リョーマ伝~小学生編~

一刀星リョーマ

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おこぼれ話226 自由帳は自由に使ってもいいよの巻

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自由帳…小学生の頃の僕にとっては「休み時間に絵を描くためのもの」という認識であった。
だが本来自由帳は自由帳と銘打っているぐらいなのだから絵を描くことだけでなく、勉強に使おうがメモ帳に使おうが自由なものであるはず。
だが僕の周りには自由帳をお絵かき以外の用途で使っている人が一切いなかったため「自由帳は絵を描くためのもの」というイメージが勝手に強まっていった。そのイメージは僕だけでなくほかのクラスメイトの間でもそうであったようだ。

小1のある日のことである。この日あるクラスメイトの女子が国語の授業でノートを忘れただかノートを授業の途中で使い切っただかでノートがないという状況に陥り、その女子は先生に不安げな表情と声で「先生、ノートがないので自由帳をかわりに使っていいですか?」と聞いてきた。それに対して先生は「自由帳は自由に使っていいよ」と返答した。
僕はこの時の先生に対して「しょうもないシャレだな」と思いつつも自由帳を勉強に使っていいと言ったことに驚いていた。前述の通り自由帳は自由帳なのだから勉強に使おうが落書きに使おうが自由だ。だが自分には「自由帳は絵を描くために使うもの、勉強には使わない」というイメージが根強くあったため驚きであった。自由帳を使っていいかと聞いた彼女もあの不安げな様子から察するにしておそらく僕と同じ考えであったであろう。
少なくとも彼女の中には僕と同じ「自由帳は絵を描くためのもので勉強に使うものではない」との認識があったのだろう。

自由帳は絵を描くにも勉強をするにもあらゆる用途に耐えうるために作られたノートであるはず。そのためにマス目等を取っ払って白無地で作られているはず。本来なら勉強にもメモにも使っていいはず。
だが僕たちは自然にそれを絵を描く道具として使っていくうちに勝手に「絵を描くためのもの」という勝手な認識を常識としてとらえてしまっていたのだろう。
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