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第6話 キッスにご用心!!セップーの接吻地獄の香り!!
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「姉ちゃん知ってる?ウワサのキス蛇女の話!」
こんにちは!浦山ハルカです!…どうやら最近ゆあたちをはじめ低学年を中心に「キス蛇女」の都市伝説が流行中なんです。一体何なんじゃそりゃ…
「あ~、それね…キスされたら毒に侵されるっていうヘンな妖怪の話でしょ?アンタらが休み時間に教室で盛り上がってるの小耳にはさんだわよ…変なもんがはやるもんね…で、それがどうしたの?」
「なんと!この近所の礼矢森林公園の雑木林にも現れたって話だよ!ショータに教えてもらったんだけどこの動画を見て!」
…とゆーワケで私はゆあに動画を見せられました…
「いた…いた!体がヘビで顔が人間!間違いなくキス蛇女だ!これは世紀のスクープ!」
ハルカ「…確かに森林公園ね…」
「ヴヴヴ…ヂュー!」
「わ~っ!逃げろ!キスされたら毒だ~!!ゴツンッ…」
「な!?この辺にもいるんだよ!!」
「…でも私はこういうのあんまり信じないな…だいたい科学が発達したこのご時世に妖怪なんているわけないじゃない!デジタル時代にもよくこういう都市伝説とか非科学的なもんが流行るものね…」
「あのね~それ姉ちゃんがいうセリフじゃねーよ!!姉ちゃんだってレイヤリオンという思いっきり非科学的な存在になって、アニメやゲームのモンスターと戦うって言う思いっきりファンタジーな事やってるじゃないか!そんなセリフ言ったらある意味レイヤリオンハルカ!を否定しかねないぜ!」
「アラ!こりゃ失敬!姉ちゃん見事にブーメラン!テヘッ♪」
「…ブーメランなのはわかったから姉ちゃん!手伝ってくれ!」
「何を?」
「キス蛇女を捕まえるのをだよ!!明日休みだろ?朝から行こうぜ!姉ちゃんならコスプレのパワーで捕まえられるんじゃない?こいつには全日本UMA・妖怪協会が賞金をつけてるんだ!もし捕まえたら大金持ちだぜ!」
「へ~世の中いろんな協会あるもんね~…で、いくらもらえるの?」
「それがな…生きた状態で捕まえたら1億円だぜ!死んでたら半額ってサイトに描いてあるけどそれでも5000万円だ!」
「い、1億!?…やりましょう!お姉ちゃん手伝いましょう!でも賞金はひとりじめダメよ!ちゃんと家族みんなで分けるのよ!」
「…とか言って姉ちゃんこっそり自分の取り分多くとりそうだ…いっつもケーキ分けるときはデカいのばっか狙ってるから…」
「ゆあだってそうじゃない!アンタこそごっそり持っていきそうよ!」
「言ったな~!」
とゆーワケで次の日、朝から森林公園に向かうことになりました。ただし姉弟ふたりっきりでなく…
ゆあ「亀子のねーちゃん助かるぜ!キス蛇女出たら証拠の映像や写真撮影してくれるって?」
「もちろん!この亀子ちひろ、我が盟友浦山ハルカとキス蛇女の世紀の激闘をしっかり記録して見せましょう!」
「ねーちゃんのことだけじゃなくてちゃんと蛇女も撮ってよ!…で、亀子のねーちゃんはいいとして…なんでお前らふたりも勝手についてきてんだよショータとミキト!」
「あのな~情報を提供したのはこのオレ、苫前ショータ様だってことを忘れるなよ!」
「人出が多いほうが助かるだろ?オレたちは友達だろ!もし蛇女にやられたとしても死ぬときはみんな一緒だ!!お前が毒に侵されたらオレたちも毒を引き受ける!それが友情だ!」
「とか何とか言ってホントは賞金目当てだろ?」
「図星!」
「…まあ亀子のねーちゃんはちゃんと撮影してくれるからいいけどさ…お前らふたりは働かなかったら賞金ナシな!」
「こら!ゆあ!ケチケチしないの!賞金もらったらちゃんとふたりにも分けてあげるのよ!」
ショータ「さっすが一流小学生レイヤー!人間ができてるね~!」
ゆあ「じゃあオレは人間ができてないってのかよ!!」
ショータ「あら~?僕はそんなこと一言も言ってませんが~?」
…そんなこんなでキス蛇女が出現したという森林公園の雑木林の奥深くに到着…公園はにぎやかだけどこの雑木林は人気もなく、木々で空が覆われて薄暗く不気味な雰囲気です…
「で、ついたけどこれからどうすんの?ひたすら待つの?」
ゆあ「いや、姉ちゃんには大役を任せたい!ショータ、ミキト、姉ちゃんをおさえててくれ!」
「御意!」
「わっ!何すんのよ!」
「ま、じっとしててくれ…」
わたしはショータくんたちに抑えられながらゆあに唇に何か塗られていきます…
「はい完成!」
「…なにこれぇ…」
鏡を見せられたとたん思わず震え上がりました!紫の口紅が唇からはみ出すように塗られていてまるで口裂け女のようです…
「これじゃあまるでセップーじゃない!」
…セップーとは私もゆあも好きなファンタジーRPG「ブレイドヴァイヴ」に出てくる敵キャラです。蛇の体に人の顔をもち、キスされると毒に侵されるという…なんかキス蛇女にも似た設定のキャラです…
「何を言う!蛇女のコスプレだぜ!…確かにセップーにも似てるけどさ。仲間だと思わせておびき寄せるんだ!衣装も作ったぜ!…学芸会クオリティだけど…」
いつの間に作ったのやら…ビニール袋製の蛇女衣装を下半身にまとってどうやら準備は完了なようです。
「…こんなんで出てくれるもんかね蛇女…」
「姉ちゃんの名演技にかかってるぜ!頼むぞ一流レイヤー!!とにかく誘惑しまくっておびき寄せてくれ!で、出てきたらほかのコスプレにチェンジして捕まえるんだ!」
「はい…わかりましたよ…」
…とゆーワケでおびき寄せ作戦開始!
「ほ~ら、蛇女ちゃ~ん、私は仲間よ~ん♪」
…私はケバいメイクに安っぽいビニール袋製の蛇の着ぐるみといういで立ちで膝立ちしながら全身をくねくねさせて蛇女を呼び込みます…何も知らない人が見たらただのヤバい人です…
「我が盟友ハルカちゃん!レイヤーとしてのプライドを胸に蛇女をおびき寄せようと頑張っております!」
「こんなところとらないで亀子ちゃん!…ある意味今のわたしはレイヤーの恥なんだから…」
「申し訳ない!盟友の辛さに気づけずこの亀子ちひろ一生の不覚!」
「ゆあ!アンタも出てくるか様子見たり手伝いなさいよ!言い出しっぺなんだから…」
「ごめーん…ただいまショータとミキトの5秒即答クイズデスマッチ(コロコロコミック編)の審判してるから無理~!」
ショータ「曽山一寿先生がM-1に出場したときのコンビ名は?」
ミキト「こち亀5、6巻!」
「正解!」
ミキト「次はこっちの番だな…大山時代の映画ドラえもんで唯一大長編が描かれてない作品は?」
「のび太のパラレル西遊記!」
「…正解だ…」
ゆあ「ここまでお互い一歩も譲らない戦いだ~!だが本当の地獄はここから!」
…5秒即答クイズデスマッチ…それはお互いテーマに沿った問題を交互に出し合い、どちらかが間違えるか5秒以内にこたえられずにタイムアップになるまで続く死の戦いである。
ハルカ「…アンタね…さっきあの2人に働かないと賞金ナシとか言ってたくせに何やってんのよ…姉がこんなに頑張ってるのに…」
しかし蛇女は現れることなく3時間経過…
ハルカ「はあ…はあ…さすがに3時間も腰振り続けてるとクラクラしてきたわ…」
ショータ「次…ケシカスくんのボウズの両親の名前は…」
ミキト「まさかすとかすみ…」
「正解…まさか3時間たってもお互いここまで続いてるとはな…そろそろギブアップしたらどうだ…」
「お前こそ…」
ハルカ「あの~君たちまだやってたの…?ここに何しに来たか知ってる?クイズデスマッチやりにこんなとこきたんじゃないよね?人が3時間ぶっ通しで滑稽な格好して頑張ってんのに…」
ゆあ「でもこんだけやってもでてこないんだもん…やる気もなくなるさ…釣りだって釣れなきゃずっとヒマだろ?それとおなじさ…」
「アンタね~人の苦労も知らないで…」
ブーッ!ブーッ!
「ヴィラン反応!?こんな時に…しかも反応はまさにこの雑木林!」
ガサッ…ゴソッ…雑木林の奥から激しく忍び寄る影…
ゆあ「奥のほうからなんか出てくる!」
「ヂューッ!!」
ショータ「でた!キス蛇女だ~!」
ミキト「てゆーかアイツブレイドヴァイブのセップーじゃん!きっとお前のねーちゃんが戦ってるヴィランの仲間だよ!」
「じゃあキス蛇女の正体はヴィラン…セップーだったってことか!とにかく今は逃げろ!」
亀子「これは大スクープ!蛇女の正体はブレイドヴァイヴのセップー!ハルカちゃんが戦ってきたヴィランの一派だったのだー!」
「ヂュー!」
「わあっ!」「やめろ!」「うわっ!」
猛スピードで襲ってきたセップーのキスの餌食にされてしまうショータとミキト、そしてゆあ…
ショータ「ああ…なんだか体が重くなってきたぜ…苫前ショータ、8年の短い生涯がセップーのキスで幕を閉じることになるとはな…お前らみたいな素晴らしい友に会えたことに感謝だぜ…ただ最後にせめてエスコンフィールドでのクライマックスシリーズが観たかったな…今年は久しぶりに調子いいのに最後まで見れないなんて残念だぜ…」
注:こんなタイミングで何だが苫前ショータは日ハムファンである。作者と同じだね。え?作者が日ハムファンなのご存じない?浦山ゆあの「ゆあ」って名前もハムの選手が名前の由来なのにな…
ゆあ「ショータ!しっかりしろ!この話の時間設定2024年の4月だけどこれ書いてるときの現実世界ではしっかり実現してるしファイナルステージまで行ってるから生きるんだ!」
ミキト「ゆあ…オレもなんだか眠いんだ…お前らとの日々楽しかったよ…蛇女の正体がわかっただけでもよかった…ただ最後に阿部慎之助監督の1年目での胴上げを観たかった…」
注:またまたこんなタイミングで何だがミキトは巨人ファンである。それも阪神ファンの女と付き合ったら親子の縁切ると親父からきつく言われてるぐらいの厳格な家系である。
「ミキト!それもちゃんと実現するからしっかりしろ!…って言ってるそばからオレもなんだか…」
ミキト「ゆあ…お前もか…せめてお前にはオレらの分も生きてほしかった…」
「バカヤロウ…死ぬときは一緒だってお前言ってただろ?お前らふたりだけで向こうで寂しい思いはさせねえよ…」
「ヂュー!」
「残念だけど私はあなたの仲間じゃないわ!ゆあたちの敵ここでやっつけてあげる!レイヤチェーンジ!」
「見ろよ…姉ちゃんがいよいよ戦闘モードのようだぜ…最後にその雄姿を焼き付けようぜ…」
とゆーワケで今回のコスプレは…
「炎の魔導士・ファイロ!烈火のごとく降臨!」
…ブレイドヴァイヴのコミカライズ版「ツルギの血脈」の主人公パーティキャラ、女魔導士のファイロ!セップーの弱点は火だからうってつけよ!
ハルカ「ゆあたち!ボクがアイツを倒せばみんなの毒も消える!だから希望を捨てないでほしい!」
「姉ちゃん…」
ショータ「でもアイツ倒したら今までのバケモンと同じく消えちゃうんだろ?それじゃあ賞金もパーじゃねえか…」
ミキト「バカヤロウ!お前この期に及んでまだ金かい…今は命のほうが大事だろ!命があれば今後1億どころじゃねえ…もっとでっかい大金つかむチャンスはやってくるかもしれねえんだ!時は金なり…金より命なり!生きてるってだけでオレたちは勝ち組なんだ!オレも親父から何度も言われてきた…」
亀子「さあゆあ君たちの命を懸けた我が盟友ハルカちゃんの戦いが始まります!」
「ヂュー!」
「ヒノタマシンガン!」
説明しよう!ヒノタマシンガンとはその名の通り火の玉をマシンガンのごとく連射するというあまりに安直なネーミングの技である!
「ヂュー!ヂュー!」
「なかなかヒットしない…ゲームでも素早い敵だが…現実となるとここまでとは…」
「ヂュー!!」
「あれ…襲ってきてるのに姉ちゃん拳を突き上げてつったってる…」
「ヂュー!!!」
ぴとっ…
「わ~っ…拳をやられた…!」
「あ~!なんとセップーハルカちゃんの拳に唇でへばりつく!これはハルカちゃん大ピンチか!?」
「なんてね…計算通り!炎の拳・グレングー!」
ボオッ!シュパッ!!
「ヂュー…」
「出た~!拳に火をまとう炎のパンチ!グレングー!これで食らいついたセップーを一気に火だるまだ~!頭脳派魔導士のファイロらしいフィニッシュ!」
ヒュウウウウ…
「今回も見事に大勝利!さすが我らのレイヤリオン!」
そしてゆあたちも無事回復しました!
「おお!体が楽だ!」
「やった~!ありがとうレイヤリオン!」
ゆあ「姉ちゃん!おかげでみんな助かったよ!そうだ!もうお昼だしこれからウチでみんなでお昼ごはんにしない!朝早くからお疲れ様の打ち上げってことで!ウチに連絡してからになるとおもうけど…」
「打ち上げって…あんたなんもしてないじゃない!すぐ仕切りたがるんだから…」
とにもかくにも今日も無事ヴィランを退治した我らがレイヤリオン、これからも戦いは続く!
こんにちは!浦山ハルカです!…どうやら最近ゆあたちをはじめ低学年を中心に「キス蛇女」の都市伝説が流行中なんです。一体何なんじゃそりゃ…
「あ~、それね…キスされたら毒に侵されるっていうヘンな妖怪の話でしょ?アンタらが休み時間に教室で盛り上がってるの小耳にはさんだわよ…変なもんがはやるもんね…で、それがどうしたの?」
「なんと!この近所の礼矢森林公園の雑木林にも現れたって話だよ!ショータに教えてもらったんだけどこの動画を見て!」
…とゆーワケで私はゆあに動画を見せられました…
「いた…いた!体がヘビで顔が人間!間違いなくキス蛇女だ!これは世紀のスクープ!」
ハルカ「…確かに森林公園ね…」
「ヴヴヴ…ヂュー!」
「わ~っ!逃げろ!キスされたら毒だ~!!ゴツンッ…」
「な!?この辺にもいるんだよ!!」
「…でも私はこういうのあんまり信じないな…だいたい科学が発達したこのご時世に妖怪なんているわけないじゃない!デジタル時代にもよくこういう都市伝説とか非科学的なもんが流行るものね…」
「あのね~それ姉ちゃんがいうセリフじゃねーよ!!姉ちゃんだってレイヤリオンという思いっきり非科学的な存在になって、アニメやゲームのモンスターと戦うって言う思いっきりファンタジーな事やってるじゃないか!そんなセリフ言ったらある意味レイヤリオンハルカ!を否定しかねないぜ!」
「アラ!こりゃ失敬!姉ちゃん見事にブーメラン!テヘッ♪」
「…ブーメランなのはわかったから姉ちゃん!手伝ってくれ!」
「何を?」
「キス蛇女を捕まえるのをだよ!!明日休みだろ?朝から行こうぜ!姉ちゃんならコスプレのパワーで捕まえられるんじゃない?こいつには全日本UMA・妖怪協会が賞金をつけてるんだ!もし捕まえたら大金持ちだぜ!」
「へ~世の中いろんな協会あるもんね~…で、いくらもらえるの?」
「それがな…生きた状態で捕まえたら1億円だぜ!死んでたら半額ってサイトに描いてあるけどそれでも5000万円だ!」
「い、1億!?…やりましょう!お姉ちゃん手伝いましょう!でも賞金はひとりじめダメよ!ちゃんと家族みんなで分けるのよ!」
「…とか言って姉ちゃんこっそり自分の取り分多くとりそうだ…いっつもケーキ分けるときはデカいのばっか狙ってるから…」
「ゆあだってそうじゃない!アンタこそごっそり持っていきそうよ!」
「言ったな~!」
とゆーワケで次の日、朝から森林公園に向かうことになりました。ただし姉弟ふたりっきりでなく…
ゆあ「亀子のねーちゃん助かるぜ!キス蛇女出たら証拠の映像や写真撮影してくれるって?」
「もちろん!この亀子ちひろ、我が盟友浦山ハルカとキス蛇女の世紀の激闘をしっかり記録して見せましょう!」
「ねーちゃんのことだけじゃなくてちゃんと蛇女も撮ってよ!…で、亀子のねーちゃんはいいとして…なんでお前らふたりも勝手についてきてんだよショータとミキト!」
「あのな~情報を提供したのはこのオレ、苫前ショータ様だってことを忘れるなよ!」
「人出が多いほうが助かるだろ?オレたちは友達だろ!もし蛇女にやられたとしても死ぬときはみんな一緒だ!!お前が毒に侵されたらオレたちも毒を引き受ける!それが友情だ!」
「とか何とか言ってホントは賞金目当てだろ?」
「図星!」
「…まあ亀子のねーちゃんはちゃんと撮影してくれるからいいけどさ…お前らふたりは働かなかったら賞金ナシな!」
「こら!ゆあ!ケチケチしないの!賞金もらったらちゃんとふたりにも分けてあげるのよ!」
ショータ「さっすが一流小学生レイヤー!人間ができてるね~!」
ゆあ「じゃあオレは人間ができてないってのかよ!!」
ショータ「あら~?僕はそんなこと一言も言ってませんが~?」
…そんなこんなでキス蛇女が出現したという森林公園の雑木林の奥深くに到着…公園はにぎやかだけどこの雑木林は人気もなく、木々で空が覆われて薄暗く不気味な雰囲気です…
「で、ついたけどこれからどうすんの?ひたすら待つの?」
ゆあ「いや、姉ちゃんには大役を任せたい!ショータ、ミキト、姉ちゃんをおさえててくれ!」
「御意!」
「わっ!何すんのよ!」
「ま、じっとしててくれ…」
わたしはショータくんたちに抑えられながらゆあに唇に何か塗られていきます…
「はい完成!」
「…なにこれぇ…」
鏡を見せられたとたん思わず震え上がりました!紫の口紅が唇からはみ出すように塗られていてまるで口裂け女のようです…
「これじゃあまるでセップーじゃない!」
…セップーとは私もゆあも好きなファンタジーRPG「ブレイドヴァイヴ」に出てくる敵キャラです。蛇の体に人の顔をもち、キスされると毒に侵されるという…なんかキス蛇女にも似た設定のキャラです…
「何を言う!蛇女のコスプレだぜ!…確かにセップーにも似てるけどさ。仲間だと思わせておびき寄せるんだ!衣装も作ったぜ!…学芸会クオリティだけど…」
いつの間に作ったのやら…ビニール袋製の蛇女衣装を下半身にまとってどうやら準備は完了なようです。
「…こんなんで出てくれるもんかね蛇女…」
「姉ちゃんの名演技にかかってるぜ!頼むぞ一流レイヤー!!とにかく誘惑しまくっておびき寄せてくれ!で、出てきたらほかのコスプレにチェンジして捕まえるんだ!」
「はい…わかりましたよ…」
…とゆーワケでおびき寄せ作戦開始!
「ほ~ら、蛇女ちゃ~ん、私は仲間よ~ん♪」
…私はケバいメイクに安っぽいビニール袋製の蛇の着ぐるみといういで立ちで膝立ちしながら全身をくねくねさせて蛇女を呼び込みます…何も知らない人が見たらただのヤバい人です…
「我が盟友ハルカちゃん!レイヤーとしてのプライドを胸に蛇女をおびき寄せようと頑張っております!」
「こんなところとらないで亀子ちゃん!…ある意味今のわたしはレイヤーの恥なんだから…」
「申し訳ない!盟友の辛さに気づけずこの亀子ちひろ一生の不覚!」
「ゆあ!アンタも出てくるか様子見たり手伝いなさいよ!言い出しっぺなんだから…」
「ごめーん…ただいまショータとミキトの5秒即答クイズデスマッチ(コロコロコミック編)の審判してるから無理~!」
ショータ「曽山一寿先生がM-1に出場したときのコンビ名は?」
ミキト「こち亀5、6巻!」
「正解!」
ミキト「次はこっちの番だな…大山時代の映画ドラえもんで唯一大長編が描かれてない作品は?」
「のび太のパラレル西遊記!」
「…正解だ…」
ゆあ「ここまでお互い一歩も譲らない戦いだ~!だが本当の地獄はここから!」
…5秒即答クイズデスマッチ…それはお互いテーマに沿った問題を交互に出し合い、どちらかが間違えるか5秒以内にこたえられずにタイムアップになるまで続く死の戦いである。
ハルカ「…アンタね…さっきあの2人に働かないと賞金ナシとか言ってたくせに何やってんのよ…姉がこんなに頑張ってるのに…」
しかし蛇女は現れることなく3時間経過…
ハルカ「はあ…はあ…さすがに3時間も腰振り続けてるとクラクラしてきたわ…」
ショータ「次…ケシカスくんのボウズの両親の名前は…」
ミキト「まさかすとかすみ…」
「正解…まさか3時間たってもお互いここまで続いてるとはな…そろそろギブアップしたらどうだ…」
「お前こそ…」
ハルカ「あの~君たちまだやってたの…?ここに何しに来たか知ってる?クイズデスマッチやりにこんなとこきたんじゃないよね?人が3時間ぶっ通しで滑稽な格好して頑張ってんのに…」
ゆあ「でもこんだけやってもでてこないんだもん…やる気もなくなるさ…釣りだって釣れなきゃずっとヒマだろ?それとおなじさ…」
「アンタね~人の苦労も知らないで…」
ブーッ!ブーッ!
「ヴィラン反応!?こんな時に…しかも反応はまさにこの雑木林!」
ガサッ…ゴソッ…雑木林の奥から激しく忍び寄る影…
ゆあ「奥のほうからなんか出てくる!」
「ヂューッ!!」
ショータ「でた!キス蛇女だ~!」
ミキト「てゆーかアイツブレイドヴァイブのセップーじゃん!きっとお前のねーちゃんが戦ってるヴィランの仲間だよ!」
「じゃあキス蛇女の正体はヴィラン…セップーだったってことか!とにかく今は逃げろ!」
亀子「これは大スクープ!蛇女の正体はブレイドヴァイヴのセップー!ハルカちゃんが戦ってきたヴィランの一派だったのだー!」
「ヂュー!」
「わあっ!」「やめろ!」「うわっ!」
猛スピードで襲ってきたセップーのキスの餌食にされてしまうショータとミキト、そしてゆあ…
ショータ「ああ…なんだか体が重くなってきたぜ…苫前ショータ、8年の短い生涯がセップーのキスで幕を閉じることになるとはな…お前らみたいな素晴らしい友に会えたことに感謝だぜ…ただ最後にせめてエスコンフィールドでのクライマックスシリーズが観たかったな…今年は久しぶりに調子いいのに最後まで見れないなんて残念だぜ…」
注:こんなタイミングで何だが苫前ショータは日ハムファンである。作者と同じだね。え?作者が日ハムファンなのご存じない?浦山ゆあの「ゆあ」って名前もハムの選手が名前の由来なのにな…
ゆあ「ショータ!しっかりしろ!この話の時間設定2024年の4月だけどこれ書いてるときの現実世界ではしっかり実現してるしファイナルステージまで行ってるから生きるんだ!」
ミキト「ゆあ…オレもなんだか眠いんだ…お前らとの日々楽しかったよ…蛇女の正体がわかっただけでもよかった…ただ最後に阿部慎之助監督の1年目での胴上げを観たかった…」
注:またまたこんなタイミングで何だがミキトは巨人ファンである。それも阪神ファンの女と付き合ったら親子の縁切ると親父からきつく言われてるぐらいの厳格な家系である。
「ミキト!それもちゃんと実現するからしっかりしろ!…って言ってるそばからオレもなんだか…」
ミキト「ゆあ…お前もか…せめてお前にはオレらの分も生きてほしかった…」
「バカヤロウ…死ぬときは一緒だってお前言ってただろ?お前らふたりだけで向こうで寂しい思いはさせねえよ…」
「ヂュー!」
「残念だけど私はあなたの仲間じゃないわ!ゆあたちの敵ここでやっつけてあげる!レイヤチェーンジ!」
「見ろよ…姉ちゃんがいよいよ戦闘モードのようだぜ…最後にその雄姿を焼き付けようぜ…」
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ハルカ「ゆあたち!ボクがアイツを倒せばみんなの毒も消える!だから希望を捨てないでほしい!」
「姉ちゃん…」
ショータ「でもアイツ倒したら今までのバケモンと同じく消えちゃうんだろ?それじゃあ賞金もパーじゃねえか…」
ミキト「バカヤロウ!お前この期に及んでまだ金かい…今は命のほうが大事だろ!命があれば今後1億どころじゃねえ…もっとでっかい大金つかむチャンスはやってくるかもしれねえんだ!時は金なり…金より命なり!生きてるってだけでオレたちは勝ち組なんだ!オレも親父から何度も言われてきた…」
亀子「さあゆあ君たちの命を懸けた我が盟友ハルカちゃんの戦いが始まります!」
「ヂュー!」
「ヒノタマシンガン!」
説明しよう!ヒノタマシンガンとはその名の通り火の玉をマシンガンのごとく連射するというあまりに安直なネーミングの技である!
「ヂュー!ヂュー!」
「なかなかヒットしない…ゲームでも素早い敵だが…現実となるとここまでとは…」
「ヂュー!!」
「あれ…襲ってきてるのに姉ちゃん拳を突き上げてつったってる…」
「ヂュー!!!」
ぴとっ…
「わ~っ…拳をやられた…!」
「あ~!なんとセップーハルカちゃんの拳に唇でへばりつく!これはハルカちゃん大ピンチか!?」
「なんてね…計算通り!炎の拳・グレングー!」
ボオッ!シュパッ!!
「ヂュー…」
「出た~!拳に火をまとう炎のパンチ!グレングー!これで食らいついたセップーを一気に火だるまだ~!頭脳派魔導士のファイロらしいフィニッシュ!」
ヒュウウウウ…
「今回も見事に大勝利!さすが我らのレイヤリオン!」
そしてゆあたちも無事回復しました!
「おお!体が楽だ!」
「やった~!ありがとうレイヤリオン!」
ゆあ「姉ちゃん!おかげでみんな助かったよ!そうだ!もうお昼だしこれからウチでみんなでお昼ごはんにしない!朝早くからお疲れ様の打ち上げってことで!ウチに連絡してからになるとおもうけど…」
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