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第8話 ケイコさん、ついに再婚を公にします。

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ダイゴの久しぶりの登校日を終えたその日の夜…
つぼみも寝静まったタイミングでケイコは「重要な話し合いがある」としてダイゴとコテツを呼び出した。
ケイコ「ダイゴくん、コテツさん。これから私の再婚の報告の動画を作って、つぼみのヌーチューブで公開しようと思うの…」
コテツ「ついに公に公表するときが来たんですね…」
ケイコ「それで、新しい家族への理解と、新しい環境に飛び込むつぼみのことを心配しているみんなを安心させるため、ダイゴくんの存在についても公表しようかと思うんだけど、ダイゴくんはいいかな?もちろん名前を出されるのがいやだったらそうするわ。」
ダイゴ「つぼみちゃんのファンに安心してもらうためですね…公表してください!ただ、オレは芸能人でもなんでもないただの中学生です、名前や顔が公になるとつぼみちゃんの将来にも響くかもしれませんので名前は伏せてください。それともしこれからメディア出演の話が来た場合にも顔出しはしません。SNSでも同じ考えです。オレは芸像人の家族でも一般人ですから!」
コテツ「オレも同じ考えです。メディアやSNSへの出演はあくまでもつぼみちゃんの家族としての働き…決して自分が儲けるためではありませんから…」
ケイコ「わかったわ。それと、つぼみの今後の活動名義だけど、引き続き”矢澤つぼみ”のままいくことにしたわ。名義が変われば今まで”矢澤つぼみ”という名前の子役を応援してくれたファンにショックを与えてしまうことになるし、本人も石嶺という名字も好きだけど矢澤という名字ともお別れしたくないらしく、愛着があるみたいだからお仕事の時は矢澤つぼみのままがいいって言ってたからね。」

その後、ケイコは動画に入れる音声の録音を始めた。どうやら動画はBGMとともにテロップと音声が流れるだけのシンプルなもののようだ。
タイトルは「矢澤つぼみを応援してくださっている皆様へ つぼみ母からのご報告です」
「矢澤つぼみの母です。いつもつぼみに多大なるご声援をありがとうございます。
この度私、つぼみママは中学生の男の子を持つシングルファーザーの方と再婚いたしましたことをご報告いたします。
私の再婚が決まった時、つぼみも最初は不安げな表情を浮かべていましたが、新しい家族はとてもやさしい方たちで、つぼみも今では幸せに毎日を送っております。本人は新しいお父さんはちょっと怖いところもあるけど優しいお父さん、お兄ちゃんは面白くて優しいお兄ちゃんだと言っており、すっかり新しい家族が好きになったようです。
そのことを娘の口から聞いた瞬間、私はこの人たちと巡り会ってよかったと心から思いました。
これからも新しい家族とともに成長していく矢澤つぼみに暖かなご声援をよろしくお願いします。
令和5年5月X日 矢澤つぼみ母」

…ケイコが一晩かけて作ったこの動画は翌日未明にアップされ、翌朝は各局のニュースや各ニュースサイトが一斉に取り上げた。
「…続いては芸能ニュースです。本日未明、人気子役の矢澤つぼみちゃんのお母さんが本日未明、動画サイトにて再婚を発表しました…」
コテツ「どこの局にも大きく取り上げられてんな…取り上げるのは自由だがあまり過熱しすぎないでくれよ…一般市民にも言えることだがな。」
ダイゴ「”エクスター”(SNS)のトレンドもすっかりつぼみちゃん一色で、ネットニュースのアクセスランキングも芸能部門じゃ我が家のニュースがトップ5を独占してるし、総合部門でもメジャーリーグや世界情勢の話題を抑えて堂々1位だ。よその国の紛争よりも、〇谷のホームランよりも我が家の再婚のほうがみんな興味あるんかねえ…ま、それほど我が国が平和ってことか!この国に明るい話題を届けられるのは我が家と大〇の活躍ってことにしておこう!!」
コテツ「そうだったらいいが、コメントはみんな好意的なものとは限らんだろ?」
ダイゴ「それがよ~ネットニュースに乗ってたSNSやニュースサイトのコメントを分析した結果の記事によると、96%が好意的な記述!多くの人々が我々新しい家族を理解しているってことよ!」
コテツ「でも、4%は否定的な人間がいるってことだろ?我々はこれからそういった層のバッシングと戦わなければならないかもしれない…」
ケイコ「確かにそのような時が来るかもしれないわね…でも味方のほうが多いのが事実なんだから!私も新しい家族をもっとたくさんの人たちに理解してもらえるよう頑張るわ!」
つぼみ「つぼみは何があっても新しいお父さんとお兄ちゃんが大好きだよ!」
ダイゴ「づぼみぢゃ~ん!あざから泣かせることいっでくれるじゃないでずが~!!お兄ちゃん幸せでずよ~!」
ダイゴは涙と鼻水まみれの顔をつぼみの顔に擦り付けた。
つぼみ「や、やめてよお兄ちゃん!食事中なのに鼻水なんて汚い!」
ダイゴ「ごめんごめん!中学生なのにみっともなかったな…」
…新しい家族の絆が深まった朝であった!
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