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第1部
フェーズ7-1
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入籍することを伝えて、一緒に住むことも両親に許してもらって、そのまま涼と一緒にマンションに帰ったら、「今夜は絶対してる」と思ってるだろう。実際、その通りで。
「あの……」
「ん?」
ベッドの上で向かい合って座り、先に上半身だけ裸になった涼に服を脱がされている。卒業前の最後の二週間は結局しなかった。だから使わずに済んだあの手を、今日使ってみようかな。
「何?」
下着だけになると、涼は手を止めて、うつむいている私の顔を覗き込んだ。最後まで脱がせなかったのは、私が今日はしないとでも言い出すと思ったのかもしれない。
「あの、ね……涼、私が卒業するまで、私のこと大事にして、いっぱい我慢してくれたから……」
「いや、いまいち我慢しきれてなかったっていうか」
私は首を横に振った。
「そんなことない。とにかく、うれしかった。ありがとう」
「大事なものを大事にするのは当たり前」
涼が片肘をついて横になった。
「だから、その……」
緊張から、再び言い淀む。
「お礼がしたいの」
「お礼?」
「そう」
手を伸ばしてズボンの上から涼の股間に触れた。
「彩、それは……」
涼が戸惑ってる。私が触れるのは初めてだから。
「ダメ?」
「ダメじゃないけどさ……」
涼が考えてることはわかる。私にそんなことはさせたくないんだと思う。きっと今、彼の頭の中では理性と欲望が戦っているはずだ。涼は息をつくと、片肘をつくのをやめて仰向けになった。
「いいよ。脱がせて」
欲望が勝ったらしい。こうなったら仕方がない? 観念した?
「両方一緒に」
ズボンのウエストに手をかけると、涼が言った。両方ということは、ズボンと下着を同時にということだ。そんなことをしたら、いきなりご対面になってしまうんだけど。ちょっと待って。自分で言っておきながら心の準備がまだできていない。そういえば私、明るいところでまじまじと見るのは初めてだ。
「怖いならやめていいけど?」
躊躇しているのがバレた。怖くなんか、ない。意を決してズボンと下着を下ろした。
すでにウォーミングアップ中だった。もっとグロテスクなのを想像してた。全然そんなことはない。むしろきれいで、愛しさがこみ上げてくる。
涼は平然とした顔をしていて、「それで、どうするの?」とでも言いたげだ。その顔を崩したい。照れている場合ではない。今日はお礼をすると決めたんだ。
私は涼の脚に跨ると、生身のそれに触れ、握った。あったかい。それと、すでに硬い。
触るだけでは意味がない。涼に気持ちよくなってもらいたい。ぎこちない手つきで、とりあえず擦ってみる。こんな感じでいいのかな。あ、さっきより硬くなってきた。なんだかここだけ別の生き物みたいだ。
「もっと強くしていいよ」
涼が私の手に自分の手を添えて、ぐっと握らせた。力加減がわからなくて、痛くしてはいけないと弱めに握っていた。もっと強くしていいんだ。
「こんな風に」
私の手ごと上下に動かし始める。こんなにして痛くないかと心配になるけど、涼の息が少し上がってきたようだ。
「気持ちいい?」
「うん。下着姿のお前が俺に跨ってこんなことしてるんだから、視覚的にも興奮する」
自分でもすごいことをしてると思う。でもいやらしい気持ちだけではない。お礼の意味ももちろんあるけど、涼のことが好きだから、よくしてあげたいの。もっと、もっと――。
「っ! 彩……!」
跨ったまま、私はそれを口に咥えた。
「ちょっと待……っ」
涼が止めるのも聞かずに、ゆっくりと頭を上下させる。
「彩……」
全部は収まらない。口に入らない部分は唇と舌で愛撫する。私、涼のここも好き、大好き。涼にもよくなってもらいたい。
無我夢中で動かしていると、さらに大きくなってきた。
「彩、待て待て! ストップ!」
涼が声を荒げたから、私は咥えるのをやめて彼を見上げた。顔が少し赤くなってる?
「それ以上されると出ちゃうから」
「もう出てたよ?」
先端を舐めてたときに何か出てて妙な味がした。
「そんなもんじゃないから。彩の口の中に発射しちゃうから」
珍しく涼が慌てている。おもしろい。ちょっとかわいい。
「いいよ? 出しても」
「よくない。お前にそんなことまでさせられない。おいで」
本当にいいんだけどな。仕方なく私は涼の素肌に寄り添った。彼の腕が私の肩に回され、抱き寄せられる。
「気持ちよかった?」
「よかったよ。初めてとは思えないくらい。どこで覚えたんだか」
「ええと……情報収集して」
涼がくすりと笑う。
「まったく。無理しなくていいのに」
「無理なんてしてない。したくなったからしただけ」
今度は涼が私の上に覆いかぶさり、キスをしてきた。好き、大好き。涼のためなら私はなんでもできる。なんでもしてあげたい。
「あの……」
「ん?」
ベッドの上で向かい合って座り、先に上半身だけ裸になった涼に服を脱がされている。卒業前の最後の二週間は結局しなかった。だから使わずに済んだあの手を、今日使ってみようかな。
「何?」
下着だけになると、涼は手を止めて、うつむいている私の顔を覗き込んだ。最後まで脱がせなかったのは、私が今日はしないとでも言い出すと思ったのかもしれない。
「あの、ね……涼、私が卒業するまで、私のこと大事にして、いっぱい我慢してくれたから……」
「いや、いまいち我慢しきれてなかったっていうか」
私は首を横に振った。
「そんなことない。とにかく、うれしかった。ありがとう」
「大事なものを大事にするのは当たり前」
涼が片肘をついて横になった。
「だから、その……」
緊張から、再び言い淀む。
「お礼がしたいの」
「お礼?」
「そう」
手を伸ばしてズボンの上から涼の股間に触れた。
「彩、それは……」
涼が戸惑ってる。私が触れるのは初めてだから。
「ダメ?」
「ダメじゃないけどさ……」
涼が考えてることはわかる。私にそんなことはさせたくないんだと思う。きっと今、彼の頭の中では理性と欲望が戦っているはずだ。涼は息をつくと、片肘をつくのをやめて仰向けになった。
「いいよ。脱がせて」
欲望が勝ったらしい。こうなったら仕方がない? 観念した?
「両方一緒に」
ズボンのウエストに手をかけると、涼が言った。両方ということは、ズボンと下着を同時にということだ。そんなことをしたら、いきなりご対面になってしまうんだけど。ちょっと待って。自分で言っておきながら心の準備がまだできていない。そういえば私、明るいところでまじまじと見るのは初めてだ。
「怖いならやめていいけど?」
躊躇しているのがバレた。怖くなんか、ない。意を決してズボンと下着を下ろした。
すでにウォーミングアップ中だった。もっとグロテスクなのを想像してた。全然そんなことはない。むしろきれいで、愛しさがこみ上げてくる。
涼は平然とした顔をしていて、「それで、どうするの?」とでも言いたげだ。その顔を崩したい。照れている場合ではない。今日はお礼をすると決めたんだ。
私は涼の脚に跨ると、生身のそれに触れ、握った。あったかい。それと、すでに硬い。
触るだけでは意味がない。涼に気持ちよくなってもらいたい。ぎこちない手つきで、とりあえず擦ってみる。こんな感じでいいのかな。あ、さっきより硬くなってきた。なんだかここだけ別の生き物みたいだ。
「もっと強くしていいよ」
涼が私の手に自分の手を添えて、ぐっと握らせた。力加減がわからなくて、痛くしてはいけないと弱めに握っていた。もっと強くしていいんだ。
「こんな風に」
私の手ごと上下に動かし始める。こんなにして痛くないかと心配になるけど、涼の息が少し上がってきたようだ。
「気持ちいい?」
「うん。下着姿のお前が俺に跨ってこんなことしてるんだから、視覚的にも興奮する」
自分でもすごいことをしてると思う。でもいやらしい気持ちだけではない。お礼の意味ももちろんあるけど、涼のことが好きだから、よくしてあげたいの。もっと、もっと――。
「っ! 彩……!」
跨ったまま、私はそれを口に咥えた。
「ちょっと待……っ」
涼が止めるのも聞かずに、ゆっくりと頭を上下させる。
「彩……」
全部は収まらない。口に入らない部分は唇と舌で愛撫する。私、涼のここも好き、大好き。涼にもよくなってもらいたい。
無我夢中で動かしていると、さらに大きくなってきた。
「彩、待て待て! ストップ!」
涼が声を荒げたから、私は咥えるのをやめて彼を見上げた。顔が少し赤くなってる?
「それ以上されると出ちゃうから」
「もう出てたよ?」
先端を舐めてたときに何か出てて妙な味がした。
「そんなもんじゃないから。彩の口の中に発射しちゃうから」
珍しく涼が慌てている。おもしろい。ちょっとかわいい。
「いいよ? 出しても」
「よくない。お前にそんなことまでさせられない。おいで」
本当にいいんだけどな。仕方なく私は涼の素肌に寄り添った。彼の腕が私の肩に回され、抱き寄せられる。
「気持ちよかった?」
「よかったよ。初めてとは思えないくらい。どこで覚えたんだか」
「ええと……情報収集して」
涼がくすりと笑う。
「まったく。無理しなくていいのに」
「無理なんてしてない。したくなったからしただけ」
今度は涼が私の上に覆いかぶさり、キスをしてきた。好き、大好き。涼のためなら私はなんでもできる。なんでもしてあげたい。
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