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第1部
フェーズ6-2
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まだ息が整わない私に涼が優しくキスをする。初めて素肌で抱き合っている。体温が心地よくて、石鹸の香りに包まれた肌はすべすべで、これだけでも幸せな気持ちになる。でも今日はもっと先へ。
「入れるよ」
涼が手を伸ばしてベッドのヘッドボード側面にある小さな引き出しを開けた。そこ、収納スペースがあったんだ。中から取り出したものは、光沢のある黒色の、薄くて小さな袋だった。表面が輪っかの形に盛り上がっている。さっき私が言葉にできなくてニワトリになってしまったものだ。用意してくれてたんだ。
確認するように私に見せつける。私は頷いた。涼が腰に巻いていたバスタオルに手をかける。私はとっさに目をそらした。見てない間に涼は手早くそれを装着して、私の入口にあてがった。触れただけでわかる。それに今、タオルを外すときにちらりと見てしまった。前にほんの少しだけ先端が入った指と比べて、ボリュームが圧倒的だ。比べものにならない。ちょっと、怖いかも。
「怖いか?」
「少し……」
正直に答えると、彼が私に覆いかぶさってキスしてくれた。まるで、「大丈夫だよ」と言っているかのように、優しく。そのキスが気持ちよくて、安心して力が抜けたところで、彼がゆっくりと私の中に入ってきた。
「あっ……」
体が押し広げられるのと同時に、裂けるような痛みが広がった。涼が優しくゆっくりしてくれてるのはわかる。それでもこの痛みは容赦なく私を貫く。
「痛い?」
「う、ん……でも、大丈夫……」
大丈夫だから、やめないで。涼は私を見つめ、反応をうかがいながら少しずつ深めていく。少しずつ、ゆっくりと。
「彩、力抜いて、リラックス」
「む、り……」
緊張と痛みのせいで、自然と力んでしまうのだ。涼がまたキスをしてくれる。体の奥がきゅんとする。しかしそれ以上に、合間にこぼれる何かに耐えるような彼の吐息が色っぽくて、破壊力抜群だった。もうどうにでもして、という気になってくる。
たっぷりと時間をかけて、やがて二人の体が密着した。
「全部、入った……わかるか?」
「わか、る……」
私の中に、涼がいる。深く埋められて、力強く脈打っているのを感じる。
「彩……ずっとこうしたかった」
抱きしめられて、涙が滲む。繋がれた。私、涼とひとつになれたんだ。
「あったかいよ、中」
「涼も……」
胎内で感じる、お互いのぬくもり。こうして抱き合ってるだけで気持ちいい。涼も私を気遣って、しばらくこのままでいてくれた。
「んっ……」
涼が私の首筋にいっぱいキスをする。肩にも胸にも。その度に、彼を受け入れている場所が反応してしまう。
「彩……あんまり締めつけられるとさ……」
「ご、ごめん……」
だって勝手に力が入ってしまうんだもの。
「少し動いていい? 無理はさせたくないから、少しずつ」
「うん……」
また私の反応を見ながら、涼が少しずつ動き始める。
「……っん」
やっぱり痛い。痛いけど、それだけじゃない。変な感じがする。
「ちょっと、奥のほう、きもちいい、かも」
「奥? 奥が気持ちいいの?」
聞き返されて、かあっと顔が熱くなる。私、変なこと言った? 照れくさそうにする私を見て、涼はくすっと笑った。
「……ここ?」
「あっ……そこ……」
私がいいと言った奥を集中的に涼が腰を打ちつける。奥に眠る悦びを目覚めさせるかのように。
「かわいいよ、彩……」
そう言って、首筋を下から上まで舐め上げられた。身震いするような感覚が、ぶわっと全身に広がる。
「もっとよくしてやりたいけど……悪い、俺が、もたない……」
息を荒くしながら涼が言った。いつも冷静な彼が、今は確かに乱れている。それがうれしくて、私は彼の背中に腕を回してしっかりと受け止めた。
「入れるよ」
涼が手を伸ばしてベッドのヘッドボード側面にある小さな引き出しを開けた。そこ、収納スペースがあったんだ。中から取り出したものは、光沢のある黒色の、薄くて小さな袋だった。表面が輪っかの形に盛り上がっている。さっき私が言葉にできなくてニワトリになってしまったものだ。用意してくれてたんだ。
確認するように私に見せつける。私は頷いた。涼が腰に巻いていたバスタオルに手をかける。私はとっさに目をそらした。見てない間に涼は手早くそれを装着して、私の入口にあてがった。触れただけでわかる。それに今、タオルを外すときにちらりと見てしまった。前にほんの少しだけ先端が入った指と比べて、ボリュームが圧倒的だ。比べものにならない。ちょっと、怖いかも。
「怖いか?」
「少し……」
正直に答えると、彼が私に覆いかぶさってキスしてくれた。まるで、「大丈夫だよ」と言っているかのように、優しく。そのキスが気持ちよくて、安心して力が抜けたところで、彼がゆっくりと私の中に入ってきた。
「あっ……」
体が押し広げられるのと同時に、裂けるような痛みが広がった。涼が優しくゆっくりしてくれてるのはわかる。それでもこの痛みは容赦なく私を貫く。
「痛い?」
「う、ん……でも、大丈夫……」
大丈夫だから、やめないで。涼は私を見つめ、反応をうかがいながら少しずつ深めていく。少しずつ、ゆっくりと。
「彩、力抜いて、リラックス」
「む、り……」
緊張と痛みのせいで、自然と力んでしまうのだ。涼がまたキスをしてくれる。体の奥がきゅんとする。しかしそれ以上に、合間にこぼれる何かに耐えるような彼の吐息が色っぽくて、破壊力抜群だった。もうどうにでもして、という気になってくる。
たっぷりと時間をかけて、やがて二人の体が密着した。
「全部、入った……わかるか?」
「わか、る……」
私の中に、涼がいる。深く埋められて、力強く脈打っているのを感じる。
「彩……ずっとこうしたかった」
抱きしめられて、涙が滲む。繋がれた。私、涼とひとつになれたんだ。
「あったかいよ、中」
「涼も……」
胎内で感じる、お互いのぬくもり。こうして抱き合ってるだけで気持ちいい。涼も私を気遣って、しばらくこのままでいてくれた。
「んっ……」
涼が私の首筋にいっぱいキスをする。肩にも胸にも。その度に、彼を受け入れている場所が反応してしまう。
「彩……あんまり締めつけられるとさ……」
「ご、ごめん……」
だって勝手に力が入ってしまうんだもの。
「少し動いていい? 無理はさせたくないから、少しずつ」
「うん……」
また私の反応を見ながら、涼が少しずつ動き始める。
「……っん」
やっぱり痛い。痛いけど、それだけじゃない。変な感じがする。
「ちょっと、奥のほう、きもちいい、かも」
「奥? 奥が気持ちいいの?」
聞き返されて、かあっと顔が熱くなる。私、変なこと言った? 照れくさそうにする私を見て、涼はくすっと笑った。
「……ここ?」
「あっ……そこ……」
私がいいと言った奥を集中的に涼が腰を打ちつける。奥に眠る悦びを目覚めさせるかのように。
「かわいいよ、彩……」
そう言って、首筋を下から上まで舐め上げられた。身震いするような感覚が、ぶわっと全身に広がる。
「もっとよくしてやりたいけど……悪い、俺が、もたない……」
息を荒くしながら涼が言った。いつも冷静な彼が、今は確かに乱れている。それがうれしくて、私は彼の背中に腕を回してしっかりと受け止めた。
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