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おこぼれ話312 野球選手が2人もいる牧場の巻

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童謡「ゆかいな牧場」…原題では「マクドナルドじいさんの牧場」(日本においても「マクドナルドじいさん飼っている」という訳詞が存在するが)。原版では「マクドナルドじいさん」なる人物が所有している牧場が舞台となっているが、日本で最も知られているバージョン(だと思う)である小林幹治訳詞の「ゆかいな牧場」では「いちろうさん」「じろうさん」「さぶろうさん」というバリバリ和風な名前の人物が牧場の所有者となっている。原版では「マクドナルドじいさん」というひとりの人物が所有する牧場だけが舞台であるのに対し、訳詞では歌詞ごとに別々の3人の人物が所有している牧場が舞台となっているのがなかなか面白い。

この訳詞の人名…「いちろう」と「さぶろう」…なんか野球好きならついつい反応してしまいそうな並びである。
それは僕の周りにもいた。小4の音楽の授業でこの歌を歌ったときのことである。
教科書に書かれた歌詞を皆で読み合わせていた時、トモくんやシュウジくんといった野球好きたちが口々に興奮しながらこう発した。
「スゲー!!この歌2人も野球選手出てくるじゃん!!」
…「いちろう」と「さぶろう」…確かに当時の野球好きなら反応してしまいそうな並び…当時僕はまだ野球には興味なかったが、「いちろう」と聞いて真っ先に「イチロー」が脳内に浮かんできた。「いちろう」に関しては野球好きじゃない子も含めて「イチロー」を真っ先に連想した子が大多数だった。当然この訳詞はイチロー氏やサブロー氏が生まれるより前にできているだろうし、そもそも「いちろう」も「さぶろう」も古典的な名前であるので野球は当然関係ないが。
だが当時の子供たちにとって「いちろう=イチロー」と深く浸透していたことが見て取れる。

しかし僕はなぜあの時「さぶろう」と聞いて自分の人生の中でトップクラスに入るほど好きなアニメであるケロロ軍曹の「サブロー」を連想しなかったのだろう?と今だから思う。「いちろう」に気をとられていたか…
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