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第3部 アニメ・特撮総合史
アニメの終了は原作の終了を招くか?~ムシキング・恐竜キングを例に~
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漫画原作アニメの場合、アニメが終わればそれほど時がたたないうちに原作も終わるというケースは古くからままある。最近では中断期間を入れながら放送するシーズン制のアニメが主流ということもあり原作完結後にアニメの最終章を放送・公開というケースも増えてきた。
だがアニメが終わった後も原作が継続してても、アニメの終了が原作の人気に影響を及ぼすことがある。
例えばキン肉マンは1983年のアニメ1期開始前の単行本一巻当たりの部数は30~40万部だったのが開始後に伸びていき最高250万部までに上昇。だが86年の1期終了後は再びアニメ化前の水準に戻ったという例がある。アニメの終了とともに原作の人気がわかりやすく落ち着いた例と言える(最も、1期終了直前にドラゴンボールのアニメが始まって、それがキン肉マン人気に影響を及ぼしたともいわれているが)。それほどアニメというメディアの影響力がメディアミックス業界において高いということが見て取れる。
今回はこの例にあたる作品として漫画ではなくゲーム原作アニメから「甲虫王者ムシキング」と「古代王者恐竜キング」の2作を分析しよう。
まずは2005年放送の「甲虫王者ムシキング 森の民の伝説」。
既にアーケードカード史で取り上げたようにアニメ化前の時点でムシキングは社会現象と言える人気を誇っていた。そんな中で稼働から2年というタイミングで開始したアニメはゲーム版とは違う独自ストーリーで、一応「主人公はポポとカブトムシ(ムシキング)でアダー率いる赤目甲虫軍団との戦い」というゲーム版の設定は踏まえているが、アダーは妖精ではなく異星人だったり、原作ではポポVSアダーの1対1の構図なのに対してアニメでは両サイドに仲間がいるなど人間関係の構図がかなり変わっている。
ストーリーもゲームに比べてシリアス色が強く、「命」という重いテーマを扱い、自然が死に瀕していく様子も描かれている。ゲームのムシキングも外来種問題や環境問題などの自然に関するテーマを取り扱ってきたがそれを発展させた形と言えよう。
アニメは1年で終了。シリアスがあだとなってしまったのか、最初から良くても悪くても1年と考えていたのかはわからない。アニメが終わった後もまだしばらくムシキング人気は続いていたがそれも長くはなく緩やかに低迷。アニメ終了半年~1年ぐらいにかけて他のカードゲームに市場を奪われていってしまった。
続いて2007年~08年まで放送の「古代王者恐竜キング Dキッズアドベンチャー」
こちらはゲーム版と同様Dキッズとアクト団の戦いが描かれる。森の民の伝説にと比べると明るい勧善懲悪色が強い作品。実在の場所を舞台に恐竜たちの戦いが描かれるなど「少し不思議」的要素も取り入れられている。
第2期「翼竜伝説」からはタイムスリップの要素が取り入れられ、アクト団も味方に加わり新たにザンジャークが敵組織として登場した。
だが2期は半年ほどで終了。1期と通算して約1年半とムシキングのアニメよりは壱岐の長い作品ではあったが、問題はその後の原作ゲーム。
ムシキングはアニメ終了後も4年ほど稼働していたのに対し恐竜キングはアニメ終了から約1年3か月後にリリースされた弾が最後となり、以降新作の音沙汰なし。最終弾のリリースから8か月後に公式サイトの縮小が発表され、公式の稼働終了アナウンスのないままひっそりと姿を消した。
まあ、この頃は他にもバトリオとかドラゴンボールとかいっぱい競合あったってのもあるけどね…ある意味ムシキング以上にアニメ終了で人気落ちたパターンだろう。
だがアニメが終わった後も原作が継続してても、アニメの終了が原作の人気に影響を及ぼすことがある。
例えばキン肉マンは1983年のアニメ1期開始前の単行本一巻当たりの部数は30~40万部だったのが開始後に伸びていき最高250万部までに上昇。だが86年の1期終了後は再びアニメ化前の水準に戻ったという例がある。アニメの終了とともに原作の人気がわかりやすく落ち着いた例と言える(最も、1期終了直前にドラゴンボールのアニメが始まって、それがキン肉マン人気に影響を及ぼしたともいわれているが)。それほどアニメというメディアの影響力がメディアミックス業界において高いということが見て取れる。
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ストーリーもゲームに比べてシリアス色が強く、「命」という重いテーマを扱い、自然が死に瀕していく様子も描かれている。ゲームのムシキングも外来種問題や環境問題などの自然に関するテーマを取り扱ってきたがそれを発展させた形と言えよう。
アニメは1年で終了。シリアスがあだとなってしまったのか、最初から良くても悪くても1年と考えていたのかはわからない。アニメが終わった後もまだしばらくムシキング人気は続いていたがそれも長くはなく緩やかに低迷。アニメ終了半年~1年ぐらいにかけて他のカードゲームに市場を奪われていってしまった。
続いて2007年~08年まで放送の「古代王者恐竜キング Dキッズアドベンチャー」
こちらはゲーム版と同様Dキッズとアクト団の戦いが描かれる。森の民の伝説にと比べると明るい勧善懲悪色が強い作品。実在の場所を舞台に恐竜たちの戦いが描かれるなど「少し不思議」的要素も取り入れられている。
第2期「翼竜伝説」からはタイムスリップの要素が取り入れられ、アクト団も味方に加わり新たにザンジャークが敵組織として登場した。
だが2期は半年ほどで終了。1期と通算して約1年半とムシキングのアニメよりは壱岐の長い作品ではあったが、問題はその後の原作ゲーム。
ムシキングはアニメ終了後も4年ほど稼働していたのに対し恐竜キングはアニメ終了から約1年3か月後にリリースされた弾が最後となり、以降新作の音沙汰なし。最終弾のリリースから8か月後に公式サイトの縮小が発表され、公式の稼働終了アナウンスのないままひっそりと姿を消した。
まあ、この頃は他にもバトリオとかドラゴンボールとかいっぱい競合あったってのもあるけどね…ある意味ムシキング以上にアニメ終了で人気落ちたパターンだろう。
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