ULTIMATE〜闇の統帥者 (2122)SEALs精鋭無比

壱暉

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後編仲間の逮捕と浮き上がる真相

ULTIMATE〜SEALs精鋭無比第44話

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主要登場人物一覧
佐倉綾斗(27)…6代目主人公警視庁公安部特捜班所属巡査部長
呉航汰(31)…警視庁公安部特捜班所属巡査部長
土井彰人(39)…警視庁公安部特捜班所属巡査部長
根室昌磨(29)…警視庁公安部特捜班所属巡査部長
前園賢吾(35)…警視庁公安部特捜班長警視
村嶋透也(38)…警視庁公安部特捜班副班長警部
九池篤志(31)…九池警備保証株式会社長
都築崇人(27)…警衛庁自衛科方面統括本部管理官補佐将補

九池警備保証株式会社身辺警護課
中原竜也(49)…身辺警護課長
井戸雄也(39)…専従警護員
長嶺透也(36)…専従警護員
河田良秀(31)…専従警護員

階級(警衛隊)
隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監
階級 (警察)
巡査→巡査長→巡査部長→警部補→警部→警視→警視正→警視長→警視監→警視総監
………………………………………………………………
面会室に入ると疲れ果てた顔をした倉橋が座っていた。
「倉橋」
倉橋を見るなり磯城野が言った。
「あ、ども」
磯城野を見て倉橋は軽く呟いた。
「かなり放心状態だな。まともな会話出来っか？」
藤ヶ谷が聞くと磯城野は倉橋の顔を凝視した。
「その怪我どうしたんだ？今朝はなかったろ？」
磯城野が聞くと倉橋は軽く頷いた。
「玉木って奴いたでしょ？確か基地統括司令部の管理官だって人。あの人に頭鷲掴みにされて何度も……………」
「それって違法だろ？上に訴えたろーか？」
磯城野が言うと倉橋はその場に俯いた。
「俺、この先どうなるんすかね。所属先不明隊員として処理されてそのまま3ヶ月間拘束されてその後、警察に身柄引き渡されて。」
倉橋が呟くと藤ヶ谷は時計に目をやった。
「1つ聞きたいことがある。時間ももう迫ってきてるみたいだし。本題に入るが、なぜ日軍に？」
「記憶はない。俺の親父が日湾戦争で戦死したんです。全ての始まりはそれだった。まもなくして、母親も精神病んで自殺して、俺は児童養護施設に入ることになった。この国の異常さに気づいたのはその後だった。安定してるから。それだけの理由で俺は警察官になった。警察官になって月日がたったある日、俺の警察学校時代の同期が所属する交番で襲撃事件があったんです。当初は、上も早期解決をって。謎に盛り上がってて。捜一にいた俺はその事件の捜査にあたってました。捜査を始めたある日、突然上から捜査を中断しろって。命令がおりて。それで未解決事件になったんです。よくよく聞いたら、交番を襲撃したのは泥酔した警衛隊幹部だったらしくて。後日、神奈川県警に警衛庁から賄賂が送られて事件は未解決事件として処理されたって聞いて。間違ったことしたのに罰せられないって、間違ったことして法を犯したのに金で解決って、それはあまりにも無いでしょ。俺はこの国を変えるために日軍に入ったんです」
「警官時代から日軍にいたのか？」
磯城野が聞いた。
「はい。」
「そーか。それは辛かったな」
藤ヶ谷が呟くと同時に磯城野が机を思いっきり叩いた。
「俺ら一般人がいくら立ち上がってもなこの国は何も変わらんね～んだよ。何もな。むしろ世間から悪とされる。国家に立ち向かうなど悪の何ものでもないと。この国を変えたい。その気持ちを出しすぎるな。洗脳されて生き続ける。俺ら下級国民はそれしか道がないんだ。革命なんてのはな正義にはならねーんだよ。正義ってのは上級国民の思うがままに操作されてんだよ。」
そう言うと磯城野はそのまま面会室から出ていった。
「ちょ、おい」
藤ヶ谷も急いで面会室から出ていった。
「お前どうしたんだよ。な？」
藤ヶ谷が聞くと磯城野はその場に座り込んだ。
「わりーな。熱くなったわ。」
「大丈夫か？」
「立ち上がってもそれが悪とされるって間違ってねーか？俺らって知らぬ間に立ち上がろうとしてる人達の邪魔をしてるんじゃないのか？警衛隊にしても法衛庁にしても俺ら国家の思うがままに国民を操る。それの補佐をしてるだけ。何か納得できねーな」
そう言うと磯城野はポケットから1枚の紙を取り出した。
「辞表？お前辞める気か？」
藤ヶ谷が聞いた。
「今の地位にいることそのものが俺は間違ってんじゃないのかって思う。ま、お前はそのまま上に行けよ。俺はお前が頂点にたってこの国を変えてくれることを期待してるぜ。俺は潔く去るよ」
そう言うと磯城野は立ち上がると歩き出した。

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