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第2部
フェーズ7.9-10
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おつまみを出し終えた私はキッチンをさっと片づけてから、予備のスツールを出して涼の隣に座った。その頃にはもうだいぶお酒が進んでいて、一ノ瀬さんの頬はさらに赤く染まっていた。涼はというと、同じくらい飲んでるはずなのに顔にはまったく出ていない。
「彩も飲む?」
涼がお酒の入ったグラスを冗談っぽく私に勧めた。
「まだ飲めません」
一ノ瀬さんは大丈夫だろうか。心配になり涼越しに様子をうかがった。料理をつまみながら今度はチューハイを飲んでいる。
「神河は鷹宮と結婚するんだとばかり思ってたよ」
胸がチクリと痛む。鷹宮って、麗子さんのことだ。やっぱり一ノ瀬さんも麗子さんを知ってるんだ。さらに涼と付き合っていたことまで。
「お前、飲みすぎ」
「なんで別れたんだっけ?」
「おい」
それ以上言うなと言わんばかりに涼が鋭く口を出した。酔っている一ノ瀬さんは気にすることなく続ける。
「ああ、鷹宮が浮気したんだったか」
え?
「でもあれってお前の気を引くためだったんじゃないのか?」
「いいんだよ、昔のことは。余計なこと言うな」
そうだったんだ。てっきりお互いに忙しくて自然消滅でもしたのかと思ってた。そういうことにしておきたかった。涼が過去の人と熱愛だの浮気だのケンカ別れだの、そんな激しい恋愛をしてきたことを想像したくなくて。静かに付き合って、静かに別れててほしかった。そんなことあるわけないのにね。
ということは、どういうことなんだろう。浮気された涼が麗子さんを振った形になるのか。それ以前に、交際が順調なら浮気なんてしないだろうから、すでに関係は悪かったのか。恋愛経験の少ない私には難しい。
一ノ瀬さんはとうとう酔い潰れてしまった。涼はため息をついて彼を起こすと、
「ソファでよければ泊まってけば」
と声をかけた。一ノ瀬さんをソファに移動にさせて、寝室から持ってきた毛布をかけてあげたあとは、キッチンで洗いものをしている私のところにきた。
「さっきあいつが言ったこと、気にしてる?」
向かい側に座って、カウンター越しに私を見据える。
「ううん。昔のことだもん」
「昔のこと」「終わったこと」と、涼が今までにも繰り返し言ってる。だから私も気にしない。涼は私の夫として目の前にいるんだから。ただ、これだけ伝えておく。
「私は、涼のこと裏切らないよ」
もしも涼と麗子さんが別れることなく、一ノ瀬さんが思っていた通り結婚していたら、私は涼を好きになった瞬間に失恋が決定していたんだ。人と人のめぐり合わせって不思議だ。
一ノ瀬さんがソファで寝てるから、涼は「酔っ払いに何かされたら大声で叫べよ」と言い残して、手早くシャワーを浴びた。もちろん何かされるなんてことはなく、一ノ瀬さんは眠りつづけていた。
涼のあとで私もシャワーを浴びてベッドに入った。いつもは開けっ放しにしている寝室のスライド扉を、今日はしっかりと閉めて。
「彩、好きだ……愛してる」
涼が私の上に覆いかぶさって、興奮気味にいっぱいキスしてくる。さっき「裏切らない」なんて言ったせいかもしれない。
「酔ってるし」
お酒くさい。顔に出てないだけでしっかり酔っている。
「彩のことかわいいって」
「お世辞で言ってくれただけでしょ」
「本気でそう思ってんの? 彩はいい女だよ。そんなお前を俺は抱き放題」
首筋にキスされる。そこ弱いから耐えるのは大変なんだけど、流されるわけにはいかない。
「生理中と来客中以外はね」
まさか、すぐ隣のリビングでお客さんが寝ているこの状況でしないよね。扉は閉めたものの、喘いだらリビングに聞こえてしまうだろう。
「また先っぽだけしよっか」
「あれは大嘘でしょーが」
怒ると、涼が私の唇に人差し指を当てて小声で「シー」と制した。
「たのむ、入れさせて。もう勃ってるから」
知ってます。
「大丈夫。あいつなら朝まで起きない」
「そんなのわかんない。トイレとか……」
唇を塞がれた。これは、まずい。私をその気にさせるための、涼の本気のキスだ。絶対に抗えない。でも私だって負けるわけにはいかない。
「あ、ダメッ」
涼がモゾモゾと布団の中に潜っていく。抵抗むなしくパジャマとパンツを同時に脱がされて、脚を広げられた。
「っ!!」
ぬるりと熱い舌で舐められた。お酒のせいか、いつもより熱い。気持ちよくなっちゃいけないのに、負けるわけにはいかないのに、理性が崩れていく。
「ダ……メ……」
小声での抵抗は、涼の耳に届いているのか怪しい。聞こえていたとしてもやめる気はなさそう。
入口を集中的に舐められる。欲しがらせるための絶妙な舌使い。私は口を手で押さえながら、声が出るのを必死に堪えた。
腰が自然とくねる。私がすっかり感じていることがわかると、涼は舐めるのをやめて自分のズボンと下着を途中まで下ろし、コンドームをつけた。一応、脚を閉じようと試みたものの、彼の力に適うはずはなく、
「んっ……!!」
あっさりと入れられてしまった。
「嫌がってるわりには、すごいことになってる」
返す言葉がない。あっさり入れられたのではなくて、入ってしまったの。あんなことをされたら当然だ。それでも耐えようとしたのに。
「入れただけでも気持ちいいな」
深いところに収めたまま、涼はじっとしてる。動いたらベッドが軋む音で一ノ瀬さんが目を覚ましてしまうかもしれないから。私だって、動かれたら声を抑えられる自信がない。でも、このあとはどうするの?
「……っ」
軋まない程度に、ごくゆっくりと動き始めた。これはこれで。
「形がよくわかるだろ」
一番太いところが内壁をゆっくりと擦る感覚と、細くて長い部分が私の中を出たり入ったりしているのがよくわかる。
「やらし……」
「だな……繋がってるのがしっかりわかる」
息が上がってくる。それは涼も同じだった。
「たまにはこういうのもいいな。普通にするの、そろそろ飽きてきただろ?」
「飽きてな……んっ」
また唇を塞がれた。
「俺の形、感じて。気持ちいい?」
「わかる……きもち、いい」
少しだけ動きが速くなってくる。その代わりに動きは小さく。奥の行き止まりを何度も優しくツンツンされる。
「口、塞いで……声出ちゃう」
「ん……」
キスで口を塞いでもらう。二人の息遣いと小さくベッドが軋む音がする。いつの間にかパジャマのボタンも外されていて、胸も揉まれていた。
「んんっ……」
先端が子宮の入口に何度もキスしてるみたい。体の奥がキュンキュンする。
「すごい締まってる……イきそう」
「私、も……っ」
キスでお互いの声を封じながら、同時に果てた。
最後は激しかった。リビングに聞こえてしまったかも。一ノ瀬さんが実は目を覚ましていて、こちらの音に耳を澄ませていたらどうしよう。明日の朝がとてつもなく気まずい。
「彩も飲む?」
涼がお酒の入ったグラスを冗談っぽく私に勧めた。
「まだ飲めません」
一ノ瀬さんは大丈夫だろうか。心配になり涼越しに様子をうかがった。料理をつまみながら今度はチューハイを飲んでいる。
「神河は鷹宮と結婚するんだとばかり思ってたよ」
胸がチクリと痛む。鷹宮って、麗子さんのことだ。やっぱり一ノ瀬さんも麗子さんを知ってるんだ。さらに涼と付き合っていたことまで。
「お前、飲みすぎ」
「なんで別れたんだっけ?」
「おい」
それ以上言うなと言わんばかりに涼が鋭く口を出した。酔っている一ノ瀬さんは気にすることなく続ける。
「ああ、鷹宮が浮気したんだったか」
え?
「でもあれってお前の気を引くためだったんじゃないのか?」
「いいんだよ、昔のことは。余計なこと言うな」
そうだったんだ。てっきりお互いに忙しくて自然消滅でもしたのかと思ってた。そういうことにしておきたかった。涼が過去の人と熱愛だの浮気だのケンカ別れだの、そんな激しい恋愛をしてきたことを想像したくなくて。静かに付き合って、静かに別れててほしかった。そんなことあるわけないのにね。
ということは、どういうことなんだろう。浮気された涼が麗子さんを振った形になるのか。それ以前に、交際が順調なら浮気なんてしないだろうから、すでに関係は悪かったのか。恋愛経験の少ない私には難しい。
一ノ瀬さんはとうとう酔い潰れてしまった。涼はため息をついて彼を起こすと、
「ソファでよければ泊まってけば」
と声をかけた。一ノ瀬さんをソファに移動にさせて、寝室から持ってきた毛布をかけてあげたあとは、キッチンで洗いものをしている私のところにきた。
「さっきあいつが言ったこと、気にしてる?」
向かい側に座って、カウンター越しに私を見据える。
「ううん。昔のことだもん」
「昔のこと」「終わったこと」と、涼が今までにも繰り返し言ってる。だから私も気にしない。涼は私の夫として目の前にいるんだから。ただ、これだけ伝えておく。
「私は、涼のこと裏切らないよ」
もしも涼と麗子さんが別れることなく、一ノ瀬さんが思っていた通り結婚していたら、私は涼を好きになった瞬間に失恋が決定していたんだ。人と人のめぐり合わせって不思議だ。
一ノ瀬さんがソファで寝てるから、涼は「酔っ払いに何かされたら大声で叫べよ」と言い残して、手早くシャワーを浴びた。もちろん何かされるなんてことはなく、一ノ瀬さんは眠りつづけていた。
涼のあとで私もシャワーを浴びてベッドに入った。いつもは開けっ放しにしている寝室のスライド扉を、今日はしっかりと閉めて。
「彩、好きだ……愛してる」
涼が私の上に覆いかぶさって、興奮気味にいっぱいキスしてくる。さっき「裏切らない」なんて言ったせいかもしれない。
「酔ってるし」
お酒くさい。顔に出てないだけでしっかり酔っている。
「彩のことかわいいって」
「お世辞で言ってくれただけでしょ」
「本気でそう思ってんの? 彩はいい女だよ。そんなお前を俺は抱き放題」
首筋にキスされる。そこ弱いから耐えるのは大変なんだけど、流されるわけにはいかない。
「生理中と来客中以外はね」
まさか、すぐ隣のリビングでお客さんが寝ているこの状況でしないよね。扉は閉めたものの、喘いだらリビングに聞こえてしまうだろう。
「また先っぽだけしよっか」
「あれは大嘘でしょーが」
怒ると、涼が私の唇に人差し指を当てて小声で「シー」と制した。
「たのむ、入れさせて。もう勃ってるから」
知ってます。
「大丈夫。あいつなら朝まで起きない」
「そんなのわかんない。トイレとか……」
唇を塞がれた。これは、まずい。私をその気にさせるための、涼の本気のキスだ。絶対に抗えない。でも私だって負けるわけにはいかない。
「あ、ダメッ」
涼がモゾモゾと布団の中に潜っていく。抵抗むなしくパジャマとパンツを同時に脱がされて、脚を広げられた。
「っ!!」
ぬるりと熱い舌で舐められた。お酒のせいか、いつもより熱い。気持ちよくなっちゃいけないのに、負けるわけにはいかないのに、理性が崩れていく。
「ダ……メ……」
小声での抵抗は、涼の耳に届いているのか怪しい。聞こえていたとしてもやめる気はなさそう。
入口を集中的に舐められる。欲しがらせるための絶妙な舌使い。私は口を手で押さえながら、声が出るのを必死に堪えた。
腰が自然とくねる。私がすっかり感じていることがわかると、涼は舐めるのをやめて自分のズボンと下着を途中まで下ろし、コンドームをつけた。一応、脚を閉じようと試みたものの、彼の力に適うはずはなく、
「んっ……!!」
あっさりと入れられてしまった。
「嫌がってるわりには、すごいことになってる」
返す言葉がない。あっさり入れられたのではなくて、入ってしまったの。あんなことをされたら当然だ。それでも耐えようとしたのに。
「入れただけでも気持ちいいな」
深いところに収めたまま、涼はじっとしてる。動いたらベッドが軋む音で一ノ瀬さんが目を覚ましてしまうかもしれないから。私だって、動かれたら声を抑えられる自信がない。でも、このあとはどうするの?
「……っ」
軋まない程度に、ごくゆっくりと動き始めた。これはこれで。
「形がよくわかるだろ」
一番太いところが内壁をゆっくりと擦る感覚と、細くて長い部分が私の中を出たり入ったりしているのがよくわかる。
「やらし……」
「だな……繋がってるのがしっかりわかる」
息が上がってくる。それは涼も同じだった。
「たまにはこういうのもいいな。普通にするの、そろそろ飽きてきただろ?」
「飽きてな……んっ」
また唇を塞がれた。
「俺の形、感じて。気持ちいい?」
「わかる……きもち、いい」
少しだけ動きが速くなってくる。その代わりに動きは小さく。奥の行き止まりを何度も優しくツンツンされる。
「口、塞いで……声出ちゃう」
「ん……」
キスで口を塞いでもらう。二人の息遣いと小さくベッドが軋む音がする。いつの間にかパジャマのボタンも外されていて、胸も揉まれていた。
「んんっ……」
先端が子宮の入口に何度もキスしてるみたい。体の奥がキュンキュンする。
「すごい締まってる……イきそう」
「私、も……っ」
キスでお互いの声を封じながら、同時に果てた。
最後は激しかった。リビングに聞こえてしまったかも。一ノ瀬さんが実は目を覚ましていて、こちらの音に耳を澄ませていたらどうしよう。明日の朝がとてつもなく気まずい。
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