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おこぼれ話152 我々は4分の3の確率に負けたのか…

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小学生の頃の一時時期、毎年3学期に給食の人気投票が行われていた。
これはあらかじめ用意された4つの組み合わせのうち好きな組み合わせ1つに投票し、投票数が多かった組み合わせが3学期末の給食に登場するというもの。

小1の時のことである。この時の候補となる組み合わせには4つ中3つにアイスクリームがついていた。あとひとつにはアイスのかわりにオレンジゼリーがついていた。
各組合せの献立は正確には覚えていないが、どの組み合わせにも自分の嫌いなメニューは含まれてなかったと記憶している。人気投票だからどの候補にも子供に人気のあるメニューばかりをセレクトしたのだろう。
自分的にはアイスがついた候補ならどれでもいいと思って、適当にアイスの入った候補の一つに投票した。
「オレはただ給食でアイスが食べたいだけなのだ。基本夏の給食にしか出ないアイスを夏以外の給食でいただけることが貴重であるから…」
そして周りにもアイスの入った候補に入れている人たちが多数いた。
「候補4つ中3つにアイスがついているのだ。つまりアイスが給食に出る確率は4分の3。そして周りも多数アイスが入った候補に入れている。これに他学年の結果が交われば…アイスの勝利は確実だ!」
もはやあの時の自分はアイス以外のメニューが視界から消えていた。

それから数週間たってプリントで投票の結果が発表される日…
そこに書かれていた1位の組み合わせは…
「な、なんでだよ!オレンジゼリーの組み合わせが1位じゃねえか!なんでアイスじゃないんだよ!」
アイス勢3つ、まさかの敗北。当然これには僕は納得いかなかった。だがこれは厳正なる集計の結果だ。しかし僕はこう思うようになってしまう。
「これは絶対出来レースだ!冬は寒いからって理由でアイスを出さないように裏で票をいじってるんだ!現に俺はオレンジゼリーに入れてない!他にもアイスに入れたやつはいっぱいいる!だれだ!オレンジゼリーに入れたやつ!」
「私だよ!」…そういって名乗りでたのはセイちゃん。
「確かにアイスも好きだよ。でもオレンジゼリーも好きだし、この候補に入ってる他のメニューも全部好きだったからこの候補に入れたの!」
この時、僕は敗北を完全に受け止めた。ちゃんとオレンジゼリーに入れた候補がいることも…
「ああ、我々アイス派は4分の3の確率に負けたのか…」
僕らのクラスや1年生だけでみればアイスの投票率はすごかったのかもしれない。だがこれは全校のアンケート。他学年のもいれたらオレンジゼリーのほうが圧倒的だったのだ。
時は流れてそのメニューが出た日、あの日のオレンジゼリーはなぜだが苦く感じた。敗北感という調味料がそうさせたのだろう。
僕はあの日のオレンジゼリーの味を忘れない…
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