実費だから」
「なんで!?」
言われて驚愕する。実費ということは、健康保険適用での三割負担ではなく、十割つまり全額を支払うということだ。当然、私のお小遣いでは足りない。
涼が再びソファに腰を下ろした。
「お前、俺の扶養じゃん? で、俺の診察受けるじゃん? それだと保険が使えないんだよ」
初耳だった。結婚したせいなの? 全然知らなかった。
「そうだったんだ。ごめんね、余計な出費かかっちゃって」
「謝ることじゃないよ」
「結婚する前に教えてくれたらよかったのに」
自分でも調べればよかった。そしたらこんな大金がかかることはなかった。
「結婚するの遅らせるって言い出すと思って。せっかく彩が『すぐにでも籍入れたい』って言ってくれたのにさ」
あのときか。卒業式の翌日、入籍日はいつにしようかと話し合ったときに、涼は何か言おうとしてた。このことだったんだ。
「延ばしたとしても、一カ月くらいしか変わらないけど」
「俺もお前と早く籍入れたかったから」
そんなうれしいことを言われたら、きゅんとして何も言えなくなってしまう。
「気にするな。たいした額じゃないよ」
涼はあっけらかんとしている。
「たいしたことなくないよ。数千円で済むところを、万札の出番なんだから」
「数万でお前と早く一緒になれたなら安いもんだ」
きゅんが止まらない。涼が甘えるように抱きついてきた。
「節約するからね」
お金のことは大事だ。ちゃんと考えなきゃいけないのに、涼はまったく気にする素振りもなく、服の上から私の胸を揉み始めた。私はちょっと呆れて、ため息をついて言った。
「あれを使う枚数も少し節約しようか。けっこう高いし」
一度、涼にいくらくらいするものなのか訊いたことがある。思っていた以上に高額だった。たぶん最新の最薄タイプだからだ。そんなものを一日に三枚も四枚も惜しげもなく使うんだもの。
「彩ちゃん、それだけは勘弁して」
ようやく涼の顔に焦りの色が表れた。
「私、もう涼の診察は受けられないの?」
「基本的にはそう」
「じゃあ、何かあったら澄先生に診てもらうとか?」
「いや、あの病院がアウト」
「そんな……」
「大丈夫だって。なんとかなるよ」
今後何か病気になったとしても、涼には診てもらえない。誰よりも安心できて一番信頼してる医者なのに、もう診てもらえない。
「彩? 俺の診察を受けるために離婚するとか言うなよ?」
愕然としたままの私に彼が冗談っぽく言った。離婚なんて考えるはずないけど、ショックで答えられずにいたから涼はひやりとしたかもしれない。
診察代の件は仕方ないとして、今日で白衣姿の涼も見納めなんだ。大好きなのに、きっともう見ることはできない。残念だな。最後に診察室で彼の写真を撮らせてもらいたいくらいだ。診察中でシャッター音なんて鳴らしたら、裏から看護師さんが飛んできて「先生はアイドルじゃないんですよ!」と怒られそう。想像するとおかしい。涼はアイドルというより、私にとっては白衣を着た王子様かな。
診察室に呼ばれた。涼はいつものようにモニターと睨めっこをしている。最後だから私の検査結果をそれはそれは念入りにチェックしてる。この横顔も大好きだから、目に焼きつけておこう。
「問題なし。よくがんばったな」
安心と寂しさが入り混じる。いや、ここはしっかり喜ぶべきだ。これで通院は終わり、涼と私は医者と患者ではなくなる。
「これまでもそうだったとは思うけど、もう普通に過ごしていいから。何も心配する必要はないし、通院に合わせて予定を調整する必要もない。次に先生に会えるのいつだろうって指折り数えることもない」
「指折り数えてません」
家で毎日顔を合わせてるんだから、それこそ必要ない。
「そういえば結婚したんだ? おめでとう。偶然だな、俺と名字一緒なんて」
「アリガトウゴザイマス」
白々しい。
「旦那さんによろしく」
その旦那さんが何か言ってる。
旦那さんへの報告はいいとして、母にはあとで今日の結果を伝えよう。涼とこうなってなかったら、今日は母と一緒に診察を受けたかもしれない。一緒に主治医の話を聞いて、今まで診てもらったお礼を伝えるために。
「今までありがとうございました、神河先生」
お辞儀をすると、涼は穏やかに微笑んだ。
初めて会ったのもこの診察室だった。不安でいっぱいの中、この人の診察を受けた。緊張していた私に対して、優しい言葉と眼差しで安心させてくれた。あれから一年と半年近く経つ。今ではこの人が私の夫だ。運命の相手に出会ったとき、「ビビビッときた」「電流が走ったよう」と表現されることがあるけれど、涼と初対面したときの私はそれどころではなかったからわからない。その代わり、私はこの人と出会うために病気になったのかもしれないと思うときがある。そんなことを言ったら怒られてしまうかな。
「神河先生に診てもらえてよかったです」
「そう言ってもらえるとうれしいよ」
もしも思いが通じてなかったら、私は今日をどんな気持ちで迎えたんだろう。悲しんでいただろうか。それとも今ごろはもう吹っ切れて、新たな恋でもしていただろうか。
「何かあったとしても俺はそばにいるんだから、安心してていい」
「はい」
そうだよね。これから涼に病院では診察してもらえないというだけで、体調に異変があれば家ですぐに相談できるし、なんでも聞ける。その点はやはり心強い。
少しの間、見つめ合う。ところで、今日は涼との距離が近いな。彼はいつも患者との距離が物理的に近い。心理的な距離を縮めるためだったり、患者の話をよく聞くためだったり、理由があってわざと椅子を近づけて置いてるように思う。今日はまた一段と近い気がする。私の前に耳の不自由な患者の診察でもしたのだろうか。こんなに近いとすぐにキスできてしまいそう。こんなところでするわけないけど。
「!!」
するわけないと思った矢先に、された。一瞬だけ、チュって。看護師さんが急にきて見られたらどうするの! と、怒りたいけど怒れない。
「気をつけて帰って。お大事に」
最後だし、まあいいか。さようなら、白衣の王子様。
会計を終え、帰る前に院内に併設されているカフェに寄った。飲みものをテイクアウトしていこう。昼前で混雑している。私のように午前中の診察を終えた患者だろう。病院スタッフの姿も見られる。お腹も空いてきたし、食べものも何か買っていこうかな。メニューの立て看板を見ようとして、その横の張り紙に書かれた内容が先に目に入った。
『スタッフ募集中! 一日短時間でもOK。お気軽にお声がけください』
これだ、と瞬間的に思った。
1
お気に入りに追加
153
あなたにおすすめの小説

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
駆け引きから始まる、溺れるほどの甘い愛
玖羽 望月
恋愛
雪代 恵舞(ゆきしろ えま)28歳は、ある日祖父から婚約者候補を紹介される。
アメリカの企業で部長職に就いているという彼は、竹篠 依澄(たけしの いずみ)32歳だった。
恵舞は依澄の顔を見て驚く。10年以上前に別れたきりの、初恋の人にそっくりだったからだ。けれど名前すら違う別人。
戸惑いながらも、祖父の顔を立てるためお試し交際からスタートという条件で受け入れる恵舞。結婚願望などなく、そのうち断るつもりだった。
一方依澄は、早く婚約者として受け入れてもらいたいと、まずお互いを知るために簡単なゲームをしようと言い出す。
「俺が勝ったら唇をもらおうか」
――この駆け引きの勝者はどちら?
*付きはR描写ありです。
エブリスタにも投稿しています。



好きだった幼馴染に出会ったらイケメンドクターだった!?
すず。
恋愛
体調を崩してしまった私
社会人 26歳 佐藤鈴音(すずね)
診察室にいた医師は2つ年上の
幼馴染だった!?
診察室に居た医師(鈴音と幼馴染)
内科医 28歳 桐生慶太(けいた)
※お話に出てくるものは全て空想です
現実世界とは何も関係ないです
※治療法、病気知識ほぼなく書かせて頂きます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる