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第2話 推しにお兄ちゃんって呼んでもらいましょう。

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オレの親父の再婚相手の子供。その正体は紛れもなくオレの推し、子役の矢澤つぼみ5歳、その人であった。
これから推しと家族としてひとつ屋根の下で暮らすということはうれしいことのはずなんだが、オレはその現実を受け入れられず、ただ蝋人形のように固まっていた。
コテツ「ダイゴ、そんな顔して嬉しくないのか?お前毎日つぼみの写真につぼみちゃ~んって呼びかけてたろ?そいつが妹になるんだぜ?泣いて喜ぶと思ったのに…」

ダイゴ「バ、バレてたんかい!
(確かに推しが妹になるのはうれしいが…まだ心の整理がついてないのも事実だ…ホントは手をあげてバンザーイ!なはずだけど…まだ受け入れられねえんだ…)」
ケイコ「あら?つぼみのファンだったのね!いいお兄ちゃんになってくれそうね!」
コテツ「ほらダイゴ、これから妹になる推しのつぼみちゃんにご挨拶!」
ダイゴ「き…今日から僕が妹になります…矢澤ダイゴ5歳です!」
コテツ「お前何間違えてんだ!お前矢澤じゃないしだいいち妹じゃね~だろ!推しが家族になるのが嬉しいからって緊張すんな!お兄ちゃんになるんだからしっかりしな!」
「は、はい!オレは石嶺ダイゴ、中学2年生です!これからあなたのお兄ちゃんとして全身善意頑張りますので何卒よろしくお願いいたします…」
コテツ「おいおい、妹にそれも幼稚園児にそんな堅苦しい挨拶もいらないだろ…もうちょっと柔らかく…」

つぼみ「ふふっ…ダイゴお兄ちゃん面白い!よろしくねお兄ちゃん!」
ケイコ「つ…つぼみが久しぶりに自然に笑った!」
コテツ「何!?久しぶりなんですか!?」
ケイコ「実はつぼみ、再婚が決まってからずっと自然に笑うことがなかったんです…新しい家族が怖い人だったらどうしようって…優しい人たちだから大丈夫だよって言ってあげたんですけど、それでも不安はなかなか消えなかったみたいで…お仕事の時に笑顔を作ろうにもぎこちない笑顔ばかりで撮影がストップしてしまうほどでして…でも、今日こうして新しい家族のおかげで笑顔が戻りました。コテツさん、私はあなたを選んで本当によかったです…おや?ダイゴくんのようすが…」
ダイゴ「お兄ちゃん…よくいえまちたね~さあもういちどいってみましょ~!りぴーとあふたーみー!お兄ちゃ~ん!」
つぼみ「お兄ちゃん!これからよろしくね!」
ダイゴはすでにメロメロだ!
コテツ「あいつ…ホントにお兄ちゃんが務まるか?」
ケイコ「でも、私はダイゴくんがつぼみのいいお兄ちゃんになってくれると思いますよ。だってつぼみに笑顔をくれたんですもの…」
波乱もあったが、こうしてオレとつぼみちゃんのひとつ屋根の下の生活が幕を開けるのであった!
コテツ「お前ら二人だけの生活じゃね~!だいたいつぼみちゃんと家族になれたのはオレとケイコさんのおかげだぞ!恩を忘れんな!」
ケイコ「まあまあ落ち着いて…これから楽しい家庭にしていきましょう!」
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