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第2部 女児向けアニメ史
10年代・新時代へ~2011・12年女児向け作品事情~
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いよいよこの章もクライマックス。今回は2011~12年に放送された作品をプリキュアシリーズを含めて一気に分析してみよう。
まずはプリキュア、2011年の「スイートプリキュア♪」から。
テーマは「音楽」。タイトルの「スイート」とは「組曲」の意味である(自分はずっと「甘い歌声」的な意味で普通に「甘い」の意で付けてたと思ってた…)
キャラ名や用語にも妖精の「ハミィ」(ハミングから)、ハミィたちの暮らす「メイジャー王国」と敵勢力の「マイナー王国」(それぞれメジャー調とマイナー調から)といったように音楽用語からとられているものも多い。
キャラクター面においても。前作の高校生プリキュアに続いて初の小学生プリキュア「キュアミューズ」が登場するなど様々な新機軸を打ち出した。
さらにストーリー面においてもミューズとある敵幹部との関係など様々な驚くべき展開を盛り込み、1年を通して仕掛け盛りだくさんの内容となっている。
玩具売り上げは107億円と前作越えとはならなかったが100億越えをキープ。
次に翌年の「スマイルプリキュア!」。プリキュア5二部作以来の5人スタート作品となった。
タイトルの「スマイル」には前年の震災を受けて「つらい状況から未来に進むためには決して笑顔を忘れずに絶対にあきらめない気持ちが必要」「番組を観た視聴者が笑顔でいられるように」との思いが込められている。
プリキュアのデザインに関しても、前作のクールで大人びた感じからポップなイメージに変わった。
5人の個性も絵本好きな元気っ子キャラの主人公キュアハッピー、お好み焼き屋の娘で関西弁キャラのキュアサニー、泣き虫で引っ込み思案だけどけなげに頑張る芯の強さの持ち主のキュアピース、スポーツマンなお姉ちゃんのキュアマーチ、才色兼備な大和撫子系のキュアビューティ…といったように見事にかぶりがなく、5人それぞれの個性がしっかり作品に浸透している。
そして本作はフレッシュプリキュア以降の作品では初めて追加戦士が登場せず(2024年時点でも唯一)、最後まで5人で戦い抜いた。追加戦士を出すことが悪いとは決して言わないが(むしろ僕も追加戦士は歓迎派だ。)、1年間を固定メンバーで通すことによって、メンバーの個性を生かすことがよりでき、視聴者にとっても各々のメンバーに感情移入できたのではないか。
思えば当時はスマプリは後の作品や以前の作品と比べてもファンの各キャラクター個々への熱量がすごかったように感じる。特に大きなお友達からはキュアピースが凄まじい人気だったのは今でも語り草であるが、他のメンバーだってちゃんとそれぞれ人気があった。
もちろん子供層からの人気もばっちり。変身アイテムのスマイルパクトは発売3カ月で20万個を売り上げるなど大ヒットし、玩具売り上げも前作とほぼ変わらずの106億円を記録。市場におけるプリキュアの安定感を示した。
ここからはプリキュア以外の作品を駆け足気味になるがいろいろ解説・分析していこう。
この時期は2006年に並ぶほどこの業界にとって過渡期と言える状況であった。
めちゃモテ委員長の終了に伴いテレ東におけるちゃお枠が消滅。少女漫画誌原作アニメの週一レギュラーは一時ちびまる子ちゃんのみ(現在も少女漫画原作アニメの全日帯での放送が断続的になったこともあり、時期によってはこのような状況になる)になるなど衰退の動きが見始められる。
その一方で新勢力も続々台頭。11年にはプリティーリズムのアニメが開始し、女児向けの新たな看板作品となる。
同じ年に始まった作品は他にもEテレの天才てれびくんで放送されたちゃお原作の悪魔の子育てをテーマにした「ちびデビ」、学年誌原作でのりスタ内でアニメ化された魔法が使えるカピバラが主人公の「はっぴーカッピ」などのマスコット系の作品が小学館から送り出された。前者は2年以上継続したが、後者は半年で終了となった。
マスコットものの人気は継続中であったといえるが、明暗分かれる形となった。
続いて2012年にはちびデビと同じ天てれにて青い鳥文庫原作の「黒魔女さんが通る!」がスタート。
原作はすでに当時の時点で開始から7年が経過し、すでに人気児童書の仲間入りをしていた作品。「若おかみは小学生」などとともにこの時期の青い鳥文庫を代表する作品だ。
ひょんなことから黒魔女修行をすることになった主人公と周囲の人間が織り成す魔法もの。おジャ魔女どれみのようにクラスメイト達にもスポットライトがあてられているのが印象的。アニメは2年継続した。
そして同年秋にはアイカツがスタート。「プリキュア・プリティーシリーズ・アイカツ・サンリオアニメ」という2020年代初頭まで続く4本柱が出そろったことになる。
…ここまで最後の追い込みと言わんばかりに駆け足でいろいろ分析・解説してきた。
次回はこの章の最終章。番外編的に日本でリメイクされた海外コンテンツ由来の作品2作品を分析しよう。
まずはプリキュア、2011年の「スイートプリキュア♪」から。
テーマは「音楽」。タイトルの「スイート」とは「組曲」の意味である(自分はずっと「甘い歌声」的な意味で普通に「甘い」の意で付けてたと思ってた…)
キャラ名や用語にも妖精の「ハミィ」(ハミングから)、ハミィたちの暮らす「メイジャー王国」と敵勢力の「マイナー王国」(それぞれメジャー調とマイナー調から)といったように音楽用語からとられているものも多い。
キャラクター面においても。前作の高校生プリキュアに続いて初の小学生プリキュア「キュアミューズ」が登場するなど様々な新機軸を打ち出した。
さらにストーリー面においてもミューズとある敵幹部との関係など様々な驚くべき展開を盛り込み、1年を通して仕掛け盛りだくさんの内容となっている。
玩具売り上げは107億円と前作越えとはならなかったが100億越えをキープ。
次に翌年の「スマイルプリキュア!」。プリキュア5二部作以来の5人スタート作品となった。
タイトルの「スマイル」には前年の震災を受けて「つらい状況から未来に進むためには決して笑顔を忘れずに絶対にあきらめない気持ちが必要」「番組を観た視聴者が笑顔でいられるように」との思いが込められている。
プリキュアのデザインに関しても、前作のクールで大人びた感じからポップなイメージに変わった。
5人の個性も絵本好きな元気っ子キャラの主人公キュアハッピー、お好み焼き屋の娘で関西弁キャラのキュアサニー、泣き虫で引っ込み思案だけどけなげに頑張る芯の強さの持ち主のキュアピース、スポーツマンなお姉ちゃんのキュアマーチ、才色兼備な大和撫子系のキュアビューティ…といったように見事にかぶりがなく、5人それぞれの個性がしっかり作品に浸透している。
そして本作はフレッシュプリキュア以降の作品では初めて追加戦士が登場せず(2024年時点でも唯一)、最後まで5人で戦い抜いた。追加戦士を出すことが悪いとは決して言わないが(むしろ僕も追加戦士は歓迎派だ。)、1年間を固定メンバーで通すことによって、メンバーの個性を生かすことがよりでき、視聴者にとっても各々のメンバーに感情移入できたのではないか。
思えば当時はスマプリは後の作品や以前の作品と比べてもファンの各キャラクター個々への熱量がすごかったように感じる。特に大きなお友達からはキュアピースが凄まじい人気だったのは今でも語り草であるが、他のメンバーだってちゃんとそれぞれ人気があった。
もちろん子供層からの人気もばっちり。変身アイテムのスマイルパクトは発売3カ月で20万個を売り上げるなど大ヒットし、玩具売り上げも前作とほぼ変わらずの106億円を記録。市場におけるプリキュアの安定感を示した。
ここからはプリキュア以外の作品を駆け足気味になるがいろいろ解説・分析していこう。
この時期は2006年に並ぶほどこの業界にとって過渡期と言える状況であった。
めちゃモテ委員長の終了に伴いテレ東におけるちゃお枠が消滅。少女漫画誌原作アニメの週一レギュラーは一時ちびまる子ちゃんのみ(現在も少女漫画原作アニメの全日帯での放送が断続的になったこともあり、時期によってはこのような状況になる)になるなど衰退の動きが見始められる。
その一方で新勢力も続々台頭。11年にはプリティーリズムのアニメが開始し、女児向けの新たな看板作品となる。
同じ年に始まった作品は他にもEテレの天才てれびくんで放送されたちゃお原作の悪魔の子育てをテーマにした「ちびデビ」、学年誌原作でのりスタ内でアニメ化された魔法が使えるカピバラが主人公の「はっぴーカッピ」などのマスコット系の作品が小学館から送り出された。前者は2年以上継続したが、後者は半年で終了となった。
マスコットものの人気は継続中であったといえるが、明暗分かれる形となった。
続いて2012年にはちびデビと同じ天てれにて青い鳥文庫原作の「黒魔女さんが通る!」がスタート。
原作はすでに当時の時点で開始から7年が経過し、すでに人気児童書の仲間入りをしていた作品。「若おかみは小学生」などとともにこの時期の青い鳥文庫を代表する作品だ。
ひょんなことから黒魔女修行をすることになった主人公と周囲の人間が織り成す魔法もの。おジャ魔女どれみのようにクラスメイト達にもスポットライトがあてられているのが印象的。アニメは2年継続した。
そして同年秋にはアイカツがスタート。「プリキュア・プリティーシリーズ・アイカツ・サンリオアニメ」という2020年代初頭まで続く4本柱が出そろったことになる。
…ここまで最後の追い込みと言わんばかりに駆け足でいろいろ分析・解説してきた。
次回はこの章の最終章。番外編的に日本でリメイクされた海外コンテンツ由来の作品2作品を分析しよう。
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