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ミッション4 54歳、真冬の大復讐
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2035年2月1日早朝、カカオバスターズはすでに動き出していた。
今日の各支部の作戦は昨日と同じ小売店でのチョコ強奪に加え、今日からは各地のチョコ工場の襲撃が始まる。
今回の物語の舞台は広島県某所にある大手菓子メーカー「キラ製菓」の本社工場。ここに並々ならぬ恨みを胸に工場襲撃に向かう一人の男が車で向かっていた。
男の名は中国支部支部長、トゥルアンこと真下シロウ54歳。各支部長の中でも最年長だ。
「キラ製菓さん、四半世紀越しにあなた方に決着がつけられます…」
彼はキラ製菓の元社員であった。
大学卒業後にキラ製菓に入社した彼は広報などにかかわったのちに商品開発部に異動となり、29歳の時にバレンタイン用の新商品の開発を任せられる。しかしこれが大失敗。大赤字となってしまいこれが響いて7年ほど右肩上がりだった会社の業績もマイナスになってしまい、彼はクビになってしまう。
会社自体もこのあと数年低迷が続いた。
今回の襲撃は自分をクビにした当時の上司、現社長への復讐という意味も込めているのだ。
「神谷部長…今は社長ですか…あの後会社を復活させてたいそうお偉くなられて今やチョコレート業界でシェア2位ですか…私がいたころから大躍進ですこと…だがあなたの伝説も今日で終わりです!行きますよ皆さん!」
トゥルアンの号令により、閑静な工場に銃声が鳴り響いた。
「わーっ!」「なんだ!?」「今すぐ逃げろ!」
突然の出来事に戸惑い、逃げ惑う社員たち。工場は一気に紛争地帯のような姿へと変わっていった。
トゥルアン「お前たちは今のうちに倉庫からチョコを奪い取りな!私は”決着”をつけねばならないから…」
「社長!社員のことは私に任せて早く逃げてください!」
社長秘書が声をかける。
「いいや、社員の命が大事だ!ほっとけない!警察や消防が来るまで社員の安全確認をさせてくれ!ワシの命なんて知ったことか!」
「見つけましたよ神谷元部長…いいや現社長…」
「!?お前は元商品開発部の真下!まさかお前の仕業か!」
「ご名答!あなたに見限られた恨み今でも忘れていませんよ…あなたが社員のために命をかけれる人間ならば、元社員の私の恨みを晴らすために命をおとしてください!」
その瞬間、バキュン!という銃声とともにトゥルアンが放った銃弾が神谷の心臓をつらぬいた…
「社長!しっかりしてください!社長!」
「おっとそんなに社長が好きならあなたも社長のところへ連れてってあげますよ…余計なこと喋られても困りますからね…」
バキュン!…再び鳴った銃声…今度は秘書がその凶弾に倒れた…
「これで私の復讐は終わった…だがカカオバスターズとしての戦いは終わらない…お前ら!サツが来る前にずらかるぞ!」
こうして真下シロウ54歳の復讐劇は幕を閉じた。
だが彼の言葉通り、カカオバスターズとしての戦いは終わらない…
今日の各支部の作戦は昨日と同じ小売店でのチョコ強奪に加え、今日からは各地のチョコ工場の襲撃が始まる。
今回の物語の舞台は広島県某所にある大手菓子メーカー「キラ製菓」の本社工場。ここに並々ならぬ恨みを胸に工場襲撃に向かう一人の男が車で向かっていた。
男の名は中国支部支部長、トゥルアンこと真下シロウ54歳。各支部長の中でも最年長だ。
「キラ製菓さん、四半世紀越しにあなた方に決着がつけられます…」
彼はキラ製菓の元社員であった。
大学卒業後にキラ製菓に入社した彼は広報などにかかわったのちに商品開発部に異動となり、29歳の時にバレンタイン用の新商品の開発を任せられる。しかしこれが大失敗。大赤字となってしまいこれが響いて7年ほど右肩上がりだった会社の業績もマイナスになってしまい、彼はクビになってしまう。
会社自体もこのあと数年低迷が続いた。
今回の襲撃は自分をクビにした当時の上司、現社長への復讐という意味も込めているのだ。
「神谷部長…今は社長ですか…あの後会社を復活させてたいそうお偉くなられて今やチョコレート業界でシェア2位ですか…私がいたころから大躍進ですこと…だがあなたの伝説も今日で終わりです!行きますよ皆さん!」
トゥルアンの号令により、閑静な工場に銃声が鳴り響いた。
「わーっ!」「なんだ!?」「今すぐ逃げろ!」
突然の出来事に戸惑い、逃げ惑う社員たち。工場は一気に紛争地帯のような姿へと変わっていった。
トゥルアン「お前たちは今のうちに倉庫からチョコを奪い取りな!私は”決着”をつけねばならないから…」
「社長!社員のことは私に任せて早く逃げてください!」
社長秘書が声をかける。
「いいや、社員の命が大事だ!ほっとけない!警察や消防が来るまで社員の安全確認をさせてくれ!ワシの命なんて知ったことか!」
「見つけましたよ神谷元部長…いいや現社長…」
「!?お前は元商品開発部の真下!まさかお前の仕業か!」
「ご名答!あなたに見限られた恨み今でも忘れていませんよ…あなたが社員のために命をかけれる人間ならば、元社員の私の恨みを晴らすために命をおとしてください!」
その瞬間、バキュン!という銃声とともにトゥルアンが放った銃弾が神谷の心臓をつらぬいた…
「社長!しっかりしてください!社長!」
「おっとそんなに社長が好きならあなたも社長のところへ連れてってあげますよ…余計なこと喋られても困りますからね…」
バキュン!…再び鳴った銃声…今度は秘書がその凶弾に倒れた…
「これで私の復讐は終わった…だがカカオバスターズとしての戦いは終わらない…お前ら!サツが来る前にずらかるぞ!」
こうして真下シロウ54歳の復讐劇は幕を閉じた。
だが彼の言葉通り、カカオバスターズとしての戦いは終わらない…
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