ULTIMATE〜season10 (2039) INFECTION

壱暉

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ULTIMATE 〜INFECTION

ULTIMATE 〜INFECTION第3話

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主要登場人物一覧
蔵島壱成(20)…2代目主人公ULTIMATE中央指令部員
中島佑紀弥(20)…ULTIMATE緊急事案機動処理部隊所属
松浦風雅(20)…ULTIMATE緊急事案機動処理部隊所属
長内貴也(53)…ULTIMATE中央指令部長
水崎一躍(24)…ULTIMATE緊急事案機動処理部隊長
室口翔平(43)…ULTIMATE3代目総監
福良啓示(30)…ULTIMATE総監秘書
岸田正龍(26)…警衛局中央監察部首席監察官
工藤哲也(46)…6代目総統
佐島篤大(31)…最高中央指令部長
 ……………………………………………………………
「先程、工藤総統から直々に上妻龍臥の拘束命令が出た。これより上妻龍臥の拘束作戦を行う。なお上妻は何者からによって追われている身であり、まずは早急に上妻の身辺を守ることだ」
室口は朝からUL隊員を緊急で呼び出し上妻龍臥の拘束作戦について話していた。
中島からの無線を受け警衛局は上妻龍臥の身柄拘束を行うことを決断した。
「なぜ急に上妻の身柄拘束を?」
蔵島が聞いた。
「今捕まっている中島からの要請だ。今の亜細亜連合は上妻派と有藤派に分かれているらしくてな、中島は一時的に有藤派に入る事になったらしい。中島が有藤派にいる間に上妻を捕まえようという事だ。」
室口が説明すると今度は長内が簡単に今の亜細亜連合についての実情を解説した。
「つまり有藤派のメンバーとして中島はIFウイルスの討伐を行いその間に俺たちは上妻を拘束するという事ですか?」
蔵島が言うと室口はうなずいた。
「そういう事だ。上妻の拘束が完了次第そのまま有藤の拘束も行う。その際に中島の救出も行う。」
「もし少しでも予定外のことが起きたら中島の救出はどうなるんすか?」
松浦が聞いた。
「その場合は…想定していない。予定外の事などは起きないと信じるしかないだろう。とにかく目の前の事だけに集中しろ」
そう言うと室口は集会室から出ていった。
その日の夜、蔵島は1人隊舎の回りを走っていた。
「おい、蔵島急にどした?走り込みなんてお前らしくねーじゃん」
たまたま近くの自動販売機でジュースを買っていた松浦が叫んだ。
「教育隊からずっと一緒なんだよ。苦楽を共にしてきた仲間だ。絶対に救ってやる」
「なんだ、姉目的じゃねーのかよ。しょうもねーな」
「姉?なんの話だ?」
「知らねーの?中島の姉貴、グラビアアイドルなんだぜ?」
そう言うと松浦は中島の姉の写真を見せた。
「お前ってホンマに女にしか興味ねーんだな」
「うるせーよ笑男の生きる意味って女にしかねーだろ」
「んな事ねーだろ笑」
「ほい」
松浦はコーラーを蔵島に投げた。
蔵島は受け取るとすぐに飲み干した。
運動後の水分補給ほど気持ちのいいものはない。
「上妻の拘束権利は我々警衛隊に全て任せるらしい。お前ならどうする?」
工藤は総統室に呼び出した室口に聞いた。
「私なら、そうですね地下牢に閉じ込めてやりますかね。死ぬまで」
「聞く相手を間違ったかも。しょうもねーな。もっと頭を捻った答えは出やんのか?」
「捻った答えですか?」
「ま、考えといてくれや。彼の処分は全て警衛隊に委ねるらしいからな。後、中島の事だが潜入任務に切り替えといてくれ。今確か、行方不明で登録されているだろ?」
「潜入任務に切り替えるんですか?そしたら、彼の捜索は終了となります、それと隊員登録から情報を消すことになります。つまり中島は潜入任務が終わるまで警衛官ではなくなる。彼との連絡も困難になりますが、潜入任務の期限はいつまでですか?」
「そうだな。無期限にしておこう。亜細亜連合の素性を掴めるチャンスだ。彼には頑張ってもらおう。」
そう言うと工藤は警衛隊旗に目をやった。
そしてその日の夜、警衛官名簿から中島の名前が消えた。
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