ULTIMATE〜season7 (2037) INFECTION

壱暉

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ULTIMATE 〜INFECTION

ULTIMATE 〜INFECTION第3話

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主要登場人物一覧
蔵島壱成(18)…2代目主人公ULTIMATE 支援機動班所属
柳生敦也(50)…ULTIMATE支援機動班所属
松浦風雅(18)…警衛隊ULTIMATE第1実動部隊所属   総理大臣射殺事件で逃亡中
菊池謙介(36)…ULTIMATE支援機動班班長
中島佑紀弥(18)…ULTIMATE第1実動部隊所属
長内貴也(51)…2代目ULTIMATE総監
赤木龍一(32)…ULTIMATE中央指令部長
水崎一躍(22)…ULTIMATE中央指令部副部長
越前龍馬(34)…ULTIMATE第1実動部隊長
片倉旬(45)…警衛隊西日本方面本部長
工藤哲也(44)…警衛局監察部管理官兼監察部外部捜査班管理官
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「これより救助部隊を襲撃したと思われる武装集団の制圧を行う。負傷防止に努めて任務を遂行してくれ。現場だが地点は小なりB1地点からC2地点の範囲での警戒に当たってくれ。尚射殺命令はまだ出ていない。見つけ次第生け捕りとする。以上わかれ」
長内からの連絡事項が終わると蔵島は隣にいた柳生に質問した。
「小なり地点ってなんすか?」
「は?お前そんなんも知らんの。小なり地点っのは地区ごとの範囲を言う時に使う。大なり地点ってのが県だったり地方ごとの範囲を表す時に使う。お前まさか小なり地点覚えてねーのか?」
「は、はい。」
「よくも覚えないで警衛官できてるなー。地点覚えねーと無線で指示を受けても動けねーぞ。」
「そうっすよね。」
「今何月だ?」
「12月です」
「来月、1月のはじめに警衛官適任度調査試験がある。強制ではないがお前は強制だ。受けてこい。それでB以上の評価が無ければ不適任としてお前のことを監察に報告する。」
「適任試験ですか…」
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警衛官適任度調査試験とは毎年1月の初旬に行われる試験で、CからSで警衛官としての適任度が評価される。試験内容は筆記試験、口述試験、面接試験、体力試験があり、その総合で評価される。この試験で評価が高ければ昇任スピードが上がったり、通常警衛官よりも倍の給料が支給されている教育隊教官への道が開かれる。
評価S…優秀な警衛官。能力、体力全てにおいて満点評価。
評価A…平均より少し上の警衛官。これからの頑張りによっては評価Sもすぐ目の前
評価B…平均的な警衛官。昇任など少しでも上に行きたいのであればA以上を狙え
評価C…平均以下の警衛官。今のままでは警衛官としての仕事に支障をきたしてもおかしくない。除隊も視野に入れるべき
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「おい、さっさと行くぞ。俺についてこい。地点1つ覚えれねーやつが1人でうろうろするな」
「すいません」
蔵島は柳生に頭を下げるとそのまま柳生について行った。
しばらく走り続けると前の方で人影を見つけた。
「前方に人影を発見、追跡開始」
前を走っていたUL隊員(ULTIMATE隊員)が無線連絡を入れた。
しばらく追跡すると廃ビルのようなところに着いた。
「ここってエルサイアの事務所じゃねーか?」
1人のUL隊員が呟いた。
エルサイアとは警衛隊が追っている武装集団で、IFウイルスと何らかの関連性があると警衛隊はみている。
「長内さん、どうやら武装集団の正体わかりました。エルサイアです」
1人のUL隊員は持っていたスマホで長内に連絡を入れた。
「射殺命令はまだだ。全員生け捕りだ」
「ちょっと待ってください。全員生け捕りは無理です。彼らは武器を所持してます。こちら側はすぐに壊滅状態に陥ってもおかしくはない。緊急で長内さん、あなたから今ここで射殺命令を出してください」
「上からの命令が下りるまで待つんだ」
「でも…」
「貸せ」
そのUL隊員からスマホを奪うと赤木は銃に目をやりながら話し出した。
「こっちよりも向こうの命の方が大事ってか?」
「そんな事はない。それに生け捕りが成功すればきっと何かIFウイルスについてもわかるはずだ」
「そのきっとに、俺らは命かけてんのかなんかやる気無くすなー。」
「何が言いたいんだ」
「こっちは命張ってんだよ。現場は命張ってんだよ。上からの見え方を気にしている司令塔にいるあんたらとはちげーんだよ。お前、現場知ってんだろ?ならわかってくれや。ほんとにそのきっとは、お前が抱いている希望は実現するのか。犠牲を出してまで知る必要あるか?ウイルスについて彼らが何か語ることは有り得ねーと思わねーか?俺は有り得ねーと思う。あとはお前に任せる。お前がそれでも射殺命令を出さないのであれば俺達は潔く今から死にに行く」
「………わかった。現在時、射殺命令をだす。」
「ありがとな」
赤木は電話を切るとそのスマホをさっきのUL隊員に向けて投げた。
「お前ら、行くぞ。」
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