ULTIMATE〜season10 (2039) INFECTION

壱暉

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ULTIMATE 〜INFECTION

ULTIMATE 〜INFECTION第5話

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主要登場人物一覧
蔵島壱成(20)…2代目主人公ULTIMATE中央指令部員
中島佑紀弥(20)…ULTIMATE緊急事案機動処理部隊所属
松浦風雅(20)…ULTIMATE緊急事案機動処理部隊所属
長内貴也(53)…ULTIMATE中央指令部長
水崎一躍(24)…ULTIMATE緊急事案機動処理部隊長
室口翔平(43)…ULTIMATE3代目総監
福良啓示(30)…ULTIMATE総監秘書
岸田正龍(26)…警衛局中央監察部首席監察官
工藤哲也(46)…6代目総統
佐島篤大(31)…最高中央指令部長
 ……………………………………………………………
ULTIMATE第1実動部隊、緊急事案機動処理部隊の統率権を委ねられた蔵島は、中央指令部から来る近況を告げる無線連絡を聞きながら走り続けた。
防弾マスクをつけてるせいで、汗と息で視界は失われていく一方だ。
しばらく走り続けた後、蔵島は片手を上にあげた。休憩を告げる合図だ。
蔵島からの休憩がかかるなり隊員達は防弾マスクを取った。
「やべーわ。死にそう」
松浦は汗を拭いながら言った。
「今のうちにしっかり休憩しとけよ」
水崎に言われ松浦は軽く頭を下げた。
その時だった、前方から何かの集団がこちら側に向かってくるのが見えた。
「総員、警戒体制に入れ」
蔵島は銃を構えながら立ち上がると休憩を取っていた隊員達に告げた。
警戒体制に入ったと同時に何かが飛んできた。
ボール型にした爆弾だ。
「総員、離れろ」
蔵島はそう叫ぶとそのまま近くの空き家に入った。
地面に落下したボール型爆弾は耳に響くような音共に白い煙を出しながら爆発した。
白い煙が立ちこめる中、武装した男たちが襲いかかってきた。
銃声と共に次々と隊員達が倒れて行った。
「蔵島、指示を出してくれ。おい」
松浦は目の前で撃たれ続ける隊員達を見ながら蔵島に怒鳴りつけた。
「迎撃だ。撃ち返せ」
蔵島は一瞬で戦場となった現場を目にしながら無線連絡を入れた。
「了解」
松浦は持っていた銃を乱射した。
蔵島もすぐに立ち上がり銃を構えた時だった、武装集団の中に見た事のある男の顔があった。
「中島…?」
蔵島は防弾マスクを外し目を擦りながら見た。
その時だった、銃弾が顔のすぐ横をかすった。
煙の中からだが明らかに中島に似た男はこちらに目をやっていた。
手には銃を持っていた。恐らくさっき撃ってきたのは中島なのだろう……
中島はしばらく蔵島を見つめた後そのまま煙の向こう側へと姿を消した。
「おい、何してんだ。行くぞ」
数分間棒立ちになっていた蔵島に松浦は声をかけた。
「さっき、中島に似た男がいた」
「は?何言ってんだよ。あいつ拉致られてんだぜ。拉致られた奴がここにいるかよ。それにもしそれが中島だとしたらあいつは敵だ。どんな理由があろうとあいつは俺らの仲間を撃った」
そう言いながら松浦は血を流して倒れている隊員達に目をやった。
「しばらくこの部隊の統率権、お前に任せる」
そう言うと蔵島は防弾マスクをその場に捨て耳につけていた無線の受信用イヤホンを取った。
「は?勝手な行動は命取りだぞ。おい」
松浦は蔵島に怒鳴りつけた。
「何かあれば無線で中央指令部に応援要請をしろ。俺はここで離脱する」
そう言うと蔵島はそのままその場から走り去って行った。
「あの野郎。」
そう呟くと松浦は蔵島の防弾マスクを拾った。
「田村さんですか?俺です。今から至急ヘリ飛ばせますか?局まで飛ばして欲しいです」
「お前、また別行動か」
「悪いとは思ってます。でも1つどうしても確認したいことがあって。頼みます」
「わかった」
機長の田村は電話を切ると急いでヘリの中にへと戻って行った。

「なぜあの場で殺さなかった?あ?」
男たちは中島の胸ぐらを掴みながら怒鳴った。
あの時、わざとずらして蔵島に向け発砲したのがバレていたのだ。
「すいません」
ろくに飯も食べれず水分補給もできていない中島の顔は弱っていた。
「次、殺せよ。じゃねーと有藤さんに言うぞ。体を吹き飛ばすようにな」
そう言うと男は中島を突き飛ばした。
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