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おこぼれ話137 グラグラ!2年越しのラスボス乳歯!
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2年生の秋頃から、自分の右下奥歯にグラグラし続けていた乳歯があった。
その時点で自分の乳歯はほとんどが抜けて、残り数本となっていた。
僕はグラグラしている乳歯を確認したら、自分の力で抜こうとする派であった。歯医者で抜いたり、自然に抜けたこともあったけどね。
だからこの乳歯もグラグラしていたのを確認したその日から力ずくで、己の力で抜こうとしていたのだ。
だがこの乳歯、いくら指で押してもなかなか抜けることはなかった。
力でグイっと押しても、歯ぐきから出血するという代償が待っているだけ。血が出ないときもあったが。
母からも「グラグラしてるけどまだ抜ける準備の段階だから自然に抜けるか、もう少しぐらぐらが激しくなるか待ったほうがいい」と言われ、別の歯の虫歯の治療で歯医者に行った際に確認してもらった時も「しばらく様子見」といわれた。本来乳歯を力ずくで抜くってあまりよろしいことではないのだろうか。
だがそれでも、何とか力でその歯をねじ伏せようと考えていた。
毎日のように洗面台の前に立っては、その奥歯に指をあて、押しては抜けず、押しては抜けず…そんな日々が続いた。
残ってた他の乳歯も次々と抜けていく中、その奥歯はいくら押しても、いくら引っ張っても、抜けることはなかった。
それから1年が過ぎ、3年生となった周りのクラスメイトには「乳歯が全部抜けた」という子も現れ始めた。
気づけば僕の乳歯も、例の奥歯が最後の一本となっていった。
だがその奥歯はいくら引っ張っても抜けることがなかったのは変わりない。
それから時が過ぎて4年生の前半ごろ。
その日僕はまたも奥歯に指をあて、押していた。今度こそ抜くために。
いつものように力ずくでただただ押していく。今まではこの方法で夢破れてきた。だが他に方法はない。押してダメならひたすら押し続けるしかなかったのだ。
今回はただ血を流して終わりにはしたくない…しっかりと最後の乳歯という戦利品をつかみたいのだ。
約2年越しの勝利を信じて、僕はひたすら指で出せるだけの力で押し続けた。血も出始めたがこの戦いにはつきものだ。
もう押すしか道は残されてない。ただただ押し続けるのだ。また出血という代償だけで夢破れてしまうのは嫌だ。
だから押し続けるのだ。振り向くなリョーマ、押し続けることだけやり続けろ。最後の乳歯というラスボスを討ち取るまで…
そして推し始めてから数分後…血まみれになった歯ぐきから、ついにその白い物体は抜け、歯ぐきに別れを告げた。
一刀星リョーマ、約2年近く越しについに因縁のラスボス乳歯に勝利。長き戦いであった。もしかしたら「グラグラし始めてから抜けるまでに時間がかかった乳歯」としてギネスに登録できたほどであろうか。いや、そんなしょーもない記録ギネスは受け入れてくれないよなw
これにて僕の乳歯はすべて歯ぐきを去った。乳歯がすべて抜けたとき、それは大人の階段を大きく上った瞬間であったと感じた。
その時点で自分の乳歯はほとんどが抜けて、残り数本となっていた。
僕はグラグラしている乳歯を確認したら、自分の力で抜こうとする派であった。歯医者で抜いたり、自然に抜けたこともあったけどね。
だからこの乳歯もグラグラしていたのを確認したその日から力ずくで、己の力で抜こうとしていたのだ。
だがこの乳歯、いくら指で押してもなかなか抜けることはなかった。
力でグイっと押しても、歯ぐきから出血するという代償が待っているだけ。血が出ないときもあったが。
母からも「グラグラしてるけどまだ抜ける準備の段階だから自然に抜けるか、もう少しぐらぐらが激しくなるか待ったほうがいい」と言われ、別の歯の虫歯の治療で歯医者に行った際に確認してもらった時も「しばらく様子見」といわれた。本来乳歯を力ずくで抜くってあまりよろしいことではないのだろうか。
だがそれでも、何とか力でその歯をねじ伏せようと考えていた。
毎日のように洗面台の前に立っては、その奥歯に指をあて、押しては抜けず、押しては抜けず…そんな日々が続いた。
残ってた他の乳歯も次々と抜けていく中、その奥歯はいくら押しても、いくら引っ張っても、抜けることはなかった。
それから1年が過ぎ、3年生となった周りのクラスメイトには「乳歯が全部抜けた」という子も現れ始めた。
気づけば僕の乳歯も、例の奥歯が最後の一本となっていった。
だがその奥歯はいくら引っ張っても抜けることがなかったのは変わりない。
それから時が過ぎて4年生の前半ごろ。
その日僕はまたも奥歯に指をあて、押していた。今度こそ抜くために。
いつものように力ずくでただただ押していく。今まではこの方法で夢破れてきた。だが他に方法はない。押してダメならひたすら押し続けるしかなかったのだ。
今回はただ血を流して終わりにはしたくない…しっかりと最後の乳歯という戦利品をつかみたいのだ。
約2年越しの勝利を信じて、僕はひたすら指で出せるだけの力で押し続けた。血も出始めたがこの戦いにはつきものだ。
もう押すしか道は残されてない。ただただ押し続けるのだ。また出血という代償だけで夢破れてしまうのは嫌だ。
だから押し続けるのだ。振り向くなリョーマ、押し続けることだけやり続けろ。最後の乳歯というラスボスを討ち取るまで…
そして推し始めてから数分後…血まみれになった歯ぐきから、ついにその白い物体は抜け、歯ぐきに別れを告げた。
一刀星リョーマ、約2年近く越しについに因縁のラスボス乳歯に勝利。長き戦いであった。もしかしたら「グラグラし始めてから抜けるまでに時間がかかった乳歯」としてギネスに登録できたほどであろうか。いや、そんなしょーもない記録ギネスは受け入れてくれないよなw
これにて僕の乳歯はすべて歯ぐきを去った。乳歯がすべて抜けたとき、それは大人の階段を大きく上った瞬間であったと感じた。
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