ULTIMATE〜ADIZ その先へ Japan of recapture(2155)THE CROSS

ULTIMATE〜THE CROSS

ULTIMATE〜THE CROSS第8話

主要登場人物一覧
峡睦也(37)…7代目主人公 特別防衛派遣群 支援班長 主任 2等幹士
高塚晃大(42)…特別防衛派遣群 合同指揮本部 管理官 警視監
新原将暉(26)…特別防衛派遣群 合同指揮本部 管理官 警視
市倉颯人(26)…特別防衛派遣群 合同指揮本部 管理官補佐 衛幹
柳原辰信(52)…警衛庁7代目幕僚総監 兼 特別防衛派遣群 合同指揮本部長
一織将太(31)…特別防衛派遣群 支援班 2等隊士
一颯皇駕(31)… 特別防衛派遣群 支援班 2等隊士
相模恭介(31)… 特別防衛派遣群 支援班 2等隊士
駒田恭太(25)…特別防衛派遣群 支援班 巡査部長
有馬慶太(25)…特別防衛派遣群 支援班 巡査
檜垣篤人(36)… 特別防衛派遣群 合同指揮本部  待機要員 一等海上保安正
外島透也(36)…特別防衛派遣群 合同指揮本部  待機要員 一等海上保安正
柿谷臣(22)…特別防衛派遣群 合同指揮本部 待機要員 ３等隊士
徳馬大輔(43)…特別防衛派遣群 第1急襲班 班長 警視正
高崎翔祐(38)…特別防衛派遣群 第2急襲班 班長警視正
紀周龍友(51)…特別防衛派遣群 第3急襲班 班長1等幹士
戸塚翔甫(49)…特別防衛派遣群 第4急襲班 班長警視

階級(警衛隊)
隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監

階級 (警察)
巡査→巡査長→巡査部長→警部補→警部→警視→警視正→警視長→警視監→警視総監

階級(海上保安庁)
三等海上保安士→二等海上保安士→一等海上保安士→三等海上保安正→二等海上保安正→一等海上保安正→三等海上保安監→二等海上保安監→一等海上保安監 →海上保安監→次長→海上保安庁長官
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「目標確認。これより高度低下開始」
高崎が最後に目撃された建物上空付近に近づくとパイロットはそのまま慎重に機体を降下させ始めた。
「高度100メートルで降下開始。現着次第そのまま高崎の捜索開始だ。」
峡が言うと周りにいた隊員らはすぐに返事した。
「たけーな」
有馬が呟くと駒田は有馬に目をやった。
「俺も高いところ無理なんだよな～」
駒田が呟くと近くにいた相模が軽く笑った。
「おい聞いたかよ。ポリってやっぱ弱腰なんだな」
相模が言うと有馬は相模を睨みつけた。
「あ？やんのか？来いよ」
相模が言うと有馬は鼻で笑った。
「無駄な事はしない主義だから。喧嘩なんて低知能なことしねーよ」
「馬鹿は馬鹿だからな。すぐこうやって喧嘩売ってくんだよ」
そう言うと駒田は笑った。
「あ？今なんつった？おい」
相模が怒鳴ると一織がすぐに止めに入った。
「暴れんなよ。機内で。揺れんだろ」
「うるせーよ」
「静かにしろよ。ちょっとぐらい黙ってられねーのか？」
一織が言うと一颯が言った。
「こいつにまともを突きつけんなよ笑できるわけねーだろ。こいつに」
「あ？一颯、あんま調子乗んなよ」
「相模こそ。暴れることしか知らねーもんな。お前」
「あのな」
相模が立ち上がろうとした時だった機内が大きく揺れた。
「なんかあったか？」
峡が聞くとパイロットはすぐに応答した。
「風が強くて。すいません」
「近くの公園にポイント変更しよう。」
そう言うと峡はすぐにiPadを起動させた。
「西に100メートル。そこに公園がある。広さ的にも多分、機体ごと着地はいけると予想する。」
峡が言うとパイロット達は近くの公園に目をやった。
「了解しました。ポイント変更します」
「迅速にな」
そう言うと峡は窓を軽く開けた。
「確かに風強いっすね」
一織が言うと峡は軽く頷いた。
「高崎を早く保護しないとな。まずは」
「まもなくポイントへの着地開始です。」
パイロットから無線が入ると峡はすぐに応答した。
「ポイント付近に不審物は見当たらない。そのまま着地実施。着地終了次第そのまま高崎の捜索を開始する」
峡が言うと隊員らは前のめりの姿勢をとった。
公園に着地するとパイロットはすぐにドアを解錠した。
ドアが開くと峡らは銃を構えながら降りた。
「各自そのまま出発しろ。急ぐぞ」
峡が怒鳴ると隊員らはそのまま走り出した。
しばらく進んでいくと、向こうに倒れる人影を見つけた。
「人影現認。これより接近します」
無線連絡を受け取ると峡は周囲に目をやった。
「近くに建物が見えるだろ？気をつけろ。何かあればすぐに退避するんだ。」
「了解」
そう言い隊員が1歩目を踏み出した時だった、1発の銃声と共に隊員は首元に被弾しその場に倒れた。
「くそ」
そう呟くと峡は軽く目をつぶった。
「撃つな。まだ撃つな。指示は出てない」
銃を構える隊員らを見るなり一織が叫んだ。
「峡さん。どうしますか？」
一颯に聞かれ峡は再び周囲に目をやった。
「現場から本部。1名被弾し重症。発砲許可を」
無線機を手に持つと峡は声を荒らげながら無線を送った。
「本部より通達。その場で待機せよ」
連絡を送ると檜垣は高塚らに目をやった。
「本部長、ここは発砲の許可を」
高塚が言うと柳原は軽く咳払いをした。
「待ってください。発砲を許可すれば第2第3の事故が起きる可能性がある。撃ち合いは阻止しないと」
そう言うと市倉は高塚に目をやった。
「それで行こう」
柳原が言うと高塚はその場で怒鳴った。
「そんなこと言ってる場合ですか？1名重症との報告受けましたよね？今、現場は混乱してる。最善策を考えればわかるでしょ？」
「高塚さん。黙ってよ。ねぇ？さっき言わなかったっけ？警衛隊の仕切りなの。これ。警察官僚さんが出しゃばらないでよ」
「警察、警衛隊関係あるか？緊急事態なんだぞ？」
「関係あんだよ。」
そう言うと市倉は高塚に顔を近づけた。
「何が目的だ？現場をこれ以上混乱させてどうするんだ？」
高塚が怒鳴ると市倉は軽く微笑んだ。
「歩兵はいくらでも用意できる。今、警衛隊で応援部隊が待機してる。」
「あのな、」
「これ以上口挟むんだったら、さっちょう(警察庁)に抗議すんぞ。あ？」
そう怒鳴ると市倉は檜垣に指を指した。
「さっさと指示送れ。発砲は許可できん。そう伝えるんだ」
「待て、」
高塚が言うと市倉は高塚の胸ぐらを掴んだ。
「黙れよ。おっさん」
そう言うと市倉はそのまま高塚を睨みつけた。
「本部から現場。発砲は許可できない。よって対象の保護を実施し、事後報告を入れよ」
連絡を送ると檜垣は静かに無線機を置いた。